中小零細企業は業績拡大を予想、アライアンス銀調査

【クアラルンプール】 中小零細企業は今年、堅調な内需、デジタル技術の導入で売り上げの増加を予想していることが、アライアンス・バンクの業況見通し調査から分かった。一方で事業費の上昇、現金収支面の制約を課題として挙げた。

調査を担当したレイモンド・チュイ幹部行員は声明で「外的環境が厳しい中、中小零細企業が先行きに自信を持っていることは、かれらの機敏さ、向上心を示している」とした。

中小零細企業の75%は生産性・顧客管理改善のためデジタルツール投資を計画している。最も価値ある投資とみなしているのは、ソーシャルメディア業務を効率化する管理ツールおよび電子商取引プラットフォームだ。

回答企業の69%は外部からの資金取り入れが必要と考えており、銀行融資を最も好むとした。しかし2024年に融資取得を目指した企業は、承認に手間がかかったことを問題点として挙げた。

アライアンス銀行はこうした不満にこたえるため、中小企業向け融資を、より入手しやすくしているという。
(ザ・スター電子版、ベルナマ通信、3月26日)

23年のOGSE事業所数は2894カ所、従事者は12.3万人

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は20日、2023年度の石油・ガスサービス・機器(OGSE)の国勢調査結果を発表した。今回が初めて調査で、2021年に発表した国家OGSE青写真を踏まえ、進捗を検証する指標になるという。

それによると、2023年にOGSE活動に従事した事業所は2,894カ所で、56.8%に当たる1,643カ所がサービス業、27.7%に当たる802カ所が建設業、8.7%に当たる251カ所が製造業、6.8%に当たる198カ所が鉱業・採石業だった。また総生産額は792億リンギで、鉱業・採石業の281億リンギ(35.5%)がトップとなり、サービス業の258億リンギ(32.5%)、建設業の154億リンギ(19.4%)、製造業の99億リンギ(12.5%)が続いた。

OGSE活動に従事した人は計12万3,288人。セクター別では建設業が5万696人(41.1%)で最も多く、これにサービス業(4万8,731人、39.5%)、製造業(1万2,365人、10.0%)、鉱業・採石業(1万1,496人、9.3%)が続いた。給与と賃金の総額は68億リンギで、1人当たり月平均4,609リンギが支払われた。セクター別で最も高かったのはサービス業の28億リンギ(41.6%)で、これに建設業(21億リンギ、30.8%)、鉱業・採石業(12億リンギ、17.2%)、製造業(7億リンギ、10.4%)が続いた。

2024年の洪水被害額は9.3億リンギ、GDPの0.05%に

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は19日、マレーシアの洪水被害に関する特別レポートを発表。2024年通年の被害総額が9億3,340万リンギ(2023年:7億5,540万リンギ)に増加し、名目国内総生産(GDP)の0.05%(2023年:0.04%)に相当する額に上ったと明らかにした。

州別で最も被害が大きかったのはクランタン州(2億6,300万リンギ)で、これにケダ州(1億9,370万リンギ)、トレンガヌ州(1億8,200万リンギ)、ジョホール州(5,900万リンギ)、ペラ州(5,720万リンギ)と続いた。

項目別で最も被害が大きかったのは住宅で3億7,220万リンギ(2023年:1億6,830万リンギ)に急増。公共資産とインフラが3億340万リンギ(2023年:3億8,070万リンギ)で続いた。農業被害は1億8,520万リンギ(2023年:1億2,060万リンギ)に増加し、事業所への被害は5,410万リンギ(2023年:5,320万リンギ)となった。一方、車両への被害は1,730万リンギ(2023年:2,230万リンギ)に減少、製造セクターへの被害は120万リンギ(2023年:1,030万リンギ)と最も影響が少なかった。

