テクスケムにデータ暗号化のサイバー攻撃、業務に支障はなし

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日系テクスケム・リソーシズ(TRB)は11日、同社と子会社がサイバー攻撃を受け、サーバー内の一部のデータが暗号化され、アクセス不能になったと発表した。

TRBは攻撃を発見後、直ちにネットワークを隔離し、攻撃を受けたサーバーの保護、復旧作業に着手したという。この出来事を調査するため外部コンサルタントを雇用した。対策不十分と思われる点を調べ、サイバーセキュリティー基盤を強化し、データ復号を図るという。

業務への影響を最小限にとどめるため業務復旧作業を既に開始した。11日の時点で金銭的損害、業務面の混乱はなく、データの外部漏洩も確認されていないという。

ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)による攻撃だが、データを元に戻すことと引き換えに「身代金」を要求されたかは明らかにされていない。

トランプ前大統領返り咲きはリンギ安に、銀行関係者見通し

【クアラルンプール】 ドナルド・トランプ氏が次期米国大統領に決まったことは短期的にリンギ安をもたらすと銀行関係者はみている。米国が輸入品に高率の関税を課せば物価上昇圧力になり、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げのペースをゆるめる可能性があるからで、米国とマレーシアとの金利差が縮まらず、強いドルとの流れが予想されるからだ。

ホンリョン・インベストメント・バンクは関税以外にトランプ氏の移民政策にも言及。労働力が縮小し労働者の取り合いになり、賃金上昇、物価高を招くとした。ホンリョンは年末の相場を1米ドル=4.05-4.50リンギから4.50-4.58リンギに修正した。

シンガポール大手行OCBCのクリストファー・ウォン氏によれば、ドル高と高関税への懸念がすでに相場に影響しており、米ドルに対しリンギは8月以降の最低に値下がりした。しかしウォン氏は「トランプ氏が掲げた関税政策が実施までどのくらいの期間がかかるか、本当に実施されるのかはわからない」と述べた。
(ビジネス・トゥデー、11月8日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、11月7日)

日本をモデルにした地下放水路、セランゴール州が計画

【クアラルンプール】 セランゴール州政府は首都圏クランバレーの洪水対策として、埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路」と同様の地下放水路の建設を計画している。事業費が推定60億リンギと巨額に上ることと、連邦直轄地のクアラルンプールも含まれることから、提案書をファディラ・ユソフ副首相(兼エネルギー移行・水利転換相)に提出した。

首都圏外郭放水路は、中小河川の洪水があふれ出す前に地下トンネルに取り込み、安全に大きな河川へ放流する施設。地下神殿と呼ばれ、見学会が催されている。

セランゴール州のイザム・ハシム・インフラ農業委員長(国政の閣僚に相当)は日本を訪問した際、外郭放水路と川崎市が整備した「五反田川放水路」を視察しており「極めて優れた施設であり、マレーシアの洪水対策として有用だ」と語った。五反田放水路は大雨で水位が上昇した場合、地下トンネルを通じて直接多摩川に放流することで、下流の洪水被害を軽減する。

イザム・ハシム氏は「州の河川は異常降雨を吸収しきれない。地下放水路を建設すれば、州だけでなく、クアラルンプールも洪水から守られる」と語った。州では河川氾濫の頻度が増している。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、11月8日)

バティックエアとフライドバイ、インターライン契約を締結

【クアラルンプール】 バティック・エア・マレーシアとフライドバイ(アラブ首長国連邦=UAE)は8日、インターライン契約を締結した。インターライン契約を結ぶと、両社のネットワークが拡大するだけでなく、予約は一度で済むほか、相互の便を乗り継ぐ際に再度チェックインする必要がなくなり、乗客の預け荷物もスルーで目的地まで運ぶことができるようになる

インターライン契約に基づき、バティック・エアは、アフリカ、南ヨーロッパと中央ヨーロッパ、中東、コーカサス地域などフライドバイのネットワークの38の目的地にアクセスできるようになる。これによりバティック・エアのネットワークはエンテベ、イスタンブール、ベルガモ、ザグレブなどに拡大する。

フライドバイの乗客は、クアラルンプール新国際空港(KLCC)経由でバティック・エアのネットワークの40以上の目的地にアクセスできるようになる。これによりフライドバイのネットワークは、ハノイ、香港、ジャカルタ、大阪、シドニーなどに拡大する。
(エアロタイム、エッジ、ベルナマ通信、11月8日)

配車アプリ「Bolt」がマレーシアでサービス開始

【クアラルンプール】 欧州エストニア発祥の配車アプリ「Bolt」が、このほどマレーシア公共陸運局(APAD)から認可を取得。首都圏クランバレーでサービスを開始する。東南アジアではタイに次いで2カ国目の進出となる。

利用方法は先行するグラブなどとほぼ同様で、ユーザーはアプリ上でスマホ番号を事前に登録。出発地と行き先、車両タイプを指定し、支払いは事前登録したクレジットカードまたは現金で行う。現時点では電子ウォレットには対応していない。アプリはアップルストアまたはグーグルプレイ・ストアでダウンロードできる。

マレーシア進出記念として新規ユーザー向けのプロモーションを実施する。マレーシア全土における移動では2024年11月16日までは乗車7回を上限に50%割引(割引上限は15リンギ)、首都圏内の移動であれば2024年11月14日までは乗車20回を上限に50%割引の適用をそれぞれ受けられる。

