アイコニック、ペナン州バヤンレパスに5つ星ホテルを開設へ

【ペタリンジャヤ】 不動産開発のアイコニック・グループは、子会社アイコニック・ペナンを通じ、米マリオット・インターナショナルとの間で、フランチャイズ契約を締結した。ペナン州バヤンレパスに298室の5つ星ホテル「アイコニック・マージョリー・ホテル」を開設し、マリオット・ブランド傘下で運営する。

「アイコニック・マージョリー・ホテル」は2024年に開業予定。セミナー、ワークショップ、商談、会議などに向けたスペースを有し、その中でもパール・ボールルームは、最大850人を収容できるペナン最大規模のスペースとなる。終日オープンのダイニング・レストランやロビーラウンジ、屋外プールなども併設する。

持続可能な不動産開発を推進するアイコニック・グループの取り組みに沿い、環境・社会・統治(ESG)の業界基準を採用。環境配慮型建物であることを証明する「グリーン・ビルディング・インデックス(GBI)」に準拠し、ペナン初となる「ゴールド・スタンダード」を取得する。

「アイコニック・マージョリー・ホテル」は、2016年にオープンした、ペナン州セベラン・ペライの「アイコニック・ホテル」(195室)に続く、アイコニック・グループによる2番目のホテル・プロジェクトとなる。
(ザ・サン、9月29日)

リサパートナーズ、投融資先のエバーグリーンがACE市場上場

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 投融資およびアドバイザリー・サービスのリサ・パートナーズ(本社・東京都港区)は、海外投融資先であるマレーシア企業エバーグリーン・マックス・キャッシュ・キャピタル(EMCC)が、9月26日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)のACE市場に新規上場したと発表した。

2012年創業のEMCCは、クアラルンプールに本社を構え、マレーシア国内において「パジャキング」22店舗を展開。金を担保としたマイクロファイナンス事業および金を中心とした卸売販売事業を行っている。リサ・パートナーズは、マレーシアを含む東南アジアにおいて、今後マイクロファイナンス市場の拡大が予想されることや現物所有を好む文化があることから、EMCCの将来性を見込み、成長資金の提供を行った。ACE市場上場後も、EMCCのさらなる成長を支援していく。

リサ・パートナーズは、これまでの約25年にわたる日本国内外における再生、成長支援等の投融資の実績・ノウハウ等を活かしながら、今後も、人口増加に伴い、経済成長が期待される地域である東南アジアでの事業展開を加速させていく方針だ。

世界イノベーション指数、マレーシアは36位を維持

【クアラルンプール】 世界知的所有権機関(WIPO)のグローバル・イノベーション・インデックス(GII)2023年版で、マレーシアの総合スコアが昨年の38.7から40.9まで上昇し、前年に続き132カ国中36位を維持した。

首位は前年に続きスイスで、日本は13位(前年13位)、東南アジアで最も上位に位置したのはシンガポールで5位(同7位)だった。GIIは132カ国のイノベーション動向を80の指標により追跡したもの。

科学技術イノベーション省(MOSTI)は、マレーシアは7つの項目のうち「制度」、「人的資本と研究」、「市場の高度化」、「ビジネスの高度化」、「知識と技術のアウトプット」でスコアが改善したとし、また、高中所得国36カ国から構成される「最も革新的な国」カテゴリーにおいては、中国に次ぐ2位となり、サブ指標の「ハイテク輸出」と「創造的商品輸出」でトップを維持し、「理工系学部卒業生」ではトップになったと述べた。

MOSTIは今後、第12次マレーシア計画の中間レビューで掲げられた目標「2025年までにGIIで上位30カ国入り」の達成を目指すとし、▽商業化の可能性のあるイノベーションの知的財産(IP)登録の促進▽国家惑星健康行動計画の起草▽地元の新興企業エコシステムに向けた市場情報の提供▽科学技術・イノベーション人材に関する特別委員会の設立提案の策定ーーなどに取り組んでいくとしている。
(ザ・サン電子版、マレー・メイル、ベルナマ通信、9月28日、WIPO発表資料)

丸紅、航空機整備・解体事業の合弁会社を設立

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 丸紅(本社・東京都千代田区)は9月27日、セランゴール州スルタン・アブドル・アジズ・シャー空港(スバン空港)を拠点とする、航空機の重整備・解体事業を手掛ける合弁会社、カーボンMROサービシズを設立したと発表した。

