各地で33度超の異常高温、気象局が5月上旬まで続くと予想

【ペタリンジャヤ】 マレーシアでは一部地域で36度を超えるなど異常な高温が続いているが、マレーシア気象局は、5月上旬まで全国的に最高気温が33ー35度程度の暑い日が続くと予想している。

気象局が発表した4月25日から5月1日の予想最高気温は、ペルリス州が35度、クアラルンプール、ペラ州、クアンタン州、パハン州が34度、セランゴール州、マラッカ州、ネグリ・センビラン州、ジョホール州、トレンガヌ州、ペナン州、ケダ州、サバ州、サラワク州が33度。最低気温はサバ州では22度まで下がり、クアラルンプール、セランゴール州、ペルリス州、ネグリ・センビラン州、ジョホール州、マラッカ州で24度、その他の地域では23度となると予想されている。

マレーシア科学アカデミーのフレドリン・タンガン教授によると、今回の高温、乾燥気候は、熱帯赤道域上空で対流活動が活発な領域(大気循環場)が約1ー2か月かけて東に進んでいく現象「マッデン・ジュリアン振動(MJO)」による対流活動が原因である可能性が高いとし、このような気候は1ー2週間続くと予想。また対流活動により降雨量が増加するとし、特にマレー半島西部と首都圏クランバレーでは午後や夕方に雷雨に見舞われると予想した。

マラヤ大学の地理学科のシェーバ・チェノリ博士も同様の意見で、高温気候はマレーシアだけではなく、ラオスやタイ、ミャンマーでも起きていると指摘。同じくマラヤ大学の気象学者であるアジザン・アブ・サマ教授は、特にマレー半島北部地域で高温が続くと予想した。
(ザ・スター、4月26日)

昨年のオンライン詐欺は2.5万件、被害総額は約8.5億リンギ

【プトラジャヤ】 昨年のオンライン詐欺件数は2.5万件以上に上り、被害総額は約8.5億リンギに達した。

国家金融犯罪対策センター(NFCC)のムスタファ・アリ長官は、銀行口座の売買がオンライン犯罪の温床になっており、詐欺組織が口座を元の所有者から1口座あたり500リンギで買い取り、不正送金に利用していると指摘。短期間で口座から入金を引き出すため、追跡が難しいとした。フェイスブックやインスタグラム、ティックトックでのなりすまし、ワッツアップやテレグラムなどでの接触が行われるなど、SNSを悪用した詐欺も増えており、電話詐欺や偽サイト・偽アプリからの個人情報取得など、被害者の背景に関連した様々な手口での詐欺が横行しているという。

ムスタファ長官は、連邦政府は国際機関との協力強化や被害金の返還に向けた法律整備など、具体的な対策を講じており、2023年度予算案でも全国詐欺対策センター(NSRC)の運用助成金として1,000万リンギが割り当てられたと言明。オンライン詐欺撲滅のためには被害者を含む全当事者が共に対処しなくてはならないとし、被害を未然に防ぐため、教育機関で啓発キャンペーンを実施する必要があると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、4月24日、ベルナマ通信、4月23日)

KSLエスプラネードモール、5月31日にソフトオープン

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 不動産開発のKSLホールディングスの完全子会社、KSLシティ・マネジメントがセランゴール州クランで開発するショッピングモール「KSLエスプラネード・モール」が5月31日にソフトオープンする。

KSLが手がけるタウンシップ開発「KSLバンダル・ベスタリ」内にオープンするもので、ショッピングモールの面積は65万平方フィート。4階建てで、公園や、1万平方フィートのイベント・スペース、屋外ダイニング・テラス、子どもの遊び場も併設される。テナントにはファミリーマート、スター・グロサー、アルイクサン・スポーツ、スケッチャーズ、ミスターDIY、TGVシネマズ、スターバックス、ザ・コーヒー・ビーン・アンド・ティー・リーフ、ザ・チキン・ライス・ショップなどが入居しており、入居率は75%を達成している。

KSLホールディングスは、ジョホール州ジョホールバルに本社を置き、不動産開発・管理・投資を中核事業としており、ジョホールバルで「KSLシティ・モール」と「KSLホテル・アンド・リゾート」を所有・運営している。

日本の日用品、目新しく機能的なものが人気=ジェトロ調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所が、日用品販売店5社(うち日系は4社)を対象に実施した日用品市場調査によると、目新しくまた機能的な日本製品が人気という結果となった。

スーパーマーケット内で日用品を販売している日系デパートA社は厳選した商品約1,000品を販売し、インターナショナルブランドなど、認知度が高いブランドが人気だと回答。日系ドラッグストアと新たな商品展開をテストしており、柿渋やハトムギを使用したボディーソープや、マレーシアでは目新しいカプセルタイプの洗濯洗剤などを展開する方針で、認知度と目新しさが重要だとした。

