ホンダマレーシア、「シビック」のフェイスリフトを発表

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ホンダ・マレーシアは9日、Cセグメントセダン「シビック」の2025年版フェイスリフトを発表した。月間1,000台の販売を見込んでいる。

バリエーションは4種で、ガソリン車の▽1.5L E▽1.5L V▽1.5L RS――とハイブリッド車の2.0L e:HEV RS。保険なし価格はそれぞれ▽13万3,900リンギ▽14万4,900リンギ▽14万9,900リンギ▽16万7,900リンギーーで、ベーシックの1.5L Eは2,000リンギの値上げになる一方、1.5L RSは2,000リンギの値下げとなった。

フロントバンパーのデザインが一新され、下部がより突き出したシャープな印象。フロントエンドがこれまでのモデルに比べ3ミリメートル長い4,681ミリメートルとなったが、幅(1,802ミリメートル)、高さ(1,415ミリメートル)、ホイールベース(2,735ミリメートル)をはじめ、基本性能は変わらないものの、運転をアシストする「Googleビルトイン」が搭載された。車体カラーは新たにブルーメタリック系を加えた5色展開となる。

吉村宏信 社長兼最高経営責任者(CEO)は昨年通年の総販売台数が8万1,600台超となり、2014年から11年連続で非国民車部門における1位を維持したと明らかにした。「シビック」は2024年12月の非国民車Cセグメント部門で81%のシェアを獲得したという。

石破首相が訪馬を前に抱負、「両国協力関係を重層化」

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 石破茂首相は9日、同日からのマレーシア訪問に先だって声明を発表し、アンワル・イブラヒム首相との首脳会談では、「包括的・戦略的パートナー」としての協力関係をアップデート・重層化していく考えを明らかにした。石破首相は10日まで滞在する。

石破首相は、今回の訪問でサプライチェーンの強靱化やレアアースといった新たな分野を念頭に、日・マレーシア経済関係の進展を確認する考えを表明。また東南アジアにおいて課題となっている脱炭素化・エネルギー移行に関連し、マレーシアとともに、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想を通じた脱炭素・経済成長・エネルギー安全保障の同時実現を図っていく考えを示した上で、日本の優れた脱炭素技術を導入し、炭素クレジットの創出を通じて両国の排出削減に貢献する二国間クレジット制度(JCM)の協議を加速し、早期署名を目指す考えを示した。

さらにマレーシアで近年問題となっている洪水に関連し、治水に知見のある日本として防災分野でどういった貢献ができるかアンワル首相と議論したいと述べた。

また安全保障関連では、OSA(政府安全保障能力強化支援)、ODA(政府開発援助)及び自衛隊や海上保安庁による協力を通じたマレーシアとの連携強化を継続していく考えを表明。サイバーセキュリティ分野でも協力していきたいと述べた。

パレスチナ問題に関しては、2013年に立ち上げたパレスチナ支援の独自のイニシアティブ、「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)」の枠組みをマレーシアと共に最大限活用し、中東情勢の安定化に貢献したいとの考えを示した。

ポートクラン、24年コンテナ取扱量で世界10位に=運輸相

【クアラルンプール】 ノースポートとウェストポートの2つの港からなるセランゴール州のポートクランは、コンテナ取扱量に基づく2024年の世界ベスト10コンテナ港にランクインする見通しだ。

ポートクランは2023年、海運専門誌「ロイズ・リスト」の世界トップ100コンテナ港で、前年の13位から2つ順位を挙げ、11位になった。2024年の公式ランキングはまだ発表されていないが、アンソニー・ローク運輸相は7日、内部計算によると10位を獲得すると語った。2023年の年間取扱量1,406万TEU(20フィート標準コンテナ換算)に対し、運輸省はこれまで2024年全体で5.5%増の1,483万TEUになるとの予測を示している。

政府は昨年、ポートクラン3番目となる港の開発計画を発表。セランゴール州のケリー島に280億リンギをかけ、年間3,000万TEUのコンテナ処理能力を備える計画で、2060年までに完成する予定。

ローク氏はジョホール州のタンジョン・プルパス港で今年進められる拡張計画などにも言及。これらの港での燃料補給産業は、年間成長率が4%で、世界市場規模は2030年までに1,600億米ドル(7,180億リンギ)に達するとし、「海洋エコシステムを強化し、成長と革新の機会を創出する」と述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、1月7日)

JS-SEZへの投資促進で新たな優遇措置発表=財務省

【クアラルンプール】 ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)の協定締結に向けた覚書が正式に交わされたのを受け、財務省とジョホール州政府は8日、投資促進に向けた新たな優遇措置を発表した。1月1日に遡って適用される。

5%の法人税率や、特区内で働く知識労働者に対する優遇所得税率などが盛り込まれた。5%の法人税率の対象となるのは、人工知能(AI)や量子コンピュータ、医療機器、航空宇宙、グローバルハブサービスなどの分野における製造・サービス活動に対し新規投資を行う企業。最長15年間となる。

