MRT3号線着工は2027年になる見込み

【クアラルンプール】 首都圏大量高速輸送(MRT)環状線(3号線)の建設プロジェクトは用地買収手続きに時間がかかるため、着工は2027年になる可能性が出てきた。開発の推進母体であるMRTコープのザリフ・ハシム最高経営責任者(CEO)の話として国営ベルナマ通信が伝えた。

現在進められている公共検査が12月2日まで行われる予定で、その後、路線を確定し土地取得プロセスを開始する流れとなるという。用地買収手続きには最長で24カ月かかる見通しで、予定期間は2026年まで延長されるとみられる。

計画案によると、MRT環状線の全長は51キロメートル(km)で、地上部分が39km、地下部分が12km 、合計32の駅が設置される。うち10駅で既存のMRT、軽便鉄道(LRT)、マレーシア国鉄(KTMB)、KLモノレール駅と接続する。32駅のうち25駅が高架駅で、7駅が地下駅となる。

輸送能力は内回りと外回りでそれぞれ1時間当たり2万5,000人。各列車の乗車定員は750人で、73分で一周する。ピーク時には4分間隔、オフピーク時には7分間隔で運行される。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、11月18日)

ユーロ5基準のガソリンを来年9月導入=天然資源相

【クアラルンプール】 EU(欧州連合)の排ガス規制「ユーロ5」に対応したガソリンが来年9月までに導入される。マレー語紙「ウトゥサン・マレーシア」が、ニック・ナズミ天然資源・環境持続可能性相の13日の講演での発言として報じた。2027年までに完全に切り替えられるという。

導入は、2015年の環境品質規制に基づくもの。ディーゼル燃料については、すでに2021年に導入済みだが、レギュラーガソリンRON95とハイオクガソリンRON97については2025年9月を目標としてきた。ユーロ5基準のガソリンは、現在の基準と比較して硫黄含有量が少なく、大気汚染を大幅に削減すると期待されている。

ニック・ナズミ大臣は「ユーロ5ガソリンの導入は持続可能な社会に向けた解決策。業界関係者と緊密に協力し、スムーズな移行を促進していきたい」と語った。
(ポールタン、マレー・メイル、11月14日)

クリムハイテクパーク、2期開発で面積倍増を計画

【クアラルンプール】 1996年にマレーシア初のハイテクパークとして開設されたケダ州クリム・ハイテクパーク(KHTP)で2期開発として、現在の総面積5,557エーカーを、1万2,000エーカーに倍増させる計画が進められている。

1期では、これまでに工業用地2,161エーカーが4つのフェーズに分け開発され、半導体大手の米インテルを皮切りに、すべて入居済みだ。現在は4Aフェーズとして247エーカー、10区画の整備工事が進められている。この用地も2025年までには埋まる見込みで、早ければ2026年には稼働するとみられる。

KHTPはケダ州開発公社の完全子会社クリム・テクノロジー・パーク(KTPC)が開発・運営を担当。工業用地以外に、レクリエーションや研究開発、トレーニングなどの施設や、住宅、公共機関などの用地も備える。

1996年の開設当初は、年数社程度の投資しかなかったが、2021年の投資額は655億リンギを記録するなど近年は好調を維持。投資額(認可ベース)は2022年が108億リンギ、2023年201億リンギ、2024年上半期は303億リンギに達している。

2期開発はこうした状況を受けたもので、2016年には州政府が2,800ヘクタール(7,000エーカー)の土地を特定したと報じられた。経済紙「エッジ」は今年3月、アブラヤシ農園事業を手掛けるブーステッド・プランテーションズが、総額4億リンギで1,200エーカーの土地の売却交渉を進めていると報じた。

拡張計画についてKTPCのモハマド・サヒル最高経営責任者(CEO)は、「詳細はまだ明らかにできないが、KHTP隣接エリアに限らず、拡張に向けて複数の場所を検討中」と述べるにとどまった。課題となる資金調達については、アンワル・イブラヒム首相が2025年度予算で、KHTP拡張への資金割り当てを提案している。
(エッジ、11月13日)

年初10カ月のベストセラー車はプロドゥア「ベザ」

【クアラルンプール】 道路交通局(JPJ)の最新登録データによると、2024年年初10カ月で最も売れている車種は、ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)の「ベザ」(販売台数:8万1,946台)となった。自動車情報サイト、ポールタンによると配車サービス用として人気があるという。

