リンギは値上がりする、アクシコープ見通し

【クアラルンプール】 豪系金融サービスのアクシコープ・フィナンシャル・サービシズは、対米ドル相場でリンギは値上がりし、リンギ高を維持するとの見解だ。
主任ストラテジストのスティーブン・イネス氏はリンギ値上がり要因として、中央銀行バンク・ネガラ(BNM)が9月10日の金融政策会合で再利下げまたは金融緩和策をとる可能性を指摘した。
マレーシア国債の利回りはインフレを考慮した実質でプラスを維持しているが、米財務証券はマイナスで、リンギ需要を支えている。
リンギは7月、1米ドル=4.29リンギまで下がったが、3日は4.22リンギで、バンク・イスラム・マレーシアのモハマド・アフニザム主任エコノミストは、近い将来4.2リンギまで上がると予想している。
しかし4.25リンギとの年末予想は修正しないという。先行き不透明感から米ドル需要が再び高まる可能性があるためだ。
(マレーシアン・リザーブ、8月6日)

ホーワゲンティンと米企業、新型コロナ予防ワクチンの治験へ

【ペタリンジャヤ】 ホーワ・ゲンティンは6日、完全子会社のHWGBが米E-Moバイオロジー(EBI)との間で、新型コロナウイルス「Covid-19」感染対策としてのポリオワクチンの効果を検証するための臨床試験を協働で行うことで覚書を交わした。ワクチンの研究・開発、試験、登録、製造、商業化を行うために特許を出願する。ポリオなど他の感染症ワクチンについては、新型コロナに対する抑制効果も期待されている。
EBIは生物学の研究開発を行っている。6月に米国食品医薬品局(US FDA)に治験の申請を提出しており、承認待ちの段階だ。
ホーワ・ゲンティンは、契約の下でEBIに100万米ドルを投資する。商品化後は利益の40%がホーワ・ゲンティンに入ることになる。また東南アジアにおける新型コロナウイルスの感染を防ぐためのポリオワクチンを独占的に製造、流通、販売できるようになる。
ホーワ・ゲンティンのリム・オーイホン最高経営責任者(CEO)は、EBIと協働することで、ワクチンを近く供給できるようになると言明。商品化が成功することで売り上げへの貢献を見込んでいると述べた
(ザ・サン、8月7日)

第2四半期のGDP成長率は2桁のマイナスに、SERC予想

【ペタリンジャヤ】 社会経済調査センター(SERC)は、第2四半期の国内総生産(GDP)成長率は底を打ち、2桁のマイナスになるとの予想を示した。
リー・ヘングイエ専務理事は、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大を阻止するために国内外で行動制限令が実施されたことで、マレーシアでは今年第1四半期のGDP成長率は0.7%成長に減速したと言明。今年通年はマイナス3%となると予想しているが、第2四半期の成長に最も影響を及ぼしマイナス10%以上となることが見込まれるとして、今年通年の成長率については第2四半期の成長率に応じて修正する可能性があることを示唆した。
またリー氏は、マレーシアは開放経済であり、シンガポールや米国などでも経済の減速の兆しが出ており、外部の影響から免れることはできなかったと言明。ワクチンが開発され、早期に世界経済が回復すれば、マレーシアの経済成長の回復も確実なものとなるとの見解を示した
(エッジ、8月6日)

野党DAPのリム書記長を起訴、海底トンネルに関わる収賄で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 野党第一党・民主行動党(DAP)のリム・グアンエン書記長(前財務相)が7日、ペナン島と本土側を結ぶ海底トンネル事業(総事業費63億リンギ)に絡む収賄でクアラルンプール(KL)の初級裁判所に起訴された。
ペナン州首相時代に始まった同事業における業者選定に関して便宜を図った見返りとして、コンソーシアム・ゼニスの取締役に対して利益の10%を要求したとされ、「2009年マレーシア汚職摘発委員会(MACC)法」違反に問われている。有罪となれば20年以下の禁固及び収賄額の5倍または1万リンギのいずれか多い方の罰金が科される。リム氏側は無罪を主張。保釈金100万リンギを支払って保釈された。同日はリム氏の妻であるベティ・チュー氏も共犯として逮捕された。
リム氏はこれまでに数回にわたってMACCより任意出頭を求められており、6日には3件の汚職容疑で逮捕された。3件のうち2件については海底トンネル事業に関するもので、残り1件は2015年にペナン州における邸宅購入に関する職権濫用罪で、相場より大幅に安い280万リンギだったことが罪に問われた。邸宅を売却したとされる女性も逮捕されたとみられる。同案件では2016年6月に一度起訴されたが、2018年9月に高裁が無罪判決を言い渡していた。
DAPは7日に声明を発表し、リム氏が不正行為を行なったという証拠はなく不当逮捕だと主張。国民連盟(PN)政権による政治的迫害の始まりだと批判した。リム氏も「自身と党の名誉を傷つけようという政治的動機によるもの」と非難。裁判で戦っていく意向を示した。