中銀が預金準備率を引き下げ、銀行に資金流動性を供給

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は8日、預金準備率を16日付で2%から1%へ引き下げると発表した。銀行の資金流動性を増やすのが目的で14年ぶりの低水準となる。

準備預金制度の下、金融機関は顧客から受け入れている預金の一定比率以上の金額をBNMに預け入れることが義務付けられており、この比率が預金準備率。前回の準備率改定は2020年3月で、BNMは3%から2%へ引き下げていた。

BNMは声明で、準備率引き下げは金融システムへの十分な流動性の供給が目的で、銀行は金融市場の変動が増す中、資金流動性をよりよく管理できるとした。今回の改定で190億リンギの流動性が銀行システムに供給されるという。

BNMはまた、準備率改定は金融政策の変更を意味するものではなく、金融政策は翌日物政策金利が唯一の指針だと改めて強調した。
(BNM報道資料、エッジ、マレーシアン・リザーブ、5月8日)

丸紅などの合弁MRO、スバン空港に新整備施設を開設

【シャアラム】 丸紅などの合弁による航空機整備専門会社カーボンMROサービシズ(KMRO)は8日、セランゴール州のスルタン・アブドル・アジズ・シャー空港(スバン空港)で、拡張した整備施設の開設式を行った。

今回、主に格納庫を改装し、単通路のナローボディー機2機の整備を同時に行うことができるようにした。マレーシア民間航空局(CAAM)からすでに、ボーイング737とエアバスA320の両方の機種の整備を行うための認定を受けている。

また、傘下に新たにカーボン・エンジン・サービシズを設立。航空機エンジンに関する包括的なサービスを提供する。

KMROは2023年に、丸紅と、航空機整備などを手掛けるマレーシアのディビエーショングループの合弁で設立された。ディビエーショングループのケビン・テオ社長によると、1年以内に最大で航空機30機のMRO(保守・整備・オーバーオール)契約獲得を目標に、格納庫の稼働率の現在の10%からの向上を図る。

開設式には、丸紅執行役員の岡崎徹エアロスペース・モビリティ部門長らが出席。岡崎氏は、マレーシアは東南アジアの中心に位置し航空産業の発展に理想的とし「アジアにおけるプレゼンスを高め、マレーシアの航空産業の発展に貢献する」と述べた。

同じく式典に出席した投資貿易産業省(MITI)のハナフィ・サクリ副事務次官(産業担当)は日馬の協業による今回の取り組みを歓迎するとともに、米国の相互関税対象から航空宇宙産業を除外するよう交渉を行っていることを強調した。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、5月8日、ザ・スター、5月9日)

イスラム開発局、ハラル認証手続きを完全デジタル化

【プトラジャヤ】 イスラム開発局(JAKIM)が発行するハラル(イスラムの戒律に則った)認証(SPHM)について、5日から申請から証明書発行までの手続きがすべてデジタル化された。

JAKIMのシラジュディン・スハイミー局長によると、公共部門のデジタル化推進の一環で、事務手続きの遅延削減に向けた取り組み。ハラル認証システム「MyeHALAL」を通じ、必要に応じて自分でデジタル証明書を印刷することになる。ただし、従来のようなJAKIM発行の証明書が必要な場合は、手数料を払って申請することも可能という。
(ベルナマ通信、5月8日)

ゲンティンハイランドのホテル50階にハードロックカフェ開業

【クアラルンプール】 マレーシアで7番目となる「ハードロック・カフェ」がこのほど、パハン州ゲンティン・ハイランドにオープンした。

不動産開発のNCTアライアンスが手掛ける「ウィンダム・イオン・マジェスティック・ホテル」の最上階50階のプールサイドに開業した。NCTと提携して取り組んできたハードロック・インターナショナルのフランチャイズ事業担当副社長トム・ペレス氏は「標高6,000フィート(1,800メートル)という雲の上にある初のハードロックカフェ」と述べた。

200人超を収容可能で、アメリカ発祥のカフェならではの料理と音楽が楽しめる。7月に改めてグランドオープン式典が予定されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月8日、ビジネス・トゥデー、4月30日)

パハン州、東海岸鉄道線7駅を中心とした都市開発に重点

【クアンタン】 パハン州政府は東海岸鉄道線(ECRL)の州内7駅での公共交通指向型都市開発(TOD)を重点施策とする。ワン・ロスディ州首相が7日、言明した。

TODでは、各駅から半径15キロメートル(km)圏内のインフラ整備と公共施設の拡充を通じ、地域住民の生活向上と、経済成長の促進を図る。州内ルートは全長258kmで、クアンタン・ポート・シティ(KPC)、パヤ・ベサール、マラン、テメルロー、ベントンの5駅は旅客と貨物の両用駅で、チェラティンとコタSASの2駅は旅客専用駅。

州内ではECRLに関連し、すでに13のプロジェクトが打ち出されている。州初の若者向け高層アパートメント「パンサプリ・パハンク」や、パヤ・ベサル統合公共交通ターミナル、タンジョン・ゲラン海事ハブ、バイオガス発電所などで、駅を抱えるクアンタン、テメルロー、ベントン、マランの4つの地方自治体が、プロジェクトなど各地域の状況に合わせ、TODと、経済促進プロジェクト(EAP)の計画策定を進める。

ECRLに関しては、アンソニー・ローク運輸相が6日、4月時点で全体の進捗率が82.45%に達したと発表。パハン州内のマラン―ベントン間100kmの線路敷設は今月開始され、来月中までに完了するとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、5月7日、ザ・スター、5月6日)

中銀バンクネガラ、政策金利を3%で据え置き

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は8日に定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を3.00%で据え置くと決めた。

