速度リミッター装備していない大型車両、10月1日から運行停止

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は下院議会における答弁で、10月から段階的に導入される大型車両を対象とした速度リミッター(SLD)設置の義務化について、設置していない車両は車両検査で不合格となり、公道走行が禁止されると警告した。

ローク氏はSLDの導入は大型車両の速度を制御し、特にバスやトラックが関与する死亡事故のリスクを軽減するための重要なステップであると述べ、欧州諸国やシンガポールでは既にSLDの導入が義務化されていると強調。「業界関係者の中には追加コストなどを理由に抵抗する人がいることは承知しているが、道路の安全に関しては人命が優先されなければならない」と述べた。

SLD設置の義務化の対象となるのは、車両総重量(GVW)が3,500キログラム(kg)を超える貨物車とGVWが5,000kgを超え且つ定員8人超の乗用車。第1段階は今年10月1日、第2段階は2026年1月1日にそれぞれ開始され、SLDの動作確認が行われる。2026年7月1日に開始される第3段階では、まだSLDが搭載されていない商用車への後付け設置が義務づけられる。
(マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、7月29日)

贅沢税の導入を断念、財務省が正式発表

【クアラルンプール】 2023年度予算案演説で発表されたものの2年以上も実施されないままとなっている一部の高額商品を対象とした高額物品税(HVGT、いわゆる贅沢税)について、財務省(MOF)は導入を断念したことを正式に発表した。

下院議会におけるシャムシュルカハル・モハメド・デリ議員(ジェンポル選挙区)からの質問に書面で回答したもので、財務省は「HVGT導入は断念したものの対象となるはずだった品目は売上税制の適用範囲拡大に組み込まれており、贅沢品および裁量的商品には5%または10%の税率が適用される」と指摘した。

HVGTは、税収増の一環として2023年2月に就任直後のアンワル・イブラヒム首相が提出した2023年度修正予算の中で初めて発表されたもので、税率は5%から10%と見込まれ、年間7億リンギの歳入をもたらすと予測されていた。政府は当初、2024年5月1日の実施を目標としていたが、業界関係者、特に宝飾品業界からの強い反対に直面していた。

財務省はHVGT導入を棚上げする一方で、一連の新たな税制改革を通じて政府歳入の大幅な増加を見込んでいる。2024年3月1日に施行されたキャピタルゲイン税(CGT)は、非上場株式の取引量と取引額の現状に基づき年間約8億リンギの歳入を生み出すと予測されている。また2025年7月1日に施行された売上・サービス税(SST)の対象範囲拡大により、2025年には50億リンギ、2026年までに100億リンギの追加歳入が見込まれている。
(エッジ、7月29日)

SSTの建設サービスへの拡大、年内は違反者を罰せず

【クアラルンプール】 アハマド・マスラン副公共事業相は、7月に施行された売上・サービス税(SST)対象の建設資材やサービスへの拡大措置について、年内は新規則を遵守しない業者に対し罰金などの法的措置は取らないと言明した。

マスラン氏は28日の下院議会の質疑の中で、建設業界が改正税制に適応し円滑な移行を図るための十分な時間を確保するためだと説明。また住宅プロジェクトや礼拝所、公衆トイレ、レクリエーション公園といった公共施設に関わる建設サービスに対するSSTの免除など、SSTが建設業界に与える影響を緩和するための措置がいくつか講じられていると強調した。

マスラン氏によると、契約条件により価格改定が認められていない進行中のプロジェクトについては、政府は経過措置として1年間のSST免除を認める。また建設コストの急激な上昇を防ぐため、セメント、砂利、砂といった基本的な建設資材は売上税の課税対象から除外される。

特定の企業間取引(B2B)に関しては、特定のコンプライアンス規則が適用され、元請業者はSSTの対象となるが150万リンギ未満のプロジェクトに関わる下請業者は課税が免除されるという。マスラン氏は150万リンギ未満というSST課税の基準値について、建設業界が300万リンギに引き上げることを求めている件に言及。現時点で引き上げる計画はないと言明した。
(マレーシアン・リザーブ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、7月28日)

