半導体エンジニア育成、高度学習校が学生300人を募集

【クアラルンプール】 集積回路(IC)設計など半導体に関する高度の教育を施すマレーシア・アドバンスト半導体アカデミー(ASEM)は今年の半導体エンジニア課程で300人の学生を募集する。第1回目の募集には120人の定員に1,900人が出願した。

セランゴール情報技術・デジタル経済公社との提携事業で、教室での学習以外に、現場研修、海外派遣がある。学習内容はデジタルIC設計、アナログIC設計、組み込みシステム、RISC-V(リスクファイブ、オープンソースで提供されている命令セットアーキテクチャー)、人工知能(AI)・ロボット工学の5分野。理系で学んだ18-30歳の国民が応募できる。

現場研修実施企業は、オップスター、スカイチップ、ウイーロックなどマレーシアICデザインパークに参加している企業と、米系アルテラなど国際的企業。交流プログラムに選ばれた学生はインド・チェンナイか中国の深圳で就業体験を積む。

選抜学生には研修期間中、少なくとも4カ月間、月2,000リンギを下限に奨学金を支給する。第1回課程修了者の初任給は月5,000―8,000リンギで、平均額は6,000リンギ。
(ビジネス・トゥデー、5月19日)

8月開幕の農業展示会MAHA2026、投資目標80億リンギ

【クアラルンプール】 マレーシア最大の農業展示会「MAHA2026」は8月28日―9月6日の日程で開催され、80億リンギの投資誘致を目指す。モハマド・サブ農業食糧安全相が18日、出展者向け説明会で発言した。

MAHAは隔年開催で、今年はセランゴール州セリ・ケンバンガンのマレーシア農業博覧会公園セルダン(MAEPS)で実施。「食料安全保障のための価値創造」をテーマに、国内外から2,000社の出展と、来場者400万人を見込んでいる。

サブ氏は、農業の近代化に向け先進的な農業技術の紹介に重点を置くと説明。投資誘致に加え、会期中の直接販売額として5,500万リンギを目標に掲げた。また、より多くの若者に農業に関心を持ってもらうため、期間中に約80万人の若者に活動に参加してもらう予定と付け加えた。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、5月18日)

政府系FGVの酪農部門、経験不足で牧場経営に失敗

【クアラルンプール】 政府系パーム油大手のFGVホールディングス子会社で、乳製品のFGVデイリー・ファームがネグリ・センビラン州リンギにおける業務を停止した。消息筋によると、FGVデイリーに1,870万リンギの貸付残高がある政府系アグロバンクがリンギ資産を競売にかけた。

FGVホールディングスは20年にレッドアグリ・ファームの株式60%を取得しリンギ酪農場を取得した。消息筋によれば、経営権取得後、FGVデイリーは300頭の乳牛を仕入れたが、経験不足から3分の1を病気で失い、コールドチェーン管理でも困難にあった。

FGVホールディングスによる買収前から同牧場は赤字だった。専門家によると、酪農は規模が重要で、300頭では営利事業として成り立たないという。FGVグループはほかにも乳牛飼育を計画したが、実現しなかった。牛乳、乳製品の輸入依存を減らし、食糧安保を強化したいとの国の思惑が背景にある。
(エッジ、5月18日)

KTMコミューター線のセガンブット・ウタラ駅が開業

【クアラルンプール】 マレーシア国鉄(KTMB)コミューター線のセガンブット・ウタラ駅が開業し、15日に開業式典が開催された。ピーク時には上下線共に1時間あたり最大8,000人の乗客を取扱うことが可能で、年間約58万人の乗客が利用すると見込まれている。

新駅はタンジョン・マリム―ペラブハン・クラン線のセガンブット駅とケポン駅の間に位置。鉄道資産公社(RAC)、マレー鉄道公社(KTMB)、そしてUOAデベロップメントの子会社であるIDPインダストリアル・デベロップメントの協力により、3,900万リンギ以上の費用をかけて建設された。

110台分の駐車スペース(うち4台分は障がい者専用駐車スペース)、50台分のバイク用駐車スペース、4基のエレベーター、4基のエスカレーター、屋根付き歩道、点字ブロック、ユナイテッド・ポイントへの直通歩行者通路が備えられている。周辺の道路混雑緩和に寄与し、セガンブット、ケポン、ジンジャン、モントキアラの約9万人の住民に恩恵をもたらすと見込まれている
(マレーシアン・リザーブ、エッジ、ベルナマ通信、5月15日)

