住友ゴム、ダンロップ販売で豊田通商グループ会社を独占代理店に

【クアラルンプール】 タイヤブランド「ダンロップ」を展開する住友ゴム工業(本社・神戸市中央区)は、豊田通商グループのトヨツー・ビンター・マレーシア(TBM)を独占販売代理店に任命。新体制のもと、販売を強化していく方針だ。

新体制は、住友ゴムが昨年、マレーシアなどで「ダンロップ」ブランドの独占使用権を取得したことに基づくもの。TBMは現在、マレーシア半島を中心に190社以上の正規卸売業者、取引パートナーと提携している。今後2年間で専門小売店の導入など、販売網の拡大を進める計画だ。

また、電気自動車(EV)対応の製品ラインナップの拡充に加え、自動車メーカー向け純正(OE)タイヤ事業でも強化を図る。ダンロップは現在、トヨタ、レクサス、いすゞ、マツダ、リープモーターなどの車種でOEに採用されている。

TBMのマーカス・リム社長は「マレーシアにおけるダンロップの新たな章の始まりで、最新のグローバルタイヤ技術を提供することに注力していく」と述べた。また住友ゴム工業のASEAN統括責任者、浅井岳彦氏は「今回の連携を通じた強固な基盤をもとに、マレーシアおよび東南アジア全域におけるモビリティニーズに対応する製品を継続的に投入していく」としている。
(オートバズ、5月21日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、5月1日)

四駆とピックアップ車のディーゼル補助金、全国陸運に対象拡大へ

【クンダサン】 連邦政府は6月1日付けで、補助金付きディーゼル燃料規制制度(SDCS)に基づくディーゼル補助金の対象を全国の陸運セクターで使用される四輪駆動車及びピックアップトラックに拡大する。アルミザン・モハマド・アリ国内取引物価相が明らかにした。20日に開催された閣議で承認されたという。

これらの車両への補助金はこれまで、パハン州キャメロン・ハイランド地区に限定されていた。個人名義で登録されている四輪駆動車・ピックアップトラックについても、法人への所有権移転が承認されることを条件にディーゼル補助金の恩恵を受けられるよう制度を拡充する。

アルミザン氏は「陸上貨物輸送に従事する個人事業者は、マレーシア会社委員会(SSM)、マレーシア協同組合委員会(SKM)、またはサバ・サラワク両州の州法に基づく関係当局に対して、法人または事業者として登録することが必要。また申請者は道路交通局(JPJ)を通じて車両の所有権を個人から法人へ移転するなど、その他の資格要件を満たす必要がある」と述べた。

アルミザン氏はまた、政府は補助金の不正流用や車両カードの悪用を抑制するための規制・執行メカニズムを強化する取り組みの一環として、陸上貨物輸送セクターにおける固定割当量の上限を見直すことに合意したことを明らかにした。
(ベルナマ通信、ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、5月23日)

オンライン有害コンテンツから児童保護、マルチメディア委が規則

【ペタリンジャヤ】 児童ら脆弱なインターネット利用者を有害コンテンツから守ることを目的としたオンライン安全法に基づく監督上の枠組みとして、マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は22日、児童保護規定とリスク軽減規定を発表した。施行は6月1日だが、オンラインサービス提供者に一定の猶予期間を与える。

MCMCによれば、児童詐取などに対する懸念が高まるなか、より安全で責任あるデジタル・エコシステムを構築するためで、児童保護規定ではサービス提供者はプラットフォーム、サービスに安全確保のためのシステムを組み込まなければならず、16歳未満によるアカウント開設・保有を制限しなければならない。詐取的内容などに児童がさらされないよう管理することも求められる。

リスク軽減規定では、広告主検証、合成コンテンツへの標識付けなど、オンライン上の危険性を積極的に見つけ出し、減らすことをサービス提供者に求める。
(ザ・サン電子版、バイブズ・ドットコム、5月22日)

【総点検・マレーシア経済】第547回:マレーシアの2026年第1四半期のGDP成長率、5.4%は順調か

第547回:マレーシアの2026年第1四半期のGDP成長率、5.4%は順調か

5月15日、マレーシアの2026年第1四半期のGDP成長率が前年同月比5.4%と発表されました。2025年第4四半期の6.2%からは減速しましたが、政府予測が通年で4.0%〜5.0%であることを考えれば、それを上回る順調なスタートに見えます。

ただ、需要項目別の伸び率をみると、減速傾向がはっきりと見られます。伸び率を前四半期と比較すると、民間消費(5.6%→4.7%)、民間投資(9.2%→7.8%)、政府投資(9.5%→5.3%)、政府消費(6.6%→4.1%)とすべての項目が鈍化傾向にあります。

唯一改善したのが純輸出(輸出−輸入)の項目で、前四半期の32.9%減から13.5%増へと大きく改善しています。ただし、これは景気の減速局面でよく見られるパターンで、輸出の伸びというよりも輸入の減少によって純輸出が改善します。さらに、2月、3月と原油の輸入が前年同月比で60%以上減少していることも関係していると考えられます。

月次のGDP成長率を見ると、減速傾向がよりはっきりします。2025年のマレーシアの月次の成長率はトランプ関税に影響されました。2025年3月の高い伸びはトランプ関税前の駆け込み輸出の影響とみられます。2025年後半はAIブームもあってマレーシア経済は好調で、2025年12月にはそれに半導体関連の関税導入前の駆け込み輸出が重なり、7.1%という高い成長率を記録しました。

しかし、ここをピークとして、2026年は1月(6.8%)、2月(5.2%)、3月(4.1%)と急減速していることが分かります。3月については、2025年の高い伸び率の3月の水準がベースとなるため、その影響でやや下振れしている可能性があります。それにしても、1月→3月で2.7%ポイントも減速しており、これからホルムズ海峡危機の影響が顕在化し始めることを考えると、四半期ベースの5.4%成長という数字ほど楽観できる状況ではないことが分かります。

5月8日、バンク・ネガラのアブドゥル・ラシード総裁は2026年の4.0-5.0%の成長率予測には、「西アジアの紛争によるエネルギー価格高騰やサプライチェーンの混乱などが考慮されている」と述べています。ただ、どこまでの混乱が想定されているかは不明です。

筆者は、もし世界的にホルムズ海峡危機を主因とした原材料のサプライチェーンが大きく混乱した場合、マレーシアの2026年の経済成長率は3%台半ばまで下落することはありうると考えています。一方で、AI関連の半導体の輸出は絶好調で、どちらの影響が大きくなるかによって、マレーシアの2026年の経済は左右されることになります。

熊谷 聡(くまがい さとる) Malaysian Institute of Economic Research客員研究員/日本貿易振興機構・アジア経済研究所主任調査研究員。専門はマレーシア経済/国際経済学。 【この記事のお問い合わせは】E-mail:satoru_kumagai★ide.go.jp(★を@に変更ください) アジア経済研究所 URL: http://www.ide.go.jp