KKマートが謝罪、「アッラー」文字入り靴下販売で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ミニマートチェーンのKKマートで、「アッラー」の文字がプリントされた靴下が販売されていたことが分かり、即時謝罪に追い込まれた。

問題の靴下はミラノソックというメーカーが製造し、KKマートに委託販売していたもので、くるぶしの辺りにアルファベットで「ALLAH」とプリントされていた。バンダル・サンウェイの店舗で消費者によって撮影された画像がソーシャルネット上で拡散。「イスラムに対する冒涜」といった批判の声と共に、KKマートの不買運動を呼び掛ける声も上がった。

これを受けてKKマートは速やかに謝罪を表明した上で、二度と同じ問題を起こさないと約束。その上で問題の商品の販売を中止したこと、製造業者に事情説明を求めたことを明らかにし、建設的な批判を行った消費者に謝意を示した。

同問題を巡っては、与党連合に参加している統一マレー国民組織(UMNO)青年部が、KKマートに対して全188店舗に謝罪の横断幕を掲げるよう求めるなど政治化する動きを見せているが、同党に所属するザイド・イブラヒム元法相は、「意図的に行ったわけではなく、いじめに等しい無体な謝罪要求をすべきではない」とクギを刺した。

中国東方航空、昆明ーKL線を就航

【プトラジャヤ】 中国東方航空は16日付けで中国・昆明からクアラルンプール(KL)への直行便の毎日運航を開始した。マレーシア政府観光局が明らかにした。

マレーシア政府観光局の声明によると、使用機材は148人乗りのエアバス「A320neo」型機で、クアラルンプール国際空港(KLIA)ではターミナル1(T1)を利用する。他の航空会社も昆明などの中国・雲南省の都市とKLを結ぶ路線を週18便運航している。

16日にKLIA T1に到着したMU9629便の乗客を出迎えたカイルル・フィルダウス副観光芸術文化相は、新たな路線の就航により、中国から多くの観光客を呼び込めるとし、昨年12月1日付けで中国とインドからの旅行者に対して最長30日間のビザなし滞在を認めたことから、マレーシアを訪問する中国人観光客数は大幅に増加していると述べた。

2023年にマレーシアを訪問した中国人観光客数は、前年(21万2,603人)の6.9倍となる147万人にまで達している。
(マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、3月16日、マレーシア政府観光局発表資料)

 

ブルーシャーク、バッテリー交換施設を首都圏で15カ所に拡大

【ペタリンジャヤ】 中国の鲨湾科技(上海)(シャークガルフ・テクノロジー)のマレーシア現地法人ブルーシャーク・マレーシアは、同社の電動スクーターのバッテリー交換が行える「ブルーステーション」を首都圏で15カ所まで拡大したと発表した。

同社は2023年3月の電動スクーター「R1」発売に合わせ、首都圏の5カ所にブルーステーションを設置していたが、今回さらにクアラルンプールおよびセランゴール州において、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)給油所10カ所への設置を行った。利用者の利便性を考慮し、ペトロナス給油所へのブルーステーション設置を進めており、まずは首都圏全域に、最終的にはジョホール州やペナン州などの郊外に設置し、年内に全国の50カ所に設置することを目標として掲げている。

ブルーシャーク・エコシステムのASEAN(東南アジア諸国連合)地域担当最高執行責任者(COO)であるジン・チャン氏は、マレーシアにおける電動バイクの普及には、バッテリー交換技術が鍵になると考えており、ブルーステーションの拡大により、より多くの利用者にサービスを提供できるようになったと述べた。

「R1」は、ブルーステーションのほか、一般的なコンセントからの充電や、バッテリーを取り外して家庭用充電キットで充電することも可能となっている。
(ザ・サン、3月18日)

リンギ相場でグーグルが誤報、中銀が説明要求へ

【クアラルンプール】 マレーシア中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は16日、グーグルが15日に間違ったリンギ・米ドル相場を掲載し、それがソーシャルメディアで共有されたと発表した。

グーグルは1米ドル=4.98リンギとの相場を掲載したが、BNMは「不正確な情報で、現実の取引価格を反映していない」と指摘した。グーグルは2月6日にも不正確な相場を発表していた。15日の国内取引の終値は1米ドル=4.7045リンギ。BNMによれば、過去2週間でリンギは米ドルに対し0.76%値上がりした。

