第3四半期の求人数、前年比2.5倍に=JACリクルートメント

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ジェイエイシー(JAC)リクルートメントは26日、2021年7ー9月の「アジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向」を発表した。マレーシアの求人数は前年同期に比べ2.5倍となったが、前期比では5%減少した。
段階的な規制緩和とともに、各社の採用意欲も少しずつ回復している状況がうかがえた。特に外資系の求人数に関しては、前期比、前年同期比、コロナ禍前の2019年の同期比で見ても増加しており、各社の積極な姿勢が見られた。一方で日系企業の求人は、2019年同期比で8割弱程度と新型コロナ発生前の状態までには至らないものの、一部新規採用を凍結していた企業も交代要員の採用を中心に、採用意欲が回復。特にフェーズ3に入った9月半ばから、日系企業の中でも特に電気・電子部品メーカー、商社、建築業を中心に採用活動が活発化している。
業界全体を俯瞰し2019年第1ー3四半期と今年の同時期の求人数を比較した場合、ヘルスケア・製薬(355%増)、ペイメントソリューションを含む金融(227%増)、ICT(54%増)が伸展著しい業界となっている。また、日系・非日系を問わず、マレーシアへの新規参入・新規投資(セミコンダクター・メディカルが中心)と共に、政府の積極誘致政策もあり、スタートアップ企業からの求人需要も増えており、コロナ禍以前との大きな違いが出ている。
求職者の動向としては、日本での緊急事態宣言解除と共に、転職活動を再開する求職者が増えている。一方、就労ビザ発給については、今までの未処理案件の累積により依然として遅延傾向が続いているものの、新フェーズ移行にともない徐々に解消されつつありる。
マレーシア人の求職者は、まだ慎重姿勢を崩していないが、キャリアパス、安定性、基本給の15ー20%増が見込める求人に対しては積極的に応募をしている。IT人材については引き続き需給が逼迫しており30%、時には50%増の給与レベルを提示する企業も出ている。またリモートワークが長期化し浸透する中で、柔軟な勤務形態を求める求職者が増えているのも最近の傾向となっているという。

コロナで保険意識高まるも加入率は38%=チューリッヒ調査

【クアラルンプール】 保険大手のチューリッヒ・マレーシアが実施した調査で、新型コロナウイルス「Covid-19」パンデミックが国民の保険に対する意識を高めることになったものの、保険料負担がネックとなって加入率が38%にとどまっていることが分かった。
新型コロナが国民の保険に対する意識に与えた影響に関する調査は9月下旬に実施したもので、1,201人から回答を得た。84%が新型コロナによって保険加入の必要性に対する認識が高まったと回答。72%は余裕があれば最大200リンギを保険に充てたいと答えた。
一方で62%は新型コロナが保険商品の購買力に影響を及ぼしたと回答。38%がいまだ個人向け生命保険に加入しておらず、そのうち60%が金銭的理由を挙げた。加入する余裕がないと答えた率は全体の23%に上った。
ただ非加入の理由については、保険に関する情報が乏しいとの回答も29%あり、不要と思うとの回答も23%、保険業に対するネガティブ感情を理由に挙げた率も10%あった。また雇用者が加入している保険があるから不要との回答も12%あった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ボルネオ・ポスト、エッジ、10月26日)

