世界的供給危機が国内価格に影響を及ぼし始める=経済相

【クアラルンプール】 アクマル・ナスルラー・モハマド・ナシル経済相は、世界的な供給危機の影響が輸送、物流、商品価格、そして日々の生活費に波及し始めており、マレーシアはコスト調整の段階に突入しつつあると述べた。

アクマル氏は21日に地元テレビで生放送された世界的な供給危機に関する特別ブリーフィングの中で、4月13日から19日までの期間における一部の食品価格のモニタリング結果から、価格変動はまちまちであることが分かったと説明。供給圧力が一律に発生しているのではなく、品目によって異なり、天候、農業投入コスト、輸送コスト、短期的な供給変動といった要因に影響されていることを示していると述べた。

アクマル氏によると、標準鶏肉の平均価格は1キログラムあたり9.09リンギから9.33リンギへと2.8%上昇した一方、牛肉の価格は1キログラムあたり35.65リンギへと5.0%下落し、Cグレードの卵は10個あたり平均3.66リンギで横ばいだった。

魚介類と野菜のカテゴリーでは、サバの価格は1キログラムあたり17.08リンギから16.43リンギへと下落し、カラシナの平均価格は1キログラムあたり5.89リンギから6.21リンギへと上昇、ほうれん草の価格は1キログラムあたり5.26リンギで横ばいだった。
(マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、4月21日)

カジノリゾート運営のゲンティン、人型ロボットのAGIBOTと提携

【クアラルンプール】 統合型カジノリゾートなどを運営するゲンティン・マレーシアは、人工知能(AI)に身体性を持たせたエンボディドAIロボットをゲンティンの接客、娯楽に活用するため、世界有数の汎用エンボディドAIロボットの上海智元新創技術(AGIBOT)と覚書を交わした。締結式は上海で開かれたAGIBOTパートナー会議で行われた。

AGIBOTのアベル・デン社長によれば、ゲンティン・マレーシアのテーマパーク、ホテル、パフォーマンスの場に人型ロボットを配し、接客、サービスの「再定義」を目指す。覚書に基づき両社は、接客やコンシェルジェ機能を果たす人型ロボットの開発、ショーや没入型アトラクションと人型ロボットの融合などのソリューション開発を進める。

来年初頭にはリゾーツ・ワールド・ゲンティンでマレーシア初のロボットパフォーマンスを催し、実演とAIロボットを融合させ、没入型体験を観客に提供する。マレーシア初の試みだ。
(ビジネス・トゥデー、4月17日、エッジ、4月20日)

ランカウイ島フェリー減便、観光業界などが抗議集会

【ランカウイ】 燃料価格高騰に伴うランカウイ島と本土を結ぶフェリー減便を受け観光業界や住民らから政府に早急な解決を求める声が上がっている。19日夜にはクア旅客ターミナルに数百人が集まり、平和的な抗議活動を行った。複数の非政府組織の代表者らはフェリーのダイヤを直ちに元に戻すよう求めた。

3月25日以降、ランカウイ島へのフェリー便は1日5便から3便に削減されている。運航会社フェリー・ライン・ベンチャーズは便数削減の理由として、産業用ディーゼル燃料価格の高騰が事業の財政的持続可能性を脅かしていることを挙げている。現在の燃料価格水準ではフル稼働を続けると運航停止に追い込まれる恐れがあるため、運航規模を縮小せざるを得なかったという。

抗議集会に出席したケダ州市民青年組織(マダニ・アナク・ムダ)のズライディ・ラヒム会長は、燃料費高騰のため3月25日からフェリーの減便で島への観光客が減少していると指摘。「観光業に依存するランカウイ島の住民、特に小規模事業者に深刻な影響を与えている。この状況がさらに1、2カ月続けば、島の経済はさらに悪化する可能性がある」と述べた。

ランカウイ観光協会のザイヌディン・カディル会長は、フェリーの便数が約1カ月間縮小された結果、特に国内からの観光客の到着数が著しく減少したと指摘。「観光客の約70%はランカウイ島への移動手段としてフェリーを利用している。便数が減ると観光客の流入が鈍化する。多くの旅行代理店のカウンターが閉鎖されている」と述べた。

