売上サービス税の適用拡大、自動車販売への影響は限定的

【クアラルンプール】 CIMBセキュリティーズは、7月施行の売上・サービス税(SST)の適用対象拡大の自動車販売への影響は限定的との見解を示した。自動車販売には既に10%の売上税が課せられており、整備・修理も8%のサービス税の対象だ。

ショールーム賃貸料の上昇といった間接的影響は考えられるが、影響はごくわずかだという。しかし下半期に予定されているレギュラーガソリン補助の合理化が消費者心理に影響する可能性はあり、通年の新車販売台数は昨年比7%減の76万台が予想されるという。マレーシア自動車協会は4.5%減の78万台を予想している。

CIMBは、燃料補助の合理化で電気自動車(EV)の販売に勢いがつくとみている。第1四半期のEVの販売台数は前年同期の2倍近い5,394台。EVにハイブリッド車を加えた同期のシェアは7.3%。輸入電気自動車に対する関税100%免税措置は今年末で期限を迎える。
(ベルナマ通信、エッジ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、6月20日)

エネルギー委、7月からの新電気料金体系を発表

【プトラジャヤ】 エネルギー委員会は20日、マレー半島部における今年7月1日から2027年12月までの第4次規制期間(RP4)の新たな電気料金体系を発表。電圧使用量に基づいて消費者区分を家庭用と非家庭用に分類したことなどで、電力消費量が1,000キロワット時(kWh)以下の家庭消費者は値上げの影響を受けないとしている。

今回、新たな消費者区分として、電圧使用量に基づいて低電圧、中電圧、高電圧の3分類が設定された。低電圧とは1,000kWh以下で、一般家庭や小規模商業などが該当する。

加えて家庭用と、200kWh以下の非家庭用には、省エネインセンティブ(EEI)が導入され、オフピーク時間帯に電気を利用すると、ピーク時に比べて電気料金を節約できる。オフピーク時間帯は、土日の終日、および月―金曜の10―14時に拡大された。

一方、基本料金は1キロワット時(kWh)あたり45.40センとなり、昨年12月の45.62センから引き下げられた。前期間のRP3の39.95センと比較すると、値上げではあるものの消費者区分の導入などで全体としては最大19%の削減になるという。

また従来は、基本料金に加え、燃料価格の変動に合わせて料金を調整する不均衡価格転嫁(ICPT)メカニズムにより、半年に1度料金が調整されてきたが、今後は新しい自動燃料調整(AFA)メカニズムを導入。AFAは市場燃料価格と為替レートに基づいて自動的に調整されるもので、今後は毎月見直されることになる。

そのほか、最貧困層世帯には毎月40リンギの補助金が提供される。また農業、水道、下水道、鉄道事業者向けには特定の料金が設定され、登録済みの高等教育機関、学校、福祉施設、礼拝所には10%の割引が適用される。

エネルギー委員会は、2,360万人以上の家庭ユーザーが、より公平で累進的な電気料金の恩恵を受けるとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、6月20日)

輸入果物等へのSST導入計画を見直しへ=副首相

【クアラルンプール】 アハマド・ザヒド副首相は、7月1日施行を予定しているリンゴやミカンなどの果物を含む特定の輸入品に対する売上・サービス税(SST)の導入について、業界関係者や消費者からの不安の声を受けて、一部品目を対象に再検討すると明らかにした。

提案されている5―10%のSST課税が消費者にとって大きな負担となる可能性があるためで、ザヒド氏は「我が国はリンゴやミカンを生産していない。SST課税は地元の果物産業を保護するためのものだが、すべての果物が国内で生産できるわけではないことを理解する必要がある」と言明。SST課税対象となっている特定の品目については見直しが行われるだろうとし、財務省と経済省がこの件について検討を行っていると理解していると述べた。

政府は6月9日、SST税率の見直しを発表。売上税については米、食用油、砂糖、牛乳、医薬品、書籍などの生活必需品を除外し、輸入果物やサーモンなどの非必需品を対象として、5%または10%の税率が課される予定になっている。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、ベルナマ通信、6月19日)

ペナンのチップデザイン学校、人的資源省が協力申し入れ

【ジョージタウン】 ペナン州が設立を計画しているチップデザインアカデミーに対し、人的資源省が技能訓練プログラム面で協力を申し入れている。半導体、ハイテク分野の人材育成を強力に推進する。スティーブン・シム大臣が19日、全国訓練週間(北部地域)開始式後の会見で明らかにした。

デザインアカデミーは先端技術センターとしてのペナン州の地位強化が狙いで、ICデザインの技術者を育成する。アカデミーは州が計画しているICデザイン・デジタル団地の中核組織になる。

