マキシス、生成AIによる会話型の「Miya」をアプリに導入

【クアラルンプール】 通信事業者のマキシスは15日、生成型人工知能(AI)を搭載したアプリ内会話型アシスタント「Miya」を発表した。マレーシアの通信業者として初という。

Miyaは「マキシス・インテリジェンス・ユア・アシスタント」の略で、グーグル・クラウドと共同で開発された。請求書の確認や支払い管理、契約内容の照会のほか、ローミングサービスの提案や最新端末の案内など、利用者はアプリ上で質問や要望を入力するだけで、AIが適切な情報を提示してくれる。すでにアプリを利用している場合、アプリを最新バージョンに更新することで、順次利用できるようになる。

両社は今年3月からは企業向けに生成AIを使った「Mia」を提供。今後は、さらなるパーソナライズ機能を強化し、利用者がよりスムーズにサービスを利用できる環境を目指していく
(ビジネス・トゥデー、10月15日、ローヤット・ドットネット、10月16日、マキシス発表資料)

グリーン技術エコ展示会、500社が出展し17日までKLで開催

【クアラルンプール】 マレーシア国際グリーンテック&エコ製品展示会・会議(IGEM)2025が15日、クアラルンプール・コンベンションセンター(KLCC)で開幕。17日までの3日間で55億リンギのグリーン投資を目標としている。

IGEMは、天然資源・環境持続可能性省と、同省傘下のマレーシア・グリーン技術・気候変動公社(MGTC)が共催。「包摂性とサスティナビリティ」をテーマに、50カ国から500社が出展し、5万人の来場者が見込まれている。16日には、気候変動へのレジリエンスに関するクアラルンプール宣言が採択される予定。

マレーシア投資開発庁(MIDA)とマレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)によるビジネスマッチングのほか、「日本・マレーシア環境ウィーク」などの多様なプログラムが展開される。

開会式で、フアン・ティオンシー副大臣は「マレーシアを地域のグリーン経済における主要プレーヤーとして位置付けるもの」と述べた。
(マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、10月15日)

第5世代移動体通信網、Uモバイルがイーステルに卸売り

【クアラルンプール】 第5世代移動体通信(5G)ネットワークの敷設業者、Uモバイルは5Gと4G(第4世代)の通信回線の一部を、イーステルのブランドで携帯電話サービスを提供するアンカー・コミュニケーションズに卸売りする5年契約を交わした。Uモバイルが5G回線を卸すのは初めてで、今後も同様の契約をほかの通信会社と交わす意向だ。

アンカーは2026年第1四半期をめどに仮想移動体通信事業者(MVNO)としてサービスを開始する。提供するのはデータ、音声、SMSサービスで、国際直通ダイヤル、ローミング、携帯電話番号ポータビリティーもUモバイルはサポートする。MVNOとは既存の通信事業者から回線の一部を借り受け、自社ブランドでサービスを提供する事業者。

アンカーはギグエコノミー(個人がインターネットなどを介して単発の仕事を請け負う働き方、およびその経済活動全体)やクリエイターに焦点を当てたサービスを提供する。
(エッジ、ビジネス・トゥデー、ザ・スター電子版、ベルナマ通信、10月13日)

家電販売のセンヘン、東マレーシアで住宅用太陽光発電設備を販売

【クアラルンプール】 家電販売のセンヘン・エレクトリック(KL)は14日、プログレスチャー・パワーと提携し、東マレーシアで住宅向け太陽光発電設備を販売すると発表した。東マレーシアでは2026年から住宅用太陽光発電補助が新たに導入されることになっており、両社はこの機会をとらえて事業拡大を図る。

今回、センヘンが東マレーシアで運営する「センヘン」「センQ」の20店舗で、▽太陽光発電システムのみ▽蓄電池システム(BESS)のみ▽太陽光発電とBESSの組み合わせたパッケージ――の3タイプを販売。無利子分割払いなど、支払いでも柔軟なオプションが設定されている。設置・サポートはプログレスチャーが担う。

連邦政府の2026年度予算案で、サバ州での電力供給安定に向け太陽光発電への補助などが盛り込まれたほか、サラワク州営電力会社のサラワク・エナジー(SEB)も26年から、住宅用太陽光発電設備に対して最大1万2,000リンギを補助する。

センヘンのリム・キムヘン社長は「太陽光発電は都市圏の人だけでなく、すべてのマレーシア人にとってシンプルでアクセスしやすく、有益なものにしていくべきだ」としている。
(ボルネオポスト、TNグローバル、テックネイブ、10月8日)

ノースポートの9月の取扱貨物量、過去最高の133万トン達成

【クアラルンプール】 セランゴール州クラン港ノースポートの9月の月間貨物取扱量(FWT)が過去最高の132万7,883トンを記録した。運営会社ノースポート(マレーシア)が13日、発表した。

9月は、バラ積み貨物、液体バルク、ドライバルク、RORO(貨物を積載したトラックなど車両ごとの運搬)の各部門で取扱量が増加。昨年10月に記録した127万7,409トンを約5万トン上回った。

また年初9カ月の累計貨物取扱量は960万675トンで、前年同期比較で4.2%増加した。2024年は、2001年の会社設立以来最高の年間貨物取扱量(1,269万1,633トン)を達成しており、今年はそれを上回る可能性が高いとみられる。

ノースポートのニック・ムザニ暫定最高経営責任者(CEO)は「2025年の第4四半期に向け、効率的かつ持続可能な港湾運営を通じて、生産性の向上、サービス能力の拡大、国内貿易の成長支援を引き続き優先していく」としている。

ノースポートは、マレーシア最大のコンテナ港湾運営会社MMCポート・ホールディングスの傘下企業。
(ベルナマ通信、10月13日)

