スーパーマックス、来年1月までに米国で手袋生産開始

【クアラルンプール】 ゴム手袋製造大手のスーパーマックス・コーポレーションは17日、テキサス州ブラゾリア郡にある同社初の米国の製造施設で、2025年1月までに商業生産を開始すると発表した。

米国での生産は完全子会社のマックスター・ヘルスケアを通じて行うもので、2024年12月に最初の生産ラインの試運転を開始する。当初は第1期で予定している生産能力の半分に当たる年間最大24億枚のゴム手袋生産を見込んでいる。第1期の残りラインは2025年第4四半期に完成する予定で、米国の年産能力は2倍の年間48億枚に拡大する。

テキサス州の製造ビル(B2A)と倉庫兼配送センター(B5)の建設は、米国のスーパーマックス・ヘルスケアとマックスター・ヘルスケアのチームが共同で行い、2023年12月に完了。試運転にあたっては、マレーシアの技術チームが派遣された。

またスーパーマックスは向こう2年内に第2期開発を計画しており、それに向けて世界的な需要と消費市場の動向を注視している。

米国通商代表部(USTR)は最近、中国からの輸入医療用手袋に2025年に50%、2026年に100%の高関税率を課すことを決定しており、米医療機器製造業者協会の会員企業であるマックスター・ヘルスケアにとって有利に働くと見られている。

(ビジネス・トゥデー、エッジ、9月17日)

ハラル見本市「MIHAS2024」開幕、ドバイでも11月に開催

【クアラルンプール】 国内最大のハラル(イスラムの戒律に則った)製品見本市「マレーシア国際ハラルショーケース(MIHAS)2024」が17日、マレーシア国際貿易展示センター(MITEC)で開幕した。開催は20日までの4日間。

主催のマレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)によると、今年の成約額は昨年の32億リンギを上回る35億リンギとなる見込み。参加企業数も昨年より10%増となり、66カ国から2,000ブースが出展されている。

MATRADEはまた、初の海外版となる「MIHAS@ドバイ」を11月18―20日にドバイ・ワールド・トレード・センターで開催する。「中東オーガニック・ナチュラル製品エキスポ2024」との併催で、約230社が2,000平方メートルの会場で出展する。約120社のバイヤーの参加や成約額10億リンギを見込んでいる。

テンク・ザフルル投資貿易産業相は、ドバイの中継都市としての地位を活用し、中東および北アフリカ市場への輸出拡大を目指すと述べた。中国や欧州でもMIHASを開催する計画があるとし、日本に関しては、2025年4―10月に開催される、大阪・関西万博への参加を通じて貿易拡大を目指すとしている。

(マレー・メイル、ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、9月13日)

三菱モーターズ、新型「エクスパンダー」の予約受付を開始

【クアラルンプール】 三菱モーターズ・マレーシア(MMM)は、7人乗りクロスオーバーMPV(多目的車)「エクスパンダー」のフェイスリフト版の予約受付を開始した。

「エクスパンダー」は2020年末にマレーシア市場に導入。現地生産を行い、4年間で4万台を販売している。MPVセグメントでは、トヨタ「ヴェロス」やプロドゥア「アルザ」の競合車となる。フェイスリフト版は9月末発売予定で、期間限定保険なし価格として11万5,000リンギで提供する。

今回のフェイスリフトでは、外装・内装ともに大幅な改良が施された。サイズは、全長4,475mm、全幅1,730mm、全高1,750mm、ホイールベース2,775mm、地上高はセグメント最大の220mm。車体カラーは全4色。内装ではダッシュボードがよりシンプルでモダンなデザインに一新された。タッチスクリーン式インフォテインメント・システムが9インチに大型化され、スマホを車載機器と接続する「アンドロイドオート」と「アップルカープレイ」を搭載した。新型ワイヤレス充電器や、従来のハンドブレーキに代わるオートホールド機能付きの電動パーキングブレーキも備えている。

(ポールタン、ジグホイールズ、カーリスト・ドット・マイ、9月12日)

日揮など日本8社、サラワク州のCCS設計作業を受託

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日揮ホールディングス(本社・神奈川県横浜市)は13日、日本企業7社とともに、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の令和6年(2024年)度「先進的二酸化炭素回収・貯留(CCS)事業に係る設計作業等」公募において、サラワク州におけるCCS事業に係る設計作業などを9月11日付けで受託したと発表した。

7社は、▽石油資源開発(本社・東京都千代田区)▽川崎汽船(本社・東京都千代田区)▽JFEスチール(本社・東京都千代田区)▽三菱ガス化学(東京都千代田区)▽三菱ケミカル(東京都千代田区)▽中国電力(本社・広島県広島市)▽日本ガスライン(本社・愛媛県松山市)――。