第2四半期のオンライン求人数、4四半期連続増加=統計局

【ペタリンジャヤ】 統計局の発表によると、今年第2四半期のオンライン求人情報数は4四半期連続で増加の9万502件となり、第1四半期の9万218件からは0.3%(284件)増加した。
国内で最も求人数が多いのは広告・マーケティング分野で、現在7,000件以上の求人がある。その他の職種では、▽事務系専門職(5,653件)▽取締役・最高経営責任者(4,112件)▽会計士・監査役(3,675件)▽ソフトウェア開発者(3,296件)ーーなどの求人が多くなっている。専門職の求人が50.8%で、次いで技術者および準専門職(19.2%)、管理職(18.4%)。求人の多い業種は、▽科学技術▽製造業▽卸売・小売業▽自動車・オートバイ修理業▽金融・保険▽宿泊・飲食サービス業ーーなど。州・地域で見ると、クアラルンプールがトップで4万2,163件、これに▽セランゴール州(1万7,696件)▽ジョホール州(6,403件)▽ペナン州(5,598件)▽ペラ州(1,237件)ーーが続いた。
求人の63%が技術職業教育訓練(TVET)関連の職種で、次いで科学技術・工学・数学(STEM)関連が27%。STEMカテゴリーでは、ソフトウェアエンジニアの求人が850件でトップとなり、▽プロジェクトマネージャー(754件)▽グラフィックデザイナー(725件)▽技術者(723件)▽エンジニア(490件)ーーと続いた。
今年8月の失業率は、7月に比べて0.2ポイント減少の4.6%。失業者数も前月比で3.8%減少し、6月と7月に増加した後初めての減少となった。統計局は、国内経済が回復するにつれ、労働市場も回復傾向にあると指摘。感染状況の見通しの不透明さが今後数ヶ月間の労働市場にも影響を与える可能性があるが、国家復興計画(NRP)により経済を安全に再開したことで経済も徐々に回復していくと予想した。
(ザ・スター、10月26日)

消費者信頼感指数は大幅上昇、経済V字回復へ=MIER

【クアラルンプール】 独立系シンクタンクのマレーシア経済研究所(MIER)の調査によると、2021年第3四半期の消費者信頼感指数(CSI)は101.7ポイントと大幅上昇した。CSIが100以上となったのは、2018年第3四半期以来。
MIERは、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種完了者を対象に移動制限が緩和されたことにより、消費者に安心感がもたらされ購入意欲が高まっているとし、今後数カ月間、耐久消費財への支出も促進されると分析した。
2021年の実質国内総生産(GDP)成長率も4.0%と予想。パンデミック前の平均の4.9%は下回るが、経済が順調にV字回復しているとした。内需拡大、輸出の継続的な成長、中央銀行バンク・ネガラ(BNM)の外貨準備高増加、外国投資の増加などの兆候が見られるという。経済が再開し、輸入も増加していることから、民間消費・民間投資は今後数四半期にわたり継続的に好調を維持すると予想。一方、遅行指標である不良債権の増加、就職率の低下、不動産の供給過剰、金融市場状況など、成長を鈍化させる要素についても今後注視していく必要があるとした。
経済全体の改善が見込まれる反面、政府の財政赤字は拡大すると予想。6月末時点での債務残高は9,584億リンギとGDPの61.1%に上っているため、今後、物品・サービス税(GST)の再導入が考えられるとした。
(エッジ、ベルナマ通信、10月22日)

消費回復は22年になってから、フィッチ見通し

【クアラルンプール】 フィッチ・ソリューションズは、家計・個人消費がパンデミック以前の水準を取り戻すのは2022年になってからとの見通しを示した。同社は格付け会社フィッチ・レーティングスの調査部門。
20日公表した22年の消費見通し報告でフィッチ・ソリューションズは、22年上半期にかけワクチン接種が加速し、小売業に対する制限も解除されるため、経済、消費が回復するとの予想を示した。
パンデミック発生前の19年の消費支出は9,050億リンギで、22年についてフィッチは9,150億リンギを予想している。
20年、21年の消費が低迷したのは移動制限などの規制が敷かれたためで、特に小売業販売額の60%を占める首都圏クランバレーでは厳しい規制が行われた。
フィッチによると、ワクチン接種は加速しているが、年内の集団免疫獲得は困難で、年末の消費急増はほとんど期待できないという。
(ザ・サン、10月22日、エッジ、マレー・メイル、10月21日)

