トップグローブでソーシャルディスタンシング不順守との内部告発

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】世界最大のゴム手袋メーカー、トップ・グローブの社員だったネパール出身のユバラジュ・カドカ氏(27)が、工場の外ではソーシャルディスタンシングが守られてないとして内部告発し解雇される出来事があった。
カドカ氏は5月、夜間シフトに入る職員が検温の際、相互の距離が1メートル以下だったとして写真を2枚撮影した。
直接上司に苦情を申し立てたのでは解雇されると考え、ネパールの労働者権利団体に写真を送り、この団体が写しをトップ・グローブとマレーシア政府に送った。
監視カメラに残された画像から撮影したのがカドカ氏であることが分かり、会社は9月23日、同氏を解雇した。その約3カ月後、クランの工場と寄宿舎で労働者5,000人余りがウイルス検査で陽性反応を示し、一大クラスターとなった。労働者の94%は外国人。
保健省は5月に公表した調査報告で、トップ・グローブの予防対策は十分だが、ソーシャルディスタンシングで改善の余地があるとしていた。ロイターが報じた。

日本航空、利用者向けに感染サポートサービスを提供

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本航空クアラルンプール(KL)支店は、すべての国際線利用者に医療・宿泊手配に関する相談に応じるサービス、及び渡航時の新型コロナウイルス「Covid-19」陽性判定時に各種費用の補償が受けられる感染症サポート「JALコロナカバー」を期間限定で提供すると発表した。
「JALコロナカバー」はアリアンツトラベルと提携し、旅行中に新型コロナ感染症が陽性判定された場合にかかる医療費・検査費・隔離費用を補償するというもの。日本の航空会社では初めてのサービスとなる。対象搭乗期間は12月23日—2021年6月30日で、JAL運航便かつJAL便名に限り、第1区搭乗日から31日間が補償対象となる。

日本航空では現在、アジア・オセアニア地区より日本へ帰国する顧客(ファースト・ビジネスクラス)を対象に、「ハイヤーサービスご利用割引サポートキャンペーン」のほか、「JALファミリーサービス」(2020年11月16日から2021年5月31日搭乗分まで)を実施している。

ワクチン調達、国民の70%分の確保を首相が指示

【ジョホール州タンカク】 ムヒディン・ヤシン首相は13日、選出選挙区で開催されたディーパバリの祝祭行事に出席した際の記者会見で、新型コロナウイルス感染症「Covid-19」ワクチンの調達量を増やすようアダム・ババ保健相に指示したと明らかにした。
保健省は11月、国民の20%分に相当する1,280万回分のワクチンをファイザーから購入する仮契約を交わしており、COVAXからは同10%に相当する量を購入する。COVAXはワクチンを調達し、世界各国に公平に分配していくことを目指す国際的枠組み。
ムヒディン氏によると、ほかの国が自国民に必要な量以上のワクチンを購入する契約を結んでいるためマレーシアの調達量は30%にとどまっているが、調達量を増やすべきというのが保健省の意見で、これを考慮し、国民の60 70%が接種を受けられるだけの量の確保を目指す方針に変更したという。
ムヒディン氏は「ほかの国がしたのと同じ動きをとるだけ。またワクチン供給を急ぐよう製薬会社への要請を担当閣僚に指示した」と語った。
(ベルナマ通信、12月13日)

コロナ隔離期間、14日から10日に短縮=保健省

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は13日、海外からマレーシアに入国する際の隔離期間を14日付けでこれまでに14日から10日に短縮すると発表した。

現在の臨床科学報告と他国での隔離事情に基づいたもので、濃厚接触者など隔離センターや自宅で隔離を受けている人にも適用される。

ノール事務次官によると、英国、ドイツ、ベルギーではすでに隔離期間を14日から10日に短縮しており、フランスではさらに7日間に短縮している。最新の臨床科学的知見によると、隔離後に他者に感染させるリスクは隔離期間を通じて減少し、感染後の最初の週にピークに達することがわかったという。

■トップグローブ工場労働者宿舎のクラスターで初の死者■

セランゴール州クランの工場労働者の宿舎で大規模なクラスターが発生していたゴム手袋大手、トップ・グローブは、12日に初の死者がでたことを明らかにした。死亡したのはネパール人の保安係の29歳男性。トップ・グローブはクランに28工場があり、5,000人以上が陽性反応となった。

新型コロナの新規感染者数は1371人、セランゴールで532人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は14日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から1,371人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万3,830人で、累計感染者数は8万4,846人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最多で532人だった。それに▽サバ州(283人)▽ネグリ・センビラン州(260人)▽クアラルンプール(KL、124人)▽ペラ州(62人)▽ジョホール州(45人)▽ペナン島(31人)▽ラブアン(16人)▽トレンガヌ州(9人)▽ケダ州(5人) ▽クランタン州(2人)▽プトラジャヤ(1人)▽マラッカ州(1人)ーーが続いた。ペルリス州、パハン州、サラワク州はゼロだった。1,204人が退院し、累計治癒者は7万597人となった。死者数は4人増えて、累計で419人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は13日、新たに6つのクラスターを確認したと明らかにした。

ラブアンの「フジュン・パシル」クラスターで5人、セランゴール州とKLの「レスタリ」クラスターで31人、ジョホール州の「デサ・イダマン」クラスターで8人、パハン州の「クアラ」クラスターで26人に陽性反応が出た。ネグリ・センビラン州セレンバンにある建設現場である「リンブン」クラスターでは16人、セランゴール州の工場で12月7日に実施した集団検査で発覚した「タンジュン・スリア」クラスターでは31人の感染を確認した。