行政サービス代行のMyEG、外国人就労許可更新権を喪失

【クアラルンプール】 道路税納付、免許更新など行政サービスのオンライン提供を代行しているMyEGサービシズ(現社名ゼトリックスAI)は外国人労働者の就労許可更新権を失った。

ベスティネットが所有する「外国人労働者集中管理システム(FWCMS)」の使用権がなくなったためだ。公会計委員会が28日公表の報告で明らかにした。

内務省高官によれば、MyEGと政府との契約は2023年5月が期限だったが、財務省が契約延長に同意しMyEGのサービスが継続された。しかし延長は2年契約ではなく、1年プラス1年のオプションで、政府にはオプションを行使しない権限があるという。

同省のマフザン・マフユディン事務次官代理によれば、今年2月からデジタル査証の申請はFWCMSに一本化することも決定された。入管のシステムを利用した申請はできなくなる。
(エッジ、7月28日)

野党の反政府集会に1.8万人が参加、アンワル首相退陣求める

【クアラルンプール】 野党連合・国民同盟(PN)構成党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)青年部が主催したアンワル・イブラヒム首相退陣を求める大規模集会が26日、クアラルンプール(KL)市内のムルデカ広場で開催された。

主催者側は30万人を目指していたが警察発表によると参加者は1万8,000人だった。警察は3,000人を配して警戒したが大きな混乱はなく、集会は午後5時過ぎに終了した。

午前11時頃からマスジット・ネガラなど5カ所に野党支持者が集まり始め、ムルデカ広場に向けて行進を開始。政府が制定を目指している都市再開発法(URA)や売上・サービス税(SST)の対象拡大、改革の未実施など、政府に対するさまざまな不満を列挙した黒いTシャツを着て、口々に「アンワル辞めろ」と叫んで気勢を上げた。

会場には統一プリブミ党(PPBM、ベルサトゥ)のムヒディン・ヤシン党首(元首相)やハムザ・ザイヌディン副党首ら野党の重鎮が参加。午後5時にはマハティール・モハマド元首相も顔をみせ、皮肉たっぷりにアンワル首相を批判した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、7月26日)

米国との関税交渉、「20%以下を目標」投資貿易産業相

【クアラルンプール】 米国との関税交渉の先頭に立っているザフルル・アブドル・アジズ投資貿易産業相は、関税率を20%未満に抑えることを目指しており、譲歩の末で考えられ得る下限を10%と想定していることを明らかにした。

ザフルル氏は8月1日の期限までに可能な限り低い関税率で合意できる見込みだと述べ、交渉が引き続き順調に進んでいると強調。米国との会合は毎日行われていると明らかにした。

その上でザフルル氏は、マレーシアが20%の関税率で妥協するのではないかとの一部の憶測を否定。目標はより低い税率、理想的には最近15%で同意した日本や19%のインドネシアのような国々と同水準の税率を確保することだと述べ、「ある程度の譲歩をすれば20%か19%になるかもしれない。またマレーシア側がすべてを譲歩すれば10%になるかもしれない」と強調した。

米国は7月7日、貿易相手国に新たな課税措置の通知を開始。マレーシアからの輸入品については8月1日から25%の関税を課すとし、4月に発表した24%の相互関税率から1ポイント引き上げられていた。

マレーシアと同じ25%の関税を通告されていた日本については、米国は22日、関税率を15%に引き下げると発表。同様に32%と通告していたインドネシア、20%と通告していたフィリピンに対してもそれぞれ19%に引き下げると発表していた。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、7月24日)

1万人規模の反アンワル大集会、野党連合が26日に計画

【クアラルンプール】 野党連合・国民同盟(PN)が26日、クアラルンプール(KL)市内でアンワル・イブラヒム首相の辞任を求める大規模集会を計画している。主催する汎マレーシア・イスラム党(PAS)は警察に対し、1万―1万5,000人の参加者を見込んでいると事前通知しているという。

