暑く乾燥した天候は4月上旬には落ち着く=気象局

【クアラルンプール】 マレーシア全域で現在観測されている暑く乾燥した天候は、4月上旬には落ち着くと予想されている。

マレーシア気象局のムハンマド・ヘルミ・アブドラ局長は、昨年11月11日より始まった北東モンスーン期が終わり、3月29日から5月まではモンスーン移行期になると説明。高温で乾燥した天候はあと1週間程度続くと予想されるが、モンスーン移行期に降雨が増えれば、現在の高温も緩和されると述べた。

一方、モンスーン移行期には、大気の状態が不安定となり、大雨や強風、雷雨が発生しやすくなるとし、特にマレー半島西部や内陸部、サバ州西部、サラワク州中部・南部などの地域で、夕方から夜の早い時間帯に大雨や強風が発生することが多く、洪水や倒木、強度のない建造物の損壊などの被害を引き起こす可能性があるとした。

ムハンマド局長は、気象局の公式サイトやアプリ、ソーシャルメディアで発信する天気予報や警報などのほか、ホットラインに問い合わせるなど、常に気象の最新情報を確認して欲しいと国民に呼びかけた。
(ザ・サン電子版、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、3月25日)

リザーバーリンク、ケダ州での太陽光発電で住商などとJV設立へ

【クアラルンプール】 石油・ガス関連サービスのリザーバー・リンク・エナジーは25日、ケダ州での太陽光発電に向け、合弁会社(JV)を設立すると発表した。

リザーバー・リンクがブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、同社は20日付けで100%子会社であるリザーバー・リンク・リニューワブル(RLR)を通じ、住友商事、太陽光発電のMAQOエンジニアリング(MESB)、同SRMウタマ・セランバウ(SUS)との間で株主間契約を締結した。JVには住友商事が49%、RLRが29%、MESBが22%を出資する。

RLRと住友商事、MESBから構成される企業連合体が2023年8月に再生可能エネルギーの販売枠を規定する、環境天然資源気候変動省の「コーポレート・グリーン・パワー・プログラム(CGPP)」で、太陽光発電事業者として選ばれており、販売枠として約30メガワット(MW)が割り当てられている。
(ザ・スター電子版、エッジ、3月25日)

三洋化成が高吸水性樹脂事業から撤退、マレーシア子会社を解散へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 三洋化成(本社・京都府京都市)は25日、高吸水性樹脂(SAP)事業から撤退すると発表。これに関連してマレーシア子会社のSDPグローバル(マレーシア)(SDPM)などを解散すると明らかにした。

2023年度より始動した「新中期経営計画2025」における構造改革の一環で、SAP製造販売を手掛けるSDPMは3月末で生産を停止し、2024年度中に解散する。SDPMは三洋化成が全額出資する、SDPグローバル(本社・東京都港区)の完全子会社で、2018年にジョホール州パシル・グダンに設立された。

三洋化成は、世界的な紙おむつの普及に伴いSAP事業を拡大してきたが、近年ではアジアにおける紙おむつ市場の拡大に伴い、新規参入が相次いだことにより供給過剰の状況が鮮明となり、市場の競争環境が厳しくなっていた。新規参入メーカーのSAP製造技術レベルが向上してきたことにより、品質による差別化を訴求することが困難な汎用製品となったことで、同社SAP事業の収益性が急速に悪化し、2024年3月期の営業利益は約18億円の赤字見込みとなっている。

GMO、マレーシア企業の端末レス決済アプリを日本で提供

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 GMOインターネットグループで対面キャッシュレス決済プラットフォームを展開するGMOフィナンシャルゲート(本社・東京都渋谷区)は25日、アジアで決済ソリューションを提供するマレーシアのフィンテック企業ソフトスペースと提携し、3月より日本国内で端末レス決済アプリ「ステラタップ」の提供支援を開始したと発表した。

ソフトスペースが開発した「ステラタップ」は、専用決済端末を導入する必要なく、アンドロイドのスマートフォンにダウンロードするだけでタッチ決済の取り扱いが可能となるソリューションで、中小企業の利用を想定している。市販端末や外付け端末のセキュリティ基準を定めた最新規格であるPCI MPoC規格認定も取得した。

ソフトスペースは、世界初のPCI MPoC認定ソリューション・プロバイダーで、今回はその技術を日本で初めて活用することになる。GMOフィナンシャルゲートが日本国内での決済センター事業およびアプリ配信を担当する。

GMOフィナンシャルゲートは、これまで端末導入に障壁のあった個人事業主や決済端末の持ち運びが難しい移動販売のシーンにおいても「ステラタップ」は導入しやすいため、運送業者、注文タブレット、移動販売など、様々な活用に向けてサービスを展開する予定だ。

2023年の電子決済取引件数、23.7%増の115億件

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は、2023年の電子決済取引件数は前年比23.7%増の115億件に達したと発表した。

BNMは20日に発表した「2023年版経済・金融レビュー」の中で、2023年の一人あたりの取引数は前年比20.4%増の343件、カードや電子マネー、金融プロセス・エクスチェンジ(FPX)による銀行口座引き落としなどの小売決済総額は17%増の5,920億リンギに達したとし、電子決済普及に向けた官民一体の活動が功を奏したと述べた。BNMも決済サービスの安定性や社会的信用の維持に向け、決済インフラや規制・監督体制の強化などの取り組みを行っているとし、「2026年までに国民一人あたりの電子決済取引の年成長率を15%以上にする」という金融部門青写真の目標は達成できる見込みだと述べた。

(ザ・サン電子版、ザ・スター電子版、マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、3月20日、バンクネガ発表資料)

