KLのガーデンインター、1億リンギ規模のスポーツ複合施設完成

【クアラルンプール】 クアラルンプール(KL)のガーデン・インターナショナルスクールは1億リンギを投じて建設したスポーツ複合施設をオープンした。

ガーデンを運営するテイラーズ・スクールズによると、施設は5階建て延べ20万平方フィートで、8年をかけて建設が進められてきた。国際大会規模のプールやサッカーコート、屋内バスケットボールコート2面、フィットネス・ジムエリアなどを備える。

さらに第2期工事として、8,500万リンギを投じ舞台芸術センターの建設も予定している。これらの施設は、一般開放も検討されているという。

ガーデンは1951年創立で、来年創立75周年を迎える伝統校。イギリス式のカリキュラムを採用し、1996年からモントキアラにメインキャンパスを構えている。テイラーズ・スクールズは、テイラーズ・エデュケーショングループ傘下でマレーシアとシンガポールで計6校のインターナショナルスクールを運営している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、11月12日)

プロトンの新EV「e.MAS5」、予約台数が1万台を突破

【クアラルンプール】 国民車プロトンの電気自動車(EV)販売子会社、プロトン・ニューエナジー・テクノロジー(プロネット)は、同社2車種目のEVであるBセグメント・ハッチバック「e.MAS5」の予約台数が1万台を突破したと明らかにした。

「e.MAS5」の予約は10月4日に受付を開始し、10月30日に正式発表した。予想通り予約は半島中央部が最も多く、次いで半島南部と半島北部となっている。東マレーシアと半島東海岸からの予約も増加傾向にあるという。

ディーラーによると、「e.MAS5」の予約客のほとんどは同モデルをメイン車両として選んでいる「ワーキングプロフェッショナル」で、多くが1,000リンギの追加割引が適用される「パワー・トレード・イン」プログラムを利用して既存車両を下取りに出している。また初めて自動車を購入する人や、EVをセカンドカーとして購入する世帯も増加しているという。

「e.MAS5」のバリエーションは「プライム」と「プレミアム」の2種で、公式価格はそれぞれ事前予想を大きく下回る5万6,800リンギ、7万2,800リンギに設定。さらに発売記念として各車3,000リンギの割引を適用する。
(ポールタン、マレーシアン・リザーブ、11月12日)

MM2Hプログラム、TRXに初のワンストップセンターを開設

【クアラルンプール】 外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラム初のワンストップセンターが12日、クアラルンプール(KL)の国際金融地区「トゥン・ラザク・エクスチェンジ(TRX)」の「ジ・エクスチェンジ106」内に開設された。

同センターは民間企業のSTFグループの子会社であるSTFレべニュー(MM2H) が運営。STFの国際業務担当ディレクター、ジョナサン・ロー・チューンワイ氏は、TRXにワンストップセンターを設立したのはMM2Hプログラム申請手続きを合理化し、参加者に快適で効率的な体験を提供するためと説明した。

開所式に合わせてSTFと不動産開発を手掛けるリバーツリー・グループの間で戦略的パートナーシップ契約が締結された。パートナーシップに基づき両社は国際的な投資家を地元の不動産に誘致し、ビザ取得支援と長期滞在支援を行う。

観光芸術文化省によると2025年7月現在、MM2Hプログラムへの新規申請を3,300件以上記録しており、推定3億リンギの外国資金の誘致と4億3,000万リンギを超える不動産投資が行われている。開設式典には観光芸術文化省のシャハルディン・アブ・ソホット事務次官が出席した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・サン、ベルナマ通信、11月12日)

エアアジア、セナイー昆明線を12月14日就航

【クアラルンプール】 格安航空エアアジアは、ジョホールバル(JB)のセナイ空港と中国雲南省昆明長水国際空港を結ぶ直行便を12月14日に就航すると発表した。週14便を運航しているクアラルンプール―昆明線を補完する。

週3便の運航で、セナイ発は月・水・日曜日、昆明発は月・火・木曜日の出発となる。往路のAK1380便はセナイ発が21時20分、昆明着が翌1時25分、復路のAK1381便は昆明発が深夜2時30分、セナイ着が6時45分となっている。

