越境EC出店予定、マレーシアは東南アジア4位=調査

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 電子商取引(EC)プラットフォーム「ショッピー」の日本法人であるショッピージャパン(本社・東京都港区)は23日、東南アジアへの越境ECに関する意識調査の結果を発表した。

2024年7月5日―8日、東南アジアへの越境ECを検討している企業の経営者・役員525人を対象に、インターネット調査を行った。

国別では、ベトナムへの出店予定が最も多く、41.0%を占めた。次いで、シンガポール(38.1%)、タイ(35.8%)、マレーシア(31.8%)が続いた。出店国を選ぶ際に重視するポイントとしては、「経済成長率の大きさ」が43.8%、「EC市場規模の大きさ」が36.0%、「ECサイトの利用率の高さ」が34.3%となった。
マレーシアに出店予定という回答者(167人)にその理由を尋ねたところ、「インターネットの普及率が高くEC利用率が高いから」(57.5%)、「EC市場の拡大が著しいから」(55.7%)、「販売に英語を使用することができ、言語障壁が低いから」(46.1%)という回答が多くを占めた。

ショッピージャパンは、東南アジアの中でも、ベトナムやタイなど、成長性や日本製品に対する信頼が高い国々が注目されているとし、東南アジアは若年人口も多く、今後も高い成長を遂げることが予想されている地域であり、東南アジア市場に進出することは、日本企業にとって大きなビジネスチャンスになりうるとしている。

2021年以降のデジタル投資額は1620億リンギ=投資貿易相

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル投資貿易産業相は18日、2021年―2024年第1四半期のデジタル投資(承認ベース)の総額は1,620億リンギで、その76%(1,235億リンギ)をデータセンターが占めたと明らかにした。デジタル投資により、4万9,108人の高技能職の雇用機会を創出すると想定されている。

1,620億リンギ中、 海外からの投資は1,270億リンギ、国内投資は349億リンギだった。年別では、2021年は34億リンギ、2022年は808億リンギ、2023年は605億リンギと推移しており、直近の2024年第1四半期は173億リンギとなった。
2023年の投資総額は3,295億リンギで、海外からの投資は1,884億リンギ、国内投資は1,411億リンギだった。

ザフルル大臣は、今年の国内総生産(GDP)成長率が4.0―5.0%と予想されていることから、今年の投資成長率予想も5.0%、額にして3,459億リンギに据え置くと述べた。経済成長の主要推進力となるのは、サービス業に加え、デジタル経済とグリーン経済部門であるとしている。デジタル経済のGDPに占める割合は、2024年第2四半期時点で、以前の目標だった22.6%を上回る23%にまで達しており、25.5%にまで目標を引き上げたという。
(ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、7月18日)

メーカー別販売台数、上半期はプロドゥアがトップ維持

【クアラルンプール】 マレーシア自動車協会(MAA)の発表によると、2024年上半期(1―6月)のメーカー別新車販売台数はダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)が前年同期比17.4%増の16万9,849台でトップを維持した。

プロドゥアの市場シェアは前年同期の39.5%を4ポイント上回る43.5%となった。2位はプロトン・ホールディングスの7万2,088台で、5.2%の減少。シェアも20.8%から18.5%に下がった。

3位はトヨタの4万5,962台で、前年同期比4.5%減。シェアは13.1%から11.8%に下がった。4位はホンダの3万9,226台で、16.3%の大幅増。シェアは9.2%から10.1%に上昇した。

5位はマツダの8,389台で、12.0%減。シェアは2.6%から2.1%に下降したが、前年同期の6位から三菱を抜いて5位に浮上した。6位は前年同期5位の三菱で、販売台数は8,265台となり、30.0%の減少。シェアは3.2%から2.1%に下がった。
(ポールタン、7月16日)

ハラル製品輸出、25年には650億リンギに=MATRADE

【クアラルンプール】 マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)によると、マレーシアのハラル(イスラムの戒律に則った)製品輸出額が2023年の540億リンギから、2025年には650億リンギに拡大する見通しだ。

