ホテルイスタナ、8月いっぱいで営業停止

【クアラルンプール】 クアラルンプール(KL)にある5つ星ホテル「ホテル・イスタナ」が8月いっぱいで営業を停止する。6月30日付けでゼネラルマネジャー(GM)名義で従業員に通達があった。従業員には自主退職制度(VSS)が提示されている。
同ホテルは新型コロナウイルス「Covid-19」流行に伴う移動制限を受けて業績が悪化。最近では隔離施設として運営が続けられていたが、赤字が続いていたという。
GMのヌーラズディン・オマル氏は、「競争上の優位性は、新規および近隣のホテルやサービス付きアパートとの激しい競争に直面して低下していた」とした上で、新型コロナ禍の中にあって経営努力を続けていたがすべてのオプションを検討した結果、営業停止を決定したと説明した。
「ホテル・イスタナ」の創業は1992年で、客室数は486室。オーナーであるトレードウィンズは「イスタナ」に加え▽ムティアラ・ダマンサラ▽メルタス・ペランギ・ビーチ・リゾート(ランカウイ)▽ザ・ダナ・ランカウイ▽ヒルトン・ペタリンジャヤ▽ヒルトン・クチン▽ムティアラ・ジョホールバル——を所有しているが、ムティアラ・ジョホールバルは5月に営業を停止している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレー・メイル、7月1日)

日本と米国からの寄付ワクチンが到着

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、日本とアメリカからの寄付ワクチンについて、到着日を明らかにした。

7月1日に日本からアストラゼネカ製ワクチン100万回分が到着済みで、7月2日には米国からファイザー製ワクチン100万回分が到着する予定だ。日本は、マレーシア以外にもフィリピン、タイ、インドネシアにも同量のアストラゼネカ製ワクチンを寄付する。

ファイザー製ワクチンについては、12歳以上の未成年への接種計画が進められていたが、10代に心臓病の発症率が高いという副作用の報告を受け、未成年への接種について再検討を行なうという。

同時にカイリー氏は、デルタ変異株(インド株、B.1.617.2)に対するワクチンの有効性について懸念の声が上がっていることに対して、認可を受けているすべてのワクチンは程度の差はあっても変異株から身を守るのに有効であり、どのワクチンでも接種するよう国民に呼びかけた。

ワクチン接種率は引き続き増加中で、6月21—27日の接種数は、前週(6月14—20日)と比べて19%増加、6月24日には1日あたり接種数が26万8,604回という新記録を達成している。

州ごとにコロナ規制緩和できる仕組み、政府が検討

【クアラルンプール】 国家復興計画(NRP)において定められているロックダウン緩和基準について、イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は1日、全国一律ではなく州ごとに次のフェーズに移行できる仕組みに関する検討に入ったことを明らかにした。

サブリ氏は、国家安全委員会(NSC)が、感染者数を人口10万人当たりとするなど州に合わせた判断基準を検討していると言明。新型コロナウイルス「Covid-19」対策で成果を上げている州もそうでない州と一律に厳しい規制下におくことは不公平だと述べた。

第1フェーズから第2フェーズへの移行条件は▽全国の新規感染者数が1日平均4千人以下になること▽ICU稼働率を中程度に下げるなど公共衛生システムの危機的状況から脱すること▽総人口の10%のワクチン接種完了——となっている。第2フェーズでは、必需品・サービスに属さない製造・非製造業の11のセクターでの操業再開が認められることになっている。

ペルリス、クランタン、トレンガヌの3州について、近く国家復興計画(NRP)における第2フェーズに移行されるとの噂が浮上していることについて、サブリ氏は判断基準を検討している段階であり、まだ何も決定していないと言明。最終的には保健省もしくはNSCから発表があるだろうと述べた。

「アストロ・アワニ」が情報筋の話として報じたところによると、これら3州では第2フェーズ移行の3条件をすでに満たしていることから、ムヒディン•ヤシン首相に第2フェーズへの移行提案が提出されているという。

なお6月24日からの1週間の新規感染者数の推移はペルリス州が5人、0人、4人、0人、5人、0人、5人、クランタン州が135人、98人、103人、133人、101人、131人、159人、トレンガヌ州が29人、46人、29人、16人、23人、21人、20人——となっている。

(マレー・メイル、6月30日)

新型コロナの新規感染者数は6988人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は1日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が6,988人となったと発表した。アクティブ感染者数は6万4,129人で、累計感染者数は75万8,967人となった。
州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く2,885人だった。それに▽クアラルンプール(KL、988人)▽ネグリ・センビラン州(692人) ▽サラワク州(544人)▽マラッカ州(311人)▽ジョホール州(270人)▽ケダ州(250人)▽サバ州(232人)▽パハン州(195人)▽ペナン州(174人)▽ペラ州(149人)▽ラブアン(129人)▽クランタン州(108人)▽トレンガヌ州(50人)▽プトラジャヤ(10人)▽ペルリス州(1人)ーーが続いた。新たに4,929人が回復し、累計治癒者は68万2,680人となった。死者数は62人増えて、累計で5,170人となった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は6月30日、23カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。
職場で13カ所、コミュニティで8カ所、高齢者施設と教育機関でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。
州別では、セランゴール州とジョホール州が5カ所で最も多かった。またクランタン州、KL、サラワク州でそれぞれ3カ所、ペラ州、ペナン州、サバ州、パハン州でそれぞれ1カ所発生した。

新型コロナの1日あたり感染者、7月前半に6千人超が続く恐れ

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は、全国の新型コロナウイルス「Covid-19」感染者の基本再生産数(R0)が6月30日時点で1.05に上昇したと発表した。

同氏は、感染症流行の数理モデルである「SEIRモデル」をツイッターに投稿。感染者数が減少傾向から上昇に転じ、7月前半には1日あたり6千人超えが続く恐れがあることを示した。さらに、今後国民のコンプライアンス違反が続き、R0が1.2まで上昇した場合、新規感染者数は7千人の大台を突破する可能性があるという。 全国のR0値は、6月26日(0.97)以降、6月27日に0.99、6月28日に1.00、6月29日に1.04、6月30日に1.05と上昇を続けている。R0が最も高かったのはパハン州で1.19、それに▽プトラジャヤ(1.09)▽マラッカ州(1.09)▽ペラ州(1.08)▽クアラルンプール(1.07)▽ネグリ・センビラン州(1.06)▽セランゴール州(1.05)——が続いている。
6月30日の新規感染者数は6,276人で、2日連続で6千人台。新規感染者数が5日連続で回復者数を上回っているため、アクティブ感染者数も増加し、6万4,129人となっている。
現在の完全ロックダウンである国家復興計画第1フェーズから第2フェーズに移行するための指標は▽新規感染者数が1日平均4千人以下になること▽ICU稼働率を中程度に下げるなど公共衛生システムの危機的状況から脱すること▽総人口の10%のワクチン接種完了——となっている。
(エッジ、6月30日)