「Bolt」は欧州を中心に45カ国でサービスを展開している。マレーシア国外ではスクーターや電動自転車のシェア、フードデリバリー、食料品配送、レンタカー、企業向けモビリティなどのサービスを行っているが、マレーシアでも導入するかどうかは明らかにしていない。
(ポールタン、マレー・メイル、ザ・サン電子版、11月7日)

今季の北東モンスーン期、降雨量が20 -40%増の恐れ

【クアラルンプール】 マレーシア気象局によると、5日に始まった今季の北東モンスーン期の降雨量がマレーシア半島東海岸諸州とサバ州北部および東部で昨年より最大40%増加する見通しだ。北東モンスーンとラニーニャ現象(海面水温が平年より低い状態が続く現象)が同時に発生したためだという。

モハメド・ヒシャム・モハメド・アニプ局長は、「昨年は北東モンスーンがエルニーニョ現象(海面水温が平年より高い状態が続く現象)と重なり、通常より乾燥した天候となった。しかし今年はラニーニャ現象が起こり、ほとんどの長期予報では昨年より降雨量が20―40%多くなると予想されている」と述べた。

その上でモハメド・ヒシャム氏は、マレーシアのラニーニャ現象については最新の研究では弱ー中程度で推移すると予想されているとし、「現在の予測モデルではラニーニャ現象は当初予測ほど強くないことが示されている。数カ月前は中程度と予想されていたが現在は弱まっているようで、大きな影響はないかもしれない」と述べた。
(ザ・サン電子版、ボルネオポスト、ベルナマ通信、11月7日)

中国との協力が地域全体に極めて重要=アンワル首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は中国訪問最終日の7日、マレーシアメディア向けに記者会見を開き、中国との緊密な関係を強調する一方で、来年開催の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国として「近隣の国々に対しても積極的に関わっていきたい」と述べた。

アンワル首相は貿易、投資、デジタル技術、エネルギー、研修などの分野で、中国との関係が深まっていることを強調。中国がマレーシアをパートナー国として高く評価していることに感謝を示す一方で、「中国との緊密な関係は、特定の政党と連携していることを意味するものではない」と付け加えた。

また、ASEANだけでなく、新興国の連合体「BRICS」や、湾岸協力理事会(GCC)においても、「中国の関与が地域の繁栄を確保する上で不可欠であり、我々の協力が極めて重要な役割を果たすと確信している」と語った。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、11月7日)

マレーシア初の産業向け5G準備状況評価調査を実施

【クアラルンプール】 マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は7日、とマレーシア投資開発庁(MIDA)と共同で、マレーシア初となる、産業向け5G準備状況評価調査を行うと発表した。

高速通信規格「5G」はさまざまな産業で急速な変革をもたらし、マレーシアの競争力に大きな影響を与えつつある。調査は、5Gに基づく技術導入に向けた企業の準備状況や、課題などを特定するのが狙い。特に中小企業や、産業間のギャップなどを分析し、5G技術の導入支援につなげていく。

12月1日まで実施予定(https://survey.zohopublic.com/zs/PTD3Mj)で、多くの企業の参加を呼びかけている。
(ベルナマ通信、ニュー・ストレーツ・タイムズ、MCMC発表資料、11月7日)

 

アンワル首相がトランプ氏に祝辞、地域への再関与を要請

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は米国の大統領選挙で勝利し、第47代大統領に就任するドナルド・トランプ前大統領に対する祝辞をフェイスブックとX(旧ツイッター)上に投稿した。

トランプ氏の大統領返り咲きは「新たな章であり、機会の一新をもたらす。マレーシアは楽観、協力心、目的の共有をもって前進する用意がある。両国人民の利益のため次期大統領と緊密に行動することを楽しみにしている」と表明。米国がマレーシアへの外国投資で最大国であることを取り上げた。

また、2025年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国として、マレーシアは米国が東南アジアへの関与を再び強めることを期待すると表明。さらに「パレスチナ、ウクライナにおける破壊的行為、人命損失を終わらせる助けとなるよう米国がその多大な影響力を行使するよう求める」とした。

テンク・ザフルル投資貿易産業相もXに、トランプ氏勝利の祝辞を投稿。米国とマレーシアとの経済、貿易上の協力関係は長期にわたっているし、今後の関係強化に期待を表明した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月7日、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、11月6日)

一等地オフィス入居率が上昇、多国籍企業の本部設置で

【クアラルンプール】 不動産サービスのナイト・フランク・マレーシアは、多国籍企業によるクアラルンプールでの地域本部開設需要が極めて多く、一等地オフィスの入居率、資産価値が高まっているとの分析を示した。オフィス市場の先行きは引き続き明るいという。

ナイト・フランクによると、多国籍企業はマレーシア、特にクアラルンプールでの拠点開設に意欲的で、賃貸費の低さ、ビジネスを歓迎する環境が誘因になっている。

アジア太平洋地域の第3四半期のオフィス賃貸料は前期比0.1ポイント下落した。中国本土にある都市の賃貸料が前年同期比11%下落したのが主因。域内全体の入居率は14.8%で、前期比0.2ポイントの低下だった。世界的な経済の先行き不透明で入居者は出費に慎重になっており、賃借契約更新やオフィス統合を好む傾向が強くなっているという。

バンク・ムアマラット・マレーシアは、クアラルンプールのオフィス需要増は賃貸料の上昇を招くが、フレキシブル勤務を利用すれば必要なオフィス面積を減らせるため経費を抑制できるとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、11月6日、ビジネス・トゥデー、11月5日)