回転寿司のスシロー、マレーシア進出に向け現地法人を設立

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 回転寿司「スシロー」を運営するフード&ライフ・カンパニーズ(F&LC)は16日、マレーシアへの店舗進出に関する調査・検討を目的として 現地法人「スシロー・マレーシア」を5日に設立したと発表した。

スシロー・マレーシアは、F&LCの100%子会社である「スシローGHシンガポール」の子会社となり、F&LCにとり孫会社となる。

スシロー・マレーシアはまた、より具体的な店舗進出に向けた取り組みを行うため、16日付けで増資を行うことを決定した。増資額は99万9,999リンギ(約3,200万円)で、そのうち49%をスシローGHシンガポール、51%を現地パートナーが引き受ける。増資後の資本金は100万リンギ(約3,200万円)となる。

スシローは、東アジアでは韓国、台湾、中国に店舗を構えており、東南アジアではシンガポール、タイ、インドネシアの3カ国に進出している。

第1四半期のGDP、みずほ銀行は3.9%への加速を予想

【クアラルンプール】 みずほ銀行は、マレーシアの第1四半期の国内総生産(GDP)成長率が3.9%に加速したとの推測を示した。輸出とインバウンド需要の増加が消費支出の減少を補ったという。昨年第4四半期のGDP増加率は3%だった。中央銀行バンク・ネガラは19日に第1四半期の速報値を発表する。

みずほ銀は顧客への情報提供で、製造業は工業部門全体より業況が良好でなく、生産高の増加率には慎重な見方を維持しているとした。昨年第4四半期のGDPは前期比では2.1%の減少で、製造業の縮小と世帯支出の鈍化が影響した。

みずほ銀によると、1-2月の工業製品の輸出入は名目ベースで増加率が加速しており、電気・電子製品の景気循環は底を打ったと思われる。

飲食品生産の増加率はここ数カ月、大幅に減速し、小売業販売額は減少傾向にあり、こうした内需面の足かせは注視が必要だ。しかし旧正月中の外国人観光客の増加と消費の拡大がサービス業の売り上げに貢献したという。
(エッジ、4月15日)

「日本からの投資は昨年上回る見込み」髙橋大使

【クアラルンプール】 髙橋克彦駐マレーシア大使は国営「ベルナマ通信」との会見で、今年の日本企業によるマレーシアへの投資は昨年を上回るとの予想を示した。昨年の投資額は52億7,200万リンギだった。

高橋大使は「日本企業は、多様な文化、宗教面の寛容性、英語理解力、地震、津波など激甚災害がないこと、またルックイースト(東方)政策の結果、日本語を話せる国民が多くいることから、マレーシアへの投資に魅力を感じている」と述べた。マレーシアで活動している日本企業は約1,600社で、国・地域別でシンガポール、香港、米国に次ぐ4位の投資元。

高橋大使によると、日本企業は気候変動を念頭にグリーンエネルギー(太陽光、風力、水力、バイオマスなどから作られるエネルギー)への投資拡大に関心を抱いており、住友商事、エネオスおよびサラワク経済開発公社子会社SEDCエナジーの3社によるクリーン水素事業がその好例となっている。デジタル産業も日本企業の関心分野で、NECはジョホール州に情報技術サービスの顧客支援拠点を開設した。イスラム金融、ハラル(イスラム教に沿った)産業でも日本企業はマレーシアを望ましい拠点とみているという。
(ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、4月15日)

イオンビッグの「ドアマット」にイスラム教神殿、宗教局が押収

【クアラルンプール】 ジョホール州イスラム宗教局(JAINJ)は9日、州民からの苦情を受け、イオンビッグ・バトゥパハ店で、イスラム教の聖地であるカアバ神殿の絵がデザインされているドアマット11枚を押収したと発表した。イオンビッグ関係者を呼び出し、販売する商品にもっと注意するよう警告を行ったという。

イオンビッグ(M)および該当商品のサプライヤーであるA&Rファッション・コレクションはこれを受け、13日に共同声明を発表。この商品は実際は「礼拝用ミニマット」であるが、商品管理システムのミスで「ドアマット」に分類されていたと述べた。イオンビッグは直ちにシステム上で表記を修正したとし、「多民族社会の調和に影響を与えるような憶測がなくなることを望んでいる」と述べた。

