サイバーダインのサイボーグ50セット、リハビリ施設に導入へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ロボットスーツ製造販売のサイバーダイン(本社・茨城県つくば市)は27日、サイバニクス技術のマレーシア展開に向け、マレーシア政府関係者との会談を23日に同社本社で開催したと発表した。
マレーシアからは、アンワル・イブラヒム首相の訪日に同行したスティーブン・シム人的資源相や社会保障機構(PERKESO、SOCSO)のモハメド・アズマン・アジズ最高責任者(CEO)などが参加した。
会談では、シム大臣から、2024年末に運用開始予定の「PERKESO国立神経ロボット・サイバニクス・リハビリテーションセンター」における、装着型サイボーグ「HAL」50セット(65台)を含むサイバニクス製品の大型導入意向が表明された。単一施設へのHAL導入数としては世界最大となる。
サイバーダインは本会談の結果を受け、PERKESOとの間で、サイバニクス製品の導入に向けた協議を引き続き進めていく。
サイバーダインは、2018年にPERKESOが東南アジアで初めてHALを導入した後、マレーシア政府およびPERKESOと連携を強化し、サイバニクス治療の普及を推進してきた。現在、マレーシア国内12施設で114台のHALが稼働している。

NTTデータ、決済サービスのGHLシステムズを買収へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 NTTデータ(本社・東京都江東区)は27日、ペイメント事業拡大を目的に、マレーシアの決済サービスプロバイダーであるGHLシステムズの株式58.7%を買収すると発表した。今後、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)を通じて残余株の公開買付を提案していく。

GHLの買収により、東南アジア諸国連合(ASEAN)でのペイメント事業基盤を拡大する計画。GHLは1994年に設立されたマレーシアを代表する決済サービスプロバイダーで、マレーシアをはじめ、フィリピン、タイなどのASEAN地域で48万台以上の決済端末を設置し、各種決済サービスを提供している。

GHLを子会社化するとともに、NTTデータがペイメント分野で保有するサービスやノウハウを組み合わせることで、両社が事業展開する各国での消費者の利便性を高める。マレーシア国内では、Eコマースへの決済サービスで強みを持つ既存子会社のiPay88マレーシアとともに、加盟店店頭、Eコマースにおけるオムニチャネルへの対応を強化していく。

イスラム式デジタル銀のイオンバンクが営業開始

【クアラルンプール】 イスラム金融式デジタル銀行のイオンバンク(マレーシア)が26日、サービスを開始した。マレーシア初のイスラム式デジタル銀行で、デジタル銀行ではGXバンクに次いで2行目。販促のため各種の優遇措置を提供している。

口座を開設できるのは18歳かそれ以上のマレーシア国民。口座開設には既存のほかの銀行に口座を開設している必要があり、20リンギ以上の口座間資金移動が完了するとイオンバンクの口座が利用可能になる。

申込者は希望の口座番号を指定できるが、最後の4桁は早い者勝ち。支払いに使うのはビザのデビットカード。カードが申込者に届くまで6-10営業日かかるため、イオンバンクはこの間も開設者が支払いを行えるよう、仮番号を提供する。デビットカードはQRコード「ドゥイットナウ」を利用した支払いが可能。

販促では年率3.8%の利益配分を行う。8月末までに口座開設した人に3,000イオンポイントをプレゼントする。200ポイントが1リンギ相当。

イオンバンクは預金保険制度のPIDMに加入しているため、預金は25万リンギまで保護される。
(ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、5月26日、ソヤチンチャウ、5月23日)

首相訪日で14.5億リンギの投資、5.5億リンギの輸出を確保

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル投資貿易産業相は24日、アンワル・イブラヒム首相の22ー24日の日本公式訪問により、14.5億リンギの潜在的投資、5.5億リンギの潜在的輸出を確保したと明らかにした。

ザフルル大臣は声明で、IHI、日清オイリオグループ、トクヤマ、住友商事、ENEOS、三菱商事、東京ガスなどの企業トップと会談を行ったとし、いくつかのプロジェクトは3年以内に実施され、マレーシアが半導体、再生可能エネルギー、グリーンテクノロジー産業において強力なエコシステムを構築するのに貢献すると述べた。

ザフルル大臣はまた、半導体、航空宇宙、化学・石油化学、デジタル経済、電気・電子、医薬品、グリーンテクノロジー、再生可能エネルギーなどの分野での日本からの投資を歓迎するとし、投資貿易産業省と傘下機関は、日本との互恵的なパートナー関係を促進するため、今後も協力を続けていくと述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、5月24日)

マ日国際工科院が28日に展覧会開催、連携オフィスも開所

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 国際協力機構(JICA)マレーシア事務所は、マレーシア工科大学(UTM)マレーシア日本国際工科院(MJIIT)が28日、「マレーシア・日本産業イノベーション・エキスポ2024(MJIIX2024)」を開催すると発表した。

MJIIX2024は、産学官連携促進を目的としたイベントで、JICAおよびマレーシア日本人商工会議所(JACTIM)の共催で開催される。産業界からのナレッジシェアリングセッション、MJIIT研究室によるイノベーションコンペティション展示、ネットワーキングランチ、プレミアムレクチャーが行われるほか、参加企業の展示・就職フェアブース(日本関連企業・機関13社、マレーシア企業2社)も設置される。

またMJIIX2024のオープニングセレモニーの中で、「マレーシア・日本連携オフィス(MJL)」が正式開所する。MJLは、MJIITが2023年7月からJICAと取り組みを始め、教育研究においてマレーシアと日本、ASEAN(東南アジア諸国連合)の大学および産業界との連携拠点としての機能の確立を目指している。

