【人生の知恵・仕事の知恵】Why are you in Malaysia ?

Why are you in Malaysia ?

★果たして日本の海外展開は成功だったのか?

1985年のプラザ合意による円高容認以降、海外に多くの日本企業が進出しました。特にマレーシアは、電器関係を中心として、日本に次ぐ第二の生産拠点の勢いで、生産移管が行われたことを、懐かしく思い出します。

赴任する日本人は青雲の志を抱き、また日本企業で働き始める現地社員は、日本企業から少しでも技術を覚えようという謙虚さに満ち溢れていました。その後、多くの生産拠点は中国に移管されるかもしくは縮小されました。

今、シャアラムやPJの周辺を車で移動していると往時を思い出しつつ、果たして日本企業の

海外展開は成功だったのだろうか、想いに馳せることがしばしばあります。

 

★日本企業が苦しんだマレーシアパターン

日本企業を苦しめたのは、マレーシア独特の、言って見れば、マレーシアパターンでした。日本人が大切にしてきたガンバリズムが最終的に否定され、現地社員自身から声の上がる「やはりマレーシアでは無理だ」という諦めというか割り切りにも似たような結論づけに、マレーシアの日本企業は、苦しめられてきた面があります。

また 「日本企業は自動的に給料が上がり、昇格できる」と信じている現地社員の声は、日本企業の貢献を考えると不当に軽んじられてきたように思います。

 

★日本企業にとってのマレーシア2.0

一方で、マレーシアの若い現地社員と話していると、上述したような日本企業を不当に軽んじる声は少なくなっているように映ります。

むしろ、どの企業で働くかよりも、自らの力を最大限に発揮できることに優先順位が高いという印象を受けます。そして、地元意識が高いです。

日本企業が迎えるマレーシア新時代は、意外と当初、多くの日本企業が思い描いたその国に貢献する産業報國にあるのかもしれません。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

【人生の知恵・仕事の知恵】Process From viewing to participating

Process From viewing to participating

★1 on 1研修の効用

オンライン研修が、シンガポールのような国では常態化しました。その延長で、筆者と受講者の二人だけという研修の機会が増えました。

受講者としては、他に気を遣うことなく、日頃の不安や悩みを筆者と共有できることから、オンラインというバーチャルな空間でありながらも、現実的な悩みの解決を促すことができます。

 

★問題はスマホの中

世界中、どの国を見渡しても、庶民の普段の行動様式は一律になりました。街を歩いていても、電車に乗っていても、かつては、読書をしたり誰かと語り合うという場面が見られました。しかし、今はほぼ全員、スマホの画面に夢中です。

寝てる時間以外は、全てスマホです。つまり、現実は本来バーチャルであるオンライン空間にあるだけに、ウエビナーも受講者との親和性がある時代なのかもしれません。

 

★観るから参加するに深化させる

一方で、バーチャルな空間は「観た」という消極的な姿でも、一応のお墨付きが得られることが難点です。当事者意識の拒否を機械的に受け入れてしまう仕組みが、ウエビナーの難点です。

それだけに、バーチャルな空間が新たな教育の場として定着していかなければいけないとすれば、受講人数も然り、あるいは進め方も然りで、観るだけでお墨付きをもらおうとする受講者をいかに参加を促すかが、ウエビナーそして現代の人間社会の課題とさえ言えます。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

【人生の知恵・仕事の知恵】Why do they have to report ?

Why do they have to report ?

★報告を促す方法

先日のマレーシアの研修で、現地の受講者から「部下に報告をしてもらうには、どうすれば良いのか?」といつ質問があって、以下のように答えました。

「一回や二回、報告するようにだけでは効果はありません。毎日、しつこいぐらいに報告をしてほしいと促さないと実行に移してもらえないですよ。とにかく、今日からでも、Report early , Bad news fast をどこか目につくところに張り出すなり、あるいは、今日の研修終了後、すぐに部下に今日の状況について報告をすべきです」とアドバイスをしました。

 

