米ハーシー、ジョホールにR&Dセンターを開設

【クアラルンプール】 チョコレート製造の米ハーシー・カンパニーは13日、ジョホール州において研究・開発(R&D)センターを開設したと発表した。商品の開発やイノベーションを加速させる。
ハーシーは発表した声明の中で、R&Dセンターを開設したことにより、消費者の好みに合わせた新製品や革新的な製品を迅速に開発、テスト、発売できるようになると説明。面積は1万400平方フィートで、同社にとり米国外で最大規模のR&D施設の一つになるとした。
インドおよびアジア太平洋地域・欧州・中東・アフリカ(AEMEA)地域事業のハルジット・バハラ副社長は、同センターはAEMEA地域全体の拠点として機能すると言明。R&Dセンターの設立は、市場全体の消費者の好みを理解したいという同社の継続的な取り組みを反映するものと説明した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月14日、ベルナマ通信、5月13日)

政策金利引き上げ受け、銀行が次々と利上げを発表

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラが11日に1.75%だった政策金利を2.00%に引き上げたことを受け、国内の銀行が次々と利上げを発表している。
銀行最大手のマラヤン・バンキング(メイバンク)は5月13日付けで、基準金利(BR)及び基準貸出金利(BLR)をそれぞれ0.25ポイント引き上げ、年率2.00%、5.65%とする。メイバンク・イスラミックもイスラム基準金利と基準融資金利(BFR)をそれぞれ2.00%、5.65%とする。メイバンクの金利見直しは2020年7月9日以来。
RHBグループも5月18日付けでBR及びBLRをそれぞれ0.25ポイント引き上げ2.75%、5.70%とする。RHBグループの金利見直しは2020年7月13日以来。
中銀の政策金利の引き上げは2018年1月ぶり。多くのエコノミストが低水準で推移するインフレ率を理由に政策金利を当面据え置くと予想していただけに市場では驚きの声が上がっている。
中銀は2018年1月に3.25%に利上げしたが、その後景気悪化への懸念を背景に2019年5月、2020年1月、同年3月、5月、7月に相次いで利下げを実施。2004年以来16年ぶりの低水準である1.75%となっていた。

パーム油輸出税の引き下げを検討=農園一次産業相

【クアラルンプール】 世界的な食用油の供給危機の懸念が高まる中、ズライダ・カマルディン農園一次産業相は、世界第2位の生産国であるマレーシアが食用油不足を補い且つ輸出シェアの拡大を目指してパーム油の輸出税を半分程度引き下げる可能性があると述べた。
ズライダ氏はロイターとのインタビューで、輸出税に関する検討を行うための委員会を設置した通産省に対して引き下げを提案したことを公表。現在8%となっている輸出税について、暫定措置として4%から6%に引き下げる可能性があると述べた。早ければ6月中に実施が決定される可能性があるという。
ロシアのウクライナ侵攻がひまわり油の輸出に影響を与えており、さらにインドネシアが国内需要を優先するためにパーム油輸出禁止を決めたことで世界的な食用油の供給懸念が高まっている。
ズライダ氏は「こうした供給危機に際して、輸出規制を緩和することでより多くのパーム油を輸出できるようになる」と指摘。また国内外の食品産業への供給を優先するために、国内のバイオ・ディーゼルの一部にパーム油を30%混合することを求める「B30」バイオディーゼル令の実施を遅らせることになると述べた。
(ロイター、ザ・スター、エッジ、5月10日)

中銀バンクネガラ、政策金利を2%に引き上げ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラは11日、定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を0.25ポイント引き上げて2.00%とすることを決定した。中銀は2020年7月に0.25ポイント引き下げたのを最後に1.75%で維持しており、利上げは2018年1月以来、4年4カ月ぶり。
中銀は声明の中で、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大に伴う影響を緩和させるため、2020年はOPRを段階的に引き下げ、これまでで最も低い利率を維持してきたと説明した。今回のMPCでは、国内の経済成長が堅調に回復してきており、最悪な状況は脱したと判断し、物価の安定や持続可能な経済成長を支えるためOPRを段階的に引き上げることを決定したと明らかにした。
最新の統計では、内需や輸出の成長により国内経済が堅調に回復していることが示されており、労働市場でも失業率の低下、労働力率の上昇、所得の見通しの改善が見られていると指摘。新型コロナのエンデミック(風土病)段階への移行に伴う規制緩和や国境再開が経済活動を活性化させると予想した。しかし世界経済の回復が予想を下回る可能性や、ロシアのウクライナ軍事侵攻、サプライチェーンの混乱悪化、新型コロナの今後の動向が成長リスクとなり続けるとした。その上で、今年のヘッドライン・インフレ率について、平均で2.2ー3.2%と予想。コア・インフレ率は2.0ー3.0%となるとの見解を示した。
一方で世界経済について中銀は、経済再開と労働市場の改善が経済成長を下支えしていると指摘。インフレ圧力を軽減するためにマレーシア以外でも中銀による政策金利の調整が行われると予想した上で、今後の世界経済の成長見通しは、ロシアのウクライナ軍事侵攻、新型コロナやサプライチェーンの動向、コモディティ価格の急上昇などの影響を受け続けるとの見解を示した。