就航記念として、セナイ発昆明行き片道469リンギ、昆明発セナイ行き片道678人民元からのプロモーション料金を提供する。旅行期間2025年12月14日から2026年3月28日までが対象で、2025年11月23日までエアアジアMOVEアプリもしくはエアアジアのホームページ(airasia.comから購入できる。
(ビジネス・トゥデー、11月11日、エアアジア発表資料)

プロドゥアが累計生産台数550万台に到達、11月末にEV発表へ

【ラワン】 ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)は、創業32年目で累計生産台数が550万台に到達し、アンワル・イブラヒム首相やザフルル・アジズ投資貿易産業相を招いて11日、記念式典を開催。同社初の電気自動車(EV)を11月末に発表する予定であることを明らかにした。

550万台目となったのは、2年連続でベストセラーモデルとなったAセグメントセダンの「ベザ」。1993年の創業以来の投資額は累計134億リンギに達した。プロドゥアはまたマレーシア国内の自動車産業の発展に大きく貢献しており、国内ベンダーからの調達額が累計1,161億リンギ近くに達し、今年だけでも108億リンギの調達を計画している。

アンワル首相は同社初のEVに言及し、「今月末に予定されているEV発表の日程については一両日中に決定する。内閣に対してはプロドゥアの発表を国家の重要課題として位置付けるよう指示する」と言明。「発売されるEVは手頃な価格で、国の基準を満たし、経済を刺激する効果も期待できる」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、11月11日)

マレーシア・リンギ値上がりは続く、エコノミスト見通し

【クアラルンプール】 マレーシア・リンギの値上がりが続いている。7日の為替市場での終値は1米ドル=4.172リンギで、24年10月以来の高値だった。堅調な内需と外需環境の改善が主な理由だ。

ブルームバーグの取材に回答した20数人のエコノミストによる年末相場予想の中央値は同4.18リンギで、2026年末は4.1リンギ。米国の関税措置がより明確になったことで、外需見通しが明るさを増したことが影響した。

年初からの対米ドルでの値上がり幅は7%で、昨年同様、域内通貨で最大の上昇幅。リンギはインドネシアルピアに対し10.8%、ベトナムドンに対し10.55%上昇した。

バンク・ムアマラット・マレーシアのアフザニザム主任エコノミストは、中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は政策金利を2026年を通じ2.75%に維持するとみており、米国との金利差が縮小するためリンギ資産への投資が増加すると予想している。

三菱UFJ銀行は、中国人民元の持ち直し、マレーシア産パーム油に対する米国のゼロ関税、希土類の対米輸出におけるマレーシアの戦略的役割もリンギを支えているとした。
(エッジ、11月7日)

MIHAS@上海が開幕、副首相「成約目標は30億リンギ」

【上海】 ハラル(イスラムの戒律に則った)製品見本市「マレーシア国際ハラルショーケース」(MIHAS)@上海が5日、開幕した。10日までの期間中に22億リンギ以上の成約額を目標にしている

MIHAS@上海は昨年のドバイに続く、2回目の海外開催になる。中国国際輸入博覧会(CIIE)と同時開催で、マレーシアからはハラル食品、化粧品、医薬品、イスラム金融、物流など、幅広い分野から250社以上の企業・団体に加え、州政府などが参加。中国の主要バイヤー20社を含め海外からのバイヤー100社との商談が予定されている。

中国は2,000万人以上のイスラム教徒を擁し、世界でも有数のイスラム市場として注目されている。マレーシアのハラル製品輸出額は昨年、前年比15%増の610億リンギ超となり、うち中国は62億5,000万リンギを占め、マレーシアにとって2番目に大きな輸出国となっている。

今回、マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)は25億リンギを公式な目標としているが、開会式に出席したアハマド・ザヒド副首相は「ドバイの22億リンギという実績などを踏まえ、より高い30億リンギという目標を設定した」と言明した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、11月6日、ベルナマ通信、11月9日)

