上半期のサイバー攻撃、マレーシアへの攻撃は域内最多

【クアラルンプール】 マレーシアの企業・組織に対する上半期のサイバー攻撃は1,962万件で、東南アジアで最多だった。サイバーセキュリティーのカスペルスキーが発表した。

カスペルスキーが域内で探知、防御したウェブ上の攻撃は約2,600万件、1日当たり14万6,944件だった。

マレーシアに次ぐ多さだったのはインドネシアの320万件、ベトナムの145万件、タイの106万件で、フィリピンは約85万件、シンガポールは約57万件と少なかった。

ヨー・シアンティオン代表(東南アジア担当)は「企業、政府はデジタルプラットフォームへの依存を高めており、サイバー攻撃の対象領域が広がっている」とコメントした。この結果、サイバー犯罪者にはコンピューターシステムのぜい弱性を攻撃する機会が増え、攻撃によりサプライチェーン、金融機関、医療・エネルギーなど重要インフラに混乱が起こる可能性がある。また域内のサイバー犯罪者はAIを利用するなど、攻撃技術が高度化しているという。
(ベルナマ通信、エッジ、ビジネス・トゥデー、12月4日)

多くの国民は生成AIに肯定的、ジョブストリート調査

【クアラルンプール】 オンライン職業斡旋サイト、ジョブストリートは生成AI(人工知能)に対する世界の人々の姿勢、懸念に関する調査結果を公表した。マレーシアはほかの国よりAIに受容的で、回答者の50%は生成AIを使ったことがあると答えた。用途は、情報入手、技能開発、翻訳。生成AIになじみがない、との回答は40%だった。

年齢・職業種別では、18-24歳の年齢層は45歳以上の層より生成AIを利用する可能性が50%高い。生成AI採用に肯定的なのはデジタル化、データサイエンス、情報技術、マーケティング・メディアの労働者で、物流・運輸、法務関連では受け入れ派は40%と少ない。

職に関する懸念では、仕事内容に何等かの変化がある(回答者の79%)、重大な影響がある(28%)だった。法務、医療関係は懸念度が低い。

AI採用に伴い労働者には技能習得が必須になるが、57%はAI導入による変化に対応するため技術を取得する用意があると回答。失職を懸念している、との回答は5%だった。

しかし、生成AIを実際に利用する際の困難もあり、55%はプロンプト作成で困難を感じると回答した。
(ザ・サン電子版、11月27日)

ジェトロの日系企業実態調査、マレーシアは今年黒字が7割

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)は11月28日、「アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」結果を発表。マレーシアは2024年の営業利益見込みを「黒字」とする回答率が70.8%に上り、前年調査の67.9%を2.9ポイント上回った。マレーシアは「均衡」が15.8%。「赤字」は13.5%で、前年の14.6%を1.1ポイント下回った。

同調査は北東アジア5カ国・地域、ASEAN9カ国、南西アジア4カ国、オセアニア2カ国の計20カ国・地域に進出する日系企業を対象に8月20日から9月18日にかけて行ったもので、マレーシアからは調査対象917社のうち359社が回答した。

2024年の営業利益見込みが前年比で「改善」とする回答は、マレーシアは38.2%で、「横ばい」は35.6%、「悪化」は26.1%だった。改善理由については「現地市場での需要増加」が49.6%と高かった。

2025年見通しについては、「改善」が41.9%、「横ばい」が45.9%、「悪化」は12.3%だった。改善理由については「現地市場での販売体制強化」が43.2%と高かった。

2024年の景況感を示すDI値(「改善」と回答した企業の割合から「悪化」と回答した企業の割合を差し引いた数値)は、マレーシアはプラス12.1で、2025年についてはプラス29.6となった。

事業拡大を検討している企業はマレーシアでは48.9%に上り、今後1―2年で事業を拡大する理由については「現地市場ニーズの拡大」が62.6%、「輸出の増加」が35.7%だった。拡大する機能については、「販売」が70.1%と最も高かった。脱炭素化への取り組みについては、「すでに取り組んでいる」が43.2%、「今後取り組む予定」が40.3%だった。