合弁相手先は、航空整備士の訓練や航空機整備を手掛けるディビエーション・ソリューション。丸紅の航空機アフターマーケット市場におけるノウハウと、ディビエーションの航空整備士の訓練や航空機整備に関わる人材開発機能を活用し、独立系の航空機保守、修理、オーバーホール(MRO)事業者として、ビジネスジェット向け重整備を実施するほか、狭胴機向け重整備・機体解体およびエンジン解体分野に新規参入する。航空機のライフサイクルに応じたソリューションを提供するMRO事業者として、機動的かつ柔軟な複合サービスを提供していく。

丸紅は声明の中で、東南アジアの重整備需要が2022年時点での3.8億米ドルから2032年には6.3億米ドルに成長する見通しで、解体需要も東南アジアにおける航空機の退役機数が年平均7.5%増加することが見込まれているとし、重整備・機体解体事業共に需要が高まっているとしている。

日本とペトロナス、日本のCO2のマレーシア貯留に向け協議へ

【東京】 日本政府と国営石油会社ペトロナスは9月27日、日本で排出される二酸化炭素(CO2)について、マレーシアにおける二酸化炭素回収・貯留(CCS)実施を目指し、協力覚書を交わした。

日本の経済産業省、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、ペトロナスの三者間での協力を行い、2028年のCO2輸送開始を目指す。日本のCO2海外貯留としては初の試みとなる。

経済産業省の佐伯徳彦CCS政策室長は、同様の協議がいずれアジアの他の国とも行われる可能性があるとし、輸送するCO2量の数値目標は設定していないと言明。まずは、大気中からCO2を取り除いて地下に貯蔵するCCSについて、民間企業が投資判断を下せるような規制の枠組みが必要だと述べた。

経済産業省では今年3月、CCSの長期ロードマップ検討会の最終とりまとめを発表しており、2030年までに年間600万ー1,200万トンずつCO2貯蔵能力を増強していく必要があるとしている。
(ストレーツ・タイムズ、9月28日、ロイター、9月27日、経済産業省発表資料)

マレーシア人平均寿命は74.8歳、コロナの影響脱し前年上回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】  統計局の発表によると、マレーシアで2023年に生まれた新生児の平均寿命は推定74.8歳で、2021年の74.0歳、また新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大の影響で低下した2022年の73.8歳よりも長くなった。

男女別では男性の平均寿命は72.5歳で、前年の71.5歳から上昇。女性も77.4歳で前年の76.4歳から長くなった。女性の方が男性に比べて4.9歳長生きすると予想されている。

民族別でみると、華人が最も平均寿命が長く、女性が80.2歳、男性が74.4歳。ブミプトラ(先住民族の総称)の女性が75.9歳、男性が71.4歳、マレー系の女性が76.4歳、男性が71.5歳、インド系の女性が75.9歳、男性が67.6歳となるという。

州・地域別で、男女を合わせた平均寿命が全国平均を超えるのは、▽セランゴール州(78.1歳)▽クアラルンプール(76.5歳)▽ラブアン(76.1歳)▽プトラジャヤ(75.3歳)▽サラワク州(74.9歳)ーーだった。一方で、トレンガヌ州は71.2歳で最も平均寿命が短くなる見込みだ。

水素自動車は2024年以降注目される=自動車クレジット連合会長

【クアラルンプール】 自動車クレジット会社組合連合会のトニー・コー・チョンブーン会長は、バッテリーを使用する電気自動車(EV)よりも環境に優しい水素自動車が2024年以降、マレーシアで注目されるようになるとの見通しを示した。
コー氏は、生産コストの高さと政府投資の必要性という課題もあるものの、水素は国家にとって重要でクリーンでグリーンなエネルギー源であると指摘。「日本、米国、さまざまな欧州諸国などがこの方向に進んでいることを考慮すると、これは有望な選択だ」と述べた。

コー氏は、バッテリー廃棄問題や製造時の温室効果ガス排出量の増加など、EVの環境問題についても言及し、「EVは8ー10年でバッテリー交換が必要となり、バッテリーの廃棄は環境問題を引き起こす」と指摘。一方、水素自動車については、水素ステーションに関連する安全上の懸念に対処する重要性を強調し、水素漏れの検出、隔離、水素を安全に取り扱うための包括的なトレーニングなどの必要性を提唱した。

水素自動車については、自動車愛好家からは、特に電力を主に石炭と天然ガスに依存しているマレーシアにおける環境上の利点、トヨタ「ミライ」などのモデルを例に水素自動車の短い給油時間と航続距離の長さの利点が挙げられている。一方、水素の貯蔵と輸送のコストが高いことがマイナス点として指摘されており、EVに関する誤解を克服し、水素自動車の導入を促進するために、より積極的な政府投資と追加インセンティブが必要だとする声が上がっている。
(ザ・スター、9月27日)