JICAはMJIITにおいて2011年から円借款・技術協力プロジェクトを実施しており、2023年7月から2028 年7月までの第3フェーズの核として、このMJLを通じた大学および産業界との連携拡大を進めている。

ブックオフのリユース店、クアンタンにオープン

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ブックオフグループのマレーシア合弁会社、BOKマーケティングは23日、リユース店舗「ジャラン・ジャラン・ジャパン」マレーシア12号店を同日オープンすると発表した。

出店先はパハン州クアンタンにある「ベルジャヤ・メガモール」で、売場面積は約880坪。取扱商材はアパレル、生活雑貨、ベビー用品、おもちゃ、ホビー、スポーツ用品、楽器、家具、アクセサリー、着物などとなっている。営業時間は午前10時ー午後10時。

ブックオフグループは年間4億点以上の商品を日本国内で買い取っており、「ジャラン・ジャラン・ジャパン」は日本国内で販売しきれない商品をマレーシアやカザフスタンで販売し、「出口戦略」の一翼として持続可能な社会の実現に取り組んでいる。今回のオープンにより海外の店舗数は31店舗(米国14店舗・フランス3店舗・マレーシア12店舗・カザフスタン2店舗)となる。

アールティ、マレーシアで教材用ロボットの販売店契約を締結

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ロボティックス関連事業を手掛けるアールティ(本社・東京都千代田区)は23日、マレーシアのラテル・ロボティックスと教材用ロボットの販売店契約を締結したと発表した。

アールティが開発、販売する教育用小型移動ロボット「Pi:Co Classic3」のほか、研究用人型ロボット、アーム型ロボットを販売する。ラテルを通じてアールティの教材用ロボットや教育ノウハウをマレーシアに提供し、エンジニア育成に寄与する。

ラテルはジョホール州を拠点とし、AI&ロボティクスソリューションの設計開発を行っており、ペッパーなどの教育用ロボットの販売、カスタマイズされたシステムの提案や導入後のアフターサービス、教育訓練、機器メンテナンス、教育機関と連携したAI&ロボティクス教育を手掛けている。

アールティは、ロボット、AIの学習に最適なアールティ製品の、海外におけるセールスチャネルの拡大を実現し、顧客へより満足度の高い広範囲なサービスを提供するとしている。

アンワル首相が日本企業トップと面談、投資機会について協議

【東京】 日本を公式訪問したアンワル・イブラヒム首相は23日、日本の大企業トップとの面談を実施。日本企業にとり、マレーシアが最良の投資先であることを再確認したと述べた。
アンワル首相のX(旧・ツイッター)への投稿によると、面談に参加したのは、IHI、日清オイリオグループ、トクヤマ、住友商事、ENEOS、三菱商事、東京ガスなどのマレーシア進出企業。アンワル首相は会談の場で、マレーシアには安定性があり、企業が投資しやすい投資エコシステムが整っていると強調したとし、特に石油・ガス、再生可能エネルギー、水素・アンモニア、半導体、ハラル(イスラムの戒律に則った)産業における投資機会について議論が行われたと述べた。その上で日本企業の投資が計画通り実施されるよう支援していくとし、今後も日本からの投資の誘致を継続すると述べた。
アンワル首相は24日、慶應義塾大学でイスラム研究の故・井筒俊彦教授を偲ぶスピーチを行い、記者会見や東京ジャーミイでの金曜礼拝を行った後、帰国の途につく。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、5月23日)

日・マレーシア首脳会談、両国関係強化を確

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 アンワル・イブラヒム首相は23日午後、岸田文雄首相と首脳会談を行った。

岸田首相は両国関係の着実な進展に触れ、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化のためマレーシアとの連携強化を表明した。アンワル首相も「包括的・戦略的パートナーシップ」の下、関係発展への意欲を示した。

会談では、政府安全保障能力強化支援(OSA)によるマレーシアへの警戒監視用機材の供与や自衛隊とマレーシア国軍の共同訓練実現への言及があり、海上法執行分野の協力強化も確認された。また、エネルギー移行や脱炭素化、重要鉱物、デジタル、サイバーセキュリティ、サプライチェーン強靭化、人材育成等の分野での協力推進にも合意がなされた。

また、東シナ海・南シナ海情勢、イスラエル・パレスチナ情勢、ウクライナ情勢、北朝鮮問題など、地域・国際的な課題への対応についても意見交換が行われ、引き続き両国で連携していくことが確認された。

リンギが円に対し値上がり、15年6月以来の高水準に

【クアラルンプール】21日の為替市場ではリンギが円に対し値上がりし、取引開始早々、100円に対し2.99リンギ台と3リンギを割り込んだ。2015年6月以来の対円リンギ高となった。

午前9時台の相場は100円に対し2.9984/3.0012リンギだった。その後、3.001/3.0022リンギで取引された。

イスラム銀行バンク・ムアマラット・マレーシアのモハマド・アフザニザム主任エコノミストは、マレーシアと日本の金利差が大きいことが強いリンギの理由と指摘した。

日本の1-3月期の国内総生産(速報値)は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比0.5%減、年率換算で2.0%減と縮小しており、金利引き上げの可能性は限定されているため、リンギ高は続く可能性があるという。

UOBケイ・ヒアン・ウエルス・アドバイザーズのセデク・ジャンタン氏は20日の声明で、日本銀行が国債買い入れを減額したことを指摘。「2.0%のインフレターゲットが達成できたと日銀が確信できるか次第だが、7月末までに金利を0.1%引き上げるとの憶測が流れている」と述べていた。

円は長期にわたり下落を続けており、日本は輸入物価の上昇で消費が減退している。
(ザ・スター、5月22日、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、5月21日)