日揮を含む日本側8社は日本国内の製鉄所、発電所、化学工場等から排出される二酸化炭素(CO2)の分離・回収・液化に必要な設備やコストの検討作業を進める。また、プロジェクトの共同推進者である国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)子会社のペトロナスCCSベンチャーズ(PCCSV)と日本側8社は、サラワク州までの海上輸送(瀬戸内エリアにおける内航輸送を含む)、圧入・貯留までに必要な設備ならびにコストの検討を共同で進めていく。

格安航空エアアジア、KK―越ホーチミン線を12月3日に就航

【セパン】 格安航空エアアジアは10日、コタキナバル(KK)―ベトナム・ホーチミン線を12月3日に就航すると発表した。エアアジアにとってコタキナバル発の16番目の国際線となる。

火・木・土曜の週3往復の運航で、スケジュールは往路の「AK1630」便がKK発11時45分、ホーチミン着12時55分。復路の「AK1631」便がホーチミン発13時25分、KK着16時35分となっている。

新路線の就航記念として、KK発が片道199リンギ、ホーチミン発が139万9,000ドンからの特別運賃を提供する。対象旅行期間は2024年12月3日から2025年3月29日までで、2024年9月22日まで専用アプリ「エアアジアMOVE」およびウェブサイト(airasia.com)から予約できる。

マレーシア政府観光局は、2024年にベトナム人観光客47万5,000人の誘致を目標に掲げている。

(ザ・サン電子版、ビジネス・トゥデー、9月10日、エアアジア発表資料)

【従業員の勤労意欲を高めるために】第883回:高齢化社会との向き合い方(10)個別指導でICTスキルを高める

第883回:高齢化社会との向き合い方(10)個別指導でICTスキルを高める

前回は、加齢による身体の衰えに加えて、自己効力感やソーシャルキャピタルの欠如が、高齢者のICT利用を阻む原因になっていることを述べました。そのため、孤立している高齢者ほどICTを利用しない・できないというジレンマがあります。この問題にどのように取り組めばいいでしょうか。

スキルとデジタルリテラシーを促進するうえでグループベースのICTトレーニングが有効であることを示す証拠があります。Zhao et al. (2020) の研究では、無作為化比較試験(RCT)により、344人の高齢の参加者が介入群または待機リスト対照群のいずれかに割り当てられました。20週間にわたって週に1回、スマートフォンのトレーニングプログラムを受けた介入群では、スマートフォンのコンピテンシーと生活の質が高まりました。しかし、こうした画一的なトレーニングが一部の高齢者にとって有効であったとしても、他の高齢者にとって同様に有効であった可能性は低いと考えられます。そのことは、この研究に示された一部の指標の効果量の低さにも表れています。

そのため、近年の研究は、画一的なアプローチから、教育と学習への個別化されたアプローチへの脱却を主張しています(Arthanat et al., 2021; Fields et al., 2021)。このうち、Arthanat et al. (2021) の研究では、2年間のRCTにより、83人の高齢者が介入群と対象群に分けられた後、6か月間隔で、デジタルリソースへのアクセスと活用を促進するための、コーチと参加者の1対1のICTトレーニングが実施されました。その結果、介入群の高齢者は、対照群の高齢者よりも、様々な余暇や健康管理、日常的な活動に多く従事するようになりました。また、テクノロジーの受容性が大幅に向上し、自立感が維持されました。この結果は、マンツーマンで時間をかけて丁寧に指導を行うことで、ICTスキルの向上が期待できることを示しています。

しかし、社会実装を視野に入れれば、当然、費用対効果、或いは、時間帯効果の観点で実現可能なものでなくてはいけません。個別のニーズに応えようとするあまり費用や時間のかかるトレーニングを設計すれば、それだけ事業継続が困難になります。この問題を、既存の研究は真剣に取り組んでいないように思います。次回に続きます。

Kokubun, K. (2024). How to Popularize Smartphones among Older Adults: A Narrative Review and a New Perspective with Self-Efficacy, Social Capital, and Individualized Instruction as Key Drivers. Psychology International, 6(3), 769-778. https://doi.org/10.3390/psycholint6030048

國分圭介(こくぶん・けいすけ)
京都大学経営管理大学院特定准教授、東北大学客員准教授、機械振興協会経済研究所特任フェロー、東京大学博士(農学)、専門社会調査士。アジアで10年以上に亘って日系企業で働く現地従業員向けの意識調査を行った経験を活かし、産業創出学の構築に向けた研究に従事している。
この記事のお問い合わせは、kokubun.keisuke.6x★kyoto-u.jp(★を@に変更ください)