声明によると、A&Rはイスラム教徒のブミプトラ(マレー系および先住民)が100%所有する中小企業(SME)であり、2007年の設立以降、シャリア(イスラム法)準拠のムスリム服や、ラグ、カーペット、マットなどの製品を供給している。イオンビッグには2015年から供給を開始し、他小売業者への供給や自社店舗での販売も行っている。

先にミニマートチェーンのKKマートで、アラビア語で神を表す「アッラー」の文字がプリントされた靴下が販売されていたことが発覚し、会社創業者らが起訴され、支店3カ所に火炎瓶が投げ込まれる事件が発生している。バーンズ・ホールディングスが販売していたハイヒールについても、靴底に入ったデザインが「アッラー」の文字に似ているとのクレームが上がったことから、警察が1,145足を押収し、同社の創業者から事情聴取する事態となった。
(エッジ、4月14日、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、4月13日)

中古品流通のコメ兵、マレーシアに子会社を設立へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 中古品流通などを手掛けるコメ兵ホールディングス(本社・愛知県名古屋市)は12日、香港にある連結子会社、コメヒョー・ブランド・オフ・アジアがマレーシアに子会社を設立すると発表した。

マレーシア子会社コメヒョー・マレーシア(仮称)の資本金は600万リンギ。4月中の設立を予定している。宝石・貴金属、時計、バッグの仕入れおよび販売を行う。

コメ兵ホールディングスは、海外ブランドリユース市場でシェアを拡大していくうえで、経済成長が著しいマレーシアは一人あたりの所得が東南アジア諸国連合(ASEAN)の中でシンガポールに次いで高いなど、様々な観点で重要な拠点になるとみて注目していたと説明。子会社設立によりマレーシア国内でのリユース文化の形成を目指し、ASEANにおけるさらなる事業成長と海外ブランドリユース市場におけるシェア拡大を実現していくとしている。

コメ兵グループのブランド・ファッション事業におけるグローバル戦略は、「KOMEHYO」や「BRAND OFF」など複数の屋号と、「買取り」「小売り」「卸売り」「オークション」という4つのチャネルを活用した最適な組み合わせを進出都市に応じて展開することだという。

オンデマンド印刷のアクセア、マレーシア1号店をKLに開設

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 オンデマンド印刷のアクセア(本社・東京都千代田区)は、マレーシア法人アクセア・マレーシアを通じ、15日付けでマレーシア1号店をクアラルンプール(KL)にオープンした。

店舗名は「アクセア・クアラルンプール店」。印刷物、チラシ、ポスター、バナースタンドなどのプリントサービスを提供するほか、全席電源完備、Wi-Fi無料、ドリンク無料のコワーキングスペース「アクセア・カフェ」や貸会議室サービスも提供する。また、無料のビジネスマッチング機能とコワーキングスペース受付決済機能を兼ね備えたアプリ「ビズスポット」により、ユーザー同士の異業種交流、新たなビジネスチャンスの創出、ワークスペースの利用を一元的にサポートする。

営業時間は平日午前8時ー午後8時(土日祝休み)。オープン記念キャンペーンとして、15日より先着100人にオリジナルデザインのマグカップのプレゼント、コワーキングスペースの無料開放(21日まで)などを実施する。

アクセアは今後、マレーシア国内の店舗拡大に加え、東南アジアでの出店拡大も視野に入れながら、事業拡大を推進していく方針だ。

健康美容専門商社の手組、ASEAN4カ国進出支援サービスを開始

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 健康美容専門商社の手組(たくみ)は9日、3月末にマレーシアのケイソン・グループをはじめとするASEAN(東南アジア諸国連合)地域企業4社と戦略的業務提携を締結したと発表した。日系健康、美容、医療、関連メーカーのASEAN4カ国進出を支援する。

手組は健康食品や化粧品などの輸出入、ブランド運営、薬事や市場リサーチなどを行ってきており、ASEANにおいてはAICシンガポールと連携し、各国の美容健康関連企業を訪問し、10年間で約1,000社の現地ネットワークを構築している。