日系企業の景況感が悪化もコロナ前の水準維持=JACTIM

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)は21日、JACTIM会員企業を対象に実施した2021年下期の景気動向調査を発表。「良好」から「悪化」を引いたDI値がマイナス20.4となり、大きく持ち直した前期から8.6ポイント悪化したものの、新型コロナウイルス「Covid-19」以前の同等水準は維持した。  同調査は半年に1度行なっているもので、72回目となる今回は2021年9月1日から9月30日にかけて会員企業552社を対象に実施し、191社(製造業120社、非製造業71社)から回答を得た。長期間の行動規制による経済低迷や操業率低下を要因とする声が多かった。来期についてはプラス3.1への改善が予測されている。  従業員数DIはマイナス15.2と、3期ぶりに不足に転じた前回よりさらに13.4ポイント悪化。不足傾向が強まっており、来期予測値もマイナス20.4とさらに悪化する見込みとなった。  業界の需給判断DIはプラス15.7と、需要超過が鮮明化。来期は1.1ポイントの小幅増予測と上昇の一服が見込まれるも、需要超過状態が継続される見込み。  業績に影響を与える要因については、回答企業のうち86.9%が新型コロナによる影響を挙げたほか、66.5%が規制変動を挙げた。一方、米国、欧州、東南アジア諸国連合(ASEAN)、中国の経済動向や米中貿易摩擦等他国の経済動向による影響との回答は減少を示した。

貯蓄できない人が増加、長引くパンデミックで=調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 金融比較サービスのリンギプラスが実施した「マレーシア人の金融行動に関する調査」によると、「まったく貯蓄ができない」と回答した人は、昨年の19%から今年は21%に増加し、31%は月に500リンギ以下の貯蓄しかできていないことがわかった。
毎月の貯金額について、「500ー1,000リンギ」との回答率は25%、「1,001ー1,500リンギ」が8%、「1,500リンギ以上」が15%。また51%が「失業したら3カ月以上生活できない」、28%が「失業しても半年は生活できる」と回答した。
ミレニアル世代(18歳ー35歳)は、より深刻な状況にあり、「失業したら1カ月以上生活できない」(全世代平均20%)との回答が24%に及び、57%が「失業したら3カ月以上生活できない」と回答。また、45%が「収入金額もしくはそれ以上の支出をしている」、55%が「退職後の生活設計をしていない」(全世代平均44%)と答えた。 貯金の目的は、63%が「緊急用資金」(昨年調査では27%)。45%が「退職後の生活のため」、41%が「旅行」、39%が「新規不動産購入」が挙がった。長引くパンデミックにより緊急資金の重要性に気づく人が増えたという。
また、クレジットカードの所有率は昨年比10ポイント以上減少し、非保有が45%となった。カード保有者の中でも複数枚持ちしている人は減少した。
退職後の生活設計については、30%が「従業員積立基金(EPF)の積立額は退職後の生活に十分ではない」と回答(昨年は15%)。所得が減少した国民の生活支援のため、EPFの一部取り崩しが許可されたことからEPFに対する意識が高まったと見られる。
「マレーシア人の金融行動に関する調査」は2018年より開始された調査で、2021年版は全国の3,033人を対象にオンラインで実施。そのうち1,518人分を人口比に沿った層別抽出により集計した。

NUMBEO都市犯罪指数ランク、クランが東南アジアワースト

【クアラルンプール】 国際データベース・サイト「NUMBEO」がこのほど発表した「都市犯罪指数(2021年中盤)」で、セランゴール州クランが東南アジア22都市中でワーストとなった
クアラルンプール(KL)もワースト3位、ジョホールバルもワースト5位、ペタリンジャヤもワースト6位と上位の多くをマレーシアの都市が占めている。
セランゴール州警察のアルジュナイディ・モハメド本部長は「クランは犯罪統計からみても安全な都市であり、同ランキングは誤解を招きかねない」と反発している。低評価が多いマレーシアの都市の中ではペナンがベスト4位と健闘している。
同ランキングによると、クランに次ぐワースト2位はマニラ。反対にベスト1位はチェンマイとなっている。なおマレーシアは、国としての犯罪指数ランキングで東南アジアでワーストとなっている。
(ベルナマ通信、光華日報、中国報、9月4日、NUMBEO発表資料)