シム氏は「省としてアカデミーに価値を付加したい。州における技能訓練をさらに優れたものにするために提携を希望している」と述べた。

シム氏は、社員の技能引き上げを行う企業に対する助成金計画も発表した。北部回廊実行庁(NCIA)との連携事業で、企業が高技術習得のための課程を採用、開発する場合、人的資源開発公社の助成金だけでなく、NCIAの助成金も利用できる。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、マレー・メイル、6月19日)

「米国との関税交渉は順調」アンワル首相が強調

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相(財務相兼任)は、米国の一方的関税導入に関するマレーシアと米国の協議は順調に進んでいると述べた。協議のために訪米中のザフルル・アブドル・アジズ投資貿易産業相とアミル・ハムザ・アジザン第2財務相から、19日早朝に前向きな進展について報告を受けたという。

アンワル首相は第38回アジア太平洋ラウンドテーブルの基調講演の中で、「米国商務長官との会談が”素晴らしい”成果を上げたとの連絡を受けた」と言明。国際貿易は一方的な経済政策や強制的な経済措置ではなく、透明性あるルールと法的予測可能性によって統治されるべきだと述べ、「貿易とサプライチェーンの混乱は、企業に悪影響を及ぼし、経済成長を阻害し、国民の社会経済的幸福の確保に向けた取り組みにさらなる悪影響を及ぼすだろう」と述べた。またマレーシアと地域はグローバルサプライチェーンに深く関わっているため、米国による一方的な関税賦課は大きな課題であると指摘した。

ザフルル氏は、7月8日に90日間の暫定関税停止が期限切れとなるのを前に、米国との相互関税に関する協議を開始するため、17日に米国に到着した。米国は今年4月にマレーシアからの特定輸出品については24%の関税を課すと宣言しており、ザフルル氏は交渉団の優先事項を市場アクセスの改善に関する交渉と、サプライチェーン関連の課題に充てて対応にあたっている。
(ザ・スター電子版、エッジ、ブルームバーグ、6月19日)

SST見直しで政府歳入が年100億リンギ増加=財務省

【クアラルンプール】 財務省のジョハン・マハムード・メリカン財務局次官は、7月1日に施行される売上・サービス税(SST)の対象拡大により、SSTの歳入総額は2025年下半期に50億リンギ、2026年には通年100億リンギ増加するとの予想を示した。

中央銀行バンク・ネガラ(BNM)主催のシンポジウムに出席したジョハン氏は、SSTの対象拡大について国の財政状況を強化し、社会開発支出の長期的な持続可能性を確保するための取り組みの一環だと説明。現金給付、医療、教育から基礎インフラの維持に至るまで、政府支出の需要は年々増加しているとし、「国民に過度の負担をかけることなく、歳入を強化しなければならない」と述べた。マレーシアの税収対国内総生産(GDP)比は現在12.5%と、地域で最も低い水準にあるという。

財務省の歳入予測はマレーシアの消費者物価指数(CPI)の構成を考慮したモデルに基づいており、SSTの導入によりインフレ率が0.25%に上昇すると予測している。見直し後は必需品に対する売上税率は現行の0%または5%に維持されるが、サーモン、輸入果物といった非必需品はより高い税率が課される。

一方、サービス税の対象範囲は、住宅等を除くレンタルまたはリースサービスや建設サービス、手数料ベースの金融サービス、外国人に対する民間医療サービス、伝統・補助薬、関連医療サービス、外国人に対する高等教育、私立幼稚園・小中学校などの民間教育サービスに拡大される。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、6月18日)

燃料補助金合理化は炭素税導入への一歩=第2財務相

【クアラルンプール】 アミル・ハムザ・アジザン第2財務相は、今年下半期に実施が予定されている「RON95」レギュラーガソリン補助金合理化が、2026年に導入予定の炭素税導入に向けた第一歩となるとの認識を示した。燃料補助金の見直し時期については、「適切な議論を行う」と述べるにとどめた。

「エナジー・アジア会議2025」のパネルディスカッションに出席したアミル・ハムザ氏は、補助金改革が「より安定した正確な市場構造」を確立するために不可欠であり、それによって炭素税のような政策手段を効果的に導入できるようになると強調。「昨年、ディーゼル価格を変動制に移行させた結果、消費者の行動に顕著かつ前向きな変化が見られた。マレーシアはもはや安価な燃料密輸の目的地ではない」と述べ、「今年はRON95を対象とする。これらの歪みが取り除かれれば、炭素税を導入するための適切な市場基盤が整うだろう」と強調した。

アミル・ハムザ氏は、炭素税が「財務的なシグナル」として機能し、企業が炭素排出量の多い活動からより環境に優しい選択肢へと移行するよう促すとした上で、マレーシアが掲げるネットゼロ排出目標の達成に向けた取り組みと合致すると強調。ただしこれには長年にわたる一括補助金によってエネルギー部門の価格シグナルが歪められてきた状況からの脱却、つまり「安定した経済基盤」が必要だと指摘した。
(マレーシアン・リザーブ、エッジ、6月17日)