1ドル=4.2リンギ予想も、先行きに不透明感=楽天トレード

【クアラルンプール】 オンライン証券会社の楽天トレードは、リンギ安が継続する状況においても、米国の政策金利引き上げの「緩和傾向」が見られることから、年内に1米ドル=4.2ー4.3リンギ前後までリンギ高に振れるとの予想を示した。

リサーチ責任者であるイー・シーフィン氏は、世界的なインフレが続く中、米国は依然として世界市場変動の震源地であるとし、米連邦準備制度理事会(FRB)が9兆ドル近い量的緩和策を打ち出した影響は大きく、その後毎月950億米ドルの量的緩和の縮小を続けているが、ペースが遅すぎてインパクトがないとした。また、2023年初頭に米国のテクノロジー企業が大規模なレイオフ(一時解雇)を実施したが、現在もその動きが継続中で、米国の現在の失業率が3.8%であることから、インフレ率を低下させられなかったと述べた。今年3月に銀行破綻が再燃したことで、世界金融危機の際に起こったような金融セクター崩壊の懸念も再燃しており、S&Pによる8月の一部銀行の格下げが、警告のサインとして銀行セクターを揺るがしたとしている。

その上で同氏は、「2023年の最終四半期に入り、米国のさらなる利上げが予想されるが、米国が経済調整を成功させられるかどうかは依然として不透明だ」と結論づけた。
(ザ・サン、ザ・スター、9月27日、ベルナマ通信、9月26日)

ジェトロ、日・マ企業によるピッチイベントを10月3日に開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所と経済産業省は、日本・マレーシア企業によるピッチイベント「マレーシア・日本デジタル・エクスチェンジ・ピッチ2023」を10月3日に開催すると発表した。

日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)双方のスタートアップと大企業との協業によるオープンイノベーション創出を後押しするのが狙いで、マレーシア投資貿易産業省(MITI)、マレーシア・デジタル経済公社(MDEC)、マレーシア投資開発庁(MIDA)が共催する。

日本・マレーシアの大手企業計5社が自社の課題や協業連携ニーズをチャレンジとして公開し、そのチャレンジに対する提案を日・ASEANのスタートアップから募集しマッチングを図る。3日のイベントではマレーシア味の素、JR東日本、荏原製作所、サイバービュー、サイムダービーがチャレンジオーナーとなり、多数の提案の中からファイナリストに選ばれたスタートアップ14社が最終プレゼンを行う。

また会場では登壇スタートアップ、チャレンジオーナー、コミュニティパートナー(ベンチャーキャピタル=VCなどのビジネス支援機関)も含めたネットワーキングも予定している。イベント詳細・参加申込は(https://www.jetro.go.jp/malaysia/dx/pitch_my23)で受け付ける。

IHI、燃料ペレット工場のデジタル化に向けた実証事業を開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 IHI(本社・東京都江東区)は、パームヤシ空果房(EFB)から燃料用ペレットを製造する工場において、製造時の二酸化炭素(CO2)排出量と設備稼働率を、デジタル技術により可視化する実証事業を開始した。2025年1月まで実施する。

日本貿易振興機構(ジェトロ)の「日ASEAN(東南アジア諸国連合)におけるアジアDX促進事業」で本事業が採択されため、実施を決定した。「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」は、ASEANの企業・機関と連携し、デジタル技術を活用して経済・社会課題の解決を目指す取組みを支援するもの。

IHIは2018年にマレーシアにIHIソリッド・バイオマス・マレーシア(ISBM)を設立し、搾油会社であるLKPPドミニオンスクエア社から提供を受けたEFBを原料として燃料用ペレットを製造する事業を行い、腐敗したEFBから発生する、温室効果ガス(GHG)となるメタンガスの削減に取り組んでいる。

今回の実証事業では、GHG排出量のさらなる削減を目指し、デジタル技術を活用して燃料用ペレットの製造時に排出されるCO2排出量と工場内の各設備の稼働状況を可視化する。稼働状況を分析することにより設備稼働率と生産性を向上させ、ペレット製造時のCO2排出量を削減していく。本事業の実証後には、LKPPドミニオンスクエア社に本技術を適用し、搾油工程におけるCO2削減も目指す。

IHIは、本事業で得られた技術や知見をASEAN諸国の様々な工場へ展開していくほか、顧客ニーズに適した様々なソリューションを提供することで、2050年までのサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現に貢献していく方針だ。