総合医療区画「KLウェルネスシティ」、第1期は26年開業予定

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 クアラルンプール(KL)のブキジャリルにおいて開発される総合医療タウンシップ「KLウェルネス・シティ(KLWC)」の着工式が1日、開催された。

推進母体のKLウェルネスシティが発表した声明によると、総開発価値(GDV)は110億リンギ。敷地面積は26.49エーカーで、医療、ウェルネス、ビジネス、小売分野で構成される「ノベル・ヘルスケア・パーク」、KL国際病院(KLIH)、研究所、臨床研究・開発施設、ヘルスケア企業向けのオフィスタワー、退職者向けのリゾート、ウェルネスに特化したサービスアパート、フィットネスをテーマとした「セントラル・パーク」などを開発する。

第1期ではヘルスケア・パークとKLIHを開発する計画で、2026年の開業を予定している。KLIHの初期投資額は8.6億リンギ。病床数は624床(1,000床まで拡張可能)で、心臓、脊椎、神経などの科目の他、スポーツ医療や美容外科、不妊治療なども行う。医師、看護師、薬剤師などを含む医療専門家向けに3,000人以上の雇用機会の創出が見込まれている。

KLウェルネスシティのコリン・リー社長は、医療観光先としてのマレーシアの認知度の向上目指すという国家計画に沿ったものだとして、医療、健康、ウェルネス、フィットネス、ビジネスのあらゆる側面を網羅したウェルネスハブというビジョンを通じて開発を進めるとした。

配車サービスのグラブ、相乗りサービスを再度導入

【クアラルンプール】 配車サービス大手のグラブは、5月29日付けで、首都圏で相乗りサービス「ジャストセーブ」を開始したと発表した。

グラブは2016年に「グラブヒッチ」、2017年に「グラブシェア」という名称で相乗りサービスを提供していたが、今回はそれらの改良版となる。乗客1人の場合のみ相乗りが予約でき、相乗り定員は2人。乗客はそれぞれ運賃を最大20%節約でき、運転手も1回の乗車で2人から支払いを受けることができる。ルートや相乗り客は事前に固定されるので、乗車後に予期せぬ遠回りが発生することはない。

現時点での相乗り利用可能地域は、▽KLCC▽ミッドバレー▽セントラル・ブリックフィールズ▽ワンウタマ周辺ーー。利用可能時間帯は、午後2時から午後9時59分まで。

相乗り客が見つからなかった場合には、通常の配車サービス「ジャストグラブ」の方を利用することになるが、若干の割引(現時点では1リンギ)を受けられる。また、相乗り客のうちひとりが乗車後にキャンセルした場合には、キャンセル料3リンギが必要となるが、もうひとりの予約は影響を受けず、目的地まで運行が継続するという。
(テックインアジア、バルカンポスト、5月30日、グラブ発表資料)

6月にエルニーニョ現象発生の見通し、ヘイズ悪化の可能性

【クアラルンプール】 気象専門家らは、東南アジアでは6月にもエルニーニョ現象が発生し、マレーシアなどでは乾燥した気候が続き、ヘイズ(煙害)が悪化する可能性があると予想している。

マレーシア国民大学(UKM)の地球科学・環境学部のモハマド・シャフルル准教授は、エルニーニョ現象について、マレーシアを含む東南アジアに少雨と乾燥気候をもたらすとして、森林や開墾地で火災が発生しやすくなると指摘。またエルニーニョ現象は乾季を長期化させる可能性もあるため、さらに火災発生の恐れが高まるとした。

シャフルル准教授によると、欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は、年末に向けて強いエルニーニョ現象が発生する可能性を示している。また、気候科学者らは気候変動とエルニーニョ現象の再来により、マレーシアでは今年もしくは来年に、平均気温の最高記録を更新することを予想しているという。

エルニーニョ現象は2015年までに12回マレーシアを襲った。これまで最も影響を受けたのは1997ー1998年で、ペラ州において最高気温が40.1度を記録した。
(ザ・サン、5月31日、アジアワン、ザ・スター電子版、5月30日)

天然資源省、水道料金の見直しについて検討

【クアラルンプール】 ニック・ナズミ天然資源環境気候変動相は5月30日、水道料金の見直しを検討していると明らかにした。

水道会社アイル・セランゴールが実施する「ラサウ給水計画」の開始式典に参加したニック・ナズミ大臣は、水道事業者の財政的持続可能性が水道サービスの質に影響するとし、一部の州では20年以上料金体系が見直されていないことから、天然資源環境気候変動省が見直しを図っていると述べた。貧困層の負担増にならない形での値上げを検討しているという。

