中国スマート、EVの「スマート#3」を正式投入

【クアラルンプール】 中国スマート・オートモービルは、電気自動車(EV)「スマート#3」をマレーシア市場に正式投入した。

先に投入されたコンパクトスポーツ多目的車(SUV)の「スマート#1」と同様、国民車メーカー、プロトン・ホールディングスの電気自動車(EV)販売子会社プロトン・ニュー・エナジー・テクノロジー(プロネット)が販売を担当する。
バリエーションは、「プロ」(保険なし価格17万5,000リンギ)、「プレミアム」(同21万5,000リンギ)、「ブラバス」(同25万5,000リンギ)の3車種で、「スマート#1」よりも各6,000リンギ高くなっている。

「プロ」と「プレミアム」は、最高出力272馬力(PS)、最大トルク343ニュートンメートル(Nm)を発揮し、時速0-100キロメートル(km/h)加速時間は5.8秒。「ブラバス」ではそれぞれ428PS、543Nm、3.7秒となる。航続距離はWLTP基準で「プロ」が325km、「プレミアム」が455km、「ブラバス」が415km。3車種とも最高時速は時速258キロメートル(km)。車体カラーは「プロ」は全2色、「プレミアム」は全6色。「ブラバス」ではルーフとボディで異なる色を選択でき、その組み合わせは全12色になるという。

保証期間は、バッテリーが8年間または走行距離20万km(EVコンポーネントは15万km)、車両は走行距離無制限の4年間となっている。
(ポールタン、ジグホイールズ、7月10日)

シンガポール企業はジョホール経済特区に強い関心

【シンガポール】 シンガポール企業のほとんどが、ジョホール州で計画されているジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)への投資に関心のあることが、シンガポールビジネス連盟(SBF)が会員企業160社を対象に実施した調査から分かった。

調査結果は11日に開かれた合同投資フォーラムで発表された。回答企業の93%はジョホール州を魅力的な投資先とみており、半数は既に同州で活動している。加えて回答企業の多くは、熟練労働者不足、陸路でのヒト・モノの往来の混雑、税務上の困難を予想している。

調査を行ったJS-SEZシンガポールビジネス作業グループのテオ・ションセン議長は「互いの補完的強みを生かし、強力な経済体を構築するものだ」と期待を表明した。

ヒト・モノの往来の円滑化について作業グループは、QRコードを利用した出入国手続き、通関のデジタル化を提案した。税務・関税措置のすり合わせも必要だという。

両国は今年1月、JS-SEZ構築に関する覚書を交わしており、9月開催のマレーシア・シンガポール非公式首脳会議に先立ち契約を締結する意向だ。
(ビジネス・タイムズ、7月12日、チャンネル・ニュース・アジア、エッジ、7月11日)

デジタル保険免許は5社に制限せず、来年1月から申請受理

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は9日、デジタル保険・イスラム式デジタル保険の免許を5社に制限せず、要件を満たした事業者すべてに交付すると発表した。25年1月2日から26年12月31日まで免許申請を受け付ける。

BNMは既にデジタル保険・イスラム式デジタル保険業者(DITO)に関する免許・監督の枠組みを策定しており、保険業界に包括性、競争、効率向上をもたらすものとしてDITOの参入を後押しする。DITOに対し創業から3-7年間の観察期間を設け、事業運営が健全か、事業体として存続できるかを判断する。創業当初期間の払込資本は本来の額より低く設定する。

デジタル保険はインターネットで申し込み手続きが完了できる保険で、BNMは消費者のニーズをより良く満たす革新的ビジネスモデル・商品をDITOに期待している。また既存の保険・イスラム保険業者の客層から外れている、デジタルに詳しい層の保険加入を促す役目を期待している。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月10日、エッジ、7月9日)

マレーシア独自の持続可能なパーム油認証最新版、25年に導入

【上海】 マレーシア持続可能なパーム油(MSPO)認証制度の最新版が、2025年に導入される予定だ。農産物輸出促進のため中国を訪問したチャン・フーンヒン副農園・一次産業相に同行したモハマド・イドリスMSPO最高責任者が明らかにした。

マレーシア政府は2014年にMSPO制度を導入した。それまでは持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)が、パーム油の持続可能性を確認するための唯一の認証制度だったが、マレーシアは独自のMSPOを設定。インドネシアも独自の制度を設けている。

