ペナン州のマグロ水揚げ量が昨年倍増、加工拠点化の可能性も

【ジョージタウン】 ペナン州のマグロ水揚げ量は2024年に431トン、金額にして776万リンギに上り、前年比で2倍以上に増加した。2023年のマグロ水揚げ量は177トン、金額は319万リンギだった。

州農業技術・食料安全保障・協同組合開発委員会のファミ・ザイノル議長(国政の閣僚に相当)は州議会演説で、「同州におけるマグロ漁業の大きな可能性を浮き彫りにしている」と強調。「ペナン州は国内市場だけでなく国際市場にも対応できる、マグロの水揚げと加工の主要拠点となる能力を秘めている」とした上で、「マグロ漁業の発展を促進するため、施設、インフラ、物流、そして総合的な支援サービスを強化していく」と述べた。

ペナン州は新たなマグロ水揚げ専用港の設置場所を複数検討しており、ファミ氏は「マグロ漁業は雇用機会を創出する。世界市場向けに高品質な水産物を生産できるハイテク・マグロ加工センターなどの関連産業を育成することで、州経済にプラスの影響を与えることが期待される」と述べた。
(マレー・メイル、5月21日)

製造業向けメタルテック&オートメックス、KLで開催

【クアラルンプール】 東南アジアの製造業、オートメーション、エンジニアリング業界が一堂に会する「メタルテック&オートメックス2025」が17日まで、クアラルンプール(KL)のマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)で開催されている。29回目の今年は、機械・エンジニアリング産業連盟(MEIF)が主催する「先進機械・エンジニアリングサミット」(AMES)も同時開催となった。

今年のテーマは、「持続可能な製造業:スマートソリューションからAIイノベーションまで」。ドイツ、韓国、台湾、中国、シンガポールなど40カ国から1,500社以上が参加し、5,000点を超える先端技術が展示され、14日からの4日間で2万人超の来場が見込まれる。両イベントが初共催になったことで、技術革新と政策対話の連携を強化し、産業変革のさらなる加速を目指すという。

またオートメックスについて、主催企業インフォーマ・マーケッツは今年は11月4―6日の日程でペナン州での単独開催も予定。マレーシア北部の製造業で、スマートオートメーション、ロボティクス、人工知能(AI)などの技術への需要の高まりを反映しているという。
(ザ・スター、5月15日、デイリー・エクスプレス、5月14日)

NY発の鉄板焼きレストラン「ベニハナ」、スリアKLCCに開業

【クアラルンプール】 米ニューヨーク(NY)発祥の有名鉄板焼きレストラン「Benihana(ベニハナ)」がこのほど、マレーシア1号店となる店をクアラルンプールのスリアKLCC内にオープンした。

同店はカウンター席が10―12席、メインダイニングエリア68席で構成、近く個室も備える予定。鉄板焼きメニューをはじめ、3種類の懐石コース、ランチ用の定食など、さまざまなメニューを用意している。営業時間は午前10時―午後10時。

KLなどでレストランを展開する地元のコンティニュイティ・ホスピタリティー・グループが、タイを拠点にホテルなどを運営するマイナー・インターナショナル(MINT)とのマスターフランチャイズ契約で開店した。ベニハナは1964年に故ロッキー青木氏がNYで開業し、現在、世界で79店舗が展開されているという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、5月13日、ベルナマ通信、5月8日)

自動車研究所が新規格を発表、次世代自動車を認定

【クアラルンプール】 マレーシア自動車・ロボット工学・IoT研究所(MARii)は、次世代車両(NxGV)規格をマレーシア自動車ショーで発表した。環境への負荷が軽い、また自動運転など将来に向けた移動手段への移行を後押しする産業規格で、取得は任意。

NxGV規格は、燃費、少なくともレベル3の自動運転、またコネクティビティーで一定の条件を満たした車両を認証する。主に電気自動車と、ハイブリッド車など燃費効率が高い自動車(EEV)が対象。レベル3の自動運転とは、特定の条件下で完全に自動運転が可能な段階。