トップ10車種のうち半数の5車種をプロドゥアが占めた。「ベザ」以外では、「アジア」(7万3,185台)、「マイヴィ」(5万9,736台)が2、3位に入り、「アルザ」(3万5,841台)が5位、「アティバ」(3万355台)が6位に入った。

プロトン・ホールディングスは「サガ」(5万8,455台)の4位が最高で、パートナーである中国・吉利汽車のリバッジモデルは「X50」(1万8,513台)の10位が最高で、「X70」などはランク外だった。

非国産車ではトヨタ「ヴィオス」(2万2,905台)が7位となり、非国産車でトップ。「ハイラックス」(1万9,917台)は9位(非国産車3位)に入った。ホンダは「シティ」(2万2,757台、ハッチバック含む)が8位(非国産車2位)に入った。

非国産車では11位までを日本車が占め、12位にようやく中国・奇瑞汽車(チェリー)の「欧萌達(オモダ)5」(6,784台)が入った。

政府が力を入れている電気自動車(EV)だが、年初10カ月の販売台数は1万7,403台。中国BYD(比亜迪汽車)の「アット3」(2,559台)がトップで、同社の「シール」(2,534台)も2位に入ったが、全体では20位にも入っていない。
(ポールタン、11月12日、ソヤチンチャウ、11月10日)

プロトン組立工場がエジプトに開設、アンワル首相が訪問

【カイロ】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスが、エジプト・カイロのギザに左ハンドル車組立工場を開設し、同国を公式訪問中のアンワル・イブラヒム首相が12日に行われた開所式に出席した。同工場を近隣諸国向け左ハンドル車の製造センターと位置づける。

12月からAセグメントセダン「サガ」の完全ノックダウン(CKD)生産を開始する。2026年までに左ハンドル車1万6,000台、価値にして5億7,000万リンギ相当を生産する予定。スペアパーツの販売でも2,000万リンギの売り上げを見込んでいる。
プロトンのサイド・ファイサル・アルバール会長は、「ギザの地域組立センターは同社の左ハンドルモデルにとって海外初のセンターとなる。中期的にはエジプトを北アフリカ地域の主要拠点にする予定だ」と述べた。

アンワル首相は「プロトンは単なる自動車会社ではなくマレーシアの誇りであり、国のアイデンティティの一部でもある」と言明。エジプト地元産業の発展にとっても極めて重要だと述べた。

アンワル首相は10日から4日間の日程でエジプトを訪問しており、モハマド・ハサン外相、テンク・ザフルル投資貿易産業相らが随行している。10日にはシシ大統領と会談し、同大統領にBRICS(ブリックス)の正式メンバー入りへの支援に感謝したほか、両国間の戦略的パートナーシップ強化に関して意見を交換した。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、11月12日)

宅配の香港系ララムーブ、配車サービスに参入

【クアラルンプール】 オンデマンド配送サービスの香港系ララムーブは、マレーシアで自社「ララムーブ」アプリを使った配車サービスに参入する。先ごろ同社のブログとソーシャルメディアで新サービス「ララムーブ・ライド」の開始を発表した。

「ララムーブ」アプリ上の「ライド(乗車)」をタップすると、配車サービスにアクセスできる。目的地と乗車場所・時間を入力する。支払いはアプリ内のウォレットまたは現金で行うことができる。予約が確定すると、乗車状況をリアルタイムで追跡できるようになる。操作手順や機能はグラブなどの競合他社とほぼ変わらないが、現時点ではサービスエリアは首都圏クランバレーに限定されている

配車サービスについては先ごろ欧州エストニア発祥の配車サービス「Bolt」が、首都圏での参入を発表していた。マレーシアでは現在34の配車サービスが営業登録を受けている。
(ザ・スター電子版、ローヤット・ドット・ネット、マレー・メイル、11月12日)

ペナン軽便鉄道、2025年初頭に着工予定=運輸相

【バターワース】 ペナンで計画されている軽便鉄道(LRT)ムティアラ線について、アンソニー・ローク運輸相は2025年初頭に工事開始予定だと明らかにした。いくつかの解決すべき問題について元請業者と協議を行っており、最終的に財務省の承認を得てから開始することになるという。

メディアが年内にも着工にもされると報じたことについてローク氏は、「必要なプロセスがすべて今年末までに完了することを期待する」と述べた上で、プロジェクトを州政府から連邦政府が受け継いだために新たな手続きが必要になったと指摘。「元請業者に変更はないが、ルートや計画に変更があり、詳細な費用計算、建設費に関してもすべて再協議して最終決定する必要があった」と着工が遅れている理由を説明した。

