東マレーシアの陸運業者向けディーゼル補助制度、申請開始

【プトラジャヤ】 国内取引物価省(KPDN)は4日、サバ州、サラワク州、ラブアン島の陸運業者向けのディーゼル燃料補助金制度(SKDS)の申請受付を開始した。

SKDS申請はオンラインで行われ、車両ごとに登録が必要となる。フリートカード(車両用給油カード)方式で、政府が定める料率に基づいた補助金価格でディーゼル燃料を購入できるようになる。SKDSの現在の補助金価格は1リットルあたり2.15リンギ。

車両登録後、実際の給油には、指定のガソリン会社3社にフリートカードを別途申請する必要がある。同省によると、カードの発行・送付には2―3週間かかる見込み。また車両登録および自動車税の有効期間に連動して、SKDS承認書の有効期間が決定されるという。

SKDSの対象となる貨物車両は、バン(窓なし/窓あり/セミパネル)、一般大型貨物トラック、小型商用バン(移動販売など特殊用途車含む)、家具・引っ越し輸送車(ルートン/ボックス)、冷蔵貨物車、家畜輸送車、農産物輸送車、ログトラック(木材輸送)、コンクリートミキサー車などの23カテゴリー。公共陸上輸送車両では、タクシー、レンタカー、スクールバス、霊柩車、救急車、消防車、シャトルバス、路線バス、ミニバスの9つのカテゴリーがある。
(ザ・スター、フリー・マレーシア・トゥデー、5月1日)

鈴木農水相が来馬、肥料原料の安定調達や日本産食材の拡大で協議

【クアラルンプール】 鈴木憲和農林水産相は1日に来馬し、石油関連製品や肥料の安定調達、日本産食材の販路拡大に向け、企業との意見交換や視察などを行った。

鈴木農水相はまず国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)のサザリ上級副社長と面会し、化学肥料の原料である「尿素」や、ナフサなどについて意見交換した。尿素はマレーシアからの輸入が7割を占めており、ペトロナスの子会社ペトロナス・ケミカルズ・グループとの間で2年間の売買契約が締結されている。今回契約延長で合意したとみられる。

また鈴木大臣はクアラルンプール(KL)市の「ららぽーとブキ・ビンタンシティセンター(BBCC)」内の食料品店「ジャヤ・グローサー」を視察。コメなど日本の食料品の販売状況についての説明を受け、さらなる日本産農林水産物の輸出拡大について協議したという。加えて、温室効果ガス排出量削減に向けた食品技術分野での協力についても話し合われた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ビジネス・トゥデー、5月1日、発表資料)

【イスラム金融の基礎知識】第591回 ウズベキスタンでイスラム銀行制度を導入

第591回 ウズベキスタンでイスラム銀行制度を導入

Q: ウズベキスタンでイスラム銀行に関する法律が施行されましたが、狙いは?

A: さる3月、ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領はイスラム銀行に関する法案に署名した。これにより、年内にも一部の従来型銀行でイスラム窓口が開設される見通しだ。同国がイスラム銀行制度・市場を導入する狙いはどこにあるのか。

中央アジアのウズベキスタンは、マレーシアとほぼ同様の人口規模であるが、GDPは20%程度である。国民のムスリム人口比率は90%以上を誇っているが、これまでイスラム銀行は認められていなかった。そこでイスラム銀行のための法律が施行されたのである。

ウズベキスタンがイスラム銀行を導入する理由として、現地メディアは四点あげている。一つ目は国内資本の動員で、従来型銀行の利子を避けるため銀行口座を持たないムスリム個人が保有する資金をイスラム銀行が引き受けることで、経済の循環に位置づけられるようになる。同じく二つ目も宗教上の理由で融資を避けてきた中小企業がイスラム銀行からの融資を受け入れやすくなり、中小企業の振興に役立つ。三つ目は湾岸諸国からの投資の誘致強化で、制度の整備は投資に直結すると考えられる。そして四つ目は競争力の強化である。中央アジア諸国のうち、カザフスタンとキルギスはすでにイスラム銀行が操業、ロシアでも実験的な取り組みを行っている。地域競争で後れを取らないためにも、早い制度確立が必要だ。

イスラム銀行法の施行に合わせて税制も改正される。利益分配型預金の配当(従来型銀行の預金金利に相当)への課税免除や、売買取引を介在させる融資にかかわる付加価値税の二重課税防止が定められた。また、中央銀行に5名の専門家によるイスラム金融評議会の設置も決定した。イスラム銀行に関する法律の導入は、単なる象徴的なセレモニーではなく、実際に市場を形成・運用するための実務的なものであると、地元メディアは紹介している。

 

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。