極貧層の撲滅プログラム、5月中旬より実施

【クアラルンプール】 ムスタパ・モハメド首相府相(経済担当)は、5月半ばより「マレーシア家族・極度の貧困層撲滅プログラム」を実施すると発表。2025年末までに19万5,664世帯ある極度の貧困層を根絶したいと述べた。
ムスタパ大臣によると、極度の貧困層はサラワク州で5万8,611世帯、サバ州で3万1,598世帯と東マレーシアで多い傾向にあり、マレー半島部では、クランタン州で2万8,553世帯、ケダ州で1万5,964世帯となっている。
政府は、同プログラムの下で生活を改善するための支援を州政府などと協力して実施する。各世帯の収入増加を目指し、子供達の教育格差を埋めることにも焦点を充てる。第1期は80地域の5,000世帯を対象に実施する。うちサバ州とサラワク州のそれぞれ10地域、残りはマレー半島で行う。それぞれの地域によりニーズが違うため、各地域で戦略を変え、漁村では漁具などの提供、農村地帯では畜産などの支援を行うという。
(エッジ、5月1日、4月30日)

包装材のトングアン、生産拡大に1.5億リンギ

【ジョージタウン】 包装材のトン・グアン・インダストリーズは、フィルム材の生産拡大に向け1億5,000万リンギの追加投資を計画している。
アルビン・アン取締役によると、先ごろ拡張したばかりのケダ州スンガイ・プタニにある面積24エーカーの生産拠点で、インフレーションフィルムとストレッチフィルムの生産ラインをそれぞれ3基増やす。合計6基の生産ライン増設により2021年に年間18万トンだった生産能力が23万トンに拡大すると見込んでいる。
トン・グアンは2億リンギ超を投じて16エーカーだった拠点の面積を24エーカーに拡大し、生産施設3カ所を建設していた。うち1カ所ではストレッチフィルム素材を、他の2カ所では宅配便バッグと高級食品包装製品を生産している。
トン・グアンの売り上げの20%は日本向けで、米国や欧州、豪州向けが30%となっている。来年には米国でストレッチフィルム製造に乗り出す計画で、中西部ですでに建設地を特定し投資コストの計算に取り掛かっているという。
(ザ・スター、5月5日)

自動車への売上税減免措置、年末までの延長を要請=MAA

【クアラルンプール】 マレーシア自動車協会(MAA)は、6月末で終了する予定の乗用車販売に対する売上・サービス税(SST)の特別減免措置について、年末まで延長するよう政府に働きかけている。
MAAのアイシャ・アハマド会長は、減免措置はパンデミック時の自動車販売促進に役立ったとし、MAAは、自動車メーカーの受注残消化のため、減免期間を年末まで延長するよう財務省に要請したと言明。一方、減免措置が6月末で終了する場合には、直前の5月と6月の売上高が急増する可能性があると述べた。
RHBインベストメント・バンクのリサーチアナリストであるジム・リム氏は、今年第2四半期の自動車販売は、減免措置を利用したいと考える顧客が殺到するため需要は高いまま推移すると予想し、自動車メーカーも半導体などの部品不足の中でも減免措置終了に間に合わせるために生産量を増やしていると述べた。
UOBケイ・ヒアン証券もレポートの中で、今年第2四半期の自動車販売は好調を維持すると予想。自動車メーカーが滞留予約の納入を急ぐことから第2四半期の販売台数は前年同期を上回るとし、さらに減免措置が7月以降も継続された場合には、自動車販売の回復につながるとしている。
一方、減免措置の再三の延長は、自動車産業にとって不利になると考える業界関係者もいる。実際、2018年に政府が物品・サービス税(GST)を3カ月間免除した際、自動車を安く買いたいと考える消費者が多く販売台数が急増したが、税が復活した後、自動車が一気に売れなくなり販売に苦労したという。
リム氏は、減免措置が延長されない場合、今年後半は自動車販売が低迷するとし、自動車会社は販売台数を支えるために利益を犠牲にして割引を行う可能性があると指摘。部品の価格上昇が利益をさらに圧迫する可能性もあり、会社によってコスト上昇分を自動車価格に転嫁する能力に差が出るとした。プロトンやプロドゥアなどの国産ブランドは、顧客が価格に敏感なため、より大きな影響を受ける可能性がある一方、ポルシェ、ベンツ、BMW、マツダなどのプレミアムブランドは、影響が小さいと予想した。
(ザ・スター、5月5日)

