旅行業界、コロナ時代の生き残り策(中)

本記事は、日系旅行代理店、日本旅行グループ・サンライズ・ツアーズ&トラベル取締役の壁田忠幸さんへのインタビュー記事の中編です。
前編はこちら:旅行業界、コロナ時代の生き残り策(前)

明確な生き残り戦略の不在

——「物販」ではなくマレーシア国内旅行はどうでしょう?マレーシア政府は日本の「Go To」みたいに国内旅行を奨励していますが。

壁田:マレーシア版Go To トラベルと日本のそれとの根本的な違いにつてのコメントは控えさせていただくとして、残念ながら弊社にとってこの施策は必ずしも有効なものになっていません。このセグメントに限って言えば当社の主力事業から外れているのです。それでも無策な物販に走るよりはと言う事で不得意ながらも対策を講じ一定の成果を収める事は出来ました。

——御社にとり国内旅行は今後見通しがたちますか?

壁田:難しいですね。この分野を得意としている旅行会社はそもそも存在しているわけで彼らのノウハウはしっかりしています。このコロナ禍で必要に迫られて対策した付け焼刃的なものではありません。それでもこうした競合先と戦い、勝ち残るために必要なものは何なのか?を考えられたことはコロナ禍中の数少ない幸いと言えるでしょう。

——アウトバウンドもインバウンドもダメ。物品も国内旅行もダメというないない尽くしの中、旅行会社のサバイバル戦略はどのようなものなのでしょうか?

壁田:この期に自信をもって明確な戦略を語れる旅行会社がありますかね(笑)人の暮らしに彩りを加えたり、人生を演出する「旅」を提供するのが我々本来のあるべき姿だと思うのです。そんな理想を未来に繋げるためにもなりふり構わず生きのびなければいけない、個人的にはそう考えています。

——確かに会社がつぶれてしまってはビジョンも何もないですよね。日本の本社の方から具体的なサジェスチョンや指導はあるのですか?

壁田:日本の本社や地域統括会社からは広範囲な情報提供やアドバイスが入ります。ただしそれを鵜呑みにしているだけでは国情が違う現地法人責任者としての存在価値はありませんので現地、現場の実態にあった取捨選択と判断の連続になります。

バーチャルツアーの登場

——そうした中、バーチャルツアーが巷にあふれていますね。先日、某バーチャルツアーに参加したのですが、事前学習という位置づけであり、テレビでいうところの「番組宣伝」という感じがしました。「ポスト・コロナ」に向けてツアーを宣伝するという感じですね。無料だったから文句はないのですが、有料では無理じゃないかと思いました。

壁田:「番組宣伝」だけならバーチャルツアーにせず、ユーチューブ等の録画放映でもいいですよね。そもそも「何もやらないよりいい」とか「会社の宣伝にはなる」、「顧客の引き止めになれば」という軽いノリでやり始めたところが大半だと思いますよ。

——金がとれる商品にするなら、ユーチューバーが行けないような場所とか、余程特殊なツアーでないとだめですね。中には儲けようというのではなく将来に向けて実験的にやっている会社もあるでしょうが、参加者からアンケート貰ってその先のビジネス可能性を考える機会を得るという意味ではいいのではないでしょうか?

壁田:ご利用者側の貴重なご意見として参考にさせて頂きます。一方の旅行会社側では軽いノリで始めたのとは裏腹に相当な労力をかけ商品を作っているという実態があります。そもそもバーチャルなのに何故に労力が掛るのか、です。当たり前ですが、コロナ禍前まではリアルな旅行商品の造成・販売をしていてリアルなツアー運営しかしたことのない旅行会社のスタッフが対応しているからに他なりません。「バーチャル」上だけで完結させるデジタルコンテンツの製造者となり、ツアーという名称ながらリアルな添乗員業務と勝手の違う「オンラインイベントのMC」的役割を担う等、全てが初めての経験です。この状態で世に出した「バーチャルツアー」です。ご参加いただいたお客様の反応も決して甘くありません。

ただし、この状態を嘆いているだけでなく、リアルとバーチャルの2つのツアーの役割の違いを明確にし、旅行業者としてのビジョンを利用者に提示する事ができるなら、それはそれで意味がある事だとも考えるわけです。

——将来的には当然リアルツアーが復活する訳ですものね。

壁田:リアルとバーチャル、それぞれのツアー価値とはそもそも何なのでしょうか? 特に現状のバーチャルツアーは旅行業界として確固たるビジョンやコンセンサスができておらず、たまたまコロナ禍という環境の変化でにわかに登場してきたものです。これを一過性の商品として片付けるのか、旅行業界の新基盤に育てていくのか?そんな議論があって良いのではと思います。

——壁田さん個人はバーチャルツアーについてどうお考えですか?

壁田:個人的にはリアルとバーチャルの融合が望ましいと考えます。ここで視点を少し変えてみたい。皆さんがリアルであれバーチャルであれ、旅行商品を購入する事ができる、すなわち「健康で一定の経済力がある」という前提と錯覚に陥っていないかということです。身体的(年齢や体力、障害の有無)、経済的条件からリアルツアーの参加を見送ってきた人はいなかったのでしょうか?バーチャルツアーはリアルでの参加を難しくしていたこの類のハードルを自然に下げ、そして取り除いていると考えられませんか?誰もが予想できなかったコロナによりバーチャルツアーが市場にあふれている。これを旅行業界が提供する新しい選択肢として考える事が出来たならどうでしょう。このように見えにくいところにも目を配らせる事が出来るのが旅行業界本来の底力です。今はそれどころではないのかも知れませんが・・・。

——リアルツアーに参加できない人を新たな市場と捉えるわけですね

壁田:バーチャルツアーは広義での社会貢献にもなりえます。このようにあらゆる角度から可能性を検討する必要があります。今儲かるのか?コロナ問題が終われば不要なコンテンツなのか?バーチャルツアーをより良いものに継続育成していく必要はないのか?参加者にも積極的な理解を求めていく旅行会社側の姿勢が問われる事にもなります。

旅行業界、コロナ時代の生き残り策(前)

 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大で壊滅的な打撃を受けている旅行業界。いつ終息するかも分からない先行き不透明な状況にあって、生き残りを模索する一方で、将来的な「ポスト・コロナ」を見据えたビジョンが求められている。日系旅行代理店、日本旅行グループ・サンライズ・ツアーズ&トラベル取締役の壁田忠幸さんに話を伺った。

業態の脆弱性が浮き彫りに

——コロナの流行でマレーシアの旅行業界ではどのような影響が出ているのでしょうか?