知識労働者に対しては10年間、15%の優遇所得税率が適用される。そのほかJS-SEZの特定分野で事業展開する企業にも特別優遇措置が予定されているが、詳細は追加で発表される。

アミル・ハムザ・アジザン第2財務相は「質の高い投資を誘致し、高収入の雇用を生み出すことで、国の競争力を強化する」と協調。オン・ハフィズ・ガジ州首相も「これらの優遇措置が、世界的投資ハブとして州の地位を高めると確信する」と評価した。

また、投資プロセスを合理化するため、インベスト・マレーシア・ファシリテーション・センター・ジョホール(IMFC-J)を設立。さらに、州政府は今月からの娯楽税の引き下げにも合意した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ビジネス・トゥデー、エッジ、1月8日)

テレグラム、ソーシャルメディアのライセンスを取得

【クアラルンプール】 ファーミ・ファジル通信相は、1月1日に発効したソーシャルメディアのライセンス制度について、テレグラム(ロシア)が2日付けでマレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)からマレーシアで事業を行うためのアプリケーションサービス・プロバイダー(ASP)Cライセンスを取得したと発表した。

これによりライセンスを取得したプロバイダーは、ウィチャット(WeChat)▽ティックトック(TikTok)と合わせて3つとなった。

ファーミ氏は、フェイスブック、インスタグラム、ワッツアップ(WhatsApp)を運営する米メタ(Meta)については現在、ライセンス取得に向けていくつかの書類を提出中だとし、近い将来に手続きが完了するとの期待を示した。

一方、グーグル(Google)については、MCMCに引き続き監視を関与するよう求め、通信法に違反する事項があれば措置をとることを伝えたことを明らかにした。傘下のユーチューブ(YouTube)については、ソーシャルメディアの定義に当てはまるかどうか議論が続いているため結論まで時間がかかるとした。

またX(旧Twitter)については、国内ユーザー数がライセンス対象となる800万人のしきい値に達していないと主張していることから議論が続いており、結論までしばらく時間がかかると述べた。
(ザ・サン電子版、エッジ、ベルナマ通信、1月6日)

「再生可能エネルギーが今年も注目株」、メイバンク投資銀

【ペタリンジャヤ】 今年の電力産業は、太陽光発電を中心に再生可能エネルギー(RE)が引き続き注目を集めるとメイバンク・インベストメント・バンクは予想している。国がREへの移行を推進しているからで、具体的には第5次大規模太陽光発電(LSS5)プログラムが業界を潤す見通しだ。

同プログラムでは発電枠2ギガワット事業の入札が最終選考の段階に入っており、今年中頃から落札者が決まるもようだ。発注総額は推定70億リンギ。

太陽光モジュールの価格は低水準にとどまる見通しで、太陽光発電業者にはプラスだ。国際エネルギー機関(IEA)によれば、2024年の全世界の太陽光モジュール生産能力は同年の需要の2倍以上に当たる1,100ギガワット超と推測される。IEAは、中国は主要生産国としての地位を維持する見通しのため、モジュール価格はこの先数年、低水準にとどまるという。

太陽光以外のREによる発電はまだ業界の関心が低い。太陽光発電以外の低炭素発電プログラムが導入され、400メガワットの発電枠が24年2月に設定されたが、応募は0.4メガワットにとどまっている。
(ザ・スター、1月7日)

今年も経済は好調を維持、政府は持続可能性に力点

【クアラルンプール】 マレーシア経済は今年も好調を続けると、エコノミストや金融機関は予想している。内需が成長をけん引する、というのが共通認識だ。
マスターカード経済研究所は今年の経済見通し報告で、4.7%の国内総生産(GDP)成長を予測。家計の購買力が高まり、個人消費が成長をけん引するとみている。

MIDFアマナ投資銀行は4.6%の成長を予想。雇用の増加、賃上げ、観光業の活況を背景に個人消費が増加し、さらに公務員賃金引き上げ、低所得層への現金給付が経済拡大をもたらすとした。

政府施策の最近の特徴は持続可能性重視で、ここ数年、多様な措置を導入した。パリ協定で国として約束した、50年までのネットゼロ(二酸化炭素排出実質ゼロ)達成のためだ。

地球温暖化ガスの排出で2位(排出割合は10%)は製造業。排出削減を主導しているのは投資貿易産業省で、再生可能エネルギー(RE)やクリーンエネルギーへの移行を産業界に働きかけている。それがグリーン産業の創出につながることも目指す。国産電気自動車は好例だ。

政府は、グリーン投資税控除、グリーン所得税免除など奨励措置を導入しグリーン投資を促している。
(マレーシアン・リザーブ、1月6日)

ジョホール・シンガ経済特区の覚書締結、100事業の実施目指す

【プトラジャヤ】 ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)協定締結に向けた覚書が7日、取り交わされ、アンワル・イブラヒム首相とマレーシアを訪問中のシンガポールのローレンス・ウォン首相が立ち会った。JS-SEZ地域において向こう10年で100件のプロジェクト実施を目指す。