中小零細企業を融資で支援、来年末まで申請可能

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)が設定した、資金面で不安がある中小零細企業をつなぎ資金で支援する中小企業安定化救済枠における申請受け付けが15日、開始された。融資枠は50億リンギで、申請は2026年末か枠を使い切るまで受け付ける。

スティーブン・シム起業家開発協同組合相の発表によると、申請できる融資額は1社当たり最大75万リンギ。金融機関が得る利益(または金利)は年3.7%が上限。同省傘下の中小企業開発銀行(SMEバンク)、イスラム式信用組合のバンク・ラクヤットを含む18の金融機関が参加する。

シム氏は、支援を必要としている企業に速やかに資金が提供されるよう、申請受理、認可、交付手続きの加速を金融機関に求めた。

中小零細企業支援ではマレーシア信用保証公社も信用枠を、計画より50億リンギ増やした。
(エッジ、ザ・スター電子版、ビジネス・トゥデー、5月16日)

食料価格、今年後半に上昇の可能性=農業食糧安全相

【プトラジャヤ】 食料価格が今年後半にかけて上昇する可能性が高まっている。モハマド・サブ農業食糧安全相は13日、飼料などの輸入コスト上昇が今後数カ月かけて食料品全体へ及びかねないとし、「状況の変化を注視していく」と強い警戒感を示した。

モハマド・サブ氏は現時点で食料供給自体に大きな混乱はないと断りつつ、「鶏肉飼料に使われるトウモロコシや大豆価格の上昇を特に懸念している」と発言。これらの穀物は、ブラジルやアルゼンチンなどからの輸入に依存している。「原油価格の上昇は当然、輸送コストに影響する。肥料も同様だ」と述べた。

またコメについては「年末までの十分な備蓄はある」と付け加えた。コメもパキスタンやインド、ベトナムからの輸入に依存している。

漁業についても、操業コスト上昇が漁獲量の減少につながると指摘。養殖業の強化を進めるとした。

さらに野菜については、価格高騰が懸念される一方で、キャメロン・ハイランドなど主要生産地の一部では供給過剰による廃棄問題が起こっているという。このため、農家の損失拡大を防ぐための対策などを講じていく方針を示した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、フリー・マレーシア・トゥデー、5月13日)

MTUC解散仮処分、新たな組合連合結成の動きが活発化

【ペタリンジャヤ】 団体登録局(ROS)が労働組合の総連合会、マレーシア労働組合会議(MTUC)に登録抹消の仮処分を行ったことを受け、労働法改革連合(LLRC)に所属する複数の労働組合はMTUCに代わる新たな労働組合連合の結成に向けて活動を活発化させている。

全国運輸機器・関連産業労働者組合のN・ゴパル・キシュナム氏は、MTUCの解散は労働運動にとって深刻な影響を及ぼし、労働者は国内外における重要な代表権を失うことになると言明。新たな連合会はマレーシア労働組合連盟(MFTU)と命名され、すでに暫定委員会が設置されていると述べた。ゴパル氏は暫定委員会の下、MFTUの事務局長を務めている。

暫定委員会には、サラワク銀行従業員組合(SBEU)、マレーシア半島船員全国組合(NUSPM)、マレーシア看護師組合(MNU)、サバ医療サービス組合(SMSU)、電子産業従業員組合北部地域(EIEUNR)が参加している。暫定委員会の委員長はSBEUのCEOであるアンドリュー・ロー氏が務め、NUSPMのイクマル・アザム・タナラジ氏が副委員長を務めている。

ゴパル氏は、「MFTUの目標は、マレーシア半島部、サバ州、サラワク州の労働者を代表する、幅広い分野を網羅する連盟を設立し、労働組合法に基づいて登録することだ」と強調。「7月末までに登録に必要な法的要件を満たし、年内に設立総会を開催する予定だ」と述べた。

MTUCは、監査済みの財務諸表および会計帳簿の提出命令に繰り返し従わなかったため、5月7日にROSから暫定的に解散命令を受けた。MTUCは、命令発令日から30日以内に内務相に不服申し立てを行う権利を有する。
(フリー・マレーシア・トゥデー、5月10日)

