【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ゴム手袋製造世界最大手のトップ・グローブは9日、新型コロナウイルス「Covid-19」クラスター発生により操業停止していたセランゴール州クランにある28工場が向こう2—3週間で完全復旧する見通しだと明らかにした。
リム・ウィーチャイ会長によると、第1段階として7工場がすでに8日から操業を再開しており、第2段階として週末までにさらに7工場を再開する。残り14工場は次の2週間で再開する計画だ。28工場の生産能力は全体の50%を占めており、4週間の閉鎖により4%の売り上げへの影響が見込まれている。
同社のクラン工場は労働者宿舎からクラスターが出たため強化行動制御命令(EMCO)に指定され、11月17日から段階的に操業がストップしていた。EMCOは当初11月30日に終了する予定だったが、さらに2週間延長され12月14日に終了する予定となっている。
12月8日までに従業員8,868人が感染テストを受け、このうち58%に当たる5,147人が陽性だった。陽性者の90%に当たる4,636人がすでに退院し、職場復帰できる常態となっている。よって陰性だった3,721人と合わせて、現時点で全従業員の94%に当たる8,357人が職場復帰の準備ができているという。
■9—11月期は純利が21倍に■
トップ・グローブは同社2021年度同社第1四半期(9—11月期)決算を発表、売り上げは前年同期比293.6%増の47億5,925万リンギ、純利益が21倍の24億519万リンギとなったと明らかにした。
同社は大幅業績アップの理由として、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大による販売量の増加、高い稼働率による生産効率アップ、平均販売価格(ASP)の上昇が影響したとしている。今後については、2021—2025年度の5年間に総額100億リンギの設備投資を計画しており、ゴム手袋を1,000億枚増産する計画だ。