両首脳は共同会見を行い、アンワル首相は2国がチームを組んで1つのプロジェクトで両国への投資を促進するのは「非常に稀」と指摘。ウォン首相は「両国は競争力を高め、価値提案を強化し、共同でより多くの投資を国内に呼び込むことができる」と述べた。

ラフィジ・ラムリ経済相は先日行ったメディア説明会で、「両国は最初の5年間で50件のプロジェクトを推進し、10年間で100件のプロジェクト実施を目指す」と言明。最初に参入する企業は地政学的リスクを管理しようとしているグローバル企業を想定しているとし、エネルギー転換を図る企業が経済圏の主なターゲットになるだろうとの認識を示した。

マレーシア政府はインフラ支援を目的とした基金を設立し、シンガポール政府は経済特区におけるシンガポール企業の拡大を促進するための資金援助を計画する。マレーシア政府はまた、シンガポールとJS-SEZにおける多国籍企業の連携事業の可能性も検討する。

JS-SEZは、ジョホール州南部のイスカンダル・マレーシアとペンゲランを網羅し、面積はシンガポール全土の4倍を超える広さの35.7万ヘクタール。2024年12月9日に協定締結式が予定されていたが、ウォン首相が新型コロナに感染したため延期となっていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、1月7日)

バス会社が運転手不足に直面、長距離運転手2人制が影響

【クアラルンプール】 バス・トラック会社が運転手不足に直面しており、存立が脅かされている。全マレーシア・バス運行業者協会のモハマド・アシュファー・アリ会長が明らかにした。当局が2人の運転手を乗せていない長距離バス会社の摘発を強化していることが背景にある。

アシュファー会長によると、貨物トラック、高速バス、工場労働者・学生・観光客向けの輸送車両など、影響を受ける陸運セクターは約5,000人の運転手不足に直面している。特にバスに関しては、多くの会社が長距離旅行に2人目の運転手を提供するのに苦労しているという。

道路交通局(JPJ、RTD)は昨年12月26日、2人目の運転手を必要とする規則に従わなかったとして、25台の高速バスとツアーバスの運行会社に出頭命令を出した。2人目の運転手を乗せる規則は、300キロメートル(㎞)を超える長距離もしくは4時間を超える運転時間の高速バスに適用される。

アシュファー会長は、運転手不足は根深い問題であり、いくつかの課題により悪化していると指摘。「マレーシアのバスやトラックの運転手の大半は定年が近づいている。他の業界に移ったり、給与の高いシンガポールに異動したりする人が多くいる」と述べ、運転手志望者にとっての高額な参入コストも障壁になっているとした。大型車両を運転するためのeライセンス、公共サービス車両ライセンス、貨物運転ライセンスの取得には4,000―5,000リンギかかる。このため新たな人材を引き付けることが難しくなっているという。

マレー半島マレー高速バス事業者協会のライリ・イスマイル会長は、「政府の支援があれば運転手不足は解消され、質の高い運転手を選抜できるようになる」と指摘。コスト上昇によりバス事業者間の不健全な競争が生まれ、多くの事業者が乗客を引き付けるためにチケット価格を下げざるを得なくなっているとした上で、「政府が支援しなければ、多くの高速バス事業者は廃業せざるを得なくなる。そうなれば、何千人もの従業員と運転手が生計を失うことになり、バスサービスが提供する利便性と接続性を国民から奪うことになるだろう」と述べた。
(ザ・サン、1月2日)

「マレーシア観光年2026」、キャンペーンがスタート

【セパン】 「ビジット・マレーシア・イヤー2026(VM2026、マレーシア観光年2026)」のキャンペーンが6日開始され、ロゴやマスコット、テーマソング、航空機用の塗装が披露された。出発式にはアンワル・イブラヒム首相、アハマド・ザヒド副首相、ファディラ・ユソフ副首相、ティオン・キンシン観光芸術文化相らが出席した。

絶滅危惧種でありマレーシアの野生生物保護への取り組みの象徴であることから、マレーグマの2頭(ウィラとマンジャ)がキャンペーンの公式アイコンとして選ばれ、テーマソングは「Surreal Experiences(非現実的な体験)」に決まった。

アンワル首相は、マレーシアをユニークで持続可能、かつ調和のとれた目的地として強調し、豊かな多文化遺産を紹介すると言明。「我々は2026年までに3,560万人の外国人観光客の誘致を目指している。これが達成できれば1,471億リンギの観光収入が見込まれる」と述べた。

同日は、マレーシア・アビエーション・グループ(MAG)、エアアジア、バティックエア、マレーシア・エアポーツ・ホールディングス、ファーウェイ、マスターカード、シャングリラ・クアラルンプール、シャングリラ・ホテルズ&リゾーツ、マリオット・インターナショナルなどの主要な戦略的パートナーとの間で協力覚書が交わされた。

2月8日にはVM2026キャンペーンの一環としてクアラルンプールのペトロナスツインタワーで「マレーシア・サロン・ミュージック・ラン2025」が開催される予定で、2万人を超える参加者が見込まれている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、1月6日)