今回、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナムを初期主要4カ国として、ASEAN健康美容コンソーシアムを構築することを決定した。手組が日本語対応可能なジャパンデスクとなり、日本の健康美容関連メーカーの戦略立案サポート、薬事、貿易、マーケティング、テストマーケティング、M&Aなどの支援を行っていく。ASEAN地域の1カ国のみではなく、数カ国に進出を希望する日本企業を対象顧客として想定している。

マレーシアでの提携先であるケイソン・グループは、美容健康関連に特化した企業で、日系製品取り扱い代理商、マーケティング支援、輸入通関代行などに携わっている。ASEANコンソーシアムではマレーシア担当として各種調整を務める。

岡山大学、マレーシア・インドネシアからの日本留学を推進へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 岡山大学(本部・岡山市北区)は7日、文部科学省より「日本留学促進のための海外ネットワーク機能強化事業」を受託し、2024年4月ー2029年3月の5年間、オールジャパンで東南アジアから日本への留学を推進し強化することとなったと発表した。

本事業では、マレーシアとインドネシアを最重点国とし、これまでの10年間で培った日本・現地関係機関とのネットワークを活用・拡大しつつ、岡山大学が日本とASEAN(東南アジア諸国連合)のハブとなり、双方向への研究・交流・リクルーティング等に関するコンサルティング機能と業務を担う。
また、優秀なASEAN留学生のリクルーティングから就職までの入口から出口までをオールジャパンで支援することで、「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ(J-MIRAI)」で提言された「2033年までに留学生受入数40万人」目標に貢献する。

岡山大学は2014年度に受託した文部科学省受託事業「留学コーディネーター配置事業(ミャンマー)」で、ミャンマーからの留学生数を3倍に伸ばした実績および、2019年度に受託した「日本留学海外拠点連携推進事業(東南アジア)」で、コロナ禍でも他機関に先駆けてオンライン・ハイブリッドでの日本留学促進とネットワーク構築をオールジャパンで展開した実績などが評価され、今回の採択につながったとしている。

冨士ダイス、マレーシア営業拠点をKLに移転・強化

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 超硬合金製耐摩耗工具・金型製造大手の冨士ダイス(本社・東京都大田区)は9日、マレーシア子会社、フジロイ・マレーシアが2024年4月1日より営業活動の中心を従来のペナン事務所からクアラルンプール(KL)事務所へ移し、活動範囲を拡大すると発表した。

ペナン事務所も今までどおり営業活動を継続し、KL事務所との2拠点で、マレーシアのほか近隣諸国も含めて営業範囲を拡大することで受注増加を目指す。二次電池やモーターコアなどの次世代自動車関連製品の受注増加を狙う。次世代自動車への対応・拡販、海外事業の強化の施策を推進し、さらなる売り上げ拡大を目指す。
フジロイ・マレーシアはペナンに 2012年に設立され、2017年にはKLに2番目の事務所を開設し、カバーエリアを拡大した。今年3月にはホームページを全面リニューアルし、発信力を強化している。

ユーグレナ、バイオ燃料商業化に向け特別目的会社設立

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ユーグレナ(本社・東京都港区)は8日、マレーシアにおけるバイオ燃料商業プラントの建設・運営プロジェクトへの参画に向けた特別目的会社をケイマン諸島に設立すると発表した。

社名はユーグレナ・サステナブル・インベストメントで、資本金は1万米ドル。4月中の設立を予定している。プロジェクトに関連する資金の管理、投資、調達を行う。拠出する資金の分別管理、当社資金拠出が米ドル建てとなる見込みであることに伴う為替変動の影響、プロジェクトから期待されるキャッシュフローを活用した負債性資金調達の可能性などを総合的に勘案して設立を決定した。

ユーグレナは2022年12月、バイオ燃料事業の商業化に向けてマレーシア国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)およびイタリアの石油ガス会社エニと共同で、マレーシアにおいて商業規模のバイオ燃料製造プラントの建設および運転するプロジェクトの検討、商業プラント建設に係る技術的・経済的な実現可能性評価を進めていることを発表した。今年半ばにも合弁パートナー間の最終的な意思決定を行う。