中間層をターゲットにした日系デパートB社は、ライススタイルのトレンドに合わせ約5,000品を販売。カプセルタイプの洗濯洗剤が好調で、おむつは品質の良さから日本の大手消費財メーカーの製品が売れ筋で、コロナ後には男性用グルーミングセットとペットフード、特にキャットフードの需要が増加しており、新たなライフスタイル提案が重要だとした。

アッパー層をターゲットとしている日系専門店C社は売れ筋のみに集中し、約1,000品あった商品数を現在は200品に、今後は50品程度に絞り込む予定だ。機能性がありマレーシアで未販売のユニークな商品が人気だとした一方で、従業員教育をしっかりしないと説明できずに売れないため、調理器具などの食文化に関連する製品で、わかりやすく機能が訴求できるものは需要があるとした。

家具およびインテリア用品の日系D社は7,000品を扱う。寝具、ダイニング・キッチン用品が売れ筋で、マレーシアで売られていない商品が人気。商品はほぼ100%自社商品で、色・デザインなども日本で販売している商品のまま展開しているが、今後は現地に合わせた商品サイズ(ベッドシーツなど)の展開を検討しているとした。

低価格ショップの現地系E社は、豊富な商品量、イベントごとの商品展開、コストパフォーマンスで勝負しており、食料品を含め1万品を扱う。新商品の開拓は、主に中国の世界最大級の卸オンラインサイトを活用し、トレンドをSNSで調査している。美容用品やデザインが可愛い文房具、食品(ハラル認証必須)などの日本ブランドに興味があるものの、20リンギ以下で販売できないと厳しいと述べた。

出光興産、マレーシア子会社が「ISCC PLUS認証」を取得

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 出光興産(本社・東京都千代田区)は25日、子会社である出光SMマレーシア (所在地・ジョホール州パシルグダン、ISM) およびペトロケミカルズ・マレーシア(所在地・ジョホール州パシルグダン)が、スチレンモノマー (SM) およびポリスチレン(PS)の製造において、持続可能な製品の国際的な認証制度の一つである「ISCC PLUS認証」を取得したと発表した。

「SCC PLUS認証」は、バイオマスなどの持続可能な原材料を用いた製品のサプライチェーンを管理・担保する国際的な制度であり、マスバランス方式の採用が認められている。バイオマス製品の原料となるバイオマスナフサは、植物等の再生可能な原材料を由来とする原料から製造されることから、石油由来のナフサと比べてCO2排出量を削減することが可能だ。

出光はバイオマスナフサ由来の原料をISMへ供給し、ISMがISCC PLUS認証に基づいたマスバランス方式にてバイオマスSMを製造する。隣接するペトロケミカルズ・マレーシアは、ISMから供給されたバイオマスSMを原料としてバイオマスPSを製造する。これにより、日本からマレーシアにおけるスチレン系バイオマスプラスチックのサプライチェーンが完成するという。さらに、東南アジアにおける安定的なスチレン系バイオマス製品の供給に向け、同社子会社で石油・関連製品のトレーディングを行う出光インターナショナル(アジア)(所在地・シンガポール)および出光ケミカルズ東南アジア(所在地・シンガポール)のマーケティング力を活用し、多様なバイオマス原料の安定調達とバイオマス製品の製造・販売を行う。

出光は、発展著しい東南アジアにおいても、グループ各社が協力してバイオマスプラスチックのサプライチェーンを構築し、カーボンニュートラルと循環型社会の実現に向けて取り組む方針だ

テスラのマレーシア進出に高速充電器50基設置を義務づけ

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル投資貿易産業相は、電気自動車(EV)メーカーの米テスラのマレーシア進出条件には、2026年までに高速DC充電器「スーパーチャージャー」50基を設置することが含まれると明らかにした。

ザフルル大臣によると、50基のうち30%(15基)以上を他EVにも利用可能にし、マレーシア国内に本社機能やサービスセンターを設置することも求められる。「スーパーチャージャー」は、15分の充電で270キロメートルの航続を可能とする高速DC充電器。最大出力は250キロワット(kW)。全世界で4万5,000基以上が設置されており、東南アジアではシンガポールに9カ所とタイのバンコク周辺に3カ所設置されている。充電施設1カ所あたり3基程度の充電器が設置されるため、テスラがマレーシア国内に50基を設置するためには、充電施設を17カ所設ける必要があると見込まれる。19日時点で国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)のクリーンエネルギー子会社であるジェンタリが充電施設26カ所にDC充電器を設置している。

投資貿易産業省(MITI)は今年3月1日、米テスラに対し、バッテリー電気自動車(BEV)のマレーシアへの輸出および、マレーシアでの本社機能や充電設備網、サービスセンターの設置を承認したと明らかにした。
(ボルネオポスト、4月20日、ソヤチンチャウ、4月19日)

