シェル給油所で一時的な在庫不足、政府が冷静な対応呼びかけ

【クアラルンプール】 シェルの国内小売部門を担当するシェル・マレーシア・トレーディングは9日、「燃料供給の継続性を確保するための取り組みを最優先していく」との声明を発表した。ペナン州を中心に燃料が不足しているとの噂がソーシャルネットワーク上で広がり、国内取引物価省(KPDN)が8日、一部のシェルで在庫切れが確認されたが一時的なもので、パニック買いを控えるよう呼びかけていた。

KPDNペナン支部のS・ジェガン局長によると、レギュラーガソリン「RON95」の不足が確認された給油所が1カ所、ディーゼル燃料の不足があった給油所が5カ所あり、いずれもシェル系だったという。原因についてジェガン氏は、中東情勢を踏まえ「当初の予定より燃料輸送船の到着が遅れ、一時的な供給の乱れが生じた」と説明した。

シェルの声明は、こうした状況を受けたもので、安定供給に努めていることを強調しつつ、消費者行動に起因する需要の急増がさらなる供給不足を招きかねないとし、消費者に理解を求めた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、4月9日、ザ・サン、ザ・スター、ベルナマ通信、4月8日)

輸入品価格が3―10%上昇する可能性=マイディン社長

【ペタリンジャヤ】 大手スーパー、マイディン・ハイパーマーケットのアミール・アリ・マイディン社長は、世界的なエネルギー危機による供給国への圧力などが原因で、輸入品価格が今後数カ月で3―10%上昇する可能性があるとの見方を示した。

輸入業者からの情報に基づく予想で、5月か6月には影響が出る可能性がある。ただ供給業者からは具体的な値上げ幅や時期について知らされていないという。アミール氏は「私の予想では値上げ幅は5―10%以上、20%以下。おそらく3%から10%の範囲内に収まるので、極端に価格が高騰することはないだろう」と述べた。

アミール氏は、「マレーシアは中国、インド、ベトナム、フィリピンといった国々から生活必需品を輸入しているが、これらの国々は現在、燃料価格の高騰という圧力に直面している」とした上で、「これらの国々で燃料価格の上昇圧力が強まれば物価は上昇する。価格が上昇すればその影響はマレーシアにも及び、物価も上昇するだろう」と述べた。

アミール氏はまた、物流コスト上昇も要因の一つだと指摘。「物流コストは既に上昇傾向にあるため、物価に反映するもう一つの圧力要因となっている」と述べた。

その上でアミール氏は、生活必需品の価格が10%以上上昇した場合、政府が低所得者層(B40)向けの生活費支援給付制度、「スンバンガン・アサス・ラフマ―(SARA=基礎的慈悲の寄付)」のような対象を絞った支援を強化することを提案した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、4月8日)

公務員の在宅勤務追跡システム、15日から40万人が利用

【クアラルンプール】 15日から公務員に対し在宅勤務(WFH)が部分導入されるが、公務員の出退勤をデジタル的に記録するオンライン個人追跡(スポット・ミー)システムが本格運用される。

公共サービス局によるポッドキャスト(音声番組)で、国家デジタル局幹部のエリサ・サティム氏が述べたところによると、現在265機関の4万人がスポット・ミーを利用しているが、運用状況は良好だ。WFH導入で利用者は40万人になる見通しだが、対応は可能だという。

同システムは行政近代化・管理計画部が2020年に開発した。職場・リモート勤務を問わず出勤、退勤時間を入力でき、遂行した任務の確認を求めることもできる。

WFMの対象はクアラルンプール、プトラジャヤ、セランゴール州および各州都に勤務する、通勤距離が8キロメートル以上の連邦政府職員。
(マレー・メイル、4月6日)

ホルムズ海峡、マレーシアの石油供給に不可欠=ペトロナス

【クアラルンプール】 国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)は、マレーシアの原油の約48%は国内で生産される一方で約38%はホルムズ海峡経由で輸入されているとして、マレーシアが産油国でありながらも不安定なこの海上輸送路に大きく依存していると説明した。