BNMは声明の中で、持続的な内需と輸出の継続的な伸びに牽引され、第1四半期の経済活動はさらに拡大したと説明。米国が発表した関税措置に触れ、貿易交渉の行方や、地政学的緊張など、世界経済は大きな不確実性にさらされており、マレーシア経済の対外セクターの重しとなるとしながらも、電気・電子製品への継続的な需要と観光消費の増加が一定のクッションの役割を果たし、全体としても堅調な国内需要に支えられるとした。また、投資活動についても、民間部門、公共部門ともに拡大傾向で、成長見通しに対するリスクバランスは下振れ傾向にあり、貿易交渉の成果によっては成長を押し上げる可能性があると分析した。

また、インフレについては、世界的なコスト環境が穏やかで、国内需要への過度な圧力がないことから、引き続き管理可能な水準を維持する一方、国内政策の波及効果の程度、および世界の商品価格、金融市場、貿易政策をめぐる外部動向に左右されるだろうとした。リンギも外部要因に左右されがちで、現在のOPR水準を維持しつつ、金融政策スタンスが経済成長に寄与するよう引き続き内外の動向を注視していくとした。

IHGの最上級ホテル、キンプトンナルリアがTRXで年内に開業

【クアラルンプール】 英国系IHGホテルズ&リゾーツは、クアラルンプール(KL)の国際金融地区「トゥン・ラザク・エクスチェンジ(TRX)」に「キンプトン・ナルリア・クアラルンプール」を今年末までに開業する。IHGの中で最上級の「ラグジュアリーライフスタイル」ブランドに位置付けられているキンプトンのマレーシア初進出になる。

ホテルは26階建てで客室466室。「ナルリア」の名称は、マレー語の「ナルリ(本能)」と「リア(喜び)」に由来するという。KLの眺望が楽しめるルーフトップバー&ラウンジ「フォー・シブリングス」など4つのダイニングサービスのほか、サンフランシスコ発祥のキンプトンならではの毎日夕方に開催されるソーシャルアワー「キンプトン・ソーシャル」や、ロビーでモーニングドリンクを無料で提供する「キンプトン・キックスタート」を楽しむことができる。

アジアの多くのラグジュアリーホテルで経験を持つポール・カニンガム総支配人は「キンプトンをマレーシアに初めて紹介できることは大きな喜びで、街の新たな活気あるソーシャルハブになる」と述べた。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、5月7日)

10日から南西モンスーン期入り、9月まで続く見通し=気象局

【クアラルンプール】 マレーシア気象局は7日、10日から北東モンスーン期から南西モンスーン期に移行し、9月まで続くとの予報を発表した。

南西モンスーン期間中は、南西からの風が強く吹く影響で、雨雲の形成が抑制され、降水量が減り、乾燥した日が続く。しかし、マレー半島西海岸や、サワラク州北部、サバ州西部では、大雨、強風、雷雨が発生する可能性があり、「風が収束し、数時間の雷雨が続くような際は注意が必要」としている。

また乾燥した南西モンスーン期は野焼きによる環境汚染も懸念される。気象局は公式サイトやアプリ、ソーシャルメディアで発信する天気予報や警報など、気象の最新情報を確認して欲しいと呼びかけている。
(ベルナマ通信、5月7日)

アジア太平洋の越境不動産投資、マレーシアへの関心に高まり

【クアラルンプール】 国際投資家によるアジア太平洋地域での越境不動産投資では日本、韓国、豪州への投資が主だが、マレーシアに対する関心が高まりつつある。不動産サービスのナイト・フランク・マレーシアが域内における商業不動産投資報告で明らかにした。

第1四半期の商業不動産に対する域内の越境投資は95億米ドルで、前年同期の2倍。キーツ・ウーイ代表によると、マレーシア経済の基礎的条件は改善し、不動産投資信託市場は進化し、規則も透明性を増している。投資家はマレーシアへの投資に依然、慎重だが、関心は見られ、特にクアラルンプール、ペナン州の工業回廊、ジョホール州の物流センター、住宅に関する問い合わせが増えているという。

報告書は取り組み課題として、不安定な為替相場、監督の枠組み、小売り施設・住宅の供給過剰を挙げており、政策面で投資歓迎の姿勢がより明確になれば、下半期にマレーシアへの投資が活発になると予想している。
(エッジ、ザ・スター電子版、ビジネス・トゥデー、5月6日)

岸田前首相が来馬、脱炭素化推進でアンワル首相らと会談

【クアラルンプール】 岸田文雄前首相が5ー6日の日程でマレーシアを訪れ、アンワル・イブラヒム首相、ファディラ・ユソフ エネルギー移行・水利転換相、ニック・ナズミ天然資源・環境持続可能性相と、それぞれ個別に会い、脱炭素化などをテーマに意見交換した。

石破茂首相の特使である岸田前首相は、首相在任時の2022年に自ら提唱した「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想の議員連盟最高顧問として来馬した。AZEC構想は、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)などが連携して、脱炭素化と経済成長を目指す取り組みで、今年10月にマレーシアでAZEC首脳会議が開催される。

アンワル首相への表敬訪問は、特産品のドリアンをアンワル首相がプレゼントするなど、和やかな雰囲気で行われた。アンワル首相はASEAN議長国としてAZECへの協力を強調。さらなる推進に向け、分野横断的なエネルギー協力センターをマレーシアに共同で設置することなどについても話し合われたという。

また、首相府相(サバ・サラワク州問題担当)を兼任するファディラ氏とは、サラワク―マレー半島間の送電網整備を含め、エネルギー分野などでの一層の技術協力の可能性を検討。ニック・ナズミ氏とは、二国間クレジット制度(JCM)の協力覚書への署名に向けた作業を加速させることなどについて議論した。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、5月6日、外務省発表資料)