マレーシアの投資上のメリットとしては「言語上の障害の少なさ」が75.3%でトップ。投資上のリスクについては「人件費の高騰」が72.3%で最も高かった。

「第4四半期の業況見通しは良好」シンクタンクMIER

【クアラルンプール】 シンクタンクのマレーシア経済研究所(MIER)は27日、業況に関する調査結果を公表。第4四半期のビジネス信頼指数(BCI)は105ポイント近くに達しており、業況見通しは明るさを維持しているとした。

けん引役は、安定した生産・販売、雇用の改善、賃金上昇、投資増、設備利用の効率改善で、ほとんどの企業が第4四半期の業況を楽観しているという。

第3四半期の売り上げ指数は52.8で、前年同期から8.9ポイント改善した。雇用指数は56.5で、同14.3ポイント改善。前期の47.6からも改善した。投資も増加傾向にあり、指数は68と前年同期より18ポイント改善した。

輸出業者の受注指数は48で、前年同期比で16.7ポイント、前期比で9.1ポイント、それぞれ改善した。回答企業の60%余りが注文の増加または同程度の注文を受けた。

製造業では70%の企業が、同程度の生産あるいは生産増だったと回答した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、11月28日、エッジ、11月27日)

マレーシア人訪日者数、10月は22.0%増の5.5万人

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2024年10月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は5万5,100人となり、前年同月比で22.0%の大幅増となった。

JNTOによると、査証免除措置による訪中旅行への人気の高まり、機材繰りなどに伴う一部航空会社の運航規模縮小などあるものの、祝日などの影響もあり、訪日外客数は10月として過去最高を記録した。 クアラルンプール―羽田間の増便などもあり、日本への直行便数は前年同月を上回った。年初10カ月の訪日者数は37万3,200人で、前年同期比23.0%増となった。

10月の世界全体の訪日者数は、前年同月から31.6%増の331万2,000人、新型コロナ前の2019年同月からは32.7%増となり、過去最高であった2024年7月の3,29万2,602人を上回り、単月過去最高を記録した。1―10月の累計では3,019万2,600人となり、過去最速で3千万人を突破した。

ミシュランガイド、KLの2軒が新たに一つ星獲得

【クアラルンプール】 美食ガイドとして世界的に親しまれている「ミシュランガイド」の「マレーシア2025」が14日、発表された。第3版となる今回は、新たに星を獲得したクアラルンプール(KL)の2軒を加え、一つ星の評価を得たのは計6軒。また持続可能性の高いレストランに対する「グリーンスター」が新設され、二つ星のマレー料理店「デワカン」が輝いた。

一つ星に新たに選ばれたのは、タイ料理店「チムbyシェフ・ヌー」と、ヨーロッパ料理店「モリーナ」。今年3月オープンのチムは、タイ・バンコクの一つ星の店の系列店にあたる。またモリーナを経営するアレックス・タン氏はアムステルダムでミシュラン二つ星の「スペクトラム」を経営している。

また、価格以上の満足感が得られるレストラン「ビブグルマン」には、新たにKLの5軒、ペナンの7軒を加え、計56軒が選ばれた。仏ミシュランはペナンの「BMヤムライス」が選ばれたことを挙げて、「これらの店は地元の味覚の豊かな多様性を示す」と評した。

なおセレクティッド・リストには、10軒増えて計80軒が紹介されている。
(ザ・スター、11月14日、ミシュラン発表資料)

マレーシア初の産業向け5G準備状況評価調査を実施

【クアラルンプール】 マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は7日、とマレーシア投資開発庁(MIDA)と共同で、マレーシア初となる、産業向け5G準備状況評価調査を行うと発表した。

高速通信規格「5G」はさまざまな産業で急速な変革をもたらし、マレーシアの競争力に大きな影響を与えつつある。調査は、5Gに基づく技術導入に向けた企業の準備状況や、課題などを特定するのが狙い。特に中小企業や、産業間のギャップなどを分析し、5G技術の導入支援につなげていく。

12月1日まで実施予定(https://survey.zohopublic.com/zs/PTD3Mj)で、多くの企業の参加を呼びかけている。
(ベルナマ通信、ニュー・ストレーツ・タイムズ、MCMC発表資料、11月7日)

 

