東海岸鉄道の職員候補、中国職業校の課程修了

【柳州】 来年1月に部分開業予定ので働くため、中国の柳州鉄道職業技術学院で学んでいたマレーシア人66人が1年の課程を修了し、19日の卒業式に臨んだ。修了者を含め総勢259人が同学院で鉄道に関する知識・技術を学び、駅係員、電気技師、信号技師として働く。

卒業式に出席したアンソニー・ローク運輸相は「学習プログラムは国策の一環であり、マレーシア人が鉄道資産の運営で単なる参加者ではなく、指導者として活動するための育成だ」と語った。

第1期はクランタン州コタバル駅―ゴンバック駅間で、12月に完工の予定。2027年1月に営業を開始する。ポートクラン駅までの全線開通は2028年初頭の予定。マレー半島を横断する、全長665キロの巨大プロジェクトで、工事は中国交通建設が請け負った。
(ベルナマ通信、5月20日、ビジネス・トゥデー、ザ・スター電子版、5月21日)

大分県貿易協会、「大分フェア」に出品する県内事業者を募集

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 大分県貿易協会は「海外販路開拓挑戦事業」として、マレーシアなどで行われる「大分フェア」に出品する県内の小規模事業者を募集している。

事業は、中小企業庁「小規模事業者持続化補助金」を活用したもの。10―11月にマレーシアの日系百貨店やレストランで「大分フェア」の開催を予定しており、出品する商品を提案してもらう。同協会では、継続した商談や参画事業者のフォローアップを実施し、アジア市場への販路開拓につなげていきたいとしている。また、マレーシアへの渡航を希望する場合は旅費の補助もある。

締め切りは5月29日。問い合わせは同協会(info@oita-fta.jp)。

NTTデータとセカイマルシェ、生鮮ECに決済基盤導入で提携

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 NTTデータ(本社・東京都江東区)は21日、東南アジアで生鮮食品の産地直売EC(電子商取引)を展開するセカイマルシェ(本社・東京都千代田区)との業務提携を発表した。

提携を通じ、セカイマルシェのECプラットフォームに、NTTデータの請求・入金・回収管理ソリューションサービス「ADAPTIS Receivables」を統合させる。セカイマルシェは2020年からマレーシアを中心に産直ECの取り組みを進めているが、ホテル・レストラン・ケータリング(HORECA)業界では、仕入・請求・決済に関する業務が依然として手作業が中心という。また仕入れの大半を担う小規模農家にとっても負担が大きかったことから、双方の業務効率化や経営管理改善につなげる。

7月のサービス開始を予定しており、マレーシアの生鮮食品などの生産者約400社と、HORECA事業者約2,400社が対象になる。

また提携に合わせ、セカイマルシェはNTTグループのコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)2社から追加資金調達を受けた。2社は、NTTドコモ・ベンチャーズと、シンガポールを拠点に昨年12月に設立されたシネクシア・ベンチャーズで、調達額は非公表。両社は今後も中長期的にセカイマルシェの成長を支援していく方針

【従業員の勤労意欲を高めるために】第924回:パンデミックに強い社会をつくる条件――教育だけでは足りない「電力インフラ」の役割

第924回:パンデミックに強い社会をつくる条件――教育だけでは足りない「電力インフラ」の役割

前回は、電力が人間の発展に直接寄与している可能性についてでした。今回は、電力とパンデミックの関係についてです。

コロナ禍では、国によって死亡率に大きな違いが生じました。その差は、ロックダウンなどの短期的な政策だけでは十分に説明できません。では、危機に強い社会をつくる条件とは何でしょうか。拙稿では、世界142カ国のデータを用いて、コロナ前の「電力アクセス」と「人的資本」、すなわち教育水準が、2020~2021年のCOVID-19死亡率とどのように関係していたのかを分析しました。

分析で注目したのは、教育とインフラが単純に足し算で効くのではなく、互いに補い合う関係にあるのではないか、という点です。教育水準が高ければ、人々は公衆衛生情報を理解し、行動を変えやすくなります。しかし、それを実際の感染対策に結びつけるには、病院、ワクチン保管、通信、遠隔勤務などを支える電力インフラが必要です。

結果として、一つの境界線が見つかりました。電力アクセスが約96%に達していない国では、教育水準の高さは必ずしも死亡率の低下につながっていませんでした。むしろ、教育によって経済活動や移動、人との接触が増える一方で、医療や情報伝達の基盤が十分でないため、脆弱性が高まる可能性が示されました。

一方、インフラが十分整った国では、「教育を受けた人が適切に行動できる環境」がすでに社会の中にできています。そのため、教育そのものより、社会全体の仕組みとして感染症に対応できていた可能性があります。

この結果が示すのは、危機への強さは「教育かインフラか」ではなく、「教育を活かせるインフラがあるか」に左右されるということです。人材育成だけを進めても、基礎インフラが未整備であれば、その力は十分に発揮されません。パンデミック対策は、感染症が広がってから始まるものではありません。平時から、電力、医療、通信、教育を一体として整えることが、次の危機への備えになるのです。

これは海外拠点の経営にも共通します。優秀な人材を採用・育成するだけでは十分ではなく、停電や通信障害を含めたインフラリスクへの備え、デジタル化、緊急時の意思決定体制が整っていて初めて、人材の力が危機対応力へと変わります。

論文情報は以下。末尾のURLから全文をご覧いただけます。

Kokubun, K., Ino, Y., & Ishimura, K. (2026). Electrification, Human Capital, and Pandemic Mortality: Evidence from a Global Threshold Analysis. Pandemics, 1(1), 2.
https://doi.org/10.3390/pandemics1010002

 

國分圭介(こくぶん・けいすけ)
京都大学経営管理大学院特定准教授、機械振興協会経済研究所特任フェロー、東京大学博士(農学)、専門社会調査士。アジアで10年以上に亘って日系企業で働く現地従業員向けの意識調査を行った経験を活かし、組織のあり方についての研究に従事している。この記事のお問い合わせは、kokubun.keisuke.6x★kyoto-u.jp(★を@に変更ください)