第1フェーズはペナン国際空港(PIA)からコムタ(ペナン州政府合同庁舎ビル)までの区間で、プロジェクト実施機関であるMRTコープと、元請業者のSRSコンソーシアムが詳細に向けて協議を行っている

第2フェーズは海峡を超えて本土側バターワースのペナン・セントラルまで接続する区間で、アンワル・イブラヒム首相の指示により実現した。

第1、2フェーズを合わせた全長は約29キロメートルで、2030年までの運行開始が予定されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、11月11日)

首都圏の鉄道・バス乗り放題のMYツーリストパス発売

【クアラルンプール】 公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアは10日、首都圏クランバレーを訪れる国内外の観光客向けに、鉄道・バスが最大で3日間乗り放題になる「MYツーリストパス」を発売した。

乗り放題になるのは、軽便鉄道(LRT)、大量高速輸送(MRT)、モノレール、ラピッドKLバス、高速バス(BRT)、MRTフィーダーバス。ムルデカ広場周辺やペトロナス・ツインタワー、KLタワー、サンウェイ・ラグーンなど主要な文化・商業地区をなど巡りやすくなるだけでなく、それらの観光スポット、ショッピングセンター、飲食店で割引などの特典を受けることができる。

パスは1日、2日間、3日間の3種類があり、料金は外国人がそれぞれ40、60、80リンギ、マレーシア人はそれぞれ20、30、40リンギ。ただし12月9日まで特別キャンペーンとして外国人はそれぞれ35、50、65リンギ、マレーシア人は15、25、35リンギで購入できる。主要駅で販売される。

来年の東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議、続く2026年の「ビジット・マレーシア・イヤー」(マレーシア観光年)を意識した取り組みで、発売記念式典に出席したファディラ・ユソフ副首相は「このような取り組みを通じ、より多くの観光客がマレーシアに訪れるよう支援していきたい」と話した。
(ベルナマ通信、ポールタン、プラサラナ・マレーシア発表資料、11月10日)

トランプ前大統領返り咲きはリンギ安に、銀行関係者見通し

【クアラルンプール】 ドナルド・トランプ氏が次期米国大統領に決まったことは短期的にリンギ安をもたらすと銀行関係者はみている。米国が輸入品に高率の関税を課せば物価上昇圧力になり、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げのペースをゆるめる可能性があるからで、米国とマレーシアとの金利差が縮まらず、強いドルとの流れが予想されるからだ。

ホンリョン・インベストメント・バンクは関税以外にトランプ氏の移民政策にも言及。労働力が縮小し労働者の取り合いになり、賃金上昇、物価高を招くとした。ホンリョンは年末の相場を1米ドル=4.05-4.50リンギから4.50-4.58リンギに修正した。

シンガポール大手行OCBCのクリストファー・ウォン氏によれば、ドル高と高関税への懸念がすでに相場に影響しており、米ドルに対しリンギは8月以降の最低に値下がりした。しかしウォン氏は「トランプ氏が掲げた関税政策が実施までどのくらいの期間がかかるか、本当に実施されるのかはわからない」と述べた。
(ビジネス・トゥデー、11月8日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、11月7日)

バティックエアとフライドバイ、インターライン契約を締結

【クアラルンプール】 バティック・エア・マレーシアとフライドバイ(アラブ首長国連邦=UAE)は8日、インターライン契約を締結した。インターライン契約を結ぶと、両社のネットワークが拡大するだけでなく、予約は一度で済むほか、相互の便を乗り継ぐ際に再度チェックインする必要がなくなり、乗客の預け荷物もスルーで目的地まで運ぶことができるようになる

インターライン契約に基づき、バティック・エアは、アフリカ、南ヨーロッパと中央ヨーロッパ、中東、コーカサス地域などフライドバイのネットワークの38の目的地にアクセスできるようになる。これによりバティック・エアのネットワークはエンテベ、イスタンブール、ベルガモ、ザグレブなどに拡大する。

フライドバイの乗客は、クアラルンプール新国際空港(KLCC)経由でバティック・エアのネットワークの40以上の目的地にアクセスできるようになる。これによりフライドバイのネットワークは、ハノイ、香港、ジャカルタ、大阪、シドニーなどに拡大する。
(エアロタイム、エッジ、ベルナマ通信、11月8日)