マレーシア人の死因トップは肺炎、心疾患上回る

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は、マレーシア人の死因に関する最新統計を発表。2023年の死因第1位は肺炎で、 虚血性心疾患をわずかに上回り、通年で1万8,181人が亡くなった。肺炎が死因トップになったのは20年ぶり。死因全体の15.2%を占めた。

肺炎がトップとなった理由について統計局のモハマド・ウジル首席統計官は、新型コロナウイルス「Covid-19」の影響だと指摘。特に免疫力が弱く、健康状態が良くない人が肺炎にかかる可能性が高いとした。なお2019年は新型コロナが死因トップだった。

2番目に多かった虚血性心疾患は全体の15.1%を占めた。ウジル氏は不健康な生活習慣や食習慣に大きく関係していると指摘した。ただし男女別でみると男性の死因トップは虚血性心疾患だった。

民族別では、肺炎は中国系とその他のブミプトラ系民族の間で多い傾向で、虚血性心疾患はマレー系とインド系で多い傾向となった。

年齢別では、60歳以上の死因トップは肺炎で、41―59歳では虚血性心疾患がトップだった。

3位以下の死因とその割合は▽脳血管障害(7.2%)▽交通事故(3.5%)▽気管、気管支、肺の悪性腫瘍(2.0%)▽慢性下気道疾患(1.8%)▽結腸、直腸、肛門の悪性腫瘍(1.7%)▽糖尿病(1.7%)▽高血圧性疾患(1.5%)▽乳腺の悪性腫瘍(1.4%)――となった。

悪性腫瘍による死亡者数も増加傾向にあり、2001年の5,231人から2023年には1万6,545人に大幅増加している。悪性腫瘍による死亡者数が最も多かったのは消化器(5,054人)で、次いで呼吸器および胸郭内臓器(2,530人)、乳がん(1,681人)となった。

23年度犯罪統計、オンライン犯罪が増加

【クアラルンプール】 統計局は16日、2023年の犯罪件数が5万2,444件で、前年より3.2%増加したとする犯罪統計を公表した。暴力犯罪が1%増の1万453件、窃盗犯罪が3.8%増の4万1,991件だった。

暴力犯罪には、殺人、レイプ、強盗、傷害が含まれる。このうち最も増加したのはレイプで11.8%増の1,914件だった。地域・州別で犯罪件数が多かったのは順に、クアラルンプール(221件)、セランゴール州(196件)、ケダ州(193件)、ペナン州(193件)、ネグリ・センビラン州(159件)。最少はサバ州の95件で、次いでクランタン州が96件だった。

商事犯罪数は32.1%増の4万350件で、最も件数が多かったのは詐欺で3万6,936件。次いで背任が1,217件、貸金法違反が994件。

オンライン犯罪は35.5%増の3万4,532件。うち最多は電子商取引犯罪で33.2%を占めた。ほかは架空投資話、ロマンス詐欺など。児童ポルノ所有、チャイルドグルーミングなど子ども性犯罪被害は26.5%増の1,567件だった。
(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、10月16日、統計局発表資料)

 

ダウンロード速度で域内2位、オープンシグナル速度テスト

【クアラルンプール】 モバイル接続と信号強度を測定している独立組織のオープンシグナルが4月1日から6月30日まで行ったインターネット接続速度テストにおいて、マレーシアは5G(第5世代移動体通信)のダウンロード速度エクスペリエンスでアジア太平洋13カ国・地域中2位だった。速度は毎秒295.5メガビット。1位は韓国の427.5メガビットだった。

アップロード速度エクスペリエンスでは、韓国が52.2メガビットで1位、台湾が35.4メガビットで2位、マレーシアは34メガビットで3位だった。また5G可用性(5Gが利用できる時間の割合)でマレーシアは31.8%と域内4位の高さだった。最高はインドの52.1%で、次いでシンガポールが35.9%、韓国が34%だった。

都市など人口密度が高い地域における5G利用可能エリアの割合を示す「5Gカバレッジ・エクスペリエンス」でマレーシアは2.6点と10位の評価だった。1位はシンガポールで、国内のほぼ全域で5Gサービスが利用できる。

ファーミ・ファジル通信相の最近の発表によれば、人口密度が高い地域における5Gカバレッジ率は81.9%。
(ザ・スター、9月26日、ビジネス・トゥデー、9月25日)