1回目の誤報に際しBNMは警告文を発表したが、今回は2回目ということもあり、原因の説明と再発防止をグーグルに求める。BNMは「為替相場は市場に影響を与えるデータであり、不正確な情報の流布は金融市場に深刻な影響を及ぼす」とした。

指摘を受けたグーグル・マレーシアは18日、X(旧・ツイッター)上に「為替レート情報を提供する会社に直ちに連絡して誤りを修正し、現在問題は解決されている。混乱を引き起こしたことをお詫びする」との声明を発表した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・サン、ザ・スター、3月17日)

ベルマツ、中国「XPeng」ブランドEVの販売権を獲得

【クアラルンプール】 マツダ車の販売を手掛けるベルマツ・オートは14日、中国・深セン小鵬汽車供応鏈管理及び広州小鵬汽車貿易よりマレーシアにおける「小鵬汽車(XPeng)」ブランドのスマート電気自動車(EV)の販売権、およびスペアパーツ販売・アフターサービス営業権を獲得したと発表した。

ベルマツのフランシス・リー・コックチュアン最高経営責任者(CEO)によると、小鵬汽車のラインナップには「P7i」(スポーツセダン)、「P5」(ファミリーセダン)、「G9」(フラッグシップSUV)、そして新たに発売された「X9」(フラッグシップMPV)がある。デジタルコックピット、高性能バッテリーなどの最新鋭の機能を搭載しており、ナビゲーションガイド付きパイロットソフトウェアは自動運転機能をもつ。

小鵬汽車は、国際市場の開拓を促進するため、今年下半期に香港や東南アジア市場向けに右ハンドル車を発売する予定であることを公表しており、創業者である何小鵬CEOが候補地としてマレーシアについても言及していた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月15日、十方財経、ビジネス・トゥデー、エッジ、3月14日)

スバン空港、6月より26年ぶりにナローボディ機の運航を再開へ

【クアラルンプール】 ターミナル拡張工事が進められているスルタン・アブドル・アジズ・シャー空港(スバン空港、SAAS)は、6月よりナローボディ・ジェット機の乗り入れを再開する。空港運営会社マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)が明らかにした。

1998年よりナローボディ機の運航はクアラルンプール国際空港(KLIA)に移されており、26年ぶりの運航となる。ターミナル拡張工事は、MAHBが策定した「スバン空港再開発計画(SARP)」の第1期として2023年12月より開始されている。

MAHBのメガット・アルディアン・ウィラ戦略担当シニア・ゼネラル・マネージャーは、英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」の取材に対し、拡張工事には駐機ベイの建設が含まれており、ナローボディ機用最大5カ所とターボプロップ双発旅客機「ATR」用6カ所が増設される見込みだと述べた。ボーイング「737」型機、エアバス「A320」型機、「A321」型機などの機体に対応できるようになるという。旅客数も現状の年間150万人から最大300万人まで対応可能となるとしている。

ナローボディ機の発着枠はファイアフライやバティックエアなど、すでにSAASに運航している航空会社が優先して取得でき、マレーシアを拠点とする他航空会社も先着順で取得できる。マレーシア航空や格安航空会社などから関心が寄せられているという。

メガッド・アルディアン氏は、近隣のKLIAとの間の競合については、KLIAではターミナル1とターミナル2の合計で年間7,500万人の旅客に対応できるのに対し、スバン空港は年間800万人までしか対応できず、また、スバン空港には乗り継ぎ施設もなく、滑走路の増設も土地の制約上難しいことから、KLIAから旅客を奪うことにはならないと述べた。

SARPの今後についてメガッド・アルディアン氏は、第2期では年間500万人、第3期では年間800万人の旅客に対応できるようになる予定だが、計画の詳細については運輸省と協議している段階だと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、3月14日)

EUとの自由貿易協定、マレーシアは交渉再開を模索

【ベルリン】 訪独中のアンワル・イブラヒム首相は14日、ロベルト・ハーベック副首相(経済・気候保護大臣兼務)と会談し、マレーシア・欧州連合(EU)自由貿易協定(FTA)の交渉再開への意欲を表明した。