配車のグラブ、仲間同士での「シェアライド」機能を導入

【プトラジャヤ】 配車サービスのグラブ・マレーシアは8日、グループで1台の配車車両を共有する「シェアライド」機能を発表した。AI(人工知能)を活用し最適ルートを提示し、運賃の割り勘までアプリ上で完結できる仕組みで、個別利用と比べ最大40%の節約が可能としている。

新機能は、同僚同士の通勤や、友人と同じイベントに参加する場合など、少なくとも乗車地点もしくは降車地点のどちらかが同じの複数人によるグループ利用を想定。オンデマンドバスのように、不特定多数の利用者を自動的にマッチングするものではない。

まず幹事となる人が乗車地点と降車地点を設定。共有リンクを通じてグループメンバーを招待し、全員が参加した時点で予約が確定となる。その後、AIが乗降の順番を決め、渋滞状況などに応じて運行中でも柔軟に調整される。

もともとフードデリバリーのグループ注文機能にヒントを得たもので、支払い面の利便性向上が特徴となっている。利用者全員で運賃を均等に分けるか、走行距離に応じて按分するかが選択でき、利用者間での個別精算は不要で、アプリ内で決済が完了する。

新機能に関しては、交通渋滞を緩和し、通勤コストを削減するための幅広い取り組みの一環として、運輸省も導入を支援。8日にはアンソニー・ローク大臣らによる体験イベントも行われた。ローク氏は「こうしたさまざまなサービスと、既存の公共交通システムとの連携を強化することで、自家用車への依存を減らしていきたい」と述べた。

シンガポールなどでは先行導入されており、グラブは今後、インドネシア、ベトナムなどにも拡大していく方針。
(マレー・メイル、スクープ、5月8日、techENT、5月9日)

エアアジアX、エアバスA220ー300型機150機を発注

【クアラルンプール】 格安航空会社エアアジアXは、機材戦略の大幅な見直しに基づきエアバス・カナダとナローボディの「A220ー300」型機(最大160席)を150機発注した。契約額は約190億米ドル(743億リンギ)。エアアジアXは同機のローンチカスタマー(初の顧客)となる。

エアアジアXの共同創業者である、キャピタルAのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)がカナダ・ケベック州ミラベルにある「A220」型機の製造拠点であるエアバス・カナダの工場で売買契約に署名した。納入は2028年から開始される予定で、2039年までに順次行われる。将来的に座席数180席以上の「A220ー500」型機150機を追加購入するオプションも含まれている。

エアアジアXは燃費効率、運航の柔軟性、収益性の向上を目指しており、稼働率の高いナローボディ機への移行に伴い、現行の「A330」型機を段階的に廃止していく計画。「A220」は「A320ceo」などの旧世代機と比較して燃料消費量が約20%少なく、排出量は約20%、運航コストは10%以上削減される。小型であるため、大型ナローボディ機では商業的に採算が合わないような地方都市や新興市場にも収益性のある路線を開設することが可能になる。

エアアジアXはこのほか、「A220」型機の唯一のエンジンサプライヤーであるRTXコーポレーションのプラット・アンド・ホイットニー部門とエンジン購入および長期メンテナンスサポート契約を締結した。
(エッジ、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ブルームバーグ、5月7日)

最大規模のバイオマス発電所、ワスコが運転開始

【クアラルンプール】 再生可能エネルギー(RE)のワスコ・グリーナジーは、セランゴール州カジャンの他社製紙工場に設置した国内最大規模のバイオマス蒸気システムの運転を開始した。1つの燃料から電気と蒸気を同時に発生させる熱電併給システムだ

燃料はアブラヤシを絞った残渣物など空果房で、80%以上の稼働率を目指している。従来型燃料および送電線への依存、二酸化炭素排出を減らすことにつながるシステムで、カーボンクレジット生成の機会も生じるという。年間最大50メガワットの電力を生産できる。

リー・イーチョン最高経営責任者(CEO)は声明で「農業廃棄物をエネルギー源に転換することで、わが社は国家エネルギー転換工程表に基づくマレーシアの願望を支える」と述べた。

ワスコは自社でシステムを建設・所有・運営する方式を採用しており、蒸気、電力を顧客企業に販売している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、5月7日)