★なぜ、部下が報告をしないのか

一般的に部下が報告をしない理由には次の3つが挙げられます。

  • そのことについて報告をすべきだと知らなかった
  • 報告をしようと思っていたが、報告を躊躇った。
  • 報告の仕方がわからなかった。

特に海外の場合は、1番が多いです。そして、後でなんとかしてくれと泣きつくケースです。いずれにしろ、報告をしなければ、後になっては言い訳にもならない理由です。まずは報告をしつこいぐらいに促し義務と意識させることが肝要です。

 

★報連相は仕事のインフラ

そして、同時に大切なことは、報告をしてくれたことに業務の帰結について当人に明らかにすることです。なぜならば、報連相は仕事の進め方であるという理解を促さないといけないからです。

報告を終えただけで責任を終えたというような発想は、どうしても仕事全体への当事者意識が持てません。報連相は仕事のインフラであり、すでにインストールされていることを自覚させることが大切です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

 

【人生の知恵・仕事の知恵】Quality of word

Quality of word

★管理者の悩み

最近、新しい研修のテーマをクライアントと打ち合わせをしていると、特にローカルスタッフの担当者からは、「難しい部下との接した方を教えて欲しい」という内容が増えました。いわく、「若い世代は、はっきりと物をいうので対応に困る」というものが一般的です。

筆者が具体例をヒアリングすると、必ずしも部下に責任があるとは思えない事例が大半で意地の悪いような表現をすれば、「部下に責任をねじ込ませようとして」しまうあまりに信頼関係が損なわれてしまうという傾向が伺えました。

 

★希薄化する上下関係

もう一つの原因は、上司も部下も、最近の人との付き合い方は、リアルは限られた気の合う人たちで、SNSなどでは匿名での接点であるため、「リアルの上下関係」における耐性が薄いということも挙げられます。

従って、ネガティブな言葉を平気で投げかける、あるいはそれを受けて傷つきやすい傾向があるとも言えるでしょう。

言ってみれば、組織に入ってはじめて上下関係を学ぶ「上下関係初心者」が多いため、強い言い回しを避ける、あるいは耐えられないケースが多いのだと観察しています。

 

★言葉の重みを知る

上下関係が希薄化することで、言葉の重みも薄まります。自分の投げかける言葉で相手が傷つくことを想像することや、逆に、多少の厳しい表現も、その真意を理解することは、リアルの人間関係を円滑に行うために大切です。

言葉には質感があることを学ばなければいけない時代です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

【人生の知恵・仕事の知恵】Rebuild relationship

Rebuild relationship

★現場指導のあり方

先日、ある会社で現場指導についての話題になりました。

第一線監督者が現場のオペレーターを強く怒るため萎縮するということから、どう指導したら良いかという議論です。

筆者がその場でヒアリングしたいくつかの事例に基づくと、監督者とオペレーターの信頼関係に問題があると伺えました。

そのためにいくつかの解決策の提案をしたのですが、結論からするとどうやらもっと手前に問題があると判明しました。

 

★劣化するヒューマンスキル

スマホを手放せない現代人は、リアルのコミュニケーションとのバランスを考えないといけません。それは工場における人材管理も同様です。

意識的な社員への声かけはどんな時代でも必要ですが、スマホをかたときでも離せない現代人には難題です。結局、お互い話せないまま、スマホの画面に目が映ります。

同じことは工場の現場でも起きています。もちろん、現場内で作業中はスマホ禁止ですが、リアルなチャットに馴れていないため、お互いの簡単な会話さえも脇に追いやられてしまいます。

そのため、問題が起きると、相手のリアルな感情を顧みず、怒鳴ったり傷つく言葉を投げかけたりするのです。

 

★挨拶から再スタート

そう考えますと、まずは挨拶からやり直すことが現場での人間関係でも大切だと思います。

スマホ脳を休止させ、直接会話脳を刺激するためには、挨拶の5原則(笑顔で相手の目を見て、大きな声で、相手の名前を呼んで、自分から声をかける)を励行し、会話のキャッチボールから慣れていくことが肝要です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

【人生の知恵・仕事の知恵】Dealing with shortage of manpower

Dealing with shortage of manpower

★高齢化する出向者候補

最近、各国で新出向者の方々とお会いすると、ほとんどが、筆者(58)と同じ年齢か、もしくは前後5歳です。それだけではなく、それらの大半の方々は海外を渡り歩いた方々ばかりです。

