マレーシア初のパークハイアットKL、「ムルデカ118」に開業

【クアラルンプール】 米系のハイアット・ホテルズ・コーポレーションは7日、クアラルンプール(KL)の超高層ビル「ムルデカ118」の上層部に、ラグジュアリーホテル「パークハイアットKL」を開業した。同社の最上級ブランド、パークハイアットとしては、マレーシア初進出となる。

パークハイアットKLは、ムルデカ118の75階から114階に入居し、27室のスイートを含む全252室の客室を備える。室内は「天空の聖域」をイメージしたデザインで、床から天井までガラス張りになっており、KL市街のパノラマビューを楽しむことができるという。

同社アジア太平洋地域の統括責任者、デビッド・ウデル氏は「パークハイアットとして世界で50軒目という大きな節目のホテルでもあり、東南アジア地域におけるハイアットブランドの成長にとって新たな章となる」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、8月7日)

軽便鉄道シャアラム線、9月末の開通式には間に合わない公算

【クアラルンプール】 建設中の首都圏軽便鉄道(LRT)3号線(シャアラム線)について、アンソニー・ローク運輸相は7月10日時点で進捗率が99.21%に達したと明らかにしたが、いまだ試運転段階にあり9月30日に予定している開業式に間に合わないとの観測が浮上している。

公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアは7月25日付のフェイスブックの投稿で、バンダル・ウタマ駅からヨハン・セティアの車両基地までの区間で24時間体制で列車の試験・試運転を実施していると発表した。ただ試験・試運転にどれぐらいの日数を要するのかは明らかにしておらず、以前の投稿では10月31日まで行われるとしていたことから9月30日どころか10月中の開業も不透明との見方が広がっている。

LRT3号線は当初2016年に発表され、当初は26駅が計画されていたが、その後、2つの乗り換え駅を含む20駅に修正された。しかし新型コロナ・パンデミックや資材や労働力不足のため工事は遅延を余儀なくされていた。
(ザ・スター電子版、マレー・メイル、ポールタン、ローヤット・ドットネット、8月4日)

政府系農業専門アグロバンク、オンライン口座開設サービス開始

【コタキナバル】 政府系農業専門金融機関アグロバンクは1日、オンライン銀行口座開設サービスを開始した。農村部に住む人々が銀行に足を運ぶことなく口座を開設できるようになる。

新サービスは最低20リンギから、オンラインを通じ10分程度で預金口座の開設を可能にする。アグロバンクは3カ月以内に1,500口座の新規開設を目標としており、口座数で10―15%、6カ月以内に20%の増加を目指している。また銀行の運営コストも最大30%削減されるという。

サバ州で行われたサービス開始式には、アーサー・ジョセフ・クルップ副農業食糧安全相らが出席。アーサー氏は「すべての人が安定して金融サービスを受けられるようにするという国の金融包摂の目標とも一致するもの」と述べた。
(ボルネオポスト、ベルナマ通信、8月1日)

プロトンの新型「X50」、発売5日間で999台を納車

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスが7月25日に発売したBセグメント・スポーツ車(SUV)「X50」の新型モデルが、わずか5営業日で999台が納車された。

販売子会社プロトン・エダルによると、2代目「X50」は価格発表前の10日間で5,000件の予約を獲得。7月末時点で累計予約件数は8,000件に達している。プロトンのタンジョン・マリム工場では7月31日までに2,000台を生産した。

バリアントは▽1.5TDエグゼクティブ▽1.5TDプレミアム▽1.5TDフラッグシップ――で、価格はそれぞれ8万9,800リンギ、10万1,800リンギ、11万3,300リンギとなっている。10月31日までの予約に対しては先着1万人に4,000リンギの割引を適用する。
(カーリスト、ポールタン、8月1日)

ファイアフライ、ジェット機の国内線をスバンからKLIA1へ移転

【クアラルンプール】 マレーシア・アビエーション・グループ(MAG)傘下の航空会社ファイアフライは30日、セランゴール州のスルタン・アブドル・アジズ・シャー空港(スバン空港)を利用していたジェット機での国内線をクアラルンプール新国際空港(KLIA)ターミナル1に移転すると発表した。

変更は8月19日からで、グループのネットワーク最適化計画の一環という。ターボプロップ機での路線は引き続きスバンから運行される。

具体的には、タワウ線が19日、クチン線とコタキナバル線が21日、シンガポール(セレター)線22日、ジョホールバル線23日から、それぞれ変更になる。影響を受ける予約客には変更や払い戻しに応じる。

また新たに、コタバル線とトレンガヌ線を30日から、シブ線を9月3日から開設する。ペナン線については23日から、従来の週2便から週6便に増便。11月までに週10便への増便を計画している。

同社は現在、ナローボディ・ジェット機(ボーイング737-800型機)5機と、ターボプロップ機(ATR72-5009型機)9機を運航している。昨年8月、ペナンとコタキナバルを結ぶ2路線でスバン空港でのジェット機運航を始めたが、1年での見直しとなった。

スバン空港に関しては、エアアジアも4月に撤退。騒音対策として午後10時―午前6時の深夜帯は飛行禁止となっているほか、ターミナルの混雑を防ぐため1時間あたり1機のジェット機しか発着できないなどの制約があるため、赤字を招き、MAGにとって大きな負担になっていたとみられる。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、7月30日)

新規国際路線、6月に5路線を開設=MAHB

【クアラルンプール】 空港運営会社マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)は、今年6月にクアラルンプール国際空港(KLIA)とペナン国際空港(PEN)に5つの新たな国際航空路線が開設されたと明らかにした。

