大型開発「KL360@メナラGD」が着工、中断案件を再生へ

【クアラルンプール】 クアラルンプール(KL)中心部における複合開発プロジェクト「KL360@メナラGD」の起工式が6日、行われた。10年近く工事が中断していた開発計画が再始動するもので、総開発価値(GDV)13億7,000万リンギと見込まれている。

対象用地は、ジャラン・トゥン・ラザク沿いのMRT(大量高速輸送)ラジャ・ウダ駅隣接地。もともと「M101スカイホイール」として計画され、52階に観覧車を設置した78階建てのツインタワーとなる予定だった。1,511戸の住戸を備え、総開発価値は15億リンギと見込まれていた。開発会社M101ホールディングスが2017年に着工したが、新型コロナ禍による建設遅延や資金難などの影響で、2022―2023年にかけて工事が中断。337人が売買契約(SPA)を締結済みで、契約総額は3億600万リンギ超となっていた。

今回、ネグリ・センビラン州に拠点を置く不動産開発会社GDプロパティーズが開発を引き継ぎ、計画を見直した。新たな開発計画は61階建てで、サービスアパートメント785戸、オフィススイート221室、商業施設20区画に加え、ウェルネス施設などを整備する。中国建築集団のマレーシア法人、チャイナ・ステート・コンストラクション・エンジニアリング(M)(CSCEC)が建設を担当し、2030年の完成を目指している。

マレーシア国内では、同様の放棄開発が社会問題化しており、住宅・地方行政省は2030年までにゼロにするという目標を掲げている。2023年以降、全国で1,576件以上のプロジェクトが再始動され、総開発価値1,482億1,000万リンギ相当の再生に成功したという。
(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、ザ・スター、6月6日)

マラッカ州選挙、ジョホール州とNセンビラン州の選挙後に実施か

【アローガジャ】 州議会が今年12月30日に任期満了を迎えるマラッカ州のアブドル・ラウフ・ユソー首相は、解散・選挙をジョホール州とネグリ・センビラン州の州議会選挙終了後に行う可能性が高いと述べた。ジョホール州議会は今月1日、ネグリ・センビラン州議会は同5日に解散しており、60日内に選挙が実施される。

アブドル・ラウフ氏は、マラッカ州では急いで州議会を解散する必要はないとした上で、「我々(国民戦線=BN)は両州に追随して解散することはせず、両州の選挙を支援するために党組織を投入する」と言明。「マラッカ州議会解散の時期を決定する前に、両州の選挙の結果を精査する」と述べた。

2021年のマラッカ州議会選挙では、BNが21議席を獲得して州政府を樹立し、希望同盟(PH)は5議席、野党連合・国民同盟(PN)は2議席を獲得した。
(ザ・スター電子版、マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、6月6日)

ショッピングモールへのリサイクル施設設置、6月から義務化

【プトラジャヤ】 ショッピングモールへのリサイクル施設(FPS)の設置が今月から段階的に義務化される。住宅・地方行政省が6日、発表した。

同省によると、FPSの義務化は循環型経済への移行を加速させるための政府の戦略的な取り組みの一環。5日の閣議で合意された。地方自治体は、義務要件を満たさないショッピングセンターに対し、営業許可の保留または取り消しなどの措置を講じることができる。

ただし実際には段階的に導入される。統一的なガイドラインを策定すると同時に、ショッピングモール運営者を対象とした啓発活動や意識向上プログラムを展開。その後、選定された地方自治体で先行パイロット事業を行い、制度の有効性や運用方法を検証したうえで、全国に拡大していく。

国内では1日当たり約3万9,000トンの固形廃棄物が排出されており、政府はリサイクル率向上に向けた取り組みを強化している。
(ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、6月6日)

【総点検・マレーシア経済】第548回:プロドゥア、ハイブリッド車を現地組み立てへ

第548回:プロドゥア、ハイブリッド車を現地組み立てへ

マレーシアの自動車市場でEVの存在感が急速に増しています。2025年のバッテリーEV(BEV)車の販売台数は30,848台と前年から倍増しました。もっとも、自動車販売全体に占める比率は約4%で、タイの20%、インドネシアの15%と比較すると低い水準に留まっていました。

しかし、2026年に入ってその勢いはさらに増しています。4月のBEV販売(登録)台数は5,894台、前年同月比104%増と、文字通り倍々ゲームで伸びています。自動車販売全体に占めるシェアは7%台に達しました。

その立役者がプロトンです。コンパクトハッチバックEV のe.MAS 5の売れ行きが好調で、3月にはBEVとしてマレーシアの月間車種別販売ランキングで初の5位入りを果たし、4月も1,772台を販売して、1〜4月の販売で7位の座を維持しています(表1)。

これに対して、EV市場で苦戦しているのがプロドゥアです。2022年8月にAtiva Hybridの限定的なモニタリングを開始したものの、その後の動きは鈍く、EVに関する大きなアナウンスがあったのは2025年12月、純国産BEV「QV-E」の発売でした。QV-Eはバッテリーを月額RM300程度のサブスクリプションとすることで本体価格をRM80,000に抑えたのが特徴で、ダイハツではなくプロドゥア主導でオーストラリア企業と共同開発したものでした。

ところが問題が生じます。2026年第3四半期に月産3,000台を目指していましたが、実際には4月までの累計販売台数はわずか102台、月間では4月の52台が最高という惨状となりました。背景には生産上の問題があります。2月にザイナル・アビディンCEOが、主に中国の部品サプライヤーが品質基準を満たしていないことを原因として挙げています。

プロドゥアの自動車販売自体は現在も好調で、1〜4月の車種別販売のトップはBezzaの32,386台、3・4・5位にもそれぞれAxia/Myvi/Alzaとおなじみの車種が並んでいます。しかし、プロトンも2位にSaga、6位にSUVのX50、7位にe.MAS、8位にセダンのS70が入っています。ホルムズ海峡危機で燃料補助金の先行きが危ぶまれる中、EV市場での空白はプロドゥアにとって大きな問題になりつつありました。

2026年5月14日、四方敬之マレーシア大使がラワンの工場を訪問した際、ザイナル・アビディンCEOがAtiva Hybridのマレーシア市場への投入を認めました。日本の経済産業省のグローバルサウス補助金を活用して工場を改修し、マレーシアでの生産が行われます。

Ativa Hybridはダイハツ・ロッキーのハイブリッド版で、ガソリンエンジン版は1〜4月にも6,514台を売り上げて12位に入っています。Ativa Hybridはダイハツのシリーズ・ハイブリッド技術を採用しており、街乗り中心のBEVであるe.MAS 5に対して、街乗りでの低燃費と長距離巡航をバランスよくカバーできる点が強みです。

一方、ダイハツの5月14日付プレスリリースでは、Ativa Hybridの現地生産について、ダイハツ独自のハイブリッド技術の生産・販売・顧客ニーズに関する「実証事業」という表現にとどまっています。

いずれにせよ、Ativa Hybridがどのように受け入れられるかは、来年にも予想される「国民車」Myviのフルモデルチェンジの試金石となりそうです。

 

熊谷 聡(くまがい さとる) Malaysian Institute of Economic Research客員研究員/日本貿易振興機構・アジア経済研究所主任調査研究員。専門はマレーシア経済/国際経済学。 【この記事のお問い合わせは】E-mail:satoru_kumagai★ide.go.jp(★を@に変更ください) アジア経済研究所 URL: http://www.ide.go.jp