より競争力のある次世代車両のエコシステム構築が狙いで、国家目標である二酸化炭素の排出削減にも貢献する。発表式で投資貿易産業省のハナフィ・サクリ副次官は「自動車の規格は排ガス削減にとどまらず、接続性、自動化をも包含したものでなければならない」と述べた。接続性とは、車両をインターネットなどのデバイスと接続し、様々な情報を送受信する機能のこと。
(モタオート、5月12日、ビジネス・トゥデー、5月13日)

中銀が預金準備率を引き下げ、銀行に資金流動性を供給

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は8日、預金準備率を16日付で2%から1%へ引き下げると発表した。銀行の資金流動性を増やすのが目的で14年ぶりの低水準となる。

準備預金制度の下、金融機関は顧客から受け入れている預金の一定比率以上の金額をBNMに預け入れることが義務付けられており、この比率が預金準備率。前回の準備率改定は2020年3月で、BNMは3%から2%へ引き下げていた。

BNMは声明で、準備率引き下げは金融システムへの十分な流動性の供給が目的で、銀行は金融市場の変動が増す中、資金流動性をよりよく管理できるとした。今回の改定で190億リンギの流動性が銀行システムに供給されるという。

BNMはまた、準備率改定は金融政策の変更を意味するものではなく、金融政策は翌日物政策金利が唯一の指針だと改めて強調した。
(BNM報道資料、エッジ、マレーシアン・リザーブ、5月8日)

ゲンティンハイランドのホテル50階にハードロックカフェ開業

【クアラルンプール】 マレーシアで7番目となる「ハードロック・カフェ」がこのほど、パハン州ゲンティン・ハイランドにオープンした。

不動産開発のNCTアライアンスが手掛ける「ウィンダム・イオン・マジェスティック・ホテル」の最上階50階のプールサイドに開業した。NCTと提携して取り組んできたハードロック・インターナショナルのフランチャイズ事業担当副社長トム・ペレス氏は「標高6,000フィート(1,800メートル)という雲の上にある初のハードロックカフェ」と述べた。

200人超を収容可能で、アメリカ発祥のカフェならではの料理と音楽が楽しめる。7月に改めてグランドオープン式典が予定されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月8日、ビジネス・トゥデー、4月30日)

パハン州、東海岸鉄道線7駅を中心とした都市開発に重点

【クアンタン】 パハン州政府は東海岸鉄道線(ECRL)の州内7駅での公共交通指向型都市開発(TOD)を重点施策とする。ワン・ロスディ州首相が7日、言明した。

TODでは、各駅から半径15キロメートル(km)圏内のインフラ整備と公共施設の拡充を通じ、地域住民の生活向上と、経済成長の促進を図る。州内ルートは全長258kmで、クアンタン・ポート・シティ(KPC)、パヤ・ベサール、マラン、テメルロー、ベントンの5駅は旅客と貨物の両用駅で、チェラティンとコタSASの2駅は旅客専用駅。

州内ではECRLに関連し、すでに13のプロジェクトが打ち出されている。州初の若者向け高層アパートメント「パンサプリ・パハンク」や、パヤ・ベサル統合公共交通ターミナル、タンジョン・ゲラン海事ハブ、バイオガス発電所などで、駅を抱えるクアンタン、テメルロー、ベントン、マランの4つの地方自治体が、プロジェクトなど各地域の状況に合わせ、TODと、経済促進プロジェクト(EAP)の計画策定を進める。

ECRLに関しては、アンソニー・ローク運輸相が6日、4月時点で全体の進捗率が82.45%に達したと発表。パハン州内のマラン―ベントン間100kmの線路敷設は今月開始され、来月中までに完了するとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、5月7日、ザ・スター、5月6日)

