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【総点検・マレーシア経済】第556回:8月の台湾からの輸入が急増。要因は?

第556回:8月の台湾からの輸入が急増。要因は?

9月18日、統計局はマレーシアの8月の貿易統計を発表しました。輸出額は前年同月比45.5%増、特に米国向けの輸出は130.4%増の375億リンギに達し、AIブームは衰え知らずとなっています。

一方で、注目されるのは輸入です。8月のマレーシアの輸入額は41.1%増となり、中国からの輸入が61.3%増、シンガポールからの輸入は59.1%増となりましたが、特筆すべきは台湾からの輸入が68.9%増(図参照)となりシンガポールを抜いて国別で2位になったことです。

台湾からの輸入は、2010年代までは中国、シンガポール、日本、米国に次ぐ5位グループでしたが、2010年代後半から増加し、ここ数年で上位3カ国に入るようになりました。

表は2026年8月のマレーシアの台湾からの輸入をHSコード10桁でみたものです。急増しているのは1位のメモリIC、3位のGPUモジュール等で、いずれも前年同月比5倍以上になっています。AIブームの輸入側への影響がここに現れています。

 

同時に、6位のサーバー等も20倍以上に増加しています。これは、マレーシア国内でのデータセンター建設ブームに対応していると考えられます。

近年、インテルの米国での前工程の微細化が停滞したことで、TSMCへのコンピュートチップ前工程の生産委託が本格化しました。これにより、台湾=前工程、マレーシア=後工程という協業が深まっています。

インテルはペナンの新拠点で、EMIB(Embedded Multi-die Interconnect Bridge)と呼ばれる先端パッケージング技術を2026年下半期に導入する予定です。GoogleやAmazonなどがAIチップの前工程をTSMCに、後工程をインテルに委託することが報道されていますが、ペナンも先端後工程の一翼を担うと考えられ、2027年以降はこうした分業によっても、マレーシアの台湾からの半導体の輸入は増加する見込みです。

熊谷 聡(くまがい さとる) Malaysian Institute of Economic Research客員研究員/日本貿易振興機構・アジア経済研究所主任調査研究員。専門はマレーシア経済/国際経済学。 【この記事のお問い合わせは】E-mail:satoru_kumagai★ide.go.jp(★を@に変更ください) アジア経済研究所 URL: http://www.ide.go.jp
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