財政赤字がGDP比7.4%に拡大、フィッチが予想

【クアラルンプール】 フィッチ・ソリューションズ・カントリー・リスク・アンド・インダストリー・リサーチは、新型コロナウイルス「Covid-19」の影響が長引いていることを考慮して、6.4%としていた2021年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を7.4%に上方修正した。
フィッチは、長期にわたるロックダウンの影響を緩和するために、マレーシア政府が歳出を増やしており、実際、政府が年末までに法定債務限度額を引き上げる計画のもとで、内閣が現在のGDP比60%から65%への引き上げを提案していると指摘。経済対策として2,050憶リンギを投じたことで、すでに政府債務が大きく膨らんでいる上、3度目の行動制限令(MCO3.0)が予想外の長期に渡っていることを考慮に入れたと説明した。
フィッチはまた、マレーシア政府の第1、2四半期の歳入は、政府の大きな財源となっている原油の国際価格が上昇しているにも関わらず、それぞれ前年同期比で6.8%、4.4%マイナスとなっていると指摘。経済が1月以来のロックダウンの影響を受けていることに起因していると考えられるとし、ロックダウンは特に小売りおよびサービス・セクターに深刻な影響を及ぼしていると分析した。
その上でフィッチは、イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相率いる新政権がワクチン接種率上昇に依存した国家復興計画(NRP)の下で経済・社会活動の正常化を急ぐ方針を示していることに注目。今後は財政支出を削減する方向に舵を切るため、2022年には大きく歳出削減に向かうと予想されるとした。
通貨リンギの為替レートの動向については、2021年の平均予測を1米ドル=4.15リンギに維持したが、2022年については従来予想の4.10リンギを4.20リンギに修正した。これについてフィッチはリンギが2021年の残りの期間にわたって下落圧力に直面し続けるだろうと指摘した。
(マレー・メイル、9月29日)

オフィス&商業施設で空室率上昇&賃料低下の傾向=中銀

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の影響で購買行動や勤務体制がeコマースや自由な働き方に移行する傾向が強まっていることを受けてオフィスやショッピングモールの空きスペースが増える傾向にあり、それに伴って賃料が下がる可能性があると分析した。
中銀は「2021年上半期金融安定性レビュー」の中で、ショッピングコンプレックスとオフィススペースの稼働率と賃貸料が引き続き低下していると指摘。首都圏クランバレーのオフィスおよび小売スペースの平均賃貸料は、2020年第3四半期以降、4四半期連続で低下しているとした。
中銀が引用した不動産ソリューションプロバイダーのジョーンズ・ラング・ウートンのデータによると、2020年第2四半期に26.4%だったオフィスの空室は同年第4四半期には27.5%に、今年第2四半期には28.6%に上昇。25.4%だった小売スペースの空室率もそれぞれ26.3%、26.4%に上昇した。
同じく中銀が引用した不動産コンサルタント、ナイト・フランク・マレーシアとサヴィルズ・マレーシアのデータによると、プライムオフィススペース、プライム小売スペースまたは首都圏の主要なショッピングコンプレックスの最も有名なショップの平均賃貸料がいずれも年率でマイナス成長となった。
中銀は、デベロッパーがいくつかのプロジェクトをキャンセルしたことで新規供給量が減ったにもかかわらず進行中のプロジェクトが完成したことで空室率が上昇したと指摘。オーナーはテナントを繋ぎ留めるために賃貸料の無料化や低減、救済策の提示などを行っているが、モールのオーナーの半数がテナントからの賃料徴収で困難に直面したと答えており、オーナー会社のキャッシュフローに影響を及ぼし続ける可能性があると指摘した。
(マレー・メイル、9月29日)