英字紙「ザ・サン」のインタビューに対しMATRADEのアブ・バカル・ユソフ輸出促進担当副最高責任者(CEO)は、「世界のハラル製品市場規模は2030年までに5兆米ドル(23.3兆リンギ)に達すると予想されている。昨年のハラル市場規模は3兆米ドルだった。マレーシアがこの成長機会を生かす余地は大いにある」と言明。 「イスラム開発局(JAKIM)のハラル認証が国際ビジネス界で高く評価されているため、マレーシアは有利な立場にある」と述べた。

またアブ・バカル氏は、マレーシアが世界のハラル市場で強みを持つのは、イノベーション、研究開発の取り組み、国際パートナーとの連携によるものだと指摘。「現在、MATRADEは国内消費者だけでなく世界市場にも対応する、高付加価値食品・飲料(F&B)業界に重点を置いている」と述べ、高付加価値のF&B製品は従来の製品に比べて大幅に変化しており、先進技術を採用し、綿密な研究や品質管理も行われていると述べた。

マレーシアのハラル製品輸出の成功例にはドリアンやツバメの巣などがあり、中国が主要な消費者市場として台頭している。 マレーシアにはハラル認証を受けた企業が約1万社あり、食品・飲料部門が多くを占めている。

またマレーシアのハラル製品輸出は、中東、欧州、アジアの国々からの需要が高まっている、医薬品や化粧品などの分野でも伸びており、ハラル加工食品の輸出額は昨年300億リンギだったが、非食品も240億リンギに上ったという。
(ザ・サン、7月16日)

充電ステーション設置数が直近の四半期で12.5%増

【イポー】 テンク・ザフルル投資貿易産業相は、電気自動車(EV)の充電ステーションの設置数が、第1四半期に比べてここ2、3カ月で12.5%増加していると公表。政府が取り組んでいる充電ステーション設置プロセスにおける官僚主義的手続きの撤廃が奏功したと強調した。

ザフルル氏は、以前は承認にエネルギー委員会、地方自治体、消防局など複数の省庁・機関が関与していたが、ファディラ・ユソフ副首相が議長を務める会議により、ワンストップセンターが設置されプロセスが合理化されたと指摘。「全国にEV充電ステーションを1万カ所設置する」という目標を維持しており、直流(DC)急速充電ユニットの目標を今年1,000カ所から1,500カ所に引き上げたと述べ、「DC充電器は設置コストが高いが、国民の需要が高いため不可欠だ」と強調した。

2020年に発表された「低炭素モビリティ行動計画2021―2030」では、2025年までに交流(AC)充電器9,000基、DC充電器1,000基、合計1万基のEV充電器を設置することを目指している。投資貿易産業省によると、6月25日時点でラブアンを除く全国で2,585基のEV充電器が設置されている。

(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、7月13日)

マレーシア、世界の人気観光地ランキングで14位に

【クアラルンプール】 マレーシアは、2024年版「世界の人気観光地ランキング」で14位にランクアップした。前年は15位だった。

世界観光機関(WTO)が収集した国際線到着者数データをもとに米データパンダスが公開したランキングによると、マレーシアを訪れた観光客数は2,610万人で、前年の2,014万人から大幅に増加した。

東南アジアでは、タイが3,980万人で8位となった。ベトナムは21位(1,800万人)、インドネシアは27位(1,550万人)、シンガポールは28位(1,510万人)だった。

1位はフランスで、観光客数は8,940万人。次いで、スペイン(8,370万人)、米国(7,930万人)が続いた。日本は3,230万人で11位だった。
(ザ・スター電子版、ワールドオブバズ、7月2日、データパンダス発表資料)

マレーシアのソブリン格付け、フィッチが維持

【クアラルンプール】 格付け会社のフィッチ・レーティングスはマレーシアのソブリン格付けをトリプルBプラスで維持した。長期的格付けが中期的にどの方向に動きそうかを示すアウトルックも「安定的」を維持した。格付けはトリプルAからトリプルBまでが投資適格とされる。

アジア太平洋諸国のソブリン格付けに関するオンラインセミナーでフィッチ域内幹部のキャスリーン・チェン氏は、マレーシア経済・輸出の多様性、強固な中期的成長見通し、経常黒字を判断の根拠に挙げた。