MSPOはRSPO認証を取得することが困難な中小事業者への支援を目的としたもので、RSPO認証取得が任意なのに対し、MSPOでは小規模農家を含めアブラヤシ農園を運営するすべての事業者に取得を義務付けている。今回の見直しでは、温室効果ガス排出、保全価値の高さ、社会的影響の評価の3分野で制度の内容を改めた。

5月末時点でアブラヤシが栽培されている562万ヘクタールの農園のうち86%に当たる484万ヘクタールが認証を取得している。当局は、アブラヤシ栽培面積の95%が年内にMSPOの認証を取得することを目標にしている。
(エッジ、7月9日)

来年度予算案、引き続き経済成長と底上げに焦点=アンワル首相

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は、9日に開催された2025年度予算に関する協議セッションの中で、国民所得の増加や国家経済の再構築などを目指した経済マスタープラン「マダニ経済」枠組みで設定された目標の達成に焦点を当てる必要があると言明した。

アンワル首相は、政権樹立後3回目となる予算案策定に向け、「成長の天井引き上げ」および「底上げ」の取り組み、すなわちより高い成長を目指した経済再編や、国民生活の向上や質の高い包括的な収入機会を創出する取り組みが必要だと言明。「来年度予算はこの基盤の上に構築され、達成に向けた継続的な改革の推進を目指していく」と述べた。

「成長の天井引き上げ」に向けた改革については、財政責任法の改正やガバナンス改善のための会計検査院への権限付与など、いくつかの改革がすでに実施されていると指摘。「創造性、競争力、デジタル化、人工知能(AI)の活用、公務員改革は重要だ。新しい目標を達成するために古い方法に頼ることはできない」と述べた。電気・電子などの高付加価値産業や、パーム油などの伝統的な産業に重点を置くと同時に、デジタル化や自動化も推進していくとし、エネルギー転換やAIなどの高成長分野も対象となると述べた。

一方で、都市部の貧困層や農村部の人々を取り残さないよう、「底上げ」も主な課題になると言明。生活費の高騰は多くのマレーシア人にとって依然として大きな懸念事項であるとした上で、「カルテルや独占を排除し、利益が国民に還元されるよう、漏洩を防ぐ新たな方法を考える必要がある」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月10日、マレー・メイル、7月9日)

会計検査院、MRT運営会社の管理体制不備を指摘

【クアラルンプール】 会計検査院は4日、2024年版の監査報告書を発表。首都圏大量高速輸送(MRT)システムを管理するマス・ラピッド・トランジット・コーポレーション(MRTコープ)について、2017年に開業したMRT1号線(カジャン線)の最終決算を完了させていないなど管理体制に問題があると指摘した。

MRTコープは、プロジェクト実施パートナーシップ契約に基づき6カ月ごとに見直すことになっていたパートナーへの返済費用を、2013年から2020年まで監査していなかったという。このためパートナーは直接費と諸経費として過剰な金額をMRTコープから受け取ることになり、それが何年も発覚しなかった。過払いは2020年から2023年にかけて実施された監査により特定され、その後返還されたという。

■利用者数、運行頻度などはMRT1、2共に目標下回る■
同報告書はまた、MRT1号線と2号線(プトラジャヤ線)の1日あたりの利用者数と列車の運行本数、ピーク時の運行頻度に関して、当初の目標を達成できなかったと指摘した。

MRT1の場合、全面開業の2017年から2023年まで、1日あたりの平均利用者数の目標達成率は10.8%から37.4%にとどまった。37.4%は2019年に達成されたもので、2021年はわずか10.8%にとどまった。2023年の利用者数は18万2,196人で、目標としていた52万人の35%にとどまった。またピーク時の運行頻度については、2023年に5分間隔で運行している列車はわずか32本だった。

2022年に開業したMRT2については、開業1年目の目標の10万4,000人に対して実際は2万842人で、達成率は20%。2023年の目標は19万6,000人だったが、実際の1日あたりの平均乗車率は8万9,409人で、達成率は45.6%にとどまった。ピーク時の運行頻度は、2022年の4分間隔から2023年には5分間隔にダウンした。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、7月4日)

エアアジアが中国・寧波に乗り入れ、KLとコタキナバル線開設

【セパン】 格安航空会社エアアジアは、中国・浙江省寧波にクアラルンプール(KL)とコタキナバルから乗り入れる2つの新路線を開設すると発表した。
KL―寧波線は8月1日に就航する。火・木・土曜の週3便で、往路「AK180」便はKL発が6時50分、寧波着が12時5分。復路「AK181」便は寧波発が12時55分、KL着が18時10分となっている。