旅行者向けSOPの緩和措置、観光業界が評価

【クアラルンプール】 5月1日付けで新型コロナウイルス「Covid-19」抑制のための標準的運用手順(SOP)が見直され海外からの旅行者に対する規制が緩和されることについて、観光業界はこれまでの障壁がなくなり業界を活性化させることになると歓迎の意を示している。
マレーシア到着前48時間以内のRT-PCR検査の陰性証明と到着後24時間以内のRTK-Ag検査は、ワクチン接種完了者と12歳以下の子供の場合には不要となる。到着後の5日間の隔離は、ワクチン未接種及び接種が完了していない人のみとなる。またこれまで入国者に求められていた旅行保険の加入要件は廃止される。
マレーシア旅行代理店協会(MATTA)のタン・コクリャン会長は、新型コロナの最悪の時期を過ぎたとみられており、政府のこうした規制緩和の動きは国際的な傾向にも沿ったものだと評価。これまで義務化されてきた出発前後の感染検査などの煩わしいSOPは多くの観光客を遠ざけていたと指摘した。その上で依然求められる、新型コロナ情報・追跡アプリ「MySejahtera」で事前申請する「旅行者カード」については、世界的にペーパーレス化が進む中にあって容認できる範囲だとした。
マレーシア・ホテル協会(MAH)のユージーン・ダス理事は、SOPの緩和によりマレーシアの観光・ホスピタリティ産業の回復がさらに進むだろうと言明。観光客を呼び戻すことを通じて国内経済を後押しするという正しい軌道に戻っていると述べた。
マレーシア・バジェット・ホテル協会のエミー・スラヤ・フセイン会長は、国境が4月1日に再開したものの入国する外国人はほとんどいなかったと指摘。出発前後の感染検査などの多くのSOPが観光客を遠ざけていたのは間違いないとし、今回の規制緩和で観光客が増加することを期待すると述べた。
マレーシア・インバウンド観光協会のウザイディ・ウダニス会長は、燃料補助金における政府の継続的な支援により観光産業は長期的に競争力を維持できるだろうと指摘。一方で一部の外国人旅行者が母国で「MySejahtera」ダウンロードの際に苦労した例を挙げ、アプリに関連する不具合も修正する必要があると述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、4月27日)

ガラス製造のチーフウェイ、国内初のスマートガラス工場を開設

【クアラルンプール】 ガラス製造のチーフウェイ・マレーシアは、約120万リンギを投じてセランゴール州シャアラムに国内初のスマートガラス工場を開設した。
月産2,000平方メートルのスマートガラス生産能力を有し、敷地面積は8,000平方フィート。独自スマートガラス開発のためのハイテク製造装置や特許取得機器も設置される予定。生産したスマートガラスの70%は国内向けで30%は輸出用となる見込みで、今年の国内売上は800万リンギを予想している。欧州や中東にも輸出しているという。
スマートガラスは調光などの機能を持つ高性能ガラスで、節電や省エネにつながることからスマートハウスなどの環境に配慮した建物での需要が増加。2031年までの9年間での推定年間成長率は17.5%、183億米ドルの市場規模に達すると予想されているが、現状では、韓国、中国、日本、米国の製品が国内市場の大半を占めているという。
チーフウェイ・マレーシアのジェフリー・チョン創業者兼最高経営責任者(CEO)は、スマートガラスの高価格化が工場設立の理由だとし、マレーシアの人々がより手頃な価格でスマートガラスを購入できるよう、国内工場での大量生産を目指すと述べた。
チーフウェイ・マレーシアはまた、スマートガラス生産の促進に向け、スイス系セキュリティ企業のドーマカバ・マレーシアおよびオーニング(日除け)専門企業ダットセン・マレーシアと提携に向けた覚書を締結。この提携により、国内市場でのサービス強化および世界市場への進出促進を目指すとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・サン、4月26日)

対シンガポールドル安が進行、5年ぶりに3.1665リンギに

【クアラルンプール】 シンガポール・ドル(SGD)高とリンギ安傾向を背景に、対DSGのリンギ為替レートが25日、1SGD=3.1665リンギと過去最安水準を記録した。リンギ安は一時は3.1688リンギ水準に達した。ブルームバーグのデータによると、これまでの最安値は2017年3月31日の3.1650リンギだった。
SGD高・リンギ安の傾向は2022年4月10日ごろから始まったもので、2021年12月31日の3.0857リンギから2.72%もリンギ安が進んだ。バンク・イスラム・マレーシアのチーフエコノミスト、アフザニザム氏は、シンガポール金融管理局(MAS)が4月14日の金融政策会議で、高まるインフレ圧力から一段の金融引き締め方針を発表したことを要因に挙げている。
リンギ安は対米ドルでも進んでおり、1米ドル=4.357リンギと2020年5月以来の水準となっている。これについてアフザニザム氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和をどのように解消していくかがリンギ安にとって最大のリスク要因だとしている。同氏はマレーシアではインフレ率が2、3月と2カ月連続で2.2%と低い水準で安定しているとし、中央銀行バンク・ネガラが翌日物政策金利(OPR)を現状の1.75%で維持する余地があるとしている。
OANDAのシニアアナリスト兼エコノミスト、ジェフリー・ハレー氏は、リンギは最大の貿易相手国である中国の成長の弱さを反映していると指摘。中国が景気刺激策を強化するか、人民元安が止まらない限り、リンギ安は続くだろうと分析している。
(エッジ、ザ・スター、4月25日)