製造業への持続的投資、外需の回復が製造業生産と輸出を押し上げる。製造業は競争力があり、世界的なサプライチェーン多極化の恩恵を受けるという。
チェン氏は、政府債務の対GDP比での縮小に見られるような国家財政の改善は格上げ要因になると指摘した。

近い将来の財政改善は、現在進行中の補助金合理化がけん引するという。チェン氏は、補助金のための支出は引き続き減少するが、節約分の一部は低所得層への現金交付に配分されると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、6月28日、エッジ、6月27日)

2023年のサービス貿易総額は4,332億リンギ=統計局

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局の発表によると、2023年のサービス貿易総額は4,332億リンギとなり、国内総生産(GDP)の23.8%を占めた。

サービス輸出額は前年比37.9%増の1,950億リンギ、輸入額は19.3%増の2,382億リンギ。輸出の伸びが輸入を上回ったため、赤字額は432億リンギとなり、前年の582億リンギから改善した。

産業別では旅行業が輸出・輸入ともにトップで、それぞれ680億リンギ、623億リンギとなり、3年連続の赤字から黒字に転換した。ただしパンデミック前水準にはまだ達していない。

輸出先ではシンガポール(553億リンギ)、米国(366億リンギ)、中国(129億リンギ)が上位を占めた。輸入先では米国がトップの761億リンギで、次いでシンガポールの413億リンギ、英国の133億リンギが続いた。

統計局は、マレーシアの2023年のサービス貿易実績は、世界的な傾向と同様、著しい成長を示しているとしている。

マレーシア人訪日者数、5月は16.5%増の3万9600人

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2024年4月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は3万9,600人となり、前年同月比で16.5%増加したが、前月比では13.9%減少した。

JNTOによると、査証免除措置による訪中旅行への人気の高まりなどの影響があるものの、直行便数の増加、スクールホリデー等の影響もあり、増加した。なお、新型コロナ前の2019年同月との比較では7.1%減となった。

クアラルンプール―関西間の増便などもあり、日本への直行便数は前年同月を上回っている。

5月の世界全体の訪日者数は、前年同月から60.1%増の304万100人となり、2019年同月からは9.6%増となった。一部市場において学校休暇を含む連休にあわせた訪日需要の高まりに加え、東アジアでは韓国、東南アジアではシンガポール、欧米豪・中東地域では米国などで訪日外客数が増加したことにより、3カ月連続で300万人を突破した。1―5月の累計では1,464万1,500人と、1,400万人を超えている。

JNTOは、昨年3月に策定された第4次観光立国推進基本計画で3つの柱「持続可能な観光」、「消費額拡大」、「地方誘客促進」が示されるとともに、旅行消費額・地方部宿泊数等に関する新たな政府目標が掲げられたとし、これらの実現に向けて、市場動向を綿密に分析しながら、戦略的な訪日旅行プロモーションに取り組んでいくとしている。

国民の70%はキャッシュレス決済への移行を志向=ビザ調査

【クアラルンプール】 大手クレジットカード会社のビザが行った調査によると、年齢18歳から65歳までのマレーシア人1,000人のうち、キャッシュレス決済を試みたことがあるとの回答者の割合は70%に上った。年齢層別では特にZ世代(1990年代半ばから2000年代前半生まれの世代)で85%、Y世代(1980年代から90年代生まれの、幼年期から思春期にIT革命を経験した世代)で78%と高かった。

携行する現金が少なくなった、との回答者の割合は50%。その理由として、非接触型ICチップによる決済である電子マネー決済利用が増えた(回答率61%)、キャッシュレス決済を採用する施設が増えた(同54%)、現金携行は紛失、盗みなど危険がある(同42%)が挙げられた。

電子マネー決済を認識している回答者は約90%。うち約60%は既に電子マネー決済を利用している。国は30年までにキャッシュレス社会に移行していると思う、との回答は40%に上った。

カード決済の経験があるとの回答は91%。もっとも利用率が高かったのは電子マネー決済(回答率20%)、QR決済(同12%)、クレジットカードやデビットカード利用のオンライン決済(同10%)だった。

デジタル支払いを受け入れる店舗も増加しており、飲食業、小売店舗、スーパーマーケットでの増加が顕著だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月20日)