壁田:マレーシアに限らず世界全体の旅行業界がかつて経験した事のない、まさに未曾有の危機に直面しているのは間違いないことです。いずれの旅行会社も売り上げがゼロまたはそれに近い状況となり、旅行産業という業態の脆弱性が浮き彫りになりました。それぞれが生き残りをかけた対策を講じていますが、実際は各社毎の企業体力に寄るところが大きいと言えるでしょう。

——政府の支援体制はどうでしょう。

壁田:世界観光ランキングでもトップ20に入る上位国であり、観光立国と言われるマレーシアですが今般のコロナ禍において、現時点では観光業に対する特別な支援は少なく、他の産業同様に企業努力が求められています。今後、日本の「Go To トラベルキャンペーン」のような分かりやすい施策に発展していく事を期待をしています。

——マレーシアは3月18日というかなり早い時期に行動制限令(MCO)を敷くという思い切った厳しい措置をとりましたが、効果がそれに見合っていない印象です。解除どころか年末まで延長となってしまいました。

壁田:仮に先月(9月)にRMCOが解除されていれば「あの早い時期でのロックダウンは英断だった」という評価になったと思うのですが、結果的に12月末まで延長されたことでガッカリした方も多かったのではないでしょうか。ここまで我慢に我慢を重ねてきた我々の希望は奪われ、もう一段踏み込んだ費用圧縮の対策に追われる事になりました。もし8月末で終わっていれば・・・もしは無いですが各社とも進む道が大きく変わっていたと思います。

「ゼロよりまし」の功罪

——御社サンライズ・ツアーズ&トラベルのお話をお願いします。

壁田:弊社は日本旅行のマレーシア総代理店です。クアラルンプールを本拠地にした総合旅行社でありインバウンド事業は主にマレーシアを訪れる日本人のお客様を、アウトバウンド事業は在馬日系企業の業務渡航や団体旅行のお手伝いを中心にサービス展開をさせていただいております。

——インバウンドとアウトバウンドではコロナの影響はどのように違いますか?

壁田:当社のインバンド事業は日本からの来馬顧客をメインに取り扱うため、マレーシアのRMCOの解除時期に限らず、日本国内における海外旅行需要復活の時期が大きな鍵になります。一方、アウトバウンド部門ですがマレーシアのRMCOが年末まで延長された影響は甚大です。来年早々の市場の戻りに期待をし、その準備をするより手立てがありません。インもアウトも本年いっぱい動きのない(収入が見込めない)この状態、そしてこの時間をどうやって乗り越えるかは目下の課題です。

——アウトバウンドについては、ベトナムとかタイ、中国、豪州、ニュージーランドといった感染を抑え込んだ国を対象に「グリーンゾーン」国として観光渡航も解禁していこうという動きがあり、マレーシアの観光大臣もそうした交渉を他国と進める意向を示しています。

壁田:市場回復過程で「グリーンゾーン」渡航制度が確立され、段階的に渡航国が増えるのは喜ばしい事ですが、必ずしもそれだけでは十分とは言えません。もちろん一部のビジネス需要の回復は小さな光であり希望です。しかしながら一般的な旅行者にも、そして旅行業界にとってもより分かりやすい対策が投入される事を心から期待しています。

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——MCO延長のため年内は回復が期待できなくなりました。そうした中、生き残りのために物品販売をやっている旅行会社もあると聞きます。

壁田:「収入ゼロよりは何でもやって少しでも収入を得よう」という考えに基づいて実施しているところは多いようです。各社毎の判断ですからそれをとやかく言うつもりはありません。ただ、ポスト・コロナでもその分野に進出していくつもりで本気でやっているものと、言葉通り手当り次第にやっているものが混在しているように感じます。

——これまでにも現地のおみやげを車内販売する旅行会社が多くありましたが、これはガイドさんが観光のついでに売る訳です。本業(旅行)があるからプラスアルファの儲けになるからいいのでしょうが、本業が無いのに売るという事になれば勝手が違うし、経費も余計にかかってしまいます。

壁田:はい、付帯販売と呼ばれるものですね。たしかに主力商品であるツアーと比べると「付帯=オマケ」的な存在ではありますが、旅行全体を輝かせる名脇役だとも言えます。そこにはしっかりとしたストーリーがありました。ですから脇役だけを必死で売るような事は無かったのですし、旅行に直接関係ないものであればなおさらです。

——まったく本業と関係の無いものを売っている旅行会社もあるようですがいますが、これでは将来には繋がらないですよね。

壁田:旅行業はその歴史の中で常に形態を変えてきました。旅行という形の無い商品を取り扱う我々にとって、売るものが変化していくことに大きな戸惑いはありません。ただし今般のコロナ禍中で「生き残りの為に迫られた急激な変化」は、「ゼロよりマシ」「売れれば何でもいい」等、ストーリー性のない無策な物販に走ったものと、コロナ問題が明けた後も本業の旅行商品と融合できる(させる)戦略的ものとに大別されていると思います。

※本記事は中編・後編に続きます。

モノ作りには従業員教育が欠かせない

上田鍍金の現地法人、ウエダ・プレーティング・マレーシア顧問の青木弘さん。33年の長い在マレーシア歴を誇る青木さんに、マレーシアでの従業員のマネジメントについてお話を伺った。
インタビュー前編記事はこちら
日系企業の親睦団体に貢献の33年

最初はマレーシア従業員のみでスタート

——操業当時と今では業務環境は変わりましたか?

青木:当初は外国人労働者を使っていなかったです。そもそも我々は外国人労働者を使いたくてマレーシアに投資した訳ではないですから。当時の人口は今の半分の1,600万人しかいなくて、失業率は10%程度はあったと思います。人が必要という噂を聞きつけて人が集まる。看板を出さなくても人が集まる状況でした。それが1990年代になってどんどん外国企業が進出してきました。半導体などの電子関連が早かったです。当時は国民車プロトンも年間5百台程度しかつくっていない頃です。日給はわずか8リンギ、月給だと200リンギです。今では1時間の残業代が11リンギです。このままでは他の国に比べて競争力が維持できるのかということですね。

——そのうち外国人労働者も雇わざるを得なくなるわけですね

青木:マレーシア人だけでやろうと思ってやってきましたが、1995年ぐらいになってからですが、ハリラヤ(断食月明け大祭)休みが終わっても社員が戻ってこないんです。顧客は大手企業が多くて弊社のめっきが止まると何百人の会社のラインをストップさせてしまいます。日本から生産要員を応援に来て貰い生産をしたこともありました。

それで困ってインドネシアから労働者を雇うようになりました。最初は30人来ましたが、よく働いてくれるので良かった良かったと思っていましたが、2、3年経つと帰ってしまう。これでは技術が残らない。我々はモノ作りなので職人が必要なのですが、職人さんの技術者が残ってくれないのです。シャアラムの立地がいいのですが、立地がいいということは人を採用するという点では競争が激しいことを意味します。中小企業にとっては不利です。

技術継承には低離職率が重要

——マレーシアにおける労務管理について。

青木:かつては社員を全面的に信じていたので、盗難保険を社員にかけてくださいと保険屋さんに言われ、「なんてことを言うんだと」激怒して追い返したことがあります。しかし中には悪い者もいるんです。弊社は貴金属を扱うのですが、外部のプロからそそのかされた社員による窃盗が起きるのです。おかげで今では工場はカメラだらけです。また組合についてですが、弊社は家庭的にやっているので組合設立の動きはないと思っていたんですが、一部の社員が化学労連からそそのかされて設立されそうになったことがあります。