中銀バンクネガラ、政策金利を3%で据え置き

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は8日に定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を3.00%で据え置くと決めた。

BNMは声明の中で、持続的な内需と輸出の継続的な伸びに牽引され、第1四半期の経済活動はさらに拡大したと説明。米国が発表した関税措置に触れ、貿易交渉の行方や、地政学的緊張など、世界経済は大きな不確実性にさらされており、マレーシア経済の対外セクターの重しとなるとしながらも、電気・電子製品への継続的な需要と観光消費の増加が一定のクッションの役割を果たし、全体としても堅調な国内需要に支えられるとした。また、投資活動についても、民間部門、公共部門ともに拡大傾向で、成長見通しに対するリスクバランスは下振れ傾向にあり、貿易交渉の成果によっては成長を押し上げる可能性があると分析した。

また、インフレについては、世界的なコスト環境が穏やかで、国内需要への過度な圧力がないことから、引き続き管理可能な水準を維持する一方、国内政策の波及効果の程度、および世界の商品価格、金融市場、貿易政策をめぐる外部動向に左右されるだろうとした。リンギも外部要因に左右されがちで、現在のOPR水準を維持しつつ、金融政策スタンスが経済成長に寄与するよう引き続き内外の動向を注視していくとした。

IHGの最上級ホテル、キンプトンナルリアがTRXで年内に開業

【クアラルンプール】 英国系IHGホテルズ&リゾーツは、クアラルンプール(KL)の国際金融地区「トゥン・ラザク・エクスチェンジ(TRX)」に「キンプトン・ナルリア・クアラルンプール」を今年末までに開業する。IHGの中で最上級の「ラグジュアリーライフスタイル」ブランドに位置付けられているキンプトンのマレーシア初進出になる。

ホテルは26階建てで客室466室。「ナルリア」の名称は、マレー語の「ナルリ(本能)」と「リア(喜び)」に由来するという。KLの眺望が楽しめるルーフトップバー&ラウンジ「フォー・シブリングス」など4つのダイニングサービスのほか、サンフランシスコ発祥のキンプトンならではの毎日夕方に開催されるソーシャルアワー「キンプトン・ソーシャル」や、ロビーでモーニングドリンクを無料で提供する「キンプトン・キックスタート」を楽しむことができる。

アジアの多くのラグジュアリーホテルで経験を持つポール・カニンガム総支配人は「キンプトンをマレーシアに初めて紹介できることは大きな喜びで、街の新たな活気あるソーシャルハブになる」と述べた。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、5月7日)

ペナン新フェリーサービス、開業17カ月で利用者500万人達成

【バターワース】 ペナン港の運営会社、ペナン・ポート(PPSB)は、2023年8月7日の開業以来、ペナン島と本土を結ぶ新造フェリーの利用者数が累計500万人を達成したと発表。4月30日にパンカラン・スルタン・アブドル・ハリム(PSAH)フェリーターミナルで記念式典を開催した。

PPSBのV・サセダラン最高経営責任者(CEO)によると、500万人の利用者のうち74%にあたる370万人は徒歩の乗客で、残りの24%(130万人)は二輪車(オートバイ及び自転車)利用者だった。利用者の約95%は通勤客で、5%は観光客で占められた。今年の年初3カ月間の乗客総数は前年同期の70万353人から6%増加し、74万705人に達した。

サセダラン氏は、運航コストの高さからフェリー事業はまだ利益を上げていないとした上で、利用者の増加によって赤字が徐々に減っていくとの楽観的見方を示した。今後は高速電車運行サービス(ETS)のダイヤに合わせて運行スケジュールを変更するなど、マレーシア観光局と協力してペナン州を訪れる観光客にフェリーの存在をアピールする方針だという。

2023年に就役した4隻の新造フェリーは、ピーク時には20分間隔、オフピーク時には30分間隔で、1日68往復運航している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、5月5日)