ランカウイ地区バス運転手協会のシュクリ・サアド会長は、フェリーの運航スケジュールが限られているため、4月は多くの予約がキャンセルされたと指摘。「便数が減ると、早めに島に到着して滞在時間を最大限に活用することが難しくなる」と述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、4月20日)

カルテックスの一部給油所で在庫不足、北部州にも拡大の見通し

【クアラルンプール】 カルテックス・マレーシアの一部給油所でレギュラーガソリン「RON95」やディーゼル燃料の供給に遅延や一時的な不足が起こっており、今後マレーシア半島北部の州にも影響が拡大する見通しだ。

カルテックスでは11日ごろから、セランゴール州など首都圏クランバレーの一部給油所で、供給への影響が確認されている。港湾での予期せぬ「船舶バースの混雑」による配送遅延が原因とされる。

さらに同社は17日になりソーシャルメディアを通じ、ペルリス、ケダ、ペナン、ペラ、クランタン州にも数日以内に拡大する可能性がある、と投稿。謝罪とともに、「配送の優先付けをし、影響の最小化に努めている」とした。

カルテックスは、米国系石油会社シェブロン・マレーシアが運営しており、半島全域で400以上の給油所を運営している。
(ベルナマ通信、4月18日、エッジ、4月17日、スクープ、4月13日)

25年のハラル輸出額、前年比10.9%増の685億リンギ

【クアラルンプール】 2025年のマレーシアのハラル(イスラムの戒律に則った)製品の輸出額は、前年比10.9%増の685億2,000万リンギに達した。ハラル開発公社(HDC)が発表した。

内訳をみると、食品・飲料(F&B)分野が368億6,000万リンギで、ハラル輸出総額の53.8%を占めた。次いでハラル原料が213億9,000万リンギ(総額の31.2%)となった。パーム油およびその派生製品は45億7,000万リンギ(同6.7%)で、前年比55.0%増の大幅な成長を記録した。また医薬品も規模的には小さいものの、前年比23.6%増の11億2,000万リンギと高い伸びを示した。

輸出先別では、中国が前年比27.8%増の90億リンギに達し、総額の13.2%を占めた。次いでシンガポールが71億1,000万リンギ(同10.4%)だった。3位は米国の44億6,000万リンギ(同6.5%)で、前年比36.4%の大幅アップとなった。4位は日本の42億2,000万リンギ(同6.2%)で、前年比では21.4%となり、インドネシアの35億1,000万リンギ(5.1%)が続いた。

一方で、ハラル輸出額のマレーシアの総輸出額に占める割合は4.3%で、前年比0.2ポイントの微増にとどまった。HDCは地域的な市場多角化を評価する一方で、医薬品やハラル原料といった高付加価値分野のさらなる拡大の重要性を指摘。地政学的リスクを含む外部環境の変化に対応できるサプライチェーン強化を強調した。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、4月16日)

ペトロナスの給油所、6月末まで燃料供給確保

【クアラルンプール】 国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)は15日、ペトロナスの給油所ネットワークへの燃料供給が6月末まで確保された、と発表した。同社はこれまで5月末までとしていた。

同社によると、給油所向けには下流部門の小売子会社ペトロナス・ダガンガンを通じて供給しているが、国内の燃料需要の約半分にあたるという。

また先日、シェルの給油所の一部で在庫不足が報じられたが、ペトロナスは今回の供給確保を受け、改めて買いだめやパニック買いを控えるよう呼びかけた。
(ビジネス・トゥデー、ザ・サン、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、4月15日)

KTMBの長距離旅客サービス、30%の運賃割引

【クアラルンプール】 マレーシア国鉄(KTMB)は長距離旅客サービスの30%の運賃割引を実施する。公共交通機関の利用促進と、燃油消費の削減を目指す政府の包括的な戦略の一環として、運輸省が14日、発表した。

対象となるのは、高速電車運行サービス(ETS)と、ジョホール州とクランタン州を結ぶ夜行列車(ERT)で、オフピーク時間帯のみ。ETSのビジネスクラスや、ERTの寝台車とファーストクラスは適用外のほか、週末や祝日、学校の休暇時間は利用できない。

旅行期間は10月14日までで、販売期間は今月30日まで。購入時にプロモーションコードを入力して支払いを完了する必要がある。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、4月14日)

