キリンビールがマレーシア子会社設立、10月に事業開始

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 キリンホールディングス(本社・東京都中野区)は25日、東南アジア市場におけるキリンビールの事業基盤の強化および持続的な成長を目指し、マレーシアに現地法人キリン・ブリュワリー・サウスイースト・アジア(KBSEA)を設立し、10月1日に事業を開始すると発表した。

KBSEAはキリンビールの100%子会社で、クアラルンプール(KL)に所在。東南アジアにおけるキリンビール事業の戦略立案、営業・マーケティング機能の強化、商品開発、品質管理、OEM事業推進などが事業内容となっている。

これまで東南アジアの酒類事業は、キリンホールディングスのシンガポール子会社である、キリン・ホールディングス・シンガポールを通じてシンガポールを拠点に展開してきたが、地域の成長ポテンシャルを最大化するため、キリンビールとして現地法人を設立し、一部機能を新会社へ移管する。キリンホールディングスは、これにより機動的な経営判断と現地市場での顧客ニーズへの迅速な対応を実現するとしている。

KBSEAは、東南アジアにおけるマーケティング戦略の立案やブランドマーケティング、現地代理店との連携を強化し、地域に根差した事業運営を推進していく。さらに商品ポートフォリオの拡充や新商品の開発、OEM事業の展開を通じて、今後伸長が見込まれる東南アジア地域において持続的な成長と競争力の強化を目指すという。

「日馬フードイノベーション推進フォーラム」、在馬大使館と共催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 サステナブル・フード・アジア(Sustainable Food Asia、本社・東京都港区)は、11月27日に在マレーシア日本国大使館と「日馬フードイノベーション推進フォーラム」をクアラルンプール(KL)の大使公邸で開催すると発表した。

フードテック分野でマレーシア市場に関心を持つ日本のスタートアップ企業とマレーシアの有力企業との連携を目的としたマッチングイベントで、日本のスタートアップのマレーシア・東南アジア諸国連合(ASEAN)市場への進出、マレーシア・ASEAN大手食品企業との共創機会を創出するのが狙い。

イベントでは▽日本のスタートアップによる企業紹介プレゼンテーション▽マレーシア企業による企業紹介▽試食交流会▽マッチング形式の商談会――を予定しており、これに合わせて参加を希望する日本のスタートアップを5社程度をめどに募集する。

応募条件は▽フードテック・サステナブルフード分野での事業展開を行っていること▽マレーシアを含むASEAN地域への進出・販路開拓に関心があること▽マレーシアにて試食提供可能な商品があること▽英語での商談が可能なこと――で、参加料は無料。渡航・滞在費などは自己負担となる。

日本を旅行したことがあるマレーシア人は37.0%=アイブリッジ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 アイブリッジ(本社・大阪市)がセルフ型アンケートツール「Freeasy(フリージー)」(https://freeasy-survey.com/を通じて28カ国を対象に実施したインバウンドに関する調査で、日本を1回以上旅行したことがあると答えたマレーシア人は37.0%に上った。

同調査は14言語・28カ国に対応し、最短即日で調査が可能なセルフ型アンケートツール「Freeasy Global」のリリースを記念して、各国200人、合計5,600人を対象に2025年8月8日から8月21日にかけて実施された。

これまでに日本を観光目的で訪れた回数を聞いたところ、マレーシア人は「1回」が21.5%、「2回」が8.5%、「3回」が4.5%、「4ー5回」が2.0%、「6ー9回」が0.5%となり、「ない」は63.0%だった。また日本に観光旅行に行ってみたいと思うと答えたマレーシア人は93.5%に上り、「思わない」は6.5%にとどまった。

東南アジア諸国連合(ASEAN)では、シンガポール人は69.5%が「日本を1回以上旅行したことがある」と回答してトップ。日本を訪問したいとの回答は95.5%に上った。

スズキのコンパクトSUV「フロンクス」、予約受付を開始

【クアラルンプール】 スズキ・カーズ・マレーシアは、マレーシア市場初投入となるコンパクト多目的スポーツ車(SUV)「フロンクス」の予約受付を開始した。販売代理店ナザ・イースタン・モーターズを通じ、今年第4四半期に正式な販売が予定されている。

今回、マレーシアで発売されるモデルの詳細は発表されていないが、1.5リッター4気筒エンジンに、12ボルトのリチウムイオンバッテリーの補助モーターを組み合わせたマイルドハイブリッドの見込み。最高出力101馬力(PS)、最大トルク135Nm、6AT(6速オートマチックトランスミッション)が採用され、自動緊急ブレーキ(AEB)や360度カメラなどを備えた最上級モデルになるとみられる。

