第3四半期の為替相場、リンギが2.9%値上がり

【クアラルンプール】 リンギは第3四半期、対米ドル相場で2.9%値上がりした。非居住者による有価証券投資が買い越しだったことが主因だ。
中央銀行バンク・ネガラ(BNM)のノル・シャムシア総裁は経済統計発表会見で、各国が経済活動を再開し、また米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和を長期化させる姿勢を明確にしたことなどで投資家心理が改善した。このためほかの域内通貨も米ドルに対し値上がりした。
中国経済の堅調な回復や、国際通貨基金(IMF)が今年の世界経済の見通しを上方修正したことも好材料だという。
マレーシア有価証券市場では9月以降も外国人による買い越しが続いており,9月末との比較で11月12日のリンギは米ドルに対し0.6%値上がりした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月14日)

KLでの酒類販売ライセンス規定、来年10月より厳格化

【クアラルンプール】 クアラルンプール市政府(DBKL)は、アルコール飲料販売ライセンス申請条件及び販売ガイドラインを発表。来年10月1日付けで食料品店やコンビニエンスストア、中医薬局での高アルコール飲料(スピリッツ)の販売を薬用酒を除いて禁止すると明らかにした。

今月15日付けで発効した新ガイドラインによると、現行のアルコール飲料販売ライセンスの有効期限は来年9月30日までとなり、アルコール飲料を販売するすべての卸売店、バー、ラウンジ、飲食店、倉庫は来年10月以降の販売ライセンスを新たに取得する必要がある。事業所にはライセンスを表示し、入り口にQRコードを表示することが求められる。青は店内で飲めること、黄色は持ち帰りのみ可能であることを意味する。

バー、ラウンジ、飲食店では販売時間は原則午前10時から深夜零時までで、午前2時まで延長申請できる。また卸売店の販売時間は午前7時から深夜零時まで、来年9月末までの食料品店の販売時間は午前7時から午後9時までとする。プロモーション活動の現場では一時ライセンスを取得する必要がある。警察署、礼拝堂、学校、病院に面した場所でのアルコール飲料の販売は禁止となる。

このほか食料品店やコンビニエンスストア、中医薬局でビールを販売する場合、他のノンアルコール飲料と別の場所に置くことが求められる。販売時間についても午前7時から午後9時までとし、販売時間を過ぎたら施錠をする。また購入可能な年齢を18歳以上とする。

(星州日報、11月16日)

新型コロナ感染者は新たに1103人、KLで392人に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)16日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から1,103人増加し、4日連続で1千人を上回ったと発表した。アクティブ感染者数は1万2,601人で、累計感染者数は4万8,520人となった。

州・地域別の感染者数はクアラルンプール(KL)が最も多く392人となった。それに▽サバ州(288人)▽セランゴール州(151人)▽ペラ州(116人)▽ネグリ・センビラン州(90人)▽ペナン島(26人)▽ケダ州(10人)▽ラブアン(8人)▽ジョホール州(8人)▽クランタン州(7人)▽トレンガヌ州(4人)▽プトラジャヤ(1人)▽サラワク州(1人)▽マラッカ州(1人)ーーとなった。パハン、ペルリス2州はゼロだった。新たに821人が退院し、累計治癒者は3万5,606人だった。死者数は4人増えて累計313人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、州・地域ごとではこれまでサバ州が最も感染者数が多い状況が続いていたが、15日はKLが最多となった。KLのダマンレラにある建設現場で発生しているクラスターが原因で、セランゴール州でも感染者が出ており、感染者数は460人となった。

また同日、新たに3つのクラスターを確認した。サバ州のコタキナバルでは「プラザ・クラスター」、タワウでは「ジャラン・カラバカン・クラスター」が発生し、それぞれ11人、21人に陽性反応が出た。一方でジョホール州で発生した「ジェリ・クラスター」はコタ・ティンギ、メルシン、ムアルで26人の感染者を確認した。

トップグローブ宿舎をEMCOに指定、クラスター発生で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は16日、セランゴール州クランにあるゴム手袋世界最大手、トップ・グローブの従業員宿舎を17日から30日まで強化行動制限令(EMCO)に指定すると発表した。

EMCOに指定されたのはメルにある宿舎で、テラタイ・クラスターから拡大したとみられる。15日には新たに53人の感染者を出し、累計感染者数は215人に達している。

トップ・グローブの工場そのものは操業を続けているが、従業員と宿舎のスクリーニングが命じられたという。EMCO指定により従業員1万3,190人と地域住民1,200が影響を受けることになる。トップ・グローブはメルーに工場20カ所を有している。

一方、サバ州カンポン・マタンバイのケパヤン刑務所、ジョホール州ケンパスの保健省訓練所(ILKKM)は16日でEMCO指定が終了する。

■KLの一部でEMCO指定の可能性も■

サブリ上級相はまた、クアラルンプール(KL)で感染が今後も拡大を続けた場合について、一部地域を限定してEMCOに指定する可能性があると明らかにした。最終決定は保健省が下すという。

またCMCO指定を受けている州に属するグリーンゾーン地区について、地区や州を跨ぐグリーンゾーン間の移動を認める方向で国家安全委員会(NSC)が検討に入ったことを明らかにした。