交渉は2010年10月に開始され、2012年9月まで8回の会議が持たれたが、その後行き詰まり、新たな必要性などが認識された場合に交渉を再開することが合意された。アンワル首相は「専門官による交渉分野の模索が好ましい成果を上げ、近く交渉再開に至ることを期待している」と述べた。

アンワル首相はまた、EUの森林伐採に関する法令など気候変動に関する政策が非関税障壁になっているとの懸念を表明。より公正な貿易慣行を求めた。アンワル首相が問題にしたのは、森林が伐採された後のプランテーションで採取された油を原料とするバイオ燃料の禁止措置で、実質的なパーム油締め出しとなっている。世界貿易機関(WTO)のパネルは、パーム油バイオ燃料を制限したEU法令はマレーシアを差別するものとの判断を示している。

訪独中にアンワル氏は多数の有力企業の首脳と会談し、合計で8億6,800万ユーロの投資の約束を取り付けた。アンワル氏はまた、世界の気候変動対策に関する新たな取り組みのための政府間フォーラム、気候クラブへの参加希望を伝えた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月15日)

IWG、コワーキングスペース4カ所を4-9月に新設

【クアラルンプール】  レンタルオフィス、コワーキング・スペース(共同オフィス)のベルギー系IWGグループは、クアラルンプール(KL)のAMバンク・タワーとジョホール州のメナラ・ペランギに「HQ」ブランド、セランゴール州サイバージャヤのプリマ9とジョホール州のメディニ・レイクサイドに「リージャス」ブランドのコワーキング・スペースを今年4月から9月にかけて開設すると発表した。

AMバンク・タワーのオフィス面積は1万2,971平方フィート。KL市内の「HQ」ブランドとしては2カ所目となる。プリマ9のオフィス面積は1万6,533平方フィートでマルチメディアやテクノロジー分野からの需要を見込む。

またメナラ・ペランギのオフィス面積は1万4,973平方フィートで、メディニ・レイクサイドと共に4月にオープンする。

これによりIWGの拠点は、▽リージャス▽スペーシズ▽HQ▽シグネチャー――の4つのブランドで合計42カ所に拡大する。

IWGは2023年、世界全体で新たに867カ所の拠点をオープンし、アジア太平洋地域では163カ所を開設した。マレーシアでは、過去2年間に5カ所を開設した。
(ビジネス・トゥデー、3月14日)

リンギは上昇、外国人の株式保有も増加=楽天トレード予想

【クアラルンプール】 米国、欧州で予想される利下げを背景に、リンギ為替は上昇し、年末までに対米ドル相場で4.50-4.55リンギまで値上がりすると楽天トレードは予想している。外国、特にシンガポールなど近隣国からの直接投資もリンギ上昇要因になるという。

13日のオンライン記者会見でケニー・イー調査部長は「米連邦準備制度理事会(FRB)は今年、まだ利下げに踏み切っていないが、この高金利環境を米国があと9カ月間維持することはできない。年内のいずれかの時点で利下げを開始する」と述べた。

イー氏は5回の年内利下げを予想しており、金利の誘導目標を最終的に2%前後にするとみている。現在の誘導目標は5.5%。

有価証券市場における2月時点の外国人の保有比率は19.34%で、コロナ禍さなかの2021年の11.35%を上回った。これまでマレーシア市場は外国人投資家から遠ざけられてきたため、この先保有比率が20%を超えることは確実だという。
(エッジ、3月13日)

マレー半島8地域に乾燥・高温警報を発令、15日まで=気象局

【クアラルンプール】 マレーシア気象局は13日、マレー半島北部の8地域に対し、乾燥および高温警報を発令した。

警報の対象地域は、▽ペルリス州全域▽パダン・テラップ(ケダ州)▽コタ・セタル(同)▽ポコック・セナ(同)▽ペンダン(同)▽シク(同)▽バリン(同)▽フル・ペラ(ペラ州)ーー。これらの地域では、13-15日の3日間、気温が35-37度に達する見込みだという。

気象局は、気象局の公式サイトやアプリ、ソーシャルメディアで発信する天気予報や警報など、常に最新情報を確認してほしいと国民に呼びかけている。
(ザ・スター、マレー・メイル、ベルナマ通信、3月13日)