——マレーシア人は簡単に会社を辞めて他社に移ってしまうと聞きます。

青木:欧米企業に引き抜かれるという話を聞きますが、欧米は高いポジションをいきなり与えてプレッシャーをかけるが、日本企業は段階的に昇進させるやり方でやれるとみれば上げるという積み上げ型ですね。ジョブホッピングは退職金制度がないことが一つの要因かもしれません。離職率を下げるためにはやはり待遇改善しかないでしょうね。


——待遇改善といっても賃金とバランスがとれていればいいですが・・・

青木:競争力があるものをきっちり作って利益を出し、我々としては賃金を上げて社員も会社も喜び夢の持てる潤いのある企業でありたいと望んでいます。外国人労働者を雇用するようになって人がコロコロ入れ替わると不良品が出やすくなり、そうすると競争力が落ちます。技術の継承ができず、不良品が増加するという問題が起きます。

——最後はやはり教育の問題ですね。

青木:マレーシア人は部下にあまり教えない傾向があります。マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)も30年前から社員教育の重要性を唱えて、生産効率のアップや社員教育が重要だと言っていましたが、マレーシアではあまり改善していないです。素朴で純真でいい人が多いと思いますが、倫理・礼儀作法のほか、「何が大事なのか。きちんと守るべきこと、利益を出すために何をすべきか」などを教える必要があると思います。

日系企業の親睦団体に貢献の33年

1987年に来馬され、日本企業の親睦団体である「シャアラム三水会」の発展、また中小企業の親睦団体「一華開」の設立に尽力された上田鍍金の現地法人、ウエダ・プレーティング・マレーシア顧問の青木弘さん。昨年9月には、日本とマレーシアとの経済関係促進に大きく貢献されたということで外務大臣表彰を受けた。33年の長い在マレーシア歴を誇る青木さんにお話を伺った。

「一華開」を設立、「中小企業を強く」

—青木さんが来られた33年前と比べるとマレーシアは随分変わったでしょうね?

青木:私が来た時にはまだマラヤ共産党(MCP)がゲリラ活動をしており、ちょっと山の中に行くと軍が守っているような状態でした。そういうこともあってか10人以上集まっての会議はいけないと言われていましたね。外国企業ということで特に厳しい取締りはなかったし特に目をつけられるというようなことはなかったのですが、大人数で集まる時は届けないといけないと言われていました。会社のあるセランゴール州シャアラムも当時はジャングルがあちこちにあるような状態でした。

——青木さんが設立に関わり今でも会長を務めておられる「一華開」について。

青木:日系中小企業の経営者が集まって勉強会を開催し、中小企業の会社を強くしようの主旨で1997年に設立しました。その頃はアジア通貨危機などいろいろなことがありましたが、立場の弱い中小企業は何かあればすぐにコケてしまう。最初は4社ぐらいではじめましたが、募集していませんが希望者が増え、今では30社ぐらいになりました。

——「一華開」という名称について。

青木:日本企業の親睦団体としては「三水会」や「一水会」がすでにあったのですが、単純に”一”に”火曜日の会”では面白くないというのでこの字にしました。先ごろ頂いた外務大臣表彰の際に「一華開」という会の名前を宮川真喜雄前大使にお話ししたところ、すごい言葉ですねと褒められました。

※注

「一華開」の会合は累計で272回ほどになります。最初は日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所の方に講演をお願いしていたのですが、向こうの方から勉強になるからといって会員になって頂きました。



——最近はどのような活動をされていますか?

青木:中小企業の中間管理職の人たちを育成をしなければならない、各社から社員を数名出してもらって毎月1日、5カ月間にわたって会員企業の工場で研修を行なっています。外部から講師をよんで中間管理職はどうあるべきか、部下をどうやって指導していくべきか利益を出すにはどうすべきかなどを指導しています。10数年前は5Sや改善を日本から指導者に来て貰っていました、今回は約20人ぐらいが参加しています。どこの会社でも困っているのは社員の教育です。いかにマレーシア人を教育して育ってもらうかということが課題ですね。

——「一華開」のいいところは?

青木:「一華開」がなぜ長続きするかというと、みんな集まって顔と顔を合わせて意見を言い合い情報交換をするところですね。マイクを通じて話をするとなかなか皆なしゃべらない。組織の大きさもあるかも知れませんが、大きな組織は皆に意見を出させるための工夫が必要でしょう。

三水会の発展にも寄与

——「一華開」設立の前には「シャアラム三水会」の発展に寄与されました。

青木:「シャアラム三水会」は1989年、セランゴール州シャアラムにある日系製造企業が集まって始まりました。当時は情報が少ないので、給与額や社内規定をどうしたらいいのかといった情報交換をやっていました。当初はそれぞれの会社に集まってやっていました。だんだんシャアラムの会社が多くなって「三水会」という形になりました。今では70社ぐらいになりました。

三水会の会員はみな大きい会社なので、人が3年5年で入れ替わります。人が入れ替わるということは自分の会社外との繋がりが断たれてしまいます。私は長くいるので「道案内」だと思ってやっています。

——当時のシャアラムはどうだったのですか?

青木:会社は金属メッキを行なっていますが、進出した当時のシャアラムはジャングルだらけで、車もあまり通らない場所でした。そのうちに工場が集まってくると道路は渋滞するようになるし、信号もないので危ない。水道も電気も止まるようになりました。それで三水会がシャアラム市政府などに道路を広げて欲しいとか、信号を付けて欲しいとか様々なインフラ改善を申し入れを行い、実現に繋げてきました。

——政府との関係強化により、インフラ改善の陳情などで尽力されました訳ですね。

青木:今回の新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大防止のために発令された行動制限令(MCO)が緩和された際に、フル操業再開にノーと言ったシャアラム市政府との間に立ってくれたのがインベスト・セランゴール公社(ISB)です。三水会は以前からISBとは毎年やりとりしていたんで、50%の稼動では困るということをISBからシャアラム市政府の方に言ってもらって制限を解除してもらいました。

稼動50%でもダメ

——その新型コロナですが、御社への影響はどれぐらいあったのですか?

青木:コロナの売り上げへの影響は8割ぐらいでおさまりました。3〜5月は赤字になりましたが、受注残があってそれを作っているので6月は一気に回復しました。MCOの最初の段階は稼動できませんでしたが、医療関連の顧客からの依頼で第2段階から稼働率50%で再開しました。回復度合いは製品によって異なり、自動車向け生産はまだ回復していませんね。

——稼動時間を制限されると困る?

