ペトロナス、マレーシア初の持続可能な航空燃料を納品

【セパン】 国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)は、マレーシア・アビエーション・グループ(MAG)向けに、マレーシアで初めてとなる現地生産の持続可能な航空燃料(SAF)をクアラルンプール新国際空港(KLIA)に納品したと発表した。

SAFはペトロナスの施設で混合され、マレーシアン・リファイニング・カンパニーのパイプラインを経由してKLIAに供給された。マレーシア航空はまずは9月1日から16日にかけてロンドン行きの深夜便MH2便で同燃料を使用。SAFを通常オペレーションに導入する第一歩となる。

ペトロナスの精油・マーケティング・トレーディング担当のアハマド・アドリー・アリアス副社長は、マレーシア航空に供給されたこの燃料は、同国の航空業界の脱炭素化に向けた一歩となると言明。「航空業界の脱炭素化においてSAFは現在利用可能な最も迅速な解決策の一つだ」と述べた。

一方、MAGグループの最高サステナビリティ責任者であるフィリップ・シー氏は、SAFの生産と導入を拡大するには、航空業界全体の協力が不可欠だと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレーシアン・リザーブ、9月12日、ペトロナス発表資料)

業務用輸送車のガソリン補助金に向け受付開始、対象は10万台

【ペタリンジャヤ】 国内取引物価省(KPDN)は15日から、新たな「ガソリン補助金管理制度(SKPS)」の登録受付を開始した。レギュラーガソリン「RON95」の新たな補助金制度を前提とし、貨物輸送会社、公共陸上輸送会社の車両が対象で、全国で約10万台になるとみられる。

SKPSは、RON95の補助を受けるための制度。SKPSシステムと道路運輸局の記録を統合し、手続きを簡素化。必要書類が整っていれば申請後、即日承認される見通し。その後、承認書とともに、指定のガソリン会社3社にフリートカード(車両用給油カード)を申請する必要がある。RON95補助金制度の導入時期は未定だが、同省は導入され次第利用できるよう、あらかじめSKPSの申請を済ませておくよう呼びかけている。

同様の制度として、従来はディーゼル補助金管理システム(SKDS)を通じ、マレー半島で30万台以上の車両が対象となっていたが、ディーゼル車以外の業務車両は対象外であったうえ、密輸が問題化。従来のRON95補助金制度の合理化に合わせ、新たにSKPSが導入されることになった。

対象となる公共陸上輸送車両は、タクシー、レンタカー、スクールバス、霊柩車、救急車、消防車、シャトルバス、路線バス、ミニバスの9つのカテゴリーがある。貨物車両については、バン(窓なし/窓あり/セミパネル)、食品輸送車(トラック/バン)、一般大型貨物トラック、小型商用バン(移動販売など特殊用途車含む)、家具・引っ越し輸送車(ルートン/ボックス)、冷蔵貨物車、家畜輸送車、農産物輸送車の12カテゴリー。
(フリー・マレーシア・トゥデー、9月16日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、9月13日)

太陽光発電システム設置を後押しする新政策、12月に導入

【クアラルンプール】 政府は12月に、電力消費者に太陽光発電システムの屋上設置を促し、再生可能エネルギーへの移行を後押しする太陽光移行加速行動プログラム(ソーラーATAP)を導入する。

6月に終了した正味エネルギー計測(NEM)の後継政策。エネルギー移行・水利転換省が発表した。NEMは自宅で発電した余剰電力を電力網に送り返すことで、電力料金の割引を受けられる電力料金算定の仕組み。

ソーラーATAPは、消費者の電力料金が自宅で生産された電力で相殺される仕組みで、相殺には電力卸売料金が適用される。指針、登録のための詳細は12月1日、エネルギー委員会と再生可能エネルギー開発庁のホームページに掲載される。登録開始も同日から。

屋根上のソーラーシステム設置は普及度が低く、現在の発電能力は計2ギガワット余り。政府は数十ギガワットの設置が可能と推測している。
(エッジ、ザ・サン、バイブズ・ドットコム、9月12日)