グラブがワクチン接種を奨励、政府に協力し正しい情報を拡散

【クアラルンプール】配車サービスのグラブは進出している東南アジア各国で、新型コロナウイルスのワクチン接種を促進する活動を始めると発表した。配車サービスの運転手、デリバリー要員に対する全員接種を図り、サービス利用者にもアプリ上の情報提供を通じ接種を促す。
4日の声明でグラブは「ワクチンに関する誤った情報と戦い、ワクチンへの一般市民の信頼を高めるため、グラブは各国政府、保健当局と協力し、ワクチンに関する正確な情報や公衆衛生情報をアプリ上に掲示する」とした。
グラブの全従業員および運転手、デリバリー要員が22年末までに全員接種するよう図る。またワクチンの輸送で各国政府に協力する意向だという。
(ベルナマ通信、2月5日)

医療ひっ迫で感染者増加の恐れ、専門家見解

【クアラルンプール】新型コロナウイルス感染者の入院で医療システムはひっ迫しており自宅待機者に対する監視の強化が感染抑制に重要と専門家はみている。
科学技術革新省ワクチン諮問委員会のアワン・ブルギバ委員長は、保健省地域事務所に過度の負担がかかっている可能性があるとし、大学病院、医学校、軍の医務部などに支援を要請するのが望ましいとした。
自宅待機を命じられた患者の追跡では、腕輪式機器の装着など自動化システムの活用を要請した。保健省は現在、人手による確認作業を行っている。
マラッカ・マニパル医学校のジャヤクマル教授は、政府は感染検査センターを増設すべきとの意見だ。また患者に自由な行動を許容すれば濃厚接触者が感染し、知らず感染を拡大する恐れがあるとし、自宅待機者に対する電子タグの装着を提案した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月5日)

ソリューション、新型コロナのワクチン供給で政府と契約

【クアラルンプール】 エンジニアリングおよびバイオ医薬品事業を行うソリューション・グループは、中国の康希諾生物股分公司(カンシノ・バイオロジクス)および軍事医学研究院傘下の生物工程研究所(BIB)が共同開発した新型コロナウイルス「Covid-19」のワクチン350万回分の供給について、マレーシア政府との間で契約を締結した。
ソリューション・グループが4日にブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に提出した声明によると、同社の完全子会社であるソリューション・バイオロジクスは1月29日に保健省との間で契約を交わした。同契約によりソリューション・バイオロジクスは、350万回分のワクチン「Ad5─nCOV」を国に供給する。供給を行うには、4月までにワクチンの製品登録および市販許可を得ることが条件となっている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ロイター、2月4日)

MCO延長は経済に大打撃、シンクタンク首脳が批判

【ペタリンジャヤ】政府が行動制限令(MCO)の18日までの延長を決めたことについて、シンクタンク「センター・フォー・マーケット・エデュケーション」のフェルリト最高経営責任者(CEO)は「延長は経済回復の腰を折る行為。まず中小企業が影響を受け、大手企業にも波及する。経済は延長に耐えられない」と厳しく批判した。
フェルリト氏は国内のCovid-19の実際の感染状況に関する情報提供が不十分だと指摘。「ほかの国の例を見れば、ロックダウンが感染抑制に効果があったかは疑問だ。また患者数に焦点を合わせるのも誤解を招く。必須産業とそうでないものの区別は無意味。すべての事業が生活に必要だ」と述べた。
昨年の財政出動など経済対策について「金が天から降ってくることはない。財政赤字のつけは次の世代に回される。追加の財政出動は不要だ。全く異なる手法が必要だ」とパンデミックへの対処では指導者の交代が必要だとした。
格付け会社マレーシア・レーティングのエコノミスト、フィルダオス・ロスリ氏は、感染拡大の抑制措置と経済の両立は無理だとし、どちらかを優先すべきと述べた。
(ザ・サン、2月5日)

新型コロナの感染者数は3391人、セランゴールで1228人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は5日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から3,391人増加したと発表した。アクティブ感染者数は4万8,751人で、累計感染者数は23万4,874人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,228人だった。それに▽ジョホール州(598人)▽クアラルンプール(KL、395人)▽サバ州(196人)▽サラワク州(178人)▽ペナン州(149人)▽マラッカ州(141人)▽ネグリ・センビラン州(116人)▽ペラ州(92人)▽ケダ州(91人)▽トレンガヌ州(84人)▽クランタン州(58人)▽パハン州(51人)▽ラブアン(7人)▽プトラジャヤ(6人)▽ペルリス州ーーが続いた。新たに3,392人が退院し、累計治癒者は18万5,278人となった。死者数は19人増えて、累計で845人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は4日、新たに10カ所のクラスターを確認した。6カ所が工場、教育機関、宿舎など職場に関連するクラスターで、4カ所は集会などのコミュニティで発生したクラスターだった。
セランゴール州で3カ所(うち一つはKLでも感染者確認)のクラスターを確認。ジョホール州でも3カ所、パハン州で2カ所、ネグリ・センビラン州とサラワク州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。
これまでに確認されたクラスター数は861カ所。新たに1カ所のクラスターが収束し、現在継続中のクラスターは前日(412カ所)から増え421カ所となった。