コタキナバル―寧波線は8月2日に就航する。水・金・日曜の週3便で、往路「AK1518」便はコタキナバル発が7時45分、寧波着が12時5分。復路「AK1519」便は寧波発が12時55分、コタキナバル着が17時5分となっている。

KLおよびコタキナバル―寧波間の就航記念として、それぞれ片道268リンギからのプロモーション運賃を提供する。寧波発のフライトは片道138中国元から。プロモーション料金はエアアジアの専用アプリ「エアアジアMOVE」またはウェブサイト(airasia.com)から2024年7月7日まで予約できる。対象旅行期間は、KL線が2024年8月1日から10月26日まで、コタキバル線が同8月2日から10月25日までとなる。
(ビジネス・トゥデー、7月3日、エアアジア発表資料)

不動産業界向けスーパーアプリ、2025年までに完成予定

【クアラルンプール】 ンガ・コーミン地方行政開発相は3日、ビッグデータ分析に基づく不動産業界向けスーパーアプリを開発中で、2025年までに完成する見込みだと明らかにした。

ンガ大臣は、現状では住宅関連データを集約したシステムが存在しないため、アプリの開発を進めているとし、建築家、開発業者、住宅購入者などが利用できるようにすると述べた。データに基づく意思決定を支援するとしている。具体的には、住宅の過剰供給や放棄プロジェクトなどといった問題を防ぐことが期待でき、住宅購入者も、デベロッパーの実績、プロジェクトの詳細、洪水リスクの有無を確認でき、複数住宅の価格も比較できるという。
(ザ・スター、7月4日、ザ・サン電子版、7月3日)

ジョホール州がデータセンターハブとして成長、2年で50カ所に

【クライ】 ジョホール州が高いインフラと電力供給能力を背景にアジアの新たなデータセンターハブとして急成長しており、過去2年間で開設されたセンターの数は50カ所に上っている。

3日に開催された星プリンストン・デジタル・グループのデータセンター第1期の開所式に出席したオン・ハフィズ州首相は、「シンガポールは70カ所以上のデータセンター、合計1.4ギガワット(GW)の容量を持つデータハブとしての地位を確立するのに15年以上かかったが、ジョホール州は過去2年間だけで50以上のデータセンターの誘致に成功した」と強調。同州におけるデータセンター産業の急成長は、ジョホール州がアジアの新しいデータセンターハブになる能力があることを示しているとし、「セデナック・テクノロジー・バレー(STeP)だけでも1GWを超える電力容量を持ち、データセンターの運用をサポートするために必要な電力インフラを提供している」と指摘した。

開所式に同席したテンク・ザフルル投資貿易産業相は、プリンストンのデータセンター第1期が発表から12カ月内に完成したことは、マレーシアの投資促進のスピードと投資貿易産業省の産業・投資推進の姿勢を反映していると強調。同省の努力により、2021年から2024年3月までに340億米ドル(1,619億7000万リンギ)のデジタル投資が承認されたことは喜ばしいことだと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、デジタル・ニュース・アジア、7月4日)

通信の英オリエント、企業向け10GB接続プランを発表

【クアラルンプール】 通信の英オリエント・テレコムズは3日、マレーシア市場への正式参入を発表。首都圏で、毎秒10ギガビット(Gbps)の企業向けインターネット接続プラン「オービット10,000」の提供を開始した。

「オービット10,000」は、高速通信に加え、ゼロトラスト型(全アクセスへのセキュリティ対策)ネットワーク設計を行い、独自の侵入防御システムを備えるなど、セキュリティが強化されており、稼働率99.99%、4時間以内の迅速な復旧を保証し、24時間365日体制のサポートを提供している。マレーシア半島東海岸州およびサバ・サラワク州にも3―5年以内にサービスを拡大する計画だ。

サイード・ムスタファ・アリ最高経営責任者(CEO)兼最高技術責任者(CTO)は、東南アジアでは海底ケーブルの主要ハブであるシンガポールに次いでマレーシアが重要国だとし、タイでも同サービスの提供を開始する予定だと述べた。
(ビジネス・トゥデー、テックネイブ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、7月3日)