KL警察署のモハメド・ウスフ・ジャン・モハマド署長代理は、当日道路封鎖を実施しない代わりに交通整理を行い、市内中心部の首都圏大量高速輸送(MRT)、軽便鉄道(LRT)KLモノレールの合計15駅に人員を増員する予定だと明らかにした。

集会参加者はムルデカ広場に向かう前に、マスジット・ネガラ、パサル・セニ、マスジット・ジャメ・スルタン・アブドル・サマド、マスジット・ジャメ・カンポン・バル、そごうショッピングモールの5つの主要な場所に集まることが予想されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター、ザ・サン、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、7月23日)

データセンター開発調整の枠組みを策定、投資開発庁が中心に

【クアラルンプール】 省庁横断型作業チームのデータセンター・タスクフォースは21日の会合で、「持続可能なデータセンターの枠組み」を10月に導入することを決めた。データセンター開発プロジェクトの実施に関し、政府機関や州政府間の調整を行うための枠組みで、所管はデジタル省。テンク・ザフルル投資貿易産業相がエックスへの投稿で明らかにした。

データセンター建設、拡充の申請受け付けをマレーシア投資開発庁(MIDA)に集約する。ザフルル氏は「すべてのプロジェクトの円滑な実施を確保し、行政機能の重複を避け、より持続可能なデータセンターのエコシステムを構築するためだ」と述べた。

タスクフォースは投資貿易産業省とデジタル省が主導する特別作業班で、データセンタープロジェクトの立案、実行を総合的に調整している。
(ザ・サン電子版、エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、7月22日)

アンワル首相が特別演説、一時金100リンギの支給を発表

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は23日、テレビを通じた特別演説を行い、18歳以上の成人に対して100リンギの一時給付金を支給すると発表した。

貧困層向け食料支援プログラム「SARA」政策を踏襲したもので、国民2,200万人が恩恵を受けるとみられる。給付金は身分証「MyKad」を通じて支給され、年末まで全国4,100以上の参加店舗で利用可能となっている。

アンワル首相はまた、今年通行料金が値上げされる予定だった10の高速道路について値上げを延期すると発表した。対象となるのは▽セナイ・デサル高速道(SDE)▽東海岸高速道2号線(LPT2)▽南クランバレー高速道(SKVE)▽バタワース外環道(LLB)▽マジュ高速道(MEX)――など。政府が5億リンギ超を負担するという。

アンワル首相は近く施行される予定のレギュラーガソリン「RON95」の補助金合理化に言及し、合理化が実施されれば価格が1リットル当たり1.99リンギに下がることになると述べた。このほかアンワル首相は、マレーシア・デー前日の9月15日を特別休日とすると発表した。
(マレー・メイル、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、7月23日)

消費者信用法案を下院が承認、監督機関として信用委を設立

【クアラルンプール】 下院議会は21日、ノンバンクによる消費者信用(消費者金融や販売信用)を監督する消費者信用法案を承認した。「今買って、後で支払う」後払い決済(BNPL)の広がりに伴う被害に対処するもので、監督機関として消費者信用委員会(CCC)が設立される。

CCCの規制対象になるのは6種の事業で、うちBNPL、リース、ファクタリング(売掛債権を買い取り、その債権を回収)の3種は営業免許が必要になる。債権回収(借金取り立て)、不良債権買い取り、負債整理カウンセリングの3種はCCCへの登録が必要だが免許は不要。

CCCは設立当初は情報の収集に努める。2028年から消費者信用事業の監督機能が国内取引物価省と住宅・地方行政省からCCCに移管される。

法案趣旨説明にあたったリム・フイイン副財務相によると、BNPLの利用者が急増しており、上半期の取引額は前年同期比30%増の93億リンギ。借金取り立て業者による力づくの行為、いやがらせに関する苦情が当局に寄せられている。

BNPLの延滞金に対する金利は現在、上限がないが、いずれ上限を設定する。BNPL利用者の70%は月収が5,000リンギ以下の低所得者だ。
(ザ・スター電子版、エッジ、マレーシアン・リザーブ、7月21日)