同じく式典に参加したセランゴール州のアミルディン・シャリ首相は、セランゴールにおける無収水率(NRW、漏水や盗水の割合を示す指標)は、パイプ交換や漏水対策、水処理施設の運用効率化により、2016年の36%から現在は27.8%まで減少し、2025年までに25%にすることを目標にしていると言明。セランゴールでは、2016年から全長3万キロメートル(km)のパイプ交換に取り組んでおり、コスト面への配慮から毎年計画的に150kmずつ交換作業を行っていると述べた。

ラサウ給水計画は、既存のスズ採掘池9カ所(489ヘクタール)を水源にするもので、スンガイ・ラサウ浄水場やクラン川を新たな原水供給源とする配水システムも建設し、水源確保と洪水軽減の両立を目指す。第1期は2025年に完工、第2期は2027年から開始し、工期3年を予定している。総工費は55.4億リンギ。
(ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月31日、マレー・メイル、5月30日)

ペナン軽便鉄道、北の終点をタンジョンブンガに延伸へ

【ジョージタウン】 アンソニー・ローク運輸相は、ペナン島で計画されている軽便鉄道(LRT)計画第1期について、北の終点を現計画のコムターからさらに北部のタンジョン・ブンガまで延伸する方向で検討する考えを示した。バヤンレパスLRT(BLLRT)計画は当初ペナン州政府が単独で進めていたが、先ごろ連邦政府が追加資金提供を約束していた。

LRTプロジェクト視察のためにペナンを訪問したローク運輸相は予定されていた3島の人工島建設計画が1島に縮小されたことから、これに応じてLRT計画も見直す必要があると指摘。人工島に建設予定だった車両基地を既存の土地に建設することで連邦政府と州政府が同意したとして、予定より早く工事が進む可能性があると述べた。また車両基地の立地が決まれば年内にも第1期工事の入札が行われる予定だとし、推進母体である政府系MRTコープがコムター止まりではなくタンジョン・ブンガまで延伸する方が望ましいと考えていると述べた。

ペナンLRTの建設費用について、MRTコープは社債発行を計画している。第2期ではペナン海峡を越えてバターワース、ケパラ・バタスまでの延伸が計画されている。
(ザ・スター、5月31日、エッジ、5月30日)

イポー、6月から毎週土曜にレジ袋有料化

【イポー】 イポー市議会(MBI)は、6月1日から毎週土曜にレジ袋の使用で20センを徴収する「ノー・プラスチックバッグ」キャンペーンを実施すると発表した。

ルマイジ・バハリン市長は、キャンペーンは、環境の持続可能性に向け使い捨てプラスチックを減らすことを目的としており、徴収された20センは、学生や一般市民を対象とした環境維持プログラムの実施や、リサイクルキャンペーンに使われると述べた。

ルマイジ市長によると、同キャンペーンには、スーパーやコンビニ、ファストフード店、薬局など1,378店舗が参加し、対象店舗には「ノー・プラスチックバッグ・デー」参加店舗証明書が掲示される。事業許可証に追加条件を付与することで料金徴収を可能にしているという。

ルマイジ市長はまた、今月18日には、イポー市のライセンス部門が環境衛生部門と共同で120社との対話セッションを行い、その結果、22事業所(18%)が「レジ袋を使用しない事業所」として登録されたと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、5月29日)

ペナン島で住宅の短期レンタルが禁止に、宿泊業界は歓迎

【ジョージタウン=マレーシアBIZナビ】 ペナン州政府が25日、ペナン島内の個人所有の住宅短期レンタル(STRA)を同日付で禁止すると発表し、宿泊業界が歓迎の意を示している。STRAは「Airbnb」や「booking.comなどがネット仲介を行っている。

ペナン島市議会(MBPP)のラジェンドラン・アンソニー市長によると、▽サービス付きアパート▽スモールオフィス・ホームオフィス (SoHo)▽スモールオフィス・フレキシブルオフィス (SoFo)▽スモールオフィス・バーチャルオフィス (SoVo)▽オフィススイート▽デュプレックス・オフィスーーの6カテゴリーの商業施設は規制対象外。

個人でなく商用カテゴリーでSTRAを行うことは可能だが、それぞれの共同管理団体(JMB)または管理法人(MC)の承認を得る必要があり、年次総会で他の住民から75%の「賛成」票を得る必要がある。JMBとMCは1ユニット当たり最大250リンギの新規登録料、及び年間250ー500リンギの年会費を徴収する。
また各ユニットはMBPPに登録する必要があり、所有者はマレーシア会社委員会(CCM)の書類を提出する必要がある。この他、1ユニットあたり1,000ー3,000リンギの1回限りの保証金が求められる。STRAユニットのレンタルは年間最大で180日許可され、週3日に制限される。

