【サイバージャヤ】 政府は1日から、すべての通信事業者に対し、公的デジタル身分証明書の「MyデジタルID」による本人確認を義務付ける。セキュリティを強化し、MyデジタルIDと紐づけができていない携帯電話番号を使えなくすることで、詐欺や不正利用の防止を図る。

国家サイバーセキュリティ局(NACSA)によると、今年7月に発表された「マレーシア・サイバーセキュリティ戦略2025-2030(MCSS)」に基づく取り組みになる。MyデジタルIDは、科学技術革新省(MOSTI)傘下の企業が運営しており、国家登録局(NRD)が管理する情報と直接照合して本人確認を行う仕組み。

MyデジタルIDのニック・イブラヒム最高経営責任者(CEO)によると、2024年の詐欺電話件数は298万件で、2023年の163万件の2倍に迫る勢いだった。イブラヒム氏は「電話番号とMyデジタルIDが紐づけられることで、デジタルの信頼性と安全性が強化され、デジタル経済が保護される」と説明。「ユーザーデータを保存したり、オンライン活動を追跡したり、新しい個人情報を収集したりすることはない」と付け加えた。

また道路運輸局によるMyJPJアプリも2026年1月から、18歳以上を対象に、MyデジタルIDによるログインに変更される。18歳未満や永住権保有者には、専用リンクからのログイン方法が採られる見込み。

なお雇用ビザなど外国人の場合、現時点ではMyデジタルIDは登録できないが、順次なんらかの対策が検討されると見込まれる。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、11月30日、ザ・スター、11月28日)