青木:金属部品をメッキ処理する前に850℃まで温度を上げて熱処理をするんです。これを焼鈍といいます。いったん温度を上げたものを下げ、また上げたりしなければならない。いったん機械を停めると経費もかかるし、温度を急に落とせば伸びたり縮んだりして設備がおかしくなってしまいます。いまだにダメなものもあります。半導体とか弊社のような熱処理の会社などは50%稼動だとダメなんです。

——MCOで移動が禁止となり、必需品・サービス以外は出社禁止となって給料支払いを巡ってひと騒動ありましたよね。

青木:通産省は最初、給料はオンラインで払えばいいと言っていました。しかし個人のパソコンにはそのようなデータや仕組みを入れている会社はありません。最後には分かってくれましたが、その辺りの現場のことがあまりよく分かっていないのかなと感じました。

——製造業はまだしも回復の兆しが見えていますが、観光産業などは先行きが見えません。

青木:今回のコロナでは、進出間もない体力のない中小企業がより大きな打撃を受け、家賃だ人件費だと資金繰りに窮しています。お金がないのかもしれませんがマレーシア政府には投資誘致より中小企業の支援をして頂きたいです。一方、日本政府に関しても、海外に進出している日系企業の支援をやって貰いたいです。観光をはじめサービス業は海外進出が増えています。せっかく海外に進出している企業が撤退しないように考えて欲しいですね。
※編集部注・「一華開五葉」は禅の創始者・達磨大師の詩の一部で「一輪の花が五葉の花びらを開きやがて果実が実る」を意味する。

マレーシアでのビジネスのコツ

世界的に定評のあるマレーシアのハラル(イスラムの戒律に則った)認証制度にいち早く着目してハラル物流認証を獲得したマレーシア日本通運。マレー系社員の多い日系物流会社の社長として陣頭指揮をふるう早瀬彰哉さんに海外ビジネスのコツを伺った。

ハラル認証、マレー社員の満足度に寄与

——これまでの海外赴任のご経験について。

早瀬:マレーシアに来てから3年になります。マレーシアに来る前は大阪にいました。海外ではドイツ、シンガポール、香港に赴任したことがあり、マレーシアは4カ国目です。マレーシアはトップとしての赴任なので、これまでと違った仕事の上でのやりがいを感じます。

——マレーシアが他の赴任地と違う点はハラル物流を真っ先に開始した点ですね。

早瀬:当社は2014年にハラル物流の認証をとったのですが、外資企業では当社が初めてでした。ハラル戒律を守る高付加価値な物流を実現し、顧客に安心、安全な物流を提供するという目的です。またハラル物流を通じて世界とイスラム社会とつなげていく思いで取り組んでいます。一方この取り組みにより、マレー系社員の満足度を上げる事に大きく役立っています。
当社は物流ということでマレー系従業員の割合が多いので、ハラル認証をとることでムスリム文化を大切にしている会社だという事が強調されることになっています。

——御社は日本でもハラル認証をとっていますね。

早瀬:日本通運はグローバルでハラル物流に力を入れています。日本でも東京や大阪、福岡の倉庫でハラル認証をとっているのですが、その際にはマレーシアの社員が日本に行って指導しています。今日本で流れている全国CMにハラル物流に関するものがあります。その中にプトラジャヤのピンクモスクの前をハラルトラックが通るというシーンがあるのですが、わざわざ日本から広告代理店を呼んで撮影しました。

「相手を理解する」がキーワード

——仕事で特に意識しておられることは?

早瀬:まず、社員の幸せということを考えています。社員が楽しく働ける会社にしたいです。それから長期的に会社の経営を考えようと思っています。どうしても我々の立場だと3、4年で交代することになりますが、会社が10年先、20年先、50年先も存続するために中長期の視野に立った経営に心がけています。その考えを社員に発信する、姿勢を見せる様にしています。目先の業績も大事ですが、長期的に会社を大きくしようという意識を持ち、次の社長の時にも継続していくことが大切だと考えています。

——マレーシア人従業員とうまく付き合うコツを教えて下さい。

早瀬:マレーシア人は基本的に日本を好きなので働きやすいです。そこで我々の方もそれに甘えることなく少しでいいから彼らのことを勉強する。マレー語で挨拶できるようにするとか、ナシレマを食べるとか(笑)簡単なことでいいと思います。赴任してすぐに部屋で隠れてナシレマを食べていたんですが。いつの間にか社長がナシレマ食べているって社内中に広がりました(笑)おかげで色々な従業員がここのナシレマがおいしいと言ってよく買ってもらいました。

また会社のパーティとか社員旅行に行った際カラオケを勧めらると、なるべくマレー語とか中国語の歌をカラオケで歌います。日本の歌でも喜ぶのですがマレー語だとその3倍は喜んでもらえます。私はシティー・ヌールハリザの曲が好きで何曲か歌ってみました。マレーシアのことに興味がある姿勢、相手の文化を理解するとか尊重することで従業員との距離がぐっと近くなります。

——マレーシア人社員の特徴は?

 早瀬:当社の社員だけかも知れないですが、けっこう会社のことが好きなように見えるんです。日本ではあまり社員旅行とかやらないですが、マレーシアでは社員旅行の参加率は90%以上です。1泊して次の日は運動会みたいなものをやるんですが、それもほとんど参加します。私が入社したころのような、昭和の日本の社員のようです。夜のダンスタイムになっても一番最後までマレー人の女性が残って踊っていたりしますね。普段はイスラム教の戒律もあり、旅行を本当に楽しみにしている様にみえます。

——華人とマレー系の違いは?

早瀬:チャイニーズは能力に対してこだわりがあって、昇給にあたっては「自分はこれだけやっているのに、なぜあいつより」といったように、能力とか他人よりどれだけ働いたかという点を主張してきますが、マレー系は「子供ができたから」とか「子供を大学に行かせるため教育費がかかる」といったように自分の仕事ではなく泣き落とし的な話が多いです(笑)。

それぞれの民族の考え方を理解した上でいかにうまく働いてもらうかのマネージメントが重要だと思います。単に我々のスタンダートを押し付けるだけではうまくいきません。「日本の企業は優れているから言う通りにやりなさい」と頭ごなしに言ってもうまくいかない。相手を理解するというのがキーワードになると思います。

チャイニーズの考え方はグローバルスタンダードに近く、また企業経営には必要な人材でもありますが、仕事を外れて個人の生活、人生で考えると、マレー人と比べてどちらが幸せなのかと、最近になって考える様にもなりました。日本もある意味で多様化が進んでいますのでマレーシアでの管理や経営を経験することはマレーシア以外でも役に立つと思います。

昔の日本人の苦労に触れる

——ところで余暇では旅行されるのがお好きとも伺っていますが・・・

早瀬:仕事柄いろんな所に行く機会もあり、マレーシアには13の州がありますが、サバ州以外の州はすべて行きました。首都圏クランバレー周辺はあまり違いがないですが、コタバルとかトレンガヌは全く違う世界があります。観光地ではなく歴史がある場所によく行きますね。ペナンとかマラッカも好きですが、個人的に田舎の街を歩くのが好きです。

またマレーシアには昔から日本人がきていました。会社や商店経営もありましたが、ゴム農園、錫採掘で働いたり、からゆきさんとか マレーシアで働いていた日本人は多かった様です。そうした日本人が建設した鉄道の跡とか当時の日本人会や戦前に進出していた会社の古い建物などを見に行くのが好きです。

現在我々日系企業の駐在員としてマレーシアで恵まれた環境の中で働いていますが、明治時代以降に色々な目的でマレーシアに住んでいた先人の大変な苦労があって今の我々があるんだと感じます。

コロナ下での対応-マレーシア日本通運 早瀬様

新型コロナウイルス「Covid-19」感染抑制対策として、マレーシア政府は社会・経済活動を厳しく制限した行動制限令(MCO)を3月18日付けで発令。国境が閉鎖され国内移動が制限された中で試行錯誤しながら物流を守ったマレーシア日本通運社長、早瀬彰哉さんに苦労話を伺った。

「物流は止めてはならない」

——3月18日にMCOが発令されました。

早瀬:弊社は物流業者ということで必需サービスというカテゴリーになりましたので規模を縮小した上でですが、事業が続けてこられました。企業理念に「運輸の使命に徹して」とありますが、「物流は止めてはならない」という思いを持って、業務を続けてきました。

——急な発表だったので混乱はなかったですか?