ペトロナスによると、残りの輸入は他の地域から調達されており、東南アジア、西アフリカ、その他の供給国が約7%、その他の西アジアが7%となっている。マレーシア国内の石油製品供給量の約48%はペトロナスが担い、残りの52%は他の石油会社が供給している。

特にホルムズ海峡を通過する原油への依存が高く、地域情勢の緊張が高まると供給リスクにマレーシアを晒すことになる。その結果、中東における混乱が続けば、ガソリン、ディーゼル、液化石油ガス(LPG)、ジェット燃料といった主要燃料製品の供給が逼迫する可能性があるという。

財務省のデータによると、国内の石油消費量は1日当たり約70万バレルで、国内の原油生産量(約35万バレル)のほぼ2倍となっている。この不足分は約35万バレルの輸入で補われている。
(ザ・スター電子版、4月8日)

エアアジアX、運賃を30―40%値上げ

【セパン】 エアアジアグループの航空事業を統括するエアアジアXは6日、ジェット燃料価格の高騰に対応するため、運賃を30―40%値上げしたと発表した。

同社によると、運賃の値上げに加え、燃料サーチャージも最大20%引き上げられたという。グループのボー・リンガム最高経営責任者(CEO)は、「値上げは手頃な価格とコスト回収のバランスを考慮して慎重に分散させながら実施している」と説明し、今後も定期的に運賃を見直していくとした。

運航便数も10%削減したが、ハリラヤ(断食月明け大祭)のピークシーズン後の例年パターンに沿ったものだとした。また燃料ヘッジの導入も検討していたが、価格の急騰で実現しなかったと付け加えた。

一方で、「コスト上昇にもかかわらず需要は依然として堅調」と強調。6月のバーレーンへの就航などの計画は予定通り進めるほか、従業員の解雇や無給休暇の付与は現時点では考えていないとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、4月6日)

AI技術で29年までに30万人を育成、オラクルが協力

【クアラルンプール】 マレーシア・デジタル経済青写真の実施機関、MyDIGITALと米オラクルは29年末までに、30万のマレーシア人に人工知能(AI)の知識・技術を習得させるため協力することで合意し、3日、ゴビンド・シン・デオ・デジタル相が「オラクル技能開発イニシアチブ」の名称で育成プログラムの開始を宣言した。

ソーシャルメディアへの投稿でゴビンド氏は「マレーシア人の雇用可能性を高め、キャリア開発を後押しする」と述べた。

学生、専門職者を対象にしたプログラムで、クラウドコンピューティングサービスの基盤オラクル・クラウド・インフラストラクチャー(OCI)、生成AI、データサイエンス、ローコード開発、セキュリティなどに関する知識・技術を提供する。

オラクル・ユニバーシティーの無償学習プログラムで、認定資格も提供する。ゴビンド氏は「人材育成は30年のAI国家目標の達成に不可欠」と語った。
(エッジ、マレーシアン・リザーブ、テックノード、4月3日)

ラブアン―コタキナバル間のフェリーが運休、コスト急増を受け

【ラブアン】 新型コロナパンデミックによる運休を経て昨年5月28日に再開したラブアン―コタキナバル間の高速フェリーサービスが、燃料費の高騰とコタキナバルのジェセルトン桟橋ターミナルの高額な使用料のため、週末から再び運航を休止した。

ラブアン国際フェリーターミナルの運営会社であるLDAホールディングスのノール・ハリム・ザイニ最高経営責任者(CEO)は、フェリー運航コストが持続不可能な水準に達したため運休を決定したと発表。マレーシア人乗客は現在フェリー運賃の50%補助を受けているが、燃料費には補助金がないため、運営上の課題がさらに深刻化していると指摘した。フェリー運航会社だけでなく旅行者や観光業界全体にも影響を及ぼすため、政府に調査を期待しているという。

ノール・ハリム氏によると、同フェリーによってラブアンとコタキナバルが直接結ばれることでメヌンボクを経由する必要がなくなったと指摘。旅行者に大きな恩恵をもたらし、両都市間の観光客増加にも貢献したと強調した。
(ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、4月2日)

