所得税査定に対する不服申し立て、オンラインで可能に

【プトラジャヤ】 所得税額に関する不服申し立てにオンライン方式が加わった。内国歳入庁(IRB)の1日の発表によると、1967年所得税法に基づき査定税額に対する不服や不服申し立ての期間延長を求める際、納税者はIRBポータルサイトMyTaxを通じ電子的に行うことができる。

これまでの、手作業による文書を使っての手続きからの転換であり、納税者はIRB窓口に足を運ぶ必要がなく、いつ、どこからでも不服申し立てが可能になる。ただし、キャピタルゲイン税、源泉徴収税、捜査活動に基づく査定に対する不服には、オンライン方式は使えない。

不服申し立て、または期間延長申請がどのような状態にあるかを納税者は知ることができ、申し立てが認められたか、却下されたかもオンラインで通知される。

企業、協同組合、信託、有限責任事業組合(LLP)など組織の場合は、取締役や組織管理者を通じ申し立てを行う。
(サ・サン電子版、エッジ、マレー・メイル、6月1日)

SNS利用に年齢確認を義務化、児童らのオンラインリスク軽減

【クアラルンプール】 ソーシャルメディア(SNS)事業者に対し、公的書類による利用者の年齢確認が6月1日から義務づけられた。1月に施行された「オンライン安全法2025」(ONSA)に基づくもので、16歳未満の子どものSNS利用が禁止される。

6月1日に施行されたのは、児童保護規約(CPC)とリスク軽減規約(RMC)。ONSA施行を受け、マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)が2月以降、業界関係者や市民社会団体などとの協議を経て策定した。16歳未満の登録禁止に加え、ポルノコンテンツ、金融詐欺などの有害コンテンツによるリスク軽減も目的としている。対象は、フェイスブックやインスタグラム、X、ティックトック、ユーチューブなどで、年齢確認などの義務を怠ったサービスプロバイダーは、最大1,000万リンギの罰金を含む制裁措置を受ける可能性がある。

今後、SNSのアカウント登録時にMyKad、パスポート、MyデジタルIDなどを通じた年齢確認が求められるほか、既存ユーザーに対しても6カ月かけて段階的な確認実施が予定されている。また16歳未満と特定された既存ユーザーは、アカウント停止などの措置が講じられる前に、写真や動画などのデータを保存するため1カ月の猶予期間が与えられるという。
(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、エッジ、6月1日)

ジョホール州議会が解散、60日以内に選挙へ

【ジョホールバル】 ジョホール州のオン・ハフィズ・ガジ州首相は1日、同州議会を解散したことを明らかにした。同州のトゥンク・イスマイル摂政の同意を得て実施したもので、これにより60日以内に州議会選挙が行われることになる。選挙委員会(EC)が近く選挙日程を決定する。

本来の任期満了は2027年4月21日だったが、約10カ月前倒しで選挙が行われることとなる。ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)などのインフラ計画の進展もあって国民戦線(BN)率いるオン・ハフィズ州首相は高い支持を得ており、前倒し実施で現職効果を最大化する狙いがあるとみられる。

2022年の前回州議会選挙では、統一マレー国民組織(UMNO)が中核となっている政党連合、国民戦線(BN)が56議席中40議席を獲得し、州議会で憲法改正が可能な3分の2の絶体多数を確保した。アンワル・イブラヒム首相率いる与党連合・希望同盟(PH)は12議席、野党連合・国民同盟(PN)とマレーシア統一民主同盟(MUDA)はそれぞれ3議席と1議席を獲得した。
(ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、6月1日)

【イスラム金融の基礎知識】第593回 東南アジアのイスラム金融市場、1兆米ドル超え

第593回 東南アジアのイスラム金融市場、1兆米ドル超え

Q: 東南アジアの2026年第1四半期のイスラム金融市場の状況は?

A: 世界的な金融格付機関であるフィッチ・レーティングスが5月に発表したレポートによると、東南アジアのイスラム金融市場は26年第1四半期に1兆米ドルを超えた。

フィッチ・レーティングスが明らかにしたところによると、東南アジアのイスラム金融市場はマレーシア、インドネシア、ブルネイの3カ国が牽引している。これらの国々は、①ムスリム人口が多い、②政府が積極的にイスラム金融産業を振興している、③ハラル食品やムスリム向け観光などハラル経済が成長している、④デジタル化が進んでいる、などの理由で市場の成長に繋がっているとしている。

市場の構成のうち、イスラム銀行の総資産が過半数を占める一方、スクークが41%でこれに続く。他にはイスラム式で運用されているファンドが8%、タカフル保険会社の資産が2%などとなっている。スクークに着目すると、世界全体のスクークのほぼ半数が、東南アジアで起債された。国別にみるとマレーシアが世界1位、インドネシアが3位であり、両国とも現地通貨建てで起債されている。これらは、過去4年間で債務不履行が発生した例はないとしている。ただ4月以降、ヒッチ・レーティングスはインドネシア自体の評価を下げたため、これに応じて評価を下げたスクークもあるとしている。

他の東南アジア諸国の動向をみてみると、国によって発展の段階が不均衡な状況にあるとみなしている。シンガポールは、米ドル建てスクークの上場先としては世界で6番目に大きい市場になっている。フィリピンは、25年末時点でイスラム銀行資産は4,400万米ドルにとどまっているが、23年に10億米ドルのスクーク発行の経験があり、またタカフル保険事業者が5社存在するなど、着実に成長しているとみている。

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。