イオン(M)、コタバルで土地を1億6500万リンギで取得へ

【クアラルンプール】 イオン・カンパニー(M)は、クランタン州コタバルにある8.691ヘクタールの土地を1億6,500万リンギで取得する。

イオンがブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、リジズ・スタンダコ社との間で売買契約(SPA)を締結した。資金は内部資金で賄う。

イオンは土地を新たに取得する理由について、小売り事業における将来の事業展開を見据えたものであり、同社グループの企業戦略に沿ったものであると説明。土地の取得にはクランタン州政府や首相府経済企画局(EPU)の承認が必要だとした。買収手続きは5カ月以内に完了する見込みだという。
(エッジ、4月20日、イオン発表資料)

富士フイルムビジネスイノベーション、中小企業のDX化を支援

【クアラルンプール】 富士フイルムビジネスイノベーション(本社・東京都港区)はマレーシア中小企業(SME)の成長をサポートすることを目指している。

マレーシア事業を管轄する富士フイルムビジネスイノベーション・アジア・パシフィックのマーク・タン社長は、マレーシアの全企業のうちSMEが97.2%を占め、730万人に雇用を提供しているため、SMEがデジタル・トランスフォーメーション(DX)と先端技術を業務に取り入れることは重要だとし、同社製品・ソリューションには、SMEのワークスタイルやビジネス成長をサポートする機能が備わっていると述べた。同社製品は、環境に及ぼす影響の最小化や生物多様性を考慮した「グリーンバリュー製品」認証に準拠しているという。

富士フイルムビジネスイノベーションの旧社名は富士ゼロックス。主に日本およびアジア太平洋地域で複合機・プリンターなどのオフィス機器の研究開発や製造販売事業に携わっている。ソリューションや業務委託(BPO)などによる課題解決型のドキュメントサービスも提供し、企業のDX推進をサポートしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、4月24日)

イスラム党支配の3州が6月にも解散へ、7月に6州同時選挙か

【クアラルンプール】 イスラム原理主義政党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)のモハマド・アマル・ニック・アブドラ党首補(クランタン州副首相)は23日、PASが政権を掌握している▽クランタン▽トレンガヌ▽ケダーーの3州について6月末に州議会を解散する考えを示した。

アマル・ニック・アブドラ氏は、希望同盟(PH)が政権を握る▽セランゴール▽ペナン▽ネグリ・センビランーーの3州も6月に州議会を解散することで同意していると報告を受けていると述べ、これにより7月に6州で同時選挙が行われる可能性が高くなったと述べた。

同氏は「クランタン州に関しては6月下旬の解散を既に決定している。他の5州も段階的に解散すると聞いていたが6月に解散することになるだろう」と述べた。

セランゴール州のアミルディン・シャリ州首相は今年2月、今年半ばで任期が切れる6州が6月末の解散を検討する方向で合意に達したことを明らかにしていた。連邦憲法によると、選挙は議会解散から60日以内に行わなければならないことになっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、4月24日、フリー・マレーシア・トゥデー、4月23日)

Z世代にユニクロが人気、インスタグラムで情報収集=ジェトロ調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は、マレー系・中華系マレーシア人のZ世代(10ー20代)を対象に、日常の購買活動について、アンケートを実施した。

好きなブランドは、「ユニクロ」(中華系24%、マレー系5%)がトップ。国産ブランドの「パディーニ」(12%、10%)、スウェーデンの「H&M」(4%、15%)も人気で、日本のブランドからは「ファミリーマート」や「無印良品」の名前も挙がった。ブランドが好きな理由は、「品質の良さ」が80%、「価格」が66%となった。

購買方法は、60%が「オフライン(店舗)」、40%が「オンライン」と回答。購入を決定する際の一番の決定要因は、「価格と品質のバランス」(中華系92%、マレー系80%)が最多で、「割引やセールが行われていること」(中華系28%、マレー系35%)が続いた。

よく使用するSNSは、インスタグラムがトップ(中華系の76%、マレー系の65%)で、ユーチューブ(中華系64%、マレー系55%)、ティックトック(52%、65%)が続いた。「買い物習慣にテクノロジーやSNSは良い影響を与える」と回答した人は中華系で68%、マレー系で75%、「購買決定プロセスにオンラインプラットフォームやアプリを使用する」とした人は中華系で88%、マレー系で85%だった。

ジェトロは、購買決定プロセスにおいてなんらかのオンライン情報やSNSを使用する人が8割に上るなど、オンラインがより身近なZ世代の購買行動が明らかになる結果となった一方で、同じZ世代と言っても民族ごとに使用SNSの傾向が異なり、情報収集ツールも様々で、マレーシア市場を目指す場合は民族ターゲットを明確化することは重要であるとして、マーケティング手法を検討することが重要だとした。

調査は、2023年1月19日ー2月11日にクアラルンプールおよびペナンにキャンパスのある総合大学4校の学生を対象にオンラインで実施し、50人から回答を得た。