不動産市場の回復は22年になってから、ヘンリーブッチャー見通し

【ペタリンジャヤ】不動産業ヘンリー・ブッチャー・マレーシアのタン・チーメン最高執行責任者(COO)は市場調査報告の発表式で、今年の不動産市況は横ばいの見通しで、行動制限令(MCO)の再導入、緊急事態宣言が行われたため、回復は2022年になるとの見解を示した。
報告書によれば、持ち家支援キャンペーンが6月までのため不動産開発業者は住宅売り込みに力を入れる見通しだ。住宅デザインでは作業スペースなど在宅勤務を考慮した工夫を凝らすと思われるという。
オフィスビル、小売り施設とも営業不振によるテナントの撤退が予想され、明るい展望は開けない。ホテル、レジャー関連施設も好転は期待できない。
工業不動産も昨年は取引件数、額が前年を下回ったが、最も活気のあった部門だ。ゴム手袋製造への相次ぐ参入、電子商取引の増加による倉庫・物流施設需要の増加が背景にある。今年の市況は改善が見込めるという。
(エッジ、2月1日)

新型コロナの企業危機管理ランク、トップはペトロナス=調査

【クアラルンプール】 国際マーケティング会社の仏系イプソス(Ipsos)は、新型コロナウイルス「Covid-19」の危機管理に関する調査結果を発表した。危機管理ができていた企業・組織ランキングで、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)がトップとなった。
同調査は、マレーシア人4,000人を対象に100社以上の企業や組織について、2020年6−11月にかけて、対面で実施された。
危機的状況を最もよく管理した企業として、回答者の65%がペトロナスを挙げた。2位以下は▽マラヤン・バンキング(メイバンク、回答率62%)▽マクドナルド(60%)▽従業員積立基金(EPF、60%)▽プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア、59%)ーーとなった。
「オープンで正直な対応をしている」企業としてはメイバンクとポス・マレーシアがトップとなり、回答率は67%となった。「強い財務パフォーマンスがある」にはメイバンク(回答率71%)、「顧客を優先している」にはマクドナルド(67%)、「地域社会を支援している」にはEPF(67%)それぞれトップとなった。
一方で政府系企業(GLC)については49%が危機管理ができていたと回答し、政府規制当局(48%)や通信企業(42%)、金融機関(40%)、メディア(38%)を上回った。
(マレー・メイル、2月2日)

 

ワクチンの民間への供給、ファーマニアガが準備開始

【ペタリンジャヤ】新型コロナウイルス感染症のワクチン輸入を請け負う製薬のファーマニアガは政府の要請に応じ、民間セクターにワクチンを供給するための調査を開始した。
ファーマニアガは中国のシノバク・バイオテックのワクチン1,400万回分を購入し、保健省に納入する。ほかのワクチン輸入業者も全量を政府に納入することを求められている。
民間への供給では政府は、経済の最前線で働く政府系企業の社員、外国人駐在員、労働者への接種を優先するとの意向をファーマニアガに伝えており同社は綿密な調査が終わった段階で具体的計画を政府と話し合う。
ファーマニアガは4月から政府へのワクチン納入を開始し、10月までに全量を納入する。シノバクのワクチンは2 8度という通常の冷蔵庫の温度で保管できる。
(ザ・サン、2月3日)

新型コロナの感染者数は4284人、死亡者は18人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は3日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から4,284人増加したと発表した。アクティブ感染者数は4万8,309人で、累計感染者数は22万6,912人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,572人だった。それに▽ジョホール州(964人)▽クアラルンプール(KL、651人)▽サバ州(190人)▽サラワク州(148人)▽ネグリ・センビラン州(133人)▽ケダ州(124人)▽ペナン州(122人)▽ペラ州(106人)▽パハン州(66人)▽クランタン州(65人)▽トレンガヌ州(55人)▽マラッカ州(53人)▽ラブアン(21人)▽プトラジャヤ(14人)ーーが続いた。ペルリス州のみゼロだった。新たに3,804人が退院し、累計治癒者は17万7,794人となった。死者数は18人増えて、累計で809人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は2日、新たに7カ所のクラスターを確認した。6カ所が工場など職場に関連するクラスターで、1カ所はリスクの高い場所で起きたクラスターだった。

セランゴール州で2カ所ジョホール州とKL、パハン州、マラッカ州、ペラ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

これまでに確認されたクラスター数は838カ所。新たに4カ所のクラスターが収束し、現在継続中のクラスターは前日(401カ所)から増え404カ所となった。

経済の全面再開の方向で検討か、SOP厳格化の条件で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 サラワク州を除く全土に発令している行動制限令の第二弾(MCO2.0)が2月18日まで2週間再延長されることになったが、政府は経済面の影響を考慮し、より厳格な標準的運用手順(SOP)を遵守する条件ですべての経済活動の再開を認める方向で検討に入ったもようだ。

消息筋が英字紙「ザ・スター」及びシンガポールの「ストレーツ・タイムズ」に明かしたところによると、ヘアサロン・理容、小売店などこれまで再開が認められていなかった業種も含めて再開を認める方針。昨年3月のMCOより中小企業などに打撃を与えているとの指摘が業界団体から上がっていたという。

ただ別の情報筋によると、国家安全委員会(NSC)では全面的な経済再開の前提となる取り締り強化策に関する問題については、警察以外に自警団や国軍を動員するかといった問題を含めまだ議論されていないという。

またこれらとはまた別の情報筋は、営業条件について業種別に見直しが行なわれるとしており、感染クラスターの多くが「SOPの弛み」が原因だと報告されていることから、SOPを強化する方向だとしている。

新型コロナ感染拡大を受けて、連邦政府は昨年3月の発令以来となるMCOを今年1月13日より2週間の期間限定で再発令。国民生活への配慮から前回に比べると大幅に経済活動を認める内容となっていたが、その後も新規感染者数が高止まりしていたため2月4日まで延長していた。