新パンタイ高速道路の延伸、IJM傘下企業が14億リンギで受注

【クアラルンプール】 新パンタイ高速道路(NPE)の延伸区間の設計・建設を、IJMコンストラクションが14億リンギで受注した。NPE事業を手掛ける親会社の大手コングロマリット、IJMコーポレーションが5日、発表した。

延伸区間は、NPEのパンタイ・ダラム料金所からジャラン・イスタナ・インターチェンジを結ぶ全長15キロメートル(㎞)の高架区間になる。同じくIJM傘下のニュー・パンタイ・エクスプレスウェイとの間で契約が締結された。2025年第4四半期に着工し、48カ月以内の完成を目指す。

現在のNPEはスバンジャヤとクアラルンプール(KL)を結ぶ19.6㎞の高速道路で、2004年に開通。IJMの完全子会社のロード・ビルダー・ホールディングスが所有・運営している。2011年ごろから延伸案が浮上していたが、2012年に政府が中止を通知。今年5月になり、再承認された。

延伸区間の完成により、バングサ地区からKL中心部への交通量が最大40%分散され、KL南部の渋滞の大幅な緩和が見込まれている。またバングサ地区の開発促進などで56億リンギの経済波及効果が期待されている。

IJMグループにとっては、ジョホール州の14億リンギのデータセンター(DC)、セランゴール州エルミナの21億リンギのDCの建設プロジェクトに続く、今年3件目の10億リンギ超の大型プロジェクトになる。
(エッジ、11月6日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレーシアン・リザーブ、11月5日)

ジョホールバルのモール「シティスクエア」、大規模再開発へ

【クアラルンプール】 ジョホール州で四半世紀あまり親しまれてきたショッピングモール「ジョホールバル・シティスクエア」(JBCS)は新ホテル開設など大規模再開発を実施する。完成は2027年第4四半期の予定で、営業を続けながらの改修になる。

JBCSの運営会社によると、再開発後の床面積は現在の4%増の56万8,927平方フィートになる。4万1,300平方フィートのヘルス&ウェルネス施設や、1万5,000平方フィートの子供向けアドベンチャーパークなど50以上の新規テナントの誘致を目指す。また、2028年にはモール上部にホテル併設型アパートメントの開業を予定している。

JBCSは1990年代半ばに建設され、マレーシア国鉄(KTMB)のJBセントラル駅に近接。さらにシンガポールを結ぶ高速鉄道輸送システム・リンク(RTSリンク)の新駅も近くに開設予定で、アクセスに優れた立地となっている。

JBCSは、マレーシアの大富豪として知られるロバート・クオック氏のグループ企業がもともと所有していたが、約20年前にシンガポール政府系資産運用会社のGICリアルエステートに売却。しかし、昨年になりクオック氏のグループ企業、オールグリーン・プロパティーズが約8億5,000万リンギで株式を買い戻していた。
(ザ・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、エッジ、11月3日)

ペトロナスが坑井廃止の分野で人材育成、学園創設

【クアラルンプール】 国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)は、坑井(井戸)の閉鎖・廃止に当たる技術者を育成するための学園、液圧改修ユニット(HWU)を設立した。この領域における国としての能力を高める。石油・ガス資源をペトロナスに代わり管理するマレーシア・ペトロリアム・マネジメント(MPM)が実際の業務に当たる。

採掘が終了した油井やガス井を、安全かつ環境に配慮して永久的に閉鎖・撤去する作業に当たる人材の育成で、石油・ガス上流部門に不可欠の要素だ。

MPMのバチョ・ピロン上級副社長は「マレーシア人技術者が主導的役割を果たすための学園で、ガス・石油産業エコシステムの強化にもなる」と述べた。

掘削業者のベレスト・エナジーが使用していた退役設備などを利用し、実践的訓練を施すほか、仮想現実シミュレーターなどデジタル技術も活用する。マレーシア・サバ大学、マレーシア工科大学、ペトロナス工科大学など有力大学とも連携する。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、11月3日)