脱炭素目標達成に向け原子力導入は不可欠=エネルギー副相

【クアラルンプール】 エネルギー移行・水利転換省(PETRA)のアクマル・ナスルアー副大臣は、既存のロードマップでは2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロの目標を達成するのは困難だとし、原子力発電の導入が不可欠との見方を示した。

「エナジー・アジア会議2025」のパネルディスカッション「マレーシアのエネルギー転換を推進する」に登壇したアクマル氏は、将来のエネルギー需要を満たすため、エネルギーの3つの要素(手頃な価格、持続可能性、安定供給)を再評価する必要があると言明。「石炭、石油、ガスの段階的削減を進める中で、化石燃料に代わる安定したベースロード電源を何で代替するのか。これは真剣に検討しなければならない問題だ」と問いかけた。

またアクマル氏は原子力エネルギーは再生可能エネルギーには分類されないものの、クリーンな発電源であると主張し、「原子力は再生可能エネルギーとは見なされないが、クリーンなエネルギー生産源の一つである。私見では原子力がなければ2050年までのネットゼロ目標達成は難しいだろう」と述べた。

その上でアクマル氏は政府と国民に対し、国家のカーボンニュートラル目標達成のために原子力発電を導入する現実的な側面を認識するよう促し、「我々には独自の計画があるが、政府が本格的に原子力に舵を切る際には、政府だけでなく国民もネットゼロ目標を達成するためには原子力エネルギーが不可欠であるという現実を受け入れる準備ができていることを願う」と述べた。

2023年に発表された国家エネルギー転換ロードマップ(NETR)では、2050年までにマレーシアのエネルギーミックスにおける再生可能エネルギー比率を70%とし、太陽光と水力が主要な貢献源、天然ガスが移行期の燃料として位置づけられている。
(ビジネス・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、6月17日)

「GST再導入は時期尚早」首相が貧困層に重荷との見解

【ルムット】 アンワル・イブラヒム首相は、現時点で物品・サービス税(GST)を再導入することは不適切であり、貧困層を含む全ての国民に負担を強いることになるとして、現時点で実施する考えのないことを改めて強調した。

アンワル首相は15日、ペラ州で開催された国民参加型イベントの閉会式で演説し、GSTは一律6%の広範な課税であることから、漁師や小規模農家、清掃員など所得の低い人々にも平等に課税される点を問題視。「GSTは効率的で単純な仕組みだが、失業者や貧困層にも6%の税が課されるのは公正とはいえない」としたうえで、野党がGSTの導入を主張していることについても、「経済状況が改善し、最低賃金が月額4,000リンギを超えるようになれば再検討の余地はあるが、今はその時期ではない」と述べた。

政府は現在、特定の商品に絞って課税する売上・サービス税(SST)制度を継続しており、特に高所得者層が消費する高級輸入品に焦点を当てている。アンワル首相は「地元産のバナナには課税しないが、アボカドやタラのような高価な輸入果物・魚介類には課税している」と説明。これにより得られる税収は、病院や学校、国防といった国民全体に恩恵をもたらすインフラ整備に充てられていると述べた。

さらにアンワル首相は、政府の税収は単に行政運営費に充てるだけでなく、国民生活の向上を目指した開発・福祉政策に活用していると強調。一方でSST制度には改善の余地があることも認め、「政府は国益の観点から、制度の見直しや強化について常に前向きだ」と述べた。
(ベルナマ通信、エッジ、マレーシアン・リザーブ、6月15日)

経済相のポートフォリオ、現職閣僚が兼任=アンワル首相

【クアラルンプール】 6月17日付で辞任するラフィジ・ラムリ経済相の後任人事について、アンワル・イブラヒム首相は閣外から新たに起用せず、現職閣僚のいずれかに兼任させる方針だと明らかにした。

アンワル首相は記者団に対して、「現時点で内閣改造の必要はないが、どの閣僚に兼務させるか決定する必要がある」と言明。また経済省が元々首相府経済企画局(EPU)の下にあった機能を独立させ省に格上げしてできた経緯から、「解散するのではないか」との憶測が浮上していることについては全面否定し、「内閣の決定権は私が握っており、こうした問題は発生しない」と述べた。

一方、アンワル首相は7月1日付で辞任予定のニック・ナズミ・アハマド天然資源・環境持続可能性相の後任については、最終決定は出ていないと言明。「私は常にニック・ナズミ氏に時間を与え、機会を与えている。可能であれば留任すべきだという私の見解を伝えてきた。」と述べ、留任の可能性が残されていると強調した。

ラフィジ氏とニック・ナズミ氏はそれぞれ、5月23日に行われた人民正義党(PKR)副党首選、党首補選で敗北し、辞表を提出していた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、6月16日)