早瀬:MCO発令時点では、必需サービスのカテゴリーが不明確な部分がありました。また、どうしたら感染しないかといったスタンダードがあまり無かったので、コロナに対応するSOPは走りながら考えていこうということでやってきました。当初のオペレーションは通常の2〜3割ぐらいでした。最初は必需品を扱う顧客だけでしたが、その後、必需品のカテゴリーが増えたり、MITIから許可を得た顧客の荷物など、徐々に取り扱いが増えてきました。

——取締りも始まるし、最初は状況がよく分からず不安だったのでは?

早瀬:物流については医薬品や食品などの必需品は規制外だったので、とりあえず初日は状況をみて、顧客にも聞いてみてから対応を決めようと思いました。
道路封鎖など不透明な状況があったので、とりあえず行ける人は出社することとし、警察に止められたら必需サービスと説明出来るよう社員に会社のレターを持たせて出勤してもらいました。

——その後の対応は?

早瀬:MCOの内容が少しづつはっきりしてきた段階でそれに合わせた対応をとったので、顧客から依頼を受けても運べないという事態は避けられました。当社は航空輸送や海上輸送、陸上輸送、倉庫などやっていますが、最も影響があったのは航空輸送ですね。海上輸送は船会社の減便が一部ある程度でしたし、陸運は自社トラックを保有しているので支障があったといってもトラックが警察によく止められるぐらいでした。

チャーター便飛ばして対応

——航空貨物の問題とは?

早瀬:航空貨物は貨物便が少し飛んでいましたが、人が動かないので旅客便がほとんど飛ばない。これには困りました。当初は医薬品やマスクなどの医療関係の緊急輸送が多かったのですが、貨物を空港に止めない為に当社で飛行機をチャーターし、5、6月で合計30機ぐらいを中国や日本に飛ばして、緊急貨物が止まらないようにしました。

——海運では港の作業が滞ったと聞きました。

早瀬:海運ではクラン港で輸入貨物が止まりました。政府は必需品でなければ運んではいけないと言っていたのですが、何度か期間を限定して港から輸送してよいという特別措置がとられたので、混雑はしましたが荷物が動くようになりました。ただ運び出しても工場が動いていないので製造できないという問題、店舗が閉まっているので販売できないという問題があって、港に置いておけない荷物のための倉庫の手配が大変でした。当社の倉庫も可能な限り提供しました。

——輸送量が減って輸送料金に変動はあったのですか?

早瀬:物量が減っているので海上輸送も便数は減りました。通常は物量が減ると料金が下がるのですが、今回は輸送能力の低下により航空輸送も海上輸送も料金は上がりました。顧客からは「なぜなんだ」と質問を受けることもあり、フォーワーダー(利用運送業者)として間に立って説明するのに苦労しましたね。

——輸送料金が上がるのは顧客にとっては負担ですね。

早瀬:国内だけで完結すればいのですが、国際貿易では相手がある話です。サプライチェーンの問題ですね。例えば中国では経済が復活しているのに物が送れないということになってしまいます。他の国が供給しているのにマレーシアからは供給できないと、マレーシアから買ってくれなくなって顧客をとられてしまうので、費用はかかっても送らないといけないお客様もありました。普段以上に輸送モード、輸送ルートなどリードタイムとコストをみながら最適な提案が求められる場合が多かったです。

  警察への説明で苦労

——倉庫については?

Eコマース商品や医薬品は認められていましたが、警察が何度も査察に来ました。「何をやっているのか」と聞かれ、必需品のオペレーションであると説明して帰ってもらいました。翌日にもう一度警察に出頭して説明しろと言われたケースもありました。警察官も運輸省の指示とか通産省の認可など、不明確な事も多く、よく分かっていなかったのではないかと思いますね。

——警察になんらかの通報があったのかもしれませんね。

早瀬:従業員に出社を求める際にも、単に「シフトで会社に出て来い」ではなく「我々は社会のために物流を動かさないといけない。必要な仕事であり、我々がいないと困る会社もある。だから我々は出社するのだ」ときちんと説明するように各現場に指示しました。他の日系企業からは社員に出勤させるのが難しいという話を聞きましたが、当社の場合は社員が出社を拒むという話はなかったです。感染リスクのある中で働いてくれた事はありがたいと思っています。

働き方を見直す機会に

——勤務体制はどうなりましたか?

早瀬:当社の場合は、総務とか経理とか管理系と営業系は基本的に在宅勤務としました。現場で貨物を扱ったり物を運ぶ者だけが仕事の量に応じて出社していました。最初は取扱量が通常の2割程度だったので、従業員を3つぐらいにチームに分け、3日間ぐらいで完全ローテーションにしていました。感染防止のため各チームどうしはまったく接触させないようにしました。もし感染者が出てもそのチームを外せばいいという訳です。4月ぐらいまではそれでまわしました。

——そのうち規制が緩和されて取扱量が回復してきますね。

早瀬:4月に入り取扱量が5割ぐらいに回復すると2チームに分けて対応しましたが、5月ぐらいになると7〜8割ぐらいになっていましたので、こんどはチーム分けができなくなりました。そうなるともし感染者が出ると、隔離の必要があるため荷物を止めてしまうことになります。顧客には「シフトを組まないと感染者が出た場合に配送が遅れるリスクがあります」と説明していました。とりあえず今は感染しないようにやるしかないので、倉庫の中でもエリアを分けてその中で作業するようにして、できるだけ接触を減らし他の従業員にうつさない工夫をしています。

——社員が在宅勤務に慣れてしまったりしませんか?

早瀬:会社に来ざるを得ない社員については、シフトを組んで半分ずつにしようと言っても、結構みんな会社に来るんですね。居心地がいいんでしょうかね(笑)。逆にこうしたことがあったので、コロナが収まったから在宅勤務をすべて止めようというのではなく、 感染防止の為にも在宅勤務できる人は在宅勤務を続けるといったように、会社に来ることが仕事ではなく、仕事の内容と目標を明確にしていくという社内全体の働き方を見直す機会にはなりましたね。

——振り返ってみられて政府の対応や御社の対応について採点は?