筆者が初めて海外に出向したのは28歳の時、そして責任者として再出向したのは32歳の時でした。

海外を飛び歩いた「黄金の30代」は、自らの大躍進の時期でした。従って、同じように30代の日本人にそういう経験をさせてあげたいと思うのですが、肝心の同年代の出向者候補が少ないというのが多くの企業の現実です。

そして、そのことは同時に日本企業の中間層の縮小を意味しています。

★就職氷河期と派遣法の歪み

来年から筆者の同世代となるバブル前後社員の大量退職が始まります。その結果として明らかになるのは、海外に出向させ経験を積ませたくなるような先述した中間層の不在であり、その原因としての90年代の就職氷河期そしてその後に始まった派遣法によるツケということでしょう。

実際、どの会社に出かけても30代、40代の社員が非常に少ないことを実感するだけではなく、彼ら彼女らの年代からは1社2社の転職経験は常態化しており、むしろ会社にずっと止まっている当該年代の方々は、全員とは断定しないまでも安定志向が強く、海外出向によるポスト喪失を忌避する傾向が強いという印象を受けます。

★人材不足による企業力低下を防ぐために

企業は人なりです。海外現地法人も同様で、現地法人責任者層の能力に負うところが大であることはいうまでもありませんし、大半の日系企業は日本人次第であるというのが現実です。

しかし、これからの日本企業の海外展開は、上述の理由から出向人材の選択肢がさらに狭まるを得ませんし、「行きたくないのに行かされた」「出したくないけど出した」という人材ばかりになることで、活力のない組織になるように想像されます。

日本人を絶対に出向させなければならないという発想も、相応の歴史を重ねてきた現地法人にはそろそろ不要ではないかと思いますし、必ず任期で交代させる必要もないでしょう。総合的な企業力を失わないための柔軟な海外での人材マネジメントが求められる時代です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

【人生の知恵・仕事の知恵】Connected based on policy

Connected based on policy

★ケイレツ

先日のシンガポールとのオンライン研修で、代理店とのやり取りの問題について受講者が言及したとき、日本のケイレツについて説明しました。

日本のケイレツは、ただ単に発注者受注者のやり取りで繋がっているわけではなく、QCSDを遵守するための方針でつながっていると伝え、お互いの判断基準は損得ではなく、「方針の延長戦上」で行われるべき、とアドバイスをしました。

★方針に沿った商売

松下電器産業(現パナソニック)がヨーロッパに進出した時のことです。事務所が開設したものの、未だ販売する商品さえない中で、当時の日本人出向者に、「まずは松下電器の経営理念を売ってくれ」と要請したのは、先述の「松下電器の方針を理解した販売網」を作って欲しいという意味合いでした。

あるいは、松下幸之助の片腕だった高橋荒太郎(元松下電器産業副社長)はフィリピンでの販売店契約に必ず現金取引を守るよう命じました。「この国で現金取引の取引は困難です」と現地法人の責任者が訴えると、「だったら応じてくれた会社とだけ取引すれば良い」とはねつけました。

★経営トップ自らが陣頭指揮

結局のところ、方針に沿った取引をしたところが信頼関係の長続きをして共存共栄も実現できます。そのために経営トップ自らが先頭に立ち、販売網との信頼関係構築に努め、方針理解を要請していくことが肝要です。

経営トップの熱意が取引先の心を動かします。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

【人生の知恵・仕事の知恵】Inclusive education

Inclusive education

★相応の考え方

先日、某社で泊まり込みのスーパーバイザー研修を行った時のことです。

まず、受講者の面々にあるテーマについての成果を発表してもらいました。しかし、その内容が、結果というより活動の内容報告に終始していました。

その旨のフィードバックをするところを思いとどまり、オブザーブをしていた上司であるシニアマネージャーに発表をしてもらったところ、スーパーバイザーと異なり、結果についての明確な振り返りでした。

そこで、当該受講者には、シニアマネージャーとの発表の違いについて考えてもらうことにしました。

★ロールモデルの大切さと海外現地法人での課題

どんな理論よりも、目の前に具体的な行動の規範となるロールモデルが存在することは大切です。

以前、ベトナムの日系企業で、部下指導を大切にしているベトナム人に、「あなたは海外の事業所では珍しく部下の指導をしていますね」と伝えたところ、日本人の上司が部下指導をしている姿を真似ている、とのことでした。