フロンクスは、グローバルカーとして2023年からインドで生産・販売が開始され、現在は、現地向け仕様を加え日本やASEAN(東南アジア諸国連合)主要国でも販売されている。マレーシアでのモデルは、日本でのモデルと同様、インドネシアのモデルをベースにした仕様になると予想される。

価格は未定だが、輸入完成車(CBU)のため10万リンギ以上になるとみられる。
(ポールタン、ジグホイールズ、9月18日)

東京ゲームショウにマレーシアパビリオン、9社が出展

【クアラルンプール】 世界最大級のゲーム見本市「東京ゲームショウ(TGS)2025」にマレーシアから9つのゲーム会社が参加する。マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)が22日、発表した。

TGS2025は25―28日の4日間、千葉県の幕張メッセで開催される。MATRADEは2016年から9年連続で、マレーシア・デジタル経済公社(MDEC)とともに「マレーシア・パビリオン」を開設。今年は、人気アニメ「ウピン&イピン」などを手掛けるレ・コパクプロダクションや、インディーズ系のマルチプレイヤーRPG「Re:Legend」で注目されるマグナス・ゲームズ・スタジオなど9社が、ビジネスマッチングなどに取り組む。

MDECのアヌアル・ファリズ・ファジル最高責任者(CEO)は「TGSを通じ、マレーシアの豊かな文化的アイデンティティを反映した大胆で独創的なゲーム作品を、世界の舞台に発信していきたい」としている。

世界のゲーム市場は2030年までに5,050億米ドルに達すると予測され、特にアジア太平洋地域ではモバイルゲームの急速な成長に牽引され、高い成長率が見込まれている。そうした背景のもと、マレーシアのデジタルクリエイティブ産業は2023年に約53億リンギの収益を上げ、うち約15%にあたる8億リンギが輸出によるものだった。マレーシア政府は今年4月には、ゲーム業界の国際的な競争力を高める支援プログラム(DGTP)などを導入し、さらなる輸出力の強化を目指している。
(ビジネス・トゥデー、9月22日、MATRADE発表資料)

焼き芋のnoniiがFHMに出展へ、フランチャイズ展開目指す

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 焼き芋販売のnonii(本社・静岡市)は、2025年9月23日―26日の日程でクアラルンプール(KL)で開催されるマレーシア最大規模の食品関連見本市「フード・アンド・ホテル・マレーシア(FHM)」に出展すると発表した。

日本発の「焼き芋文化」を東南アジア市場へ広げるのが目的。高品質の冷凍焼き芋の輸出提案、現地市場に合わせた芋を使ったスイーツのローカライズを提案するほか、マレーシアおよび東南アジア地域におけるマスターフランチャイズパートナーを募集する。東南アジア市場でのプレゼンスを強化し、現地パートナーとともに「高品質な日本の焼き芋とスイーツ」を広めることを目指す。

募集対象は▽食品・小売業界での豊富な経験を持つ企業▽現地市場への深い理解と強固なネットワークを有する企業▽品質へのこだわりと長期的なビジョンを共有できるパートナー――で、noniiは▽製品製造技術の移転▽店舗運営ノウハウの提供▽継続的な商品開発支援▽ブランド管理・マーケティング支援――といった提供サポートを行う。

noniiは、日本全国から厳選した素材、農家との連携による最適な土壌・産地・栽培方法を選び抜いた高品質なさつまいもを使用した「oimo&coco.」ブランドを国内11店舗で展開している。パティシエと連携した商品開発にも力をいれており、30種類以上のスイーツ・フードメニューを展開している。

ジェトロKL、ハラル専門BtoBプラットフォームに特設サイト

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所は、マレーシア最大のハラル(イスラムの戒律に則った)専門BtoBオンラインプラットフォーム「DagangHalal.com」に初となる日本企業の特設サイト、「ジャパンパビリオン」を設置したと発表した。

世界各国のムスリム市場(ハラル市場)への日本企業の参入を支援するのが目的。同プラットフォームに登録するハラルバイヤーに対して、日本企業の優れたハラル商品をプロモーションし、商流構築を目指す。「DagangHalal.com」には90カ国から1万4,000以上のハラルバイヤーが登録している。