早瀬:政府のMCOの発表は非常に急で、日本とか他の国に比べて当初の制限は厳しかったです。何がベストだったかというのは難しいですが、政府の対応はそれなりに良かったと思います。産業活動を正常化するために産業界からの声に耳を傾けてうまく対処してきたと思います。当社の対応については、航空機など輸送インフラが減るなどの逆風の中にあって物流を止めずに顧客の要望に応えてかなりうまくやれたと思います。事業としては、多くのトラックと運転手を抱えた中で仕事が激減した陸上輸送部門が大きな影響を受けました。

RMCO下でのマレーシア再入国

危機管理サービスをワンストップで提供するTASKAL RESOURCES SDN.BHD.の代表壁田忠幸さん。MCO中は日本に一時帰国しており、7月11日にマレーシアに戻られた。マレーシア入国の際の空港での手続きの様子を伺った。

※本記事の情報は取材を行った7月14日時点のものとなります。
最新の情報については在マレーシア日本大使館のホームページをご確認下さい。

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使用エアライン:ANA 成田→KL

搭乗までの様子

搭乗前チェックインの様子

各国の政府から出されているガイドラインと照合する必要があるので、搭乗券を渡すまでに通常の手順よりも時間がかかった。

搭乗前のPCR検査確認は?

ANAの場合なかった。出国3日前にPCR検査必要などの案内もなかった。

空港の様子で通常と違ったこと
免税店が閉まっている所も多かった。タバコは特設売り場にて販売。
ビジネスクラスラウンジは閉鎖し、ファーストクラスのラウンジに統合されていて、食べ物も特別メニューになっていた。

搭乗・機内の様子
国際線では優先搭乗のアナウンスがされていた。ソーシャルディスタンスを取るような呼びかけは国内線の方が強い様子だった。乗客はビジネスクラスで40%ほど。エコノミークラスに搭乗している人はもっと少なかった。

乗客の様子
エアカナダとの共同運航だった。日本人の他、カナダに住むマレーシア人もいた。

KL空港到着後の手続き

1.アプリに情報入力

イミグレーションの手前での動く歩道の前で列に並び、アプリをダウンロードしているかの確認があり、アプリにログインした。

空港の柱にあるバーコードをアプリのカメラで読み取り、KLの入国者と認証される。

住所など個人情報、健康状態と自分以外のマレーシアでの緊急連絡先を入力した。スマートフォンで入力しやすいように緊急連絡先も含めてあらかじめ準備しておくと便利。

2.PCR未検査の場合抗原検査

PCR検査済みの列、未検査の列に分かれ、未検査のグループは抗原チェックがあった。
外国人は検査料RM120 検査後はイミグレ前にテーブルと椅子が用意されていてそこで1時間待機するよう指示があった。待っている間に検査代を清算し、1時間弱で名前が呼ばれた。陰性だと早く呼ばれる様子。
待っている間に自宅隔離についての書類配布と案内がある。

3.イミグレ手続き

検査が陰性だった人がイミグレ手続きへ進む。外国人は別室での対応だった。自動ゲートはクローズされていた。パスポート、検査結果の書類などのチェックがあった。普段と違うスタンプが押された。

1~3までで所要時間は2時間弱だった。前の方に並んでいたので、後ろに並んでいる人はそれ以上かかることも予想される。

自宅隔離について

書類が渡され、入国後14日間の自宅隔離についての案内があった。

リストバンドを着用し、毎日1回アプリで報告する必要がある。

質問は、食欲はあるか?コロナ感染者と接触していないか?など。

13日目に指定病院に行き検査を受け、合格すれば14日間の隔離が終了となる。

自宅隔離の規制に違反するとRM1000の罰金となる。自宅隔離中でも来訪者があればマスクをして対応する必要がある。

コロナ下での対応-ヒロフード・パッケージズ鈴木様

食品包装材の製造を手掛けるヒロフード・パッケージズ・マニュファクチャリングや食品輸入及び飲食店経営を手掛けるDOKAなど幅広くビジネスを手掛ける鈴木一郎さん。昨今の新型コロナウイルス「Covid-19」対策を中心にお話を伺った。

コロナ禍、主力の包装事業は大打撃

——鈴木さんは食品包装材製造や食品輸入、飲食店経営、ゴルフ練習場経営などいくつかのビジネスを手掛けておられます。新型コロナウイルスの影響はどうだったのでしょうか?

鈴木:感染拡大防止に向けて行動制限令(MCO)が3月18日に発令されてから、食品輸入部門と飲食、ゴルフ練習場のすべてが操業ストップしました。包装材部門については、政府が発表した必需品・サービスに対する規制除外措置を受けて操業が認められました。包装資材がないと食品などを消費者に届けられないといった流通面の問題があるので、政府が製造を認めています。

——当初の規制除外申請は、MIDA(投資開発庁)に申請して許可を得るという形でスタートしました。

鈴木:除外項目について政府からガイドラインが出ていたのですが、いろいろな業種がダメモトで申請に押し掛けたみたいで、それでMIDA(投資開発庁)の受け付けサイトがパンクしたんですね。弊社はパンクする直前に申請したのでサイトに入れましたので、申請に間に合いました。MIDA(投資開発庁)は締め切った後は一切許可を出さなかったので、中には資格があるのに申請が間に合わずに認可を受けられなかった会社もあったようです。

——包装材製造に関する稼動許可はおりても稼働率が制限されました。

鈴木:生産は当初は半分以下に落ち込みました。飲食店のイート・インはダメですがテイク・アウェイが認められたので、国内におけるテイク・アウェイ用包装材の需要は増えましたが、弊社の包装材の約80%が海外向けでしたので、海外向け輸出が落ち込んだために大きな影響を受けました。米国市場はそれほどではなかったのですが、豪州、欧州向けは一時ほとんどゼロになってしまいました。それが足を引っ張って全体の売り上げが落ちました。

製品あってもダンボールがない

——サプライチェーンの関係でプラスチック素材原料が滞ったり、完成した製品の配送が滞ったりするという問題があったと聞きます。

 鈴木:当初は問題が起きました。原料は海外から一部入れていますが、それ以外はほとんど国内で調達していますので原料調達に関する問題はありませんでしたが、製品が出来てもそれを入れるカートンボックスが無いという状況が起きました。カートンボックス業者の中には必需品の申請をしていないところもあったので需要がパンクする状態となりました。弊社では5社くらいのカートンボックス業者にお願いをしているのですが、申請したのは1社ぐらいだったのではないでしょうか。スペックに応じて分けて発注していましたので、製品に合うカートボックスが足りないという事態が起きました。

——物流はどうでしたか?

鈴木:物流は概ね良好でした。他社も使っていますが自社で配送トラックを何台かもっているので、それで配送を賄ったので大きな問題はありませんでした。

——半分以下しか人員が使えませんでしたが、どのように対策されましたか?