一方で、海外では、社長の言うことが全てという傾向があり、特に現地社員の上司を模範とはしない傾向が強く、直属上司を見習えと言っても当人に響かないところがあるのも現実です。

★体系的な人材育成が鍵

以前、マレーシアの日系企業の社長さんから以下の連絡を受けたことがありました。

「お宅の報連相研修を受けて、受けた社員は報連相ができるようになったが、受けてない社員とのバランスが悪くなった。だから、受けていない社員も受講させたい」

海外の場合、OJTが成り立ちにくいため、Off-JTによる教育機会は、人材育成において大変大切です。

前述の合宿研修を行った企業でも、階層別の総合的な教育を行なっています。そのため全社員の能力が相応にのび、そのうちのメンバーが実際の職場でロールモデルとなっているのです。

全体の底上げを図るための網羅的な人材育成戦略が大切です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

 

【人生の知恵・仕事の知恵】Out of boring zone

Out of boring zone

★離職の理由

先日のオンライン研修で、シンガポール人の女性受講者が若い世代との接し方について話をされていたので、筆者の見解を述べました。

「7、8年前、シンガポール国立大学で日本企業の特徴について講演をした時、学生からの最初の質問は、「どうやったら、日本の化学メーカーに就職できますか?」でした。

全く、アカデミックな質問がないので失望しました。

でも、15年前、シンガポール経営大学で講義をした時の最初の質問は、「日本企業とアメリカの企業との違いを教えてください」という学生らしい質問でした。

今の若者は、特にエリートコースを歩んできた子たちは、次の準備に忙しく、入社してからも、心ここにあらずで、次のキャリアを求めている傾向があります」

★やる気の理由

以前、ブルネイの日系企業で研修をした時、人事のブルネイチャイニーズの男性がこんな述懐をしていました。

「湯浅さん、僕はブルネイしか知らなかったとき、自分は王様がいなければ何もできない人間だと思っていたのです。だけど、イギリスに留学した時、生まれて初めて、自分で住むところを探し、食事を作り、教科書を買って、自分の潜在能力に気がついたのです」

★退屈からの脱却

今の職場に満足しきれない若者は、次への準備に余年がなかったため、会社での

仕事が退屈に思えるのかもしれません。

従って、ブルネイチャイニーズの事例は、満足を絵に描いたように生きてきた人が、どうすれば今この時にやる気を持って仕事に取り組めるかを考える上で、参考になると思います。

次の準備に思いを馳せる若者に、今を頑張ってもらうためには、今を頑張らざるを得ない状況を作り出すことが肝要です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

【人生の知恵・仕事の知恵】Think out of the pattern

Think out of the pattern

★なぜなぜ分析の傾向

先日のマレーシアでの某社研修でなぜなぜ分析を行った時のことです。

なぜを繰り返し追求する途中で、「人材不足」を原因としたところから、分析が止まってしまいました。

マレーシアを含め、諸外国でなぜなぜ分析を行うと、決まってというほどit is human problemと結論づけ、「人間は完璧ではない」というアリバイ作りに陥りがちです。

★人の問題に帰結させる理由

方法論を掘り下げない傾向の理由は、良く言えば個人攻撃をしたくない心理状態ともいえますし、意地悪くいえば、責任を取りたくないという意識も働いています。

従って、なぜなぜ分析を行うにあたっては「これは誰かの責任を問うために行うわけではありません」と説明します。

実際、そうして説明をしてなぜなぜ分析を行い、意外な原因を発見できることができると、受講者のなぜと問いて原因を掘り下げることへ理解も深まります。

★並行して教えること

現地社員が方法論をなぜと掘り下げない別の理由は、マニュアルをベースに仕事をする傾向が強いからです。マニュアルが常に完璧という前提であるため、仕事で失敗をすれば、人の責任になりがちで、仮にマニュアルが問題とすれば、それを修正するのは、マネジメントの責任という発想になります。

しかし、なぜと問いて発見する喜びを味わえれば、仕事に向き合う姿勢も変わります。

なぜなぜ分析の目的は、問題の根本原因の発見を通して、仕事の成果は、自らのやり方次第で帰られることに気がつくことです。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)