住宅被害が州別で最も大きかったのはクランタン州の1億3,900万リンギで、これにトレンガヌ州が1億310万リンギ、ケダ州が5,400万リンギで続いた。

公共資産とインフラへの被害が最も大きかったのはトレンガヌ州の4,990万リンギで、これにクランタン州が4,810万リンギ、ペラ州が4,340万リンギで続いた。

農業への被害が最も大きかったのはケダ州の1億1,820万リンギで、これにクランタン州が4,380万リンギ、パハン州が880万リンギで続いた。

事業所への被害が最も大きかったのはクランタン州の2,710万リンギで、これにトレンガヌ州が1,640万リンギ、ケダ州が430万リンギで続いた。

車両被害はトレンガヌ州が580万リンギと最も大きく、これにクランタン州が400万リンギ、ケダ州が210万リンギで続いた。

製造業への被害が最も大きかったのはクランタン州の110万リンギで、その他の州の被害は軽微だった。

サラワク州長期滞在ビザへの関心高まる、中国からの申請急増

【クチン】 サラワク州が独自で行っている長期滞在ビザ(査証)、サラワク州マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(S-MM2H)プログラムに対する関心が高まっており、特に中国からの申請が急増している。同州のアブドル・カリム州観光・創造産業・舞台芸術相が明らかにした。

S-MM2Hプログラムはこれまで米国、欧州、シンガポールからの応募者が中心だったが、最近の傾向では中国からの応募が大幅に増加しており、過去2カ月間で中国が最大の応募国となった。中国に加えて、日本、台湾、韓国、シンガポールからの応募も好調だという。昨年だけで560件の申請が寄せられた。

S-MM2Hは今年からシステムが変更され、代行業者の許可とライセンス発行権限が連邦政府観光芸術文化省からサラワク州政府に移譲され、プログラム管理が簡素化された。また申請基準は、申請者が州の銀行に預ける定期預金の額が50万リンギ(以前は15万リンギ)に引き上げられた。
(ボルネオポスト、3月19日)

MM2H、2015年以降の承認件数が2万2282件に

【クアラルンプール】 外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムの2015年から2024年までの申請受理件数が3万303件に上り、承認件数が2万2,282件となった。ティオン・キンシン観光芸術文化相が下院議会審議で明らかにした。

年別で申請件数が最も多かったのは2019年の7,948件で、承認件数は3,598件に上った。最も少なかったのは新型コロナ・パンデミックの影響があった2021年で、申請件数は100件で承認件数は77件にとどまった。

国・地域別では中国がトップで、申請件数は1万5,053件、承認件数は1万830件だった。2位は韓国、3位は日本で、承認件数はそれぞれ2,056件、1,675件となった。英国は承認件数747件で、上位5位にランクインした唯一の西側諸国だった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、ラクヤット・ポスト、3月6日)

経済成長の勢いは持続する=IMF報告

【クアラルンプール】 国際通貨基金(IMF)理事会は、マレーシア政府との第4条協議の終了を受け、評価報告書を公表した。短期的に経済成長の勢いは続き、今年の国内総生産(GDP)増加率は4.7%が見込めるという。

IMFは、債務削減、歳出抑制を柱とする財政責任法の制定を評価。同時に、迅速かつ完全な施行を政府に要請した。財政健全化では、電力、ディーゼル油補助など補助合理化に加え、残りの燃料補助も段階的に廃止するのが望ましいとした。

消費者物価指数(CPI)でみたインフレは昨年、1.8%に低下したが、今年はガソリン補助合理化が見込まれるため、2.6%に上昇する見通しだという。経済成長は下振れリスクが大きく、その理由として、主要貿易相手国の成長鈍化、地政学上の紛争激化が挙げられるという。インフレは、世界的な一次産品価格の変動、国内要因では賃金上昇圧力など、上昇リスクが多い。

報告は、政府がとっている中立的金融政策は適切で、銀行も健全性を維持していると評価した。
(ザ・サン、ザ・スター、3月5日、ビジネス・トゥデー、3月4日)

エアアジアX、24年第4四半期の旅客輸送数が20%増

【セパン=アジアインフォネット】 中・長距離格安航空エアアジアXは、エアアジアXマレーシアの2024年第4四半期の旅客数が106万8,994人となり、前年同期比20%増になったと発表した。運航座席数も20%増加して130万5,005席となった。

ロードファクター(座席利用率)は82%で横ばいとなり、有効座席キロ(ASK)は前年比21%増の57億9,400万キロ、有償座席キロ(RPK)は23%増加して47億1,100万キロとなった。同期には中国・重慶とケニア・ナイロビに就航し、アフリカ地域への初進出を果たしたほか、ピークシーズンでは豪州、日本、韓国の路線で増便した。