鈴木:管理部門を中心に基本は在宅勤務にしました。出社する従業員を通常の半分以下にしなければならないということだったので、なるべく人員を製造部門に割り当てました。外国人労働者を在宅にしてローカルスタッフを出すという形です。ローカルの幹部スタッフは全員出勤にしました。有給休暇をとらせるとか無給休暇をとらせるというとことは一切していません。ただし稼動時間も短くなったのもあって、残業はなくなりました。残業がなくなった以外、手当てはカットしていません。

新たなビジネスの兆し

——規制はかなり緩和されましたが、いちおう8月末までが復興のための行動制限令(RMCO)となっていますが。

鈴木:売り上げが減少したままの状態が続けば厳しくなりますね。今は内部留保から出して凌いでいますが、この先数カ月が大変になると思います。我々中小企業はそれほど余裕がないので、8月末というラインがさらに伸びるようなことになると厳しいですね。どれだけ市況が戻ってくるか。売り上げの大半を占める輸出については、最悪の時に比べると多少は戻ってきていますが、回復の角度がどの程度かによりますね。

——国内需要はどの程度戻ってきているのでしょうか? 鈴木:国内需要については通常に戻ってきていますね。飲食業界ではコロナの関係で社会的距離をとることが求められる中、新しいビジネスが産まれてきています。MCO発令当初はつぶれてしまった飲食店も多かったですが、もし生き残ろうと思えば規模を縮小するか、新たな形態のビジネスに乗り出す必要があります。イート・インができないのでテイクアウェイをやるようになっています。マーケットが広がっているなと感じる部分でもあります。

 やっぱり現場の人間関係

——DOKAでは日本酒輸入に力を入れておられますが、アルコール飲料については輸入規制が厳しくなっていると聞いています。ビジネスの上で何かと規制が問題になります。

鈴木:輸入車の輸入許可証(AP)と同じような輸入枠があるんですね。またライセンスをとってもいくらでも輸入できるわけでもない。ちょっとでも以前のものと違うとはねられてしまいます。ボトルサイズやラベルデザインが変わると新たに申請しないといけない。

——マレーシアでは許認可などで大変な時もあるかと思いますが、企業トップとして何か政治的な働きかけはされることはあるのでしょうか?

鈴木:ビジネスマンとして努めて政治には関わらないようにしています。特に根回しのようなことはしません。実際ライセンス取得手続きなどはなかなか進まないですが、時間をかけてもいいから現場レベルで人間関係をつくっていく。それが僕の基本です。日本人は勘違いをしがちですが、我々は外国人であり、軒先を貸してもらってビジネスをやらせていただいているという意識を持ち続けることが必要だと思います。

海外在住の日本人へのメッセージ

パナソニック・マネジメント・マレーシアの副社長で、最近までマレーシア日本人商工会議所(JACTIM)の会頭を務めていた井水啓之さん。マレーシアに23社あるパナソニック・グループ会社を束ねる司令塔として、マレーシアの4年間を含めてこれまで複数の国で働いて来られた井水さんに日本人が海外で働く上での助言をいただいた。

日本人とマレーシア人はいい組み合わせ

マレーシアで素晴らしいなと思うところは大きく二つあって、一つは豊富な日本食など日本と変わらないレベルの生活を送るためのいろいろな環境が整っており、しかもコストが安いことですね。

日本人とマレーシアという組み合わせもなかなかいいものがあって、生真面目でルールを守る日本人とおおらかさのあるマレーシア人、でもアジアに共通するセンシティビティというか、シャイな部分など共有しているし、いい組み合わせではないかと思います。

私個人として気をつけている点ですが、自分が外国人であるということ、常に謙虚にマレーシア人から学びたいという気持ちを大切にしています。マレーシアは親日的な国ですし、マレーシアから教わることも多いです。

世界を俯瞰する

二つ目は、自分の目標でもあるのですが、世界を知る、俯瞰するということ、世界で起こっていることを客観的に歴史や宗教も踏まえて自分なりに理解するということが、ここにいるとやりやすいという点です。

一部の大メディアに情報を依存しているような状態にあった日本における生活に比べて、もっとフレキシブルに広い見方や考え方に接することができるようになりました。
是非もっとたくさんの日本の皆さんにマレーシアに来て頂いて、マレーシアからみた世界、日本を学んでいただきたい。そうすればより豊かな人生を送れるんじゃないかなと思います。
マレーシアに来て4年半になりますが、私はマレーシアが大好きですしマレーシアに感謝しています。

政府と企業の距離の近さ

もう一つのマレーシアのいいところは、政府と企業の距離が近いということです。私は4年間マレーシア政府とダイレクトなコミュニケーションを続けてきましたが、今回の新型コロナウイルス「Covid-19」のような状況にあって凄く役に立っています。

新型コロナ感染対策では標準的運用手順(SOP)を巡って大変でした。日本は省令を決めようとするなら、几帳面に関連するものをみんなで議論して詰めていきますが、マレーシアは事前調整をせずに先にボーンと発信してから、産業界の声を聞きながら、調整していく傾向があります。

つまり、マレーシアの良いところは、産業界と直接、会話をするところです。東南アジア諸国連合(ASEAN)の中でみてもそこは素晴らしい点だと思います。大臣にも直接会えるし、事務次官とも会える。こちらの話を聞いてくれる。政府と距離が近い。これは素晴らしいと思います。

日本人の価値観を伝える

そうはいっても価値観や仕事の進め方が日本人とマレーシア人では大きく違います。やはりそういうところで我々がお手伝いできるところがあるかと思います。日本で勉強してきた5Sの重要性とか、意味をマレーシア人に伝えていきたいですね。内村鑑三や松下幸之助が言っていたことですが、まず道徳が良くなければ政治が良くならない。政治が良くならなければ経済が良くならない。
第二次世界大戦以降、日本人は経済が良くならないと道徳が良くならないと思い込んでいるかもしれませんが、経済を良くしようと思えば政治が良くならないといけないと思います。

その政治を良くしようと思ったら、やはり国民の道徳観、モラルが非常に大事であり、日本人の強みは昔からそこにあったはずなんです。5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)が大事だというのはその辺りの考え方に立脚している訳なんですが、道徳観念が、しっかりしていないとアウトプットが出て来ないと思います。

確かに合理化などは進んでいくと思いますが、人間としての価値観とか産業人、企業人としての心がけのようなものをもっていないといけないと思います。なので我々の役割はこうしたことを伝えていくことだと思います。またそうしていけばマレーシアはもっと良い国になるのではないかと思いますね。

中・長期的なビジョンの大切さ

私は30年間人事をやってきました。大きな事業構造改革に人事責任者として関わる仕事が多かったんですが、合併・買収(M&A)も3回経験しましたし、新しい工場展開、工場の閉鎖、人員削減などをずっとやってきました。そうしたことをやってきて、その時々にそれなりにやり遂げたという達成感は確かにありました。

しかし今考えると目先のことをやってきたのではないかと思うんです。人事の分野で事業を小さくしたり、統合したりといったことをやってきましたが、いざ振り返るとなんだったんだろうなと思うことが多々あります。

そういうことを踏まえて、反省点としては中長期的なビジョンをもって進めてこられなかったという点があります。この会社をどういう会社にしたいのか、そうした会社にするには人事がどうあるべきなのか、何をもって達成したのかという評価基準、KPIを設定して、中長期的ビジョンに立って人事マネジメントができなかったと感じています。

文化と組織と人の掛け算

事業が強くなるというのは、「文化」と「組織」と「人」の掛け算ではないかと思うんです。多様性のある文化と自立した多様な知見をもった人が集まって能力を如何なく発揮して、共に助け合いながらモノを作っていく、競争していくという価値を創出できるような会社であったのかと。そういうことについてもっと目指すべきではなかったのかなと思います。