チャーター便のベルジャヤ・エア、シンガポールーレダン線に就航

【レダン島】 チャーター便運航のベルジャヤ系ベルジャヤ・エアが22日、シンガポールのセレター空港から初めてレダン島に乗り入れた。ベルジャヤ・ホテルズ・アンド・リゾート(BHR)が経営するターラス・ビーチ・アンド・スパ・リゾートが提供しているパックツアーによる運航だ。

ベルジャヤ・エアはセランゴール州スバン(スルタン・アブドル・アジズ・シャー)空港とレダン島間でチャーター便を運航しているが、シンガポールの潜在性に目を付けた。シンガポールからリゾート島への旅行はモルディブ諸島やモーリシャスが一般的だが、距離的に遠く、シンガポールから1時間20分で行ける点を強みに需要を掘り起こす。レダン島はトレンガヌ州北部沖の南シナ海にある。

ベルジャヤ・エアはチャーター便運航先を、ランカウイ島やペナン島のBHR運営リゾート、さらにはタイのサムイ島まで拡大する意向だ。

航空機メーカーの仏伊ATRに標準70席のターボプロップ双発旅客機「ATR 72-600」を2機注文しており、富裕層向けチャーター便の運航に利用する。2025年と26年に引き渡しを受ける。現在保有しているのは42席と70席の機材それぞれ1機。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月25日)

マレーシア航空、マーレ、ダナン、チェンマイ線を就航

【クアラルンプール】 マレーシア航空は22日、国際旅行博覧会「MATTAフェア」のイベントで、モルディブのマーレ(MLE)、ベトナムのダナン(DAD)、タイのチェンマイ(CNX)への直行便を新規就航すると発表した。3月22日付けで予約受付を開始する。

使用機材はいずれもボーイング「737-800」型機。MLEへは8月1日よりデイリー運航、DADへは9月24日よりデイリー運航、CNXへは8月15日より週5便の運航を開始する。これによりマレーシア航空は南アジアで13都市、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域で16都市へ運航することとなる。

マレーシア航空は同イベントで、英サッカーチーム「マンチェスター・ユナイテッド」との間で提携契約を締結し、公式民間航空会社として指定されたということも発表。エアバス「A330neo」型機のビジネスクラスおよびエコノミークラスのシートお披露目会も行った。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、3月22日、マレーシア航空発表資料)

イオンクレジット、能登半島地震の被災者に50万リンギを寄付

【クアラルンプール】 消費者向け総合金融サービスのイオンクレジットサービス(マレーシア)は、イオン・カンパニー(M)(イオンマレーシア)およびマレーシアイオン財団と共同で、1月1日に発生したマグニチュード7.6の能登半島地震の被災者支援として50万リンギの寄付を行った。

イオンクレジットとイオンマレーシアがそれぞれ17万5,000リンギを拠出。マレーシアイオン財団が2024年1月に実施した寄付金募集で集まった15万リンギを加えて総額50万リンギとなった。クアラルンプールの在マレーシア日本大使館で模擬小切手授与式が行われ、髙橋克彦大使が受領した。

イオンマレーシアは石川県出身者らが中心となった能登半島地震の被災者支援にも協力しており、イオン・タマンマルリ店で3月23、24、30、31日の4日間、募金活動が行われている。


(ビジネス・トゥデー、3月22日)

経理AIのファーストアカウンティング、電子請求書導入支援に参画

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 経理AI(人工知能)のファーストアカウンティング(本社・東京都港区)は22日、ブリッジインターナショナル(本社・東京都世田谷区)のマレーシア現地法人である、総合マーケティング企業ブリッジインターナショナルアジアが設立予定の「e-Invoicingワーキンググループ」に対し、スポンサーとして参画することを決定したと発表した。

「e-Invoicingワーキンググループ」は、マレーシアで8月から導入される電子請求書制度(e-Invoice)への対応について、マレーシアに進出している日系企業を対象に総合的にサポートするもので、4月17日付けでの設立を予定している。

ファーストアカウンティングの森啓太郎代表取締役社長は、「e-Invoicingワーキンググループ」では約1年にわたり、マレーシア内国歳入庁(IRB)および関連組織から発表される情報に基づいた情報共有を継続的に行うとし、マレーシアにおける日系企業が電子請求書制度に対応できるよう有益な情報を提供していくと述べた。海外での電子請求書対応における生の声に触れることで、学べることも多いとしている。

シネコンのGSCが3月中に3館を閉鎖、競争激化で

【クアラルンプール】 シネコン大手のゴールデン・スクリーン・シネマ(GSC)が3月中に3店舗の営業を終了すると発表し、ネットユーザーの間で波紋を広げている。

7日にセランゴール州のショッピングモール「3ダマンサラ」内店舗を17日付けで営業終了するとした後、20日にも同州「クラン・パレード・モール」、ジョホール州コタティンギの「ヘリテージ・モール」内店舗を31日付けで営業終了すると発表した。インスタグラムなどでは短期間での多店舗閉鎖について不安の声が上がっている。

英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」によると、GSCは年内にさらに店舗を閉鎖する見通しだ。同紙は業界関係者の話として、ネットフリックスやアマゾン・プライムビデオ、ディズニープラスなどといったオンライン・ストリーミングとの競争激化が閉鎖の理由だと報じた。新型コロナウイルスの感染拡大が、自宅で視聴できるストリーミング・サービス利用拡大につながったという。

映画館でも独占公開作品の確保や鑑賞体験の充実に向けた様々な取り組みを行っているが、チケット価格の高騰などにより顧客を呼び戻すには至っていない。同紙はGSCに問い合わせを行ったが、回答は得られていないという。
(ハイプ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、3月20日、GSC発表資料)