リンギは今後も上昇する、会見でアミル第2財務相

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は、内需に支えられ通貨リンギは今後も上昇を続けるとみている。アミル・ハムザ第2財務相がブルームバーグ・テレビのハスリンダ・アミン東南アジア主任特派員との会見で明らかにした。

アミル氏は、12カ月後にリンギは対米ドル相場で4リンギに近い3リンギ台後半まで値上がりすると述べた。現在と比べ5%の値上がりで、2018年以来のリンギ高になる。

アミル氏は「経済の基礎的条件はしっかりしており、米連邦準備制度理事会が金融緩和のペースを緩めても、リンギには追い風がある」と述べた。年初8カ月間にリンギは米ドルに対し5.8%値上がりした。

歳入源として政府が検討している希土類の採掘についてアミル氏は「埋蔵場所を確定するため政府は地図を作成中だ。複数の政府と戦略的提携について協議している」と述べた。
(エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、10月13日)

マレーシア航空、成田―KL線に最新鋭機A330neoを導入

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 マレーシア航空(MAS)は、成田―クアラルンプール(KL)間の一部の便に2025年10月8日より最新鋭のエアバスA330neoを投入すると発表した。搭乗クラスやメンバーステータスにかかわらず、すべての乗客が無料の機内Wi-Fiが利用できる。

A330neoは、ビジネスクラス28席、エコノミークラス269席(うち足元の広いエクストラレッグルーム24席)で構成される。ビジネスクラスは、全席通路アクセスのスイートタイプでスライド式ドアを備え、プライバシーを確保。17.3インチ4K画質の機内エンターテインメント(Bluetoothペアリング対応)に加え、ワイヤレス充電や複数の電源ポートを装備している。

エコノミークラスは人間工学に基づくシートを採用し、コートフックやカップホルダー、十分な収納を備えるなど実用性にも配慮した。24席のエクストラレッグルームに加え、全席に13.3インチ4Kスクリーンを搭載し、Bluetoothオーディオ、キッズモード、ペアレンタルコントロールなど家族連れにも使いやすい機能を備えた。

プロトン、シャアラム工場での40年の自動車生産に幕

【クアラルンプール】 プロトン・ホールディングスは、セランゴール州シャアラム工場からペラ州オートモーティブ・ハイテク・バレー(AHTV)にあるタンジョン・マリム工場に製造スタッフ1,400人を配置転換したと発表した。これによりシャアラム工場での40年にわたる車両生産は幕を閉じることになる。

プロトンは、シャアラム工場で生産された「サガ」の最終モデルが2025年9月30日にラインオフしたと発表した。これにより「サガ」の生産拠点は、「ペルソナ」、XシリーズSUV、「S70」セダンと共にプロトン初の新エネルギー車(NEV)組立工場も併設されたタンジョン・マリム工場へ移行することになった。

タンジョン・マリム工場は25万台の車両生産能力を有しており、エンジンとトランスミッションの機械加工、プレス加工、ボディ組立、塗装、トリムおよび最終組立という5つの主要生産セクションを統合。プレス加工部門にはマレーシア最大の機械プレス機、そして中国以外で初めて1.5 TGDiエンジンを生産する新しいエンジン組立ラインを備えている。中国・吉利グループの東南アジアにおける右ハンドル車輸出の主要拠点となることが期待されている。
(ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、10月7日)

米ハイアット、アジア太平洋地域で5年間で90軒の開業を計画

【クアラルンプール】 米ハイアットホテルズアンドリゾーツは、マレーシアを含めたアジア太平洋地域で、今後5年間で90軒近くの開業を計画。ラグジュアリートラベル市場を牽引する同地域における事業を強化していく方針だ。

ハイアットは8月、クアラルンプール(KL)の複合ビルKLミッドタウン内の「ハイアットリージェンシークアラルンプール・アットKLミッドタウン」と、超高層ビル「ムルデカ118」内の「パークハイアット・クアラルンプール」を相次いで開業した。

ハイアットは2005年に 「ハイアットリージェンシー・サウジャナ」(現ザ・サウジャナホテル・クアラルンプール)の運営から撤退して以来、20年間、首都圏クランバレーに新規進出をしていなかった。8月開業の2ホテルを加え、現在8軒を運営。このほか、サバ、ペナン、パハン、ジョホール州などでもハイアット傘下のホテルが運営されている。

アットKLミッドタウンは客室306室とサービス住宅104室、パークハイアットは252室となっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月3日)

プロトン「サガ」、シャアラム工場における生産が終了

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、セランゴール州シャアラム工場におけるAセグメント・セダン「サガ」の生産を終了した模様だ。ソーシャルメディア上では、プロトン関係者によって9月26日に撮影されたとみられる最終出荷を記念する画像の投稿が確認された。

「サガ」は1985年7月9日の発売以来、3代にわたり最も長期にわたって売れている車種で、40年にわたって一貫してシャアラム工場で生産されてきた。プロトンは製造機能をペラ州タンジョン・マリム工場に集約させる計画で、昨年7月には2026年までに「サガ」の生産をタンジョン・マリム工場に移管すると発表していた。

現行「サガ」の販売はまだ続いているが、プロトンは近く新型「サガ」(コードネームMC3)を発売する予定で、新型モデルはタンジョン・マリム工場で製造される見通し。

シャアラム工場では以前、CセグメントMPV「イゾラ」の組立も行ってきたが、「イゾラ」の生産は2023年10月にすでに終了。「サガ」の生産終了後の施設運用の方法については明らかにされていない。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、10月1日、ポールタン、カーズ・オートメディア、9月28日)