パナソニックではベーシック・ビジネス・フィロソフィ(BBP=経営理念)と呼んでいるのですが、会社の経営理念というものが唯一、グループ全体をグローバルで束ねていけるものなんですね。この価値観をしっかりローカルの人たちと共有することはとても大事なことなんです。実際それなりにローカルの幹部が育っている会社はうまくいっています。やはりローカルを動かすのは現地の習慣や言語でみてもローカルです。

日本人は、技術は教えられるかもしれませんが、マネジメントするのは簡単ではない。やはりしっかりしたローカルを育てて、彼らに任せて経営していくというのが大事です。技術移管も大事なんですが、それだけではしっかりした経営はできないと思います。

そして我々は日々の仕事を通じてヴァリューを教える。お金を稼ぐよりコンプライアンスを守る、ルールを守ることの方が大事なんだと教えないといけない。なぜそれが大事なのかということを教えることが日本人の役割ではないかと思います。

コロナ下での対応-パナソニック・マネジメント 井水様-

パナソニック・マネジメント・マレーシアの副社長の井水啓之さん。マレーシアに23社あるパナソニック・グループ会社を束ねる司令塔として、新型コロナウイルス「Covid-19」対策に奮闘した日々について伺った。

ようやく稼動再開も最初は出荷のみ

——新型コロナウイルス感染拡大では、マレーシアに23社あるパナソニック・グループ会社を束ねる司令塔として対応に追われたと思いますが、3月18日に発令された行動制限令(MCO)では厳しく行動・活動が制限され、操業再開が認められたのは必需品・サービスに関してのみでした。

井水:我々の事業は電気電子産業(E&E)に所属しており、突然のMCO発令によって全てのグループ会社が稼動できなくなりました。最初は23社が各社ごとに操業認可を申請することにしましたが、操業再開の許可がでたのは製造会社1社だけで、しかも、製造でなく医療業界向けの出荷業務についてのみの許可でした。

——その後、MCOが延長されると同時に、段階的に規制が緩和されます。

井水:MCOが延長されたために改めてグループとして政府にアプローチし、二週間後のMCO2.0からは製造業者10社について稼動許可をもらいました。稼動といってももちろん限定的なもので、工場設備を維持していくために最低限の設備メンテナンスや出荷業務等の稼働許可を得ただけです。必需品・サービスである医療業界向け事業は、製造事業についても限定的に認めてもらいました。

——扱っているものが会社によって様々なので対応も違ってくる?

井水:会社によって対応がかなり違いました。販売会社などは事業再開が出来たのは一番、最後でした。


感染スクリーニング問題に直面

——現在は100%稼動ではないが23社すべて動いている?

井水:そうですね。ただし、建築事業については稼動のレベルには、至っておりません。グループ2社が建築事業に携わっていますが、人材確保、外国人労働者のスクリーニング、標準的運用基準(SOP)の問題などで苦労しています。

——大勢の外国人労働者のスクリーニングは問題になっていますね。

井水:各社によって状況が違いますが、製造業については先に稼動を優先させ、外国人労働者のスクリーニングは後に回すということになりました。
建築については稼動前にスクリーニングしなければならないということだったので、こちらはスクリーニングを行なって陰性判定を受けた方々からオペレーションに携わって頂きました。


規則の解釈の相違で混乱も

——州によって運用が厳しかったり、中央政府と地方政府の方針・解釈が違っていて困っている企業も多かったと聞きます。

井水:地域によって違いますが、中央政府と地方政府の方針、SOPの解釈が異なることはありました。
パナソニック・グループは規模が大きく影響が大きいだけに、各方面からいろいろ心配していただきましたが、規模の問題については、正々堂々と中央政府にお願いし、地方政府に説明して頂きました。これにはかなりの時間がかかりましたが、最終的に認めてもらいました。

——中央と地方で解釈が異なる事例では、企業規模のほかにどのようなことがありましたか?

井水:最初に14項目のSOPが出たのですが、その2項目に国内需要を優先的に満たすことが条件とありました。
よく読めば国内需要を満たせば輸出も認められると解釈されるのですが、地方政府から「可能なのは国内向けだけで輸出向けはダメ」といわれるケースがありました。

——他には?

井水:3つ目はレッドゾーン(感染者が出ている地域)の取り扱いの問題でした。レッドゾーンはロックアウトである強化行動制限令(EMCO)とは違うのですが、州政府から「レッドゾーンでは稼動再開はダメ」といわれたことがありました。

——事実上の国境封鎖となったためにヒトの移動、駐在員や家族の移動に影響が出ていますね。

井水:日本人出向社員の帰任者の後任として赴任予定だったが来れなくなって日本で待機している日本人や外地間転勤で各国にて待機頂いている方々等、パナソニック・グループで数十人の規模に及んでいます。それと同時に帰任予定の人の日程も遅れました。年齢が高い人など、感染が心配だということで一時帰国したままマレーシアに戻って来れない駐在員や家族もいます。


影響は決算や製品開発にも

——人が動かないことで具体的にどのような影響が出ましたか?

井水:4月からの新組織体制を構築できないことや、新製品の立ち上げなどに大きな影響が出ました。

——操業がストップしたことによる逸失利益はかなりな額だったのでしょうね?

井水:特に、4月は売上が激減し、グループ全体ではかなりの損失が出ています。それから2019年度末決算業務が遅れたことで、パナソニック・グループの連結決算に遅れが生じ、迷惑をかけてしまったことが一番申し訳なかった点ですね。
各部門からデータを収集して経理が整理をし、外部の監査法人の監査を受け、本社に提出した数字をまとめて初めて決算が終わるんですが、その一連の手続きに相当、遅れが生じました。

——R&D活動にも影響ありますね。

井水:R&Dが止まったことによって次年度の製品開発に影響がでました。マレーシアにはR&Dを手掛けるグループ会社が数社あり、次の製品開発のスケジュールが押してしまうことになりました。


状況をチャンスに変える発想を

——現時点でみて、マレーシア政府に対してこうして欲しかったというのはありますか?

井水:あまりにもMCO発令が突然だったので、本当にこれで良かったのか、政府には、政策全体の総括をして欲しいと思います。特に、ASEAN諸国の中では、最も規制が厳しいのがマレーシアで、マレーシア経済、国民全体に相当な負の影響が生じているように感じています。
われわれ現場サイドはやることはやったと思います。食堂のテーブルについたてを立てたり、ビニールシートを間に敷いたりして実に真面目に感染防止対策をやっています。これは日系企業らしいなと思いますね。
感染源が海外にあるため、国境管理を厳しくするのは理解できますが、マレーシア国内の経済や雇用面は深刻な打撃を受けており、同じレベルの統制は回避すべきと政府にも意見を伝えています。

——企業によっては今回の新型コロナ騒ぎを受けて、サプライチェーンや生産拠点などのストラクチャを見直そうという動きも出ているようですね。

井水:マクロ経済としてみた場合には、そういうことは起こると思います。マレーシアにとってはこの状況は逆に、チャンスにしていかなければならないと思います。以前のルックイースト政策の時のような外資誘致、国内合理化投資支援策を中期的な視点でもっと大胆に進めるように政府に期待したいと思います。