【コタ・ティンギ】 マレーシアでは6月から、いじめ対策を強化する新法「いじめ防止法」が施行され、紛争解決機関「いじめ裁判所」が発足した。政府は「世界初」と位置づけており、アザリナ・オスマン首相府相(法務・制度改革担当)は27日、「いじめに対して断固とした措置を取る」と改めて強調した。
16日に施行された「いじめ防止法」は、18歳以下が対象。学校などの教育機関に対し、いじめ防止方針の策定、相談窓口の設置、調査・対応体制の整備、カウンセリングなどを義務付けた。
また「いじめ裁判所」は、オンラインを中心として全国をカバーする準司法機関となる。学校の対応に不服がある場合など、被害者や保護者が直接申し立てでき、原則として60日以内の解決を目指す。最大25万リンギの損害賠償や謝罪、ネット上の投稿削除、カウンセリング受講などを命じることができる。原告に費用はかからない。
27日にはジョホール州でいじめ防止啓発プログラムが開催され、アザリナ氏が出席。いじめ防止は、被害者だけでなく、加害者自身も困難な環境に苦しんでいる可能性があることに着目したアプローチが大切と指摘。「いじめを絶対に許さない姿勢と、公平性のバランスが重要」と述べた。
マレーシア国内では昨年7月、サバ州の学校内でいじめが背景とみられる事案が発生したのを機に社会問題化。報告件数は年間1万4,000件を超えているという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、6月27日)