不動産開発のサンスリア、カンポンバルの再開発を本格化

【クアラルンプール】 不動産開発のサンスリアは10日、クアラルンプール(KL)中心部で長年にわたり開発の手が加えられてこなかったカンポン・バル地区における再開発計画「KLシティ・ゲートウェイ」(KLCG)を、同社主導で本格化させると発表した。

KLCGの対象は、KL中心部とつながるサロマ・ブリッジ北詰め周辺の9.66エーカー。約100エーカー規模とされるカンポン・バルの中でもアクセスに優れたエリアで、軽便鉄道(LRT)の駅にも近く、アンパン・クアラルンプール高架道路(AKLEH)からの直接アクセス整備も計画され、複合型交通指向型開発プロジェクトとして位置づけられている。

開発は2期に分けて進められる予定で、第1期(約7.95エーカー)の総開発価値(GDV)は27億5,000万リンギと推定されている。サービスアパートメント、ビジネススイート、商業・小売区画などで構成され、2034年ごろの完成を目指す。

カンポン・バルは、もともとマレー系住民(ブミプトラ)のための農業・居住地区として整備され、1970年代以降に新経済政策(NEP)などを背景に、周辺の都市化が急速に進む中でも、伝統的居住区として開発されずに残ってきた経緯がある。

2005年になりKLCG社が設立され、開発構想が浮上。2024年にサンスリアがKLCG社の株式の20%を取得して以降、徐々に計画が動き始めた。今回サンスリアはKLCG社の株式を61%まで引き上げた。既存居住者には、対象地区内の代替住戸が提供されるという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、4月10日、発表資料)

シェル給油所で一時的な在庫不足、政府が冷静な対応呼びかけ

【クアラルンプール】 シェルの国内小売部門を担当するシェル・マレーシア・トレーディングは9日、「燃料供給の継続性を確保するための取り組みを最優先していく」との声明を発表した。ペナン州を中心に燃料が不足しているとの噂がソーシャルネットワーク上で広がり、国内取引物価省(KPDN)が8日、一部のシェルで在庫切れが確認されたが一時的なもので、パニック買いを控えるよう呼びかけていた。

KPDNペナン支部のS・ジェガン局長によると、レギュラーガソリン「RON95」の不足が確認された給油所が1カ所、ディーゼル燃料の不足があった給油所が5カ所あり、いずれもシェル系だったという。原因についてジェガン氏は、中東情勢を踏まえ「当初の予定より燃料輸送船の到着が遅れ、一時的な供給の乱れが生じた」と説明した。

シェルの声明は、こうした状況を受けたもので、安定供給に努めていることを強調しつつ、消費者行動に起因する需要の急増がさらなる供給不足を招きかねないとし、消費者に理解を求めた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、4月9日、ザ・サン、ザ・スター、ベルナマ通信、4月8日)

輸入品価格が3―10%上昇する可能性=マイディン社長

【ペタリンジャヤ】 大手スーパー、マイディン・ハイパーマーケットのアミール・アリ・マイディン社長は、世界的なエネルギー危機による供給国への圧力などが原因で、輸入品価格が今後数カ月で3―10%上昇する可能性があるとの見方を示した。

輸入業者からの情報に基づく予想で、5月か6月には影響が出る可能性がある。ただ供給業者からは具体的な値上げ幅や時期について知らされていないという。アミール氏は「私の予想では値上げ幅は5―10%以上、20%以下。おそらく3%から10%の範囲内に収まるので、極端に価格が高騰することはないだろう」と述べた。

アミール氏は、「マレーシアは中国、インド、ベトナム、フィリピンといった国々から生活必需品を輸入しているが、これらの国々は現在、燃料価格の高騰という圧力に直面している」とした上で、「これらの国々で燃料価格の上昇圧力が強まれば物価は上昇する。価格が上昇すればその影響はマレーシアにも及び、物価も上昇するだろう」と述べた。

アミール氏はまた、物流コスト上昇も要因の一つだと指摘。「物流コストは既に上昇傾向にあるため、物価に反映するもう一つの圧力要因となっている」と述べた。

その上でアミール氏は、生活必需品の価格が10%以上上昇した場合、政府が低所得者層(B40)向けの生活費支援給付制度、「スンバンガン・アサス・ラフマ―(SARA=基礎的慈悲の寄付)」のような対象を絞った支援を強化することを提案した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、4月8日)