MAHBの声明によると、新規路線のうち2つは新たな航空会社の乗り入れによるもので、カンボジア航空(KR)はプノンペンとペナンを結ぶ週2便の運航を開始、吉祥航空(HO)は上海とKLIAを結ぶ週4便の運航を開始した。

残り3路線は既存の航空会社による新規路線で、バティック・エア・マレーシアはKLIAと東ティモールのディリを結ぶ週2便の運航を開始。エアアジア・カンボジアはKLIAとシアヌークビルを結ぶ週3便の運航を開始した。またエアアジアはKLIAとオーストラリアのダーウィンを結ぶ週4便の運航を開始した。

6月のマレーシア国内空港の旅客数は850万人で、国際線は420万人、国内線は430万人。スバン空港(スルタン・アブドル・アジズ・シャー空港=SZB)の伸びが最も目覚ましく、前月の13万8,000人から9%増の15万1,000人となった。国際線旅客数は10%増の4万人、国内線は9%増の11万1,000人となった。路線別ではファイアフライ航空(セレター線)、スクート航空(チャンギ線)、トランスヌサ航空(ジャカルタ線)の平均搭乗率が70%を超えた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、7月24日)

プロトンの新型「X50」、予約台数がわずか10日で5千台に

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、ベストセラーのBセグメント・スポーツ車(SUV)「X50」の2025年フルモデルチェンジ版の予約台数が7月5日の受付開始からわずか10日間で5,000台に達したと明らかにした。

発売と価格発表は7月24日に予定しており、それに先立ち19日より一部の3S/4Sディーラーでは試乗を受け付ける。好調な予約を背景にペラ州タンジョン・マリムの製造施設では生産を急ピッチで進めており、8月末までに在庫を5,000台確保する方針だ。

先着1万台限定で1,000リンギのキャッシュバック、特別版タッチ・アンド・ゴー・カードなどの早期予約特典が受けられる。
(ポールタン、モタオート、7月18日)

ジョホールバルの住宅価格が高騰、経済特区が弾み

【クアラルンプール】 ジョホールバルの住宅価格が高騰している。ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)や2026年12月に開業予定の、ジョホールバルとシンガポールを結ぶ快速鉄道(RTS)が弾みとなっている。

不動産仲介JLLマレーシアのジャミエ・タン代表によると、第2四半期のサービス住宅の取引価格は昨年通年と比べ20.4%上昇。2階建てテラスハウス(連棟住宅)は同8.6%の上昇だった。

RTS整備によるシンガポールとの往来の円滑化、経済特区事業を背景に住宅購入意欲が高まっているためだ。RTSではシンガポールへの所要時間がわずか6分に短縮される。

シンガポールでは事業経費が上昇しており、一方でマレーシアは魅力的投資先としての地位を高めている。シンガポールとの往来が容易になり、しかも経費が低いことから、多くの企業がジョホールへの移転、あるいはジョホールでの拠点設置に動いているという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、7月17日)

KLIAでターミナル間のシームレスな乗り継ぎシステムを開発へ

【セパン】 空港運営会社マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)は、クアラルンプール新国際空港(KLIA)のターミナル1とターミナル2間のシームレスな乗り継ぎを可能にするシステム開発に取り組んでいる。MAHBのモハメド・イザニ・ガニ社長が18日、明らかにした。

乗り継ぎのために2つのターミナル間を移動する必要がある乗客は現在、到着ターミナルから出発ターミナルに移動後、保安検査を改めて受け直す必要がある。このため、MAHBは運輸省と協力して、新システムの開発を進めており、現在PoC(概念実証)段階という。第1フェーズでは、バス送迎などのエアサイドシャトルサービスのあり方や、ターミナル間の乗客移動にかかる時間テストなどに重点を置く。第2フェーズでは最適な荷物の取扱手順の評価を予定している。

シームレスな乗り継ぎシステムが実現されれば、乗客の利便性が増すだけでなく、航空便にターミナルを割り当てる際の柔軟性を高めることができ、KLIAで運航する航空会社の増加も期待できる。ただ、検討すべき課題が多いことから具体的なスケジュールは発表されていない。

こうした取り組みはさらなる旅行客の増加に対応するためのものでマレーシア国内の地方空港との乗り継ぎは大きな課題となっている。MAHBは、15億5,000万リンギをかけ、最も利用者数の多い地方空港の一つ、ペナン国際空港(PIA)の拡張プロジェクトも進めている。プロジェクトは3期に分けて実施され、2028年6月までの完了を目指している。完成後の年間旅客数は現在の650万人から1,200万人になると見込まれる。このほか、コタキナバル国際空港などでも拡張が進められている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、ベルナマ通信、7月18日)

ペナンのLRTムティアラ線に工事開始許可、23日から土木工事

【ジョージタウン】 財務省傘下の鉄道資産保有会社、MRTコーポレーションはSRSコンソーシアムに、ペナン島における初の軽便鉄道(LRT)ムティアラ線第1期の工事開始を許可した。SRSは23日から土木工事に着手する。

ムティアラ線は、国際空港に近い人工島から東海岸沿いにジョージタウンを経て、海峡を越え、本島側バタワースに至る全長29.5キロメートルの軌道交通で、駅舎数は21。第1期は24キロメートルで、人工島からジョージタウンまで。土木工事では道路拡幅、杭打ち、公益設備の移転などが行われる。本格工事は2026年後半から。

SRSはガムダが60%、ロー・フォイエン・ホールディングスと不動産開発のアイデアル・プロパティ・デベロップメントがそれぞれ20%、出資する連合体。

MRTはMMSBコンサルトをプロジェクトコンサルタントに指名したことも発表した。設計から運行、整備まで事業全体の安全性、法令順守をチェックする。

海峡を渡って本土側と結ぶ第2期は現在、入札が行われている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、7月17日)