三菱商事とサラワク州、持続可能なエネルギーで協力へ

【クチン】 三菱商事の菊地清貴常務執行役員(シンガポール支店長)が3日、サラワク州のアバン・ジョハリ首相を表敬訪問し、多様な分野における協力関係の継続を表明した。カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質的な排出量をゼロにする取り組み)に重点を置くという。州広報部が発表した。

菊池氏によれば、将来の戦略、双方にとっての利益を話し合ったが、具体的なプロジェクトは協議しなかった。

サラワク州はカーボンニュートラルにおいて東南アジアの中心地になる潜在性を持つとされており、持続可能なエネルギーの分野において、将来持つ会合において具体的協力の形を協議することになるという

三菱商事とサラワク州の協力関係は50年に及ぶ。具体的事業では、三菱商事はビントゥルの焼き畑跡地における熱帯林再生プロジェクを支援。サラワク生物多様性センターとは共同で、藻類培養設備を建設した。またサラワク州の液化天然ガス権益を保有している。
(ボルネオ・ポスト電子版、2月3日)

EC運営代行のサイバーレコード、KLに拠点設立

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 EC運営代行のサイバーレコード(本社・熊本県熊本市)は1月29日、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域での事業拡大を目指し、クアラルンプール(KL)に海外初拠点を設立したと発表した。

マレーシア新会社の名称はサイバーレコード・マレーシアで、市場調査・情報収集・マーケティングを行う。ASEANにおいて幅広いサプライチェーンとテクノロジーを有する事業パートナーとともに、B2B、B2Cでの効率的なオムニチャネル販売ソリューションを日本の事業者に提供していく。また、同地域での事業を起点として、順次、他地域への事業展開を推進していく。越境事業拡大においてカギとなる海外パートナーアライアンスの拡充とマーケティング活動を推進する体制を整える。

サイバーレコードは、Eコマース及びオフライン小売市場進出で重要戦略の一つと位置づけているASEAN域内で戦略的パートナー連携を構築しつつ、同社の越境ECと商社事業を迅速に展開していくための第一歩となると指摘。日本の多様なカテゴリーの事業者とのネットワークを活かし、日本の魅力ある商材をASEAN市場に浸透するビジネスモデルを確立するとしている。

ブリッジ、日本企業のマレーシア進出支援で現地IT企業と提携

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 営業活動代行などを手がけるブリッジインターナショナル(本社・東京都世田谷区)は27日、マレーシアのITソリューションプロバイダー、EDXマレーシアとの業務提携を発表した。マレーシア子会社ブリッジインターナショナルアジアを通じ、マレーシアでITサービス事業を展開したい日本企業をサポートしていく。

業務提携第1弾として扱うのは、エナジー・ソリューションズ(本社・東京都千代田区)の「ドローンアイ」。太陽光発電所に設置されているソーラーモジュール全数の赤外線検査をドローンで行うサービスで、EDXを通じ、販売だけでなく、技術の導入から運用、保守まで提供していくという。

EDXは2024年7月創業で、セランゴール州ペタリンジャヤに拠点を置く。

事業サポートのDKSH、興和との提携拡大

【ペタリンジャヤ=アジアインフォネット】 DKSHマレーシアは興和(本社・愛知県名古屋市)との提携を拡大し、興和の高脂血症治療剤パルモディア(一般名ペマフィブラート)の流通を手掛ける。

DKSHマレーシアは、マーケティング・販売など市場拡大サービスを包括的に提供する。パルモディアは中性脂肪を減らし善玉コレステロールを増やすためのダイエットや、薬剤を用いない運動療法などの補助的療法との位置付けで、脂質異常症の人向け。DKSHのサンディープ・テワリ副社長(ヘルスケア担当)は「優れた医薬品をマレーシア人患者に提供する」と述べた。

DKSH(本社スイス)はアジアを中心に、企業向けに事業を包括的にサポートするサービスを提供する商社で、日本で創業された。興和は商社活動のほか、医薬事業部で医薬品、ヘルスケア、サプリメント、医療用医薬品、医療機器を開発・製造している。

サラワク州タンジョンエンバンの新港、神戸モデルの海上港に

【クアラルンプール】 サラワク州のアバン・ジョハリ首相は22日、同州タンジョン・エンバンに計画中の新港について、神戸港をモデルにした港になるとの見方を示した。

タンジョン・エンバンはサラワク川河口に位置し、サラワク川そのものは水深が浅い。このため、アバン州首相は「既存の港近くの浅い水域では大型船や貨物の取り扱い能力が限られる」と指摘。州の経済成長促進には深海港が欠かせないが、浚渫で深くするのではなく、沖合での海上埋立建設方式で水深を確保している神戸港をモデルにすると言明した。海岸から8キロ離れた水深15―20メートルの地点になるとみられる。州営の石油・ガス企業ペトロリアム・サラワク(ペトロス)のガスターミナルも併設される。

アバン州首相は19日には、計画中の新国際空港もタンジョン・エンバンの沿岸地域に建設すると表明。これまでは内陸部で予定していたが、インドネシア領域を通る飛行ルートになる可能性があったことから、計画を変更した。新深海港と新空港を合わせ、総額1,000億リンギの巨大プロジェクトになる。
(ボルネオポスト、ダヤクデイリー、1月22日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月19日)