マレーシア航空、福岡線を9月2日から20年ぶりに再開

【クアラルンプール】 マレーシア航空(MAB)は9月2日から、20年ぶりにクアラルンプール(KL)―福岡路線を週5便で再開する。

機材はナローボディの「ボーイング737MAX8」型機を使用。往路のMH0056便は月・水・金・土・日、KL発23時45分、福岡着は翌7時5分。復路のMH0057便は月・火・木・土・日で、福岡発10時、KL着15時45分となる。

MABは現在、日本路線としてKLと東京、大阪を結ぶ2路線を運航。マレーシア航空などマレーシア航空グループ(MAG)のナサルディン・A・バカル社長兼最高経営責任者(CEO)は3月27日の決算会見で「日本の路線の搭乗率は90%前後で推移している」と述べていた。今回の福岡線の再開はそうした好調を受けたものとなる。MABの福岡線は1989年に就航されたが、MABの経営悪化を受け、2006年8月から運休されていた。

またMABは中国の深圳と長沙への直行便の就航も合わせて発表した。深圳線は7月1日から、長沙線は同8日からでいずれもデイリー便となる。MABの中国路線は計9都市に拡大される。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、4月3日、MAB発表資料)

バティックエア、12日まで定期便を35%削減

【クアラルンプール】 バティック・エア・マレーシアは1日、中東情勢に伴う燃料費高騰を受け、12日まで定期便の35%削減すると明らかにした。就航路線は維持しつつ減便で調整し、13日以降については状況を見ながら改めて検討する方針だ。

チャンドラン・ラマ・ムティ最高経営責任者(CEO)によると、燃料費はこれまで営業費用の30―35%程度だったが、現在は50―55%にまで上昇している。すでに運賃と燃油サーチャージの値上げで対応しているものの、高騰分を相殺するには不十分とした。ただし、「(運航規模縮小は)予防措置であり、あくまで一時的なスケジュール調整に過ぎない」と強調した。

また希望する社員向けに、6日から無給休暇制度も導入するとした。

さらに価格変動リスクを低減するヘッジ契約について、導入している航空会社も多いが、同社は導入していないと説明。「ヘッジ取引により、価格が下がった際に多額の損失を被った航空会社も過去に見てきている」とし、今後も慎重な姿勢を示した。

同社は現在、21カ国60以上の都市に週約1,400便を運航している。従業員数は約3,500人。

石油価格情報プロバイダーのS&Pグローバル・プラッツによると、3月27日までの週のジェット燃料の平均価格は1バレルあたり195.19米ドルに達し、前月比104%に上昇している。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、4月2日)

マレーシア船7隻、ホルムズ海峡を通行料無料で通過=運輸相

【シャアラム】 アンソニー・ローク運輸相は3月31日、ホルムズ海峡で立ち往生しているマレーシア所有の船舶7隻が間もなく通行料無料で安全に通過できるようになったことを確認した。

マレーシアとの緊密な外交関係を考慮し、イラン側が通行を許可すると約束したことを受け、アンワル・イブラヒム首相が国家経済行動評議会(NEAC)に報告した。通行料は無料で、ヴァリオラ・モハマディ・ナスラバディ在マレーシア・イラン大使も明言しているという。

その上でローク氏は、イラン大使館が船舶の安全な通過を保証したものの、海域の混雑のため、船舶は順番に航行する必要があると言明。「多くの船舶が海域で立ち往生している。ホルムズ海峡を通過するには順番待ちをしなければならない」と述べた。

モハマド・ハサン外相は3月28日、マレーシア所有のタンカー7隻がホルムズ海峡通過の許可を待っているとした上で、これらは拘束されているわけではなく、安全な航行時間と正式な許可を待っているだけだと述べた。立ち往生している船舶には、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)、海運大手MISC、サプラ・エナジーなどの所有船舶が含まれている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ブルームバーグ、エッジ、3月31日)