参加企業は25社(113商品、醤油等調味料、緑茶、和牛、寿司、麺、菓子など)で、出展期間は2025年9月―12月となっている。

またオンラインの取り組みと合わせて、オフラインからオンラインへの流入を目指す取り組み(OtoO)として、マレーシア最大規模の食品関連見本市「フード・アンド・ホテル・マレーシア(FHM)」(開催地:クアラルンプール・コンベンション・センター=KLCC、会期:2025年9月23日―26日)に「ジャパンブース」を出展する。参加企業は9社(28商品)の予定。

ハラル見本市「MIHAS2025」開幕、ジェトロがブース開設

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 世界最大級のハラル(イスラムの戒律に則った)製品見本市「MIHAS2025」が17日、マレーシア国際貿易展示センター(MITEC)で開幕した。20日までの4日間の開催で、日本貿易振興機構(ジェトロ)は「ジャパン・パビリオン」を開設した。

「ジャパン・パビリオン」では、ジェトロ・ブースにてダイショー・フード(M)やJAFフード・インダストリーズ、ゼンカ・トレーディング(M)、フォーカル・マーケティングなどの日本産食品の輸入業者やフンドーキン醤油、オタフクソースなどの食品メーカーの商品を出展。このほか、ふぁん・じゃぱん(和牛)、小林食品(カツオ節)、マルハニチロ(デザート、ゼリー)、AGCホールディングス(和牛)が独自ブースを設置した。

「MIHAS2025」のテーマは「ハラルの卓越性の頂点」で、マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)によると、今年は前回(2024年)の2,028のブースを超える2,400のブースが開設された。80カ国・地域から参加が見込まれており、来場者数は4万5,000人に達すると予想されている。

2024年にドバイで開催されたMIHASの成功に続き、今年は11月5―10日の日程で中国国際輸入博覧会(CIIE)と併せて中国で「MIHAS@上海」が開催される。

WILLER、三井不動産と共同で中距離DRTの運行を開始

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 高速バス運行などを手掛けるWILLER(本社・大阪市)のマレーシア合弁会社、NADI WILLERは11日、三井不動産と共同で新たな中距離オンデマンド乗合ミニバス(DRT)サービスをクアラルンプール(KL)で正式に開始した。

同サービスは9月1日に運用を開始した中距離をカバーする「mobi CONNECT」の第1弾で、すでにWILLERが手掛けている公共交通機関との接続を担う近距離をカバーする「mobi DRT」を補完するのが狙い。日本人駐在員が多数在住するモントキアラ地区と三井不動産が開発した「ららぽーとBBCC」を結ぶ。

「ららぽーとBBCC」は近くに軽便鉄道(LRT)やKLモノレール駅があり、「ららぽーとBBCC」を交通ハブとして公共交通機関への接続を図ることで自動車への依存を軽減し、KL都心部における自動車交通量の削減に貢献する。

NADI WILLERはまた、既存の「mobi」アプリに首都圏の公共交通データ(GTFS)を統合し公共交通機関とDRTを組み合わせて最適な移動手段を提案するマルチモーダル検索の運用を開始した。利用者は同アプリだけで公共交通機関とDRTを繋ぐことが可能となる。

NADI WILLERは現在「mobi DRT」を26の地域で運用し、40万人以上の輸送実績がある。同社のユーザーアンケートでは88%以上が「公共交通機関への移動のために使う」と回答した。

招来舎とJICA、知的障害児発達事業のワークショップを開催へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 招来舎(本社・東京都杉並区)と国際協力機構(JICA)マレーシア事務所は、知的障害児を対象とした体系的認知発達プログラム「ちのとれ」のワークショップをマレーシア国内で共同開催する。

「ちのとれ2025プログラム」ワークショップは、開発途上国の課題解決に貢献する日本の民間企業等のビジネスづくりを支援する、中小企業・SDGsビジネス支援事業(JICA Biz)の下、「ちのとれ」を用いた認知機能向上にかかるニーズ確認調査の一環として、マレーシアの社会的企業であるマワダー・ビズ・エンタープライズと協力して開催する。

ワークショップは計5回の開催の予定で、1回目は2025年9月16日―22日の日程でセランゴール州サイバージャヤで、2回目はサラワク州クチン(詳細未定)で予定している。

「ちのとれ」は、2000年代初頭に日本で開発された知的障害児を対象とした体系的認知発達プログラムで、専用教材を用いて、集中力、記憶力、運動協調、問題解決能力、自立生活能力を強化するもの。本事業では「ちのとれ」を用いた指導者を育成ステップに基づき育成するプログラムについて、マレーシアでの全国展開を目指してニーズを調査する。