ダイキンマレーシア、台湾で業務用大型空調機製造の合弁設立

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ダイキン工業の100%子会社、ダイキン・マレーシアは、台湾の販売代理店である和泰興業及び産業用空調機器メーカーである力菱機電事業と、台湾の空調市場向けにエアハンドリングユニット(AHU)を製造する合弁会社を設立し、事業を開始したと発表した。

合弁会社の社名は大金(台湾)応用空調系統股份で、資本金は8億円。出資比率はダイキンマレーシアが51%、和泰興業が34%、力菱が15%となっている。事業開始にあたり1月21日に台湾の彰化県にある製造工場で開所式典を開催した。ダイキン・マレーシアは、東南アジアとオセアニア地域の業務用大型空調機事業を統括している。

ダイキン工業の声明によると、力菱は1981年の創業以来、産業用空調機器メーカーとして冷凍機やAHUの開発製造・販売を行ってきた。特に半導体市場で豊富な納入実績を持ち、優れた競争力を持つ製品群と高度な要求仕様への対応力、要素部品を自前化するノウハウ、強固な保守サービス、サポート体制を持った台湾有数のメーカーだという。

マレーシア人訪日者数、12月は7万超、通年では過去最高


【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2024年12月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は7万1,600人となり、前年同月比で17.8%増となった。通年でも前年比21.9%増の50万6,800人を記録し、過去最高だった2019年の50万1,562人を上回る結果となった。

JNTOによると、査証免除措置による訪中旅行の人気の高まり、機材繰りなどに伴う一部航空会社の運航規模縮小などあるものの、リンギ高騰などの影響で、7万人超に達したとみられる。

また、世界全体の12月の訪日者数は348万9,800人で、1964年の統計開始以来、単月として初めて340万人を突破した。通年では3,686万9,900人で、これまでの過去最高だった2019年の3,188万2,049人を500万人近く上回った。マレーシアを含めた東南アジアからの観光客の伸びが大きく寄与した。2025年は大阪・関西万博が開催されることもあり、市場動向を分析しながらさらに戦略的な訪日旅行プロモーションに取り組んでいくという。

無印良品、東マレーシア初店舗をクチンで開業

【クアラルンプール】 総合生活用品の「無印良品」は17日、サラワク州クチンの商業施設「ザ・スプリングショッピングモール」に新店舗を開業した。東マレーシア初進出となり、今後店舗展開を加速させていく方針だ。

新店舗の広さは2万平方フィート。これまでオンラインで購入していた東マレーシアの顧客から、出店を望む声が多く寄せられていたという。

Mujiマレーシアの早川正樹代表は「パンデミック以降、マレーシアでの事業拡大に力を入れてきた当社にとって、東マレーシアは長い間滞在的な市場であった」とし、3月にサバ州コタキナバルで、5月にはクチン2店目の開業も予定されている。
(ボルネオポスト、1月17日)

セブン銀行、マレーシアのセブンイレブン店舗にATM設置

【クアラルンプール】 セブン・イレブン・グループのセブン銀行は、マレーシアのセブン・イレブン店舗へのキャッシュ・リサイクリング・マシン(CRM)設置を開始した。

年内にクアラルンプール、セランゴール州、ジョホール州、ペナン州の店舗に100台設置する。CRMにはATM(現金自動預け払い機)機能と小切手預入機能が備わっている。セブン銀行の松橋正明社長は、26年にはサバ州、サラワク州、および郊外を中心に全国規模でCRMを設置すると述べた。

マレーシアへの進出は、米国、インドネシア、フィリピンに続き4カ国目。マレーシアには現在、セブン・イレブン店舗が2,600店ある。

決済ネットのペイネットが22年に行った調査によると、国民の78%が依然、現金での支払いを好んでいる。調査会社イプソスによる24年調査でも、国民の45%は支払いに現金のみ利用している。

セブン銀行の永嶋恒雄常務執行役員は「マレーシアはデジタル化が進展しているが、現金が依然、支払いの重要部分を占めている。特に都市部以外でそれが顕著だ」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、1月21日、エッジ、1月20日)

サステナブルフードアジア、イベント参加の食品企業など募集

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 新たな食材開発などに取り組む「サステナブル・フード・アジア」(本社・東京都渋谷区)は、クアラルンプール(KL)で4月に開催する「サステナブル・フード・キャンプ2025(SFC2025)」に参加する食品関連の企業などを募集している。

SFCは東南アジアのフードテック企業と日本企業を結ぶことを目的に2023年から開催されている。前回は9カ国から113社が参加した。今年は「フューチャー・フーズ 今日のイノベーション、明日の持続」をテーマに、4月22日に開催される。食品関連の企業のほか、研究者、金融機関などが一堂に介し、糖尿病や肥満などの生活習慣病対策や、食の多様性、資源循環などについて議論し、協業を目指す。最後に、チームごとにアイデアの発表が行われ、優勝チームには賞金やアイデア実現に向けた支援が予定されている

2022年創業のサステナブル・フード・アジアは、教育開発や創業支援などを手がける「リバネス」(東京都新宿区)のグループ企業。
SFC2025の詳細は https://sustainablefood.camp/