マレーシア・バジェット・ビジネスホテル協会(MyBha)のガネーシュ・ミシェル会長は、ホスピタリティ・観光業界はここ数年、民間のSTRAによる打撃を受けているとして、禁止を決めたことは観光産業の改善に向けた良いスタートになるとコメント。ペナンで暮らしたい人に多くの住宅を提供できるようになるため、長期的な家賃低下にもつながると述べた。

KFCとピザハットが慈悲メニューに参加、低価格商品を提供

【クアラルンプール】 ファストフード・チェーンのケンタッキー・フライド・チキン(KFC)とピザハットは29日、5リンギ(約150円)の「慈悲(ラーマ)メニュー」を開始すると発表した。

KFCではチキン1ピース、バタースコッチ・バン、ミネラルウォーターを、ピザハットではパーソナルピザ(1人用小サイズピザ)とミネラルウォーターをセットにし、それぞれ5リンギで提供する。

サラフディン・アユブ国内取引物価相は、大手ファストフードである両ブランドが参加したことで慈悲メニューに対する懐疑的・否定的な意見が払拭できるとし、現在、大手レストランを含む3,000の食品販売業者が慈悲メニューを提供していると述べた。慈悲メニューは、食品価格の高騰に対する短期的な解決策として今年1月から始まったものだが、現在では、食品以外にも低価格商品を提供する動きが全国に広がっている。食品販売業者の参加は任意で、当初は赤字覚悟の参加が必要だったが、後に国内取引物価省が金銭的インセンティブを提供するとした。

両ブランドを国内展開する、QSRブランズ(M)ホールディングスのネーチャル・カンナ社長兼最高経営責任者(CEO)は、慈悲メニューは企業の社会的責任、つまり地域社会への恩返しであるとし、困難な時期を乗り切るために、現実的で実行可能な解決策だと述べた。
(マレー・メイル、5月29日)

眼鏡販売のフォーカスポイント、今年は12店舗をオープン

【ペタリンジャヤ】  眼鏡販売チェーンのフォーカス・ポイント・ホールディングスは、今後3ー5年間について、マレーシアの眼鏡事業に引き続き注力するとし、市場シェア拡大のため新店舗をオープンすると発表した。昨年15店舗をオープンしたのに続き、今年は12店舗のオープンを目指す。

リアウ・チョンリアン社長兼最高経営責任者(CEO)は、24日に開催された年次総会後の会見で、同社はマレーシアにおいて国内最大の店舗数を誇る眼鏡・コンタクトなどのビジョン・ケア店となっていると強調。マレーシア眼鏡委員会(MOC)が2021年8月、Eコマースのプラットフォームにおける眼鏡やコンタクトレンズの販売を禁止したため、2022年会計年度で眼鏡部門の電子商取引の売り上げが30.55%減少したが、今後も同社グループはMOCが定めたガイドラインに準拠した製品を提供し、Eコマース事業を拡大し続けると述べた。

なおソー・ジンチュエン最高財務責任者(CFO)によると、昨年の小売店事業の成長率は46.7%、法人事業が63.8%、フランチャイズ事業が33.4%だった。同社は今年も小売店事業、法人事業、フランチャイズ事業、Eコマースにおける売り上げ増を目指して継続的に取り組む方針だ。
(ベルナマ通信、5月24日)

ブックエクセス、ガーデンズモール屋上に新店舗をオープン

【クアラルンプール】 書店チェーンのブックエクセスは、クアラルンプールのショッピングモール「ガーデンズ・モール」の屋上に新店舗をオープンした。

2棟に分かれており、1棟は子供向け、もう1棟は大人向け書籍を取り揃えており、レストラン、イベントスペースも有している。ムスリムフレンドリーな(イスラム教徒への配慮のある)レストラン「レッド・レッド・ボタック・ヘッド」では、伝統的なマレーシア料理に新味を加えた料理を提供し、週末のイベントやバンドによる生演奏も行われる。書籍スペースでは、ブックエクセスの他店舗同様、何層にも重なった本棚やスロープ、通路があり、探検気分も味わうことができる。営業時間は毎日午前10時ー午後10時。

ブックエクセス創業者のアンドリュー・ヤップ氏は、屋上の庭に書店を作るのは少し難しかったが、こういった挑戦により、常に進化し続けることができるとコメント。新店舗は夜にパーティーを開催できるようなイベントスペースになるとし、他書店とは違う工夫を続けていると述べた。
(ザ・バイブス、5月25日)