イケアマレーシアが2千品目を値下げ、電動配送車も増強

【バトゥ・カワン】 スウェーデン系家具メーカー、イケア・マレーシアは12日、ペナン州バトゥ・カワン店で同社初となる「IKEA青写真2025」イベントを開催。今年300以上の商品を値下げしたのに続き、2,000以上の人気商品を新たに値下げすると発表した。

小売部門責任者のマルコム・プルイス氏は、同社の調査によると、マレーシア人の3分の1以上が家計と可処分所得に不安を感じており(38%)、経済状況にも不安を感じている(36%)と説明。手ごろな価格はイケアのビジネスの基本であり、また、現在の経済情勢下で人々がインテリアへの出費に対してより慎重になっているため、利益ではなく価格設定に投資するとした。今回の値下げは単なる安売りではなく、良質なインテリア商品を誰もが手に入れられるようにするためのものだとしている。

プルイス氏はまた、イケアは年内に配送用電気自動車(EV)9台を追加導入し、合計12台のEVを保有すると述べた。2025年にはさらに10台のEVを導入する計画で、2030年までに100%持続可能な配送を実現することを目指すとしている。イケアの2024年度の総売上高の16.5%をEコマースが占めているため、EV車両の拡大は同社の成長戦略にとり重要で、2023年は合計8,567件の配送がEVで行われたが、EV配送件数がより拡大することを期待していると述べた。

(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、9月12日)

ホンダ、「シティ」と「WR-V」の特別仕様車を発表

【ペタリンジャヤ=アジアインフォネット】 ホンダ・マレーシアは12日、Bセグメントセダン「シティ」およびコンパクトスポーツ多目的車(SUV)「WR-V」の特別仕様車を発表した。両車種とも99台限定で発売する。

「シティ」の特別仕様車は、フロント、サイド、リアのアンダースポイラー、専用エンブレムを装備。フロントにはデジタルビデオレコーダー(DVR)を搭載し、リアルタイムの運転状況を記録できる。車体カラーはプラチナホワイトパールカラーの1色。保険なし本体価格は通常の「シティ」と同価格の9万4,900リンギとなるが、プラチナホワイトパールカラーの塗装費として別途300リンギが必要となる。

「WR-V」の特別仕様車も、フロント、サイド、リアのアンダースポイラー、専用エンブレムの装備やエクステリアの追加が行われており、保険なし価格は10万7,900リンギ。両特別仕様車はホンダ・ディーラーで展示を行い、予約も受け付ける。

ホンダ・マレーシアは、「シティ」はマレーシアでの販売開始以来45万台以上を売り上げており、2023年8月に発売されたフェイスリフト版の販売台数はすでに2万6,200台に達したと言明。「WR-V」の累計販売台数も1万3,400台以上になったと述べた。

JFEエンジ、岡安ゴムと太陽光電力需給契約を締結

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 JFEエンジニアリング(本社・東京都千代田区)のマレーシア現地法人JFEエンジニアリング (M) (JFEM)は12日、岡安ゴム(本社・滋賀県草津市)の現地法人岡安ゴムマレーシア(ORM)との間で、新たに13年間の太陽光電力需給契約(PPA)を締結したと発表した。

ORMのシャアラム本社工場に約450キロワットピーク(kWp)の太陽光発電設備を設置する。2025年3月に稼働開始予定。稼働後の年間太陽光発電量は55万キロワット時(kWh)となり、二酸化炭素(CO2)排出量年間約390トンを削減する。また、JFEMの太陽光設備総容量は3,300キロワット(kW)に拡大する。

JFEMは今後もマレーシアにおける環境への取組みや、国連の持続可能な開発目標(SDGs)をサポートするビジネス活動を拡大していく方針だ。

道路交通局、トヨタ、ホンダ、スズキなどの大規模リコールを発表

【クアラルンプール】 道路交通局(JPJ、RTD)は11日、安全上の懸念があるとしてトヨタ、メルセデス・ベンツ、ホンダ、スズキの自動車・二輪車に対する大規模リコールを発表した。

RTDのフェイスブック投稿によると、対象となったのはトヨタでは2023年3月―2024年2月に製造された「ヴィオス」の2万4,345台。メルセデス・ベンツでは2017年―2024年に製造された「A200」、「A250」、「A250 4マチック」、「AMG A 45 S 4マチック」など合計1万978台。

ホンダは2022年に製造された二輪車「CBR250RR」、「CBR250S3A」合計205台、スズキは2023年に製造された二輪車「Vストローム800DE」220台および2024年に製造された同「バーグマンストリートEX」125台が対象となった。

RTDは、車両の構造・装備の欠陥による事故を防ぐためにリコールが必要だとし、各車両の所有者に対し、車検の予約を行うよう呼びかけている。メーカーが無償で不具合を修理するという。

(ザ・サン電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、9月12日、ポールタン、9月11日)