通年の旅客数は41%増の399万2,931人。ロードファクターは前年比3ポイント上昇して83%となり、運航座席数は前年比35%増の480万7,822席、便数は前年比35%増の1万3,262便となり、年間のASKは31%増加して203億6,900万キロとなった。

一方、関連会社のタイ・エアアジアX(TAAX)の旅客数は第4四半期が26%増の46万3,463人、通年は21%増の160万6,341人となった。

プロトン、1月の販売台数は23%減の9914台

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは12日、1月の販売台数が9,914台で前年同期の1万2,882台に比べ23%減少したと発表した。

理由について、昨年12月の好調な販売の反動と、1月の旧正月休暇中の販売の減速と分析。また、市場シェアでも19.7%で、前年同期の18.7%を上回ったとしている。

車種別では、Aセグメント・セダン「サガ」が4,597台。2位以下はBセグメント・スポーツ車(SUV)「X50」が1,436台、Bセグメント・セダン「ペルソナ」が1,221台、Cセグメント・セダン「S70」が1,143台、Cセグメント・SUV「X70」が576台、Bセグメント・ハッチバック「アイリス」が291台、Dセグメント・SUV「X90」が203台で続いた。

また、同社初の電気自動車(EV)の「e.MAS7」が1月のEV販売でトップになったことについて、「販売から約1カ月でのトップは、製品と価格の提案が正しければ、マレーシア人はEVに乗り換えることを証明している」と指摘する。市場シェアは25%で、「現在の予約台数は4,000台を超えている。今後ディーラーのオープンの増加に合わせ、さらに増える見込みだ」と補足。プロトン・エダルのロスラン・アブドラ最高経営責任者(CEO)は「e.MAS7の販売などに支えられ、2025年全体の販売台数は伸びると楽観視している」と付け加えた。
(エッジ、2月12日)

1月のEV販売、プロトンの「e.MAS7」が躍進

【クアラルンプール】 道路交通局(JPJ)の最新データによると、マレーシアにおける2025年1月のメーカー別新車登録台数は、ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)が2万3,245台でトップとなり、2位のプロトンの9,688台を140%上回った。

3位はトヨタの7,570台、4位はホンダが3,638台で続いたが、トヨタの半分程度にとどまった。5位は1,227台で三菱が健闘し、6位以下は1,000台に満たなかった。

一方、1月の電気自動車(EV)の販売台数を車種別でみると、プロトン初のEV「e.MAS7」が昨年12月16日の販売後の約1カ月で421台を売り上げ、トップに躍り出た。2ー4位はBYD(比亜迪汽車)で、シーライオン7(151台)、M6(136台)、アット3(104台)となったが、全体のメーカー別登録台数ではBYDは12位で、EVの市場シェアは限定的にとどまっている。
(ポールタン、2月12日)

2024年腐敗認識指数、マレーシアは57位で横ばい

【クアラルンプール】 汚職を監視する国際的非政府組織(NGO)、トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)は、2024年度版の「腐敗認識指数(CPI)」を発表。マレーシアのスコアは前年と同じく50点となり、世界ランクは57位で横ばいとなった。

同指数は180カ国・地域を対象に、世界銀行や米国の国際人権団体フリーダムハウスなどの機関が調査した13の調査をもとに100点満点で指数化、ランク付けしたもの。点数が低いほど腐敗が著しいとみなされる。

トップ3は、デンマーク(90点)、フィンランド(88点)、シンガポール(84点)となり、東南アジア諸国連合(ASEAN)ではマレーシアがシンガポールに次いだ。その他のASEAN諸国は、ベトナム(40点、88位)、インドネシア(37点、99位)、タイ(34点、107位)、ラオス及びフィリピン(33点、114位)、カンボジア(21点、158位)、ミャンマー(16点、168位)となった。日本は2ポイント減の71点で16位から20位にダウンした。ワースト1は南スーダン(8点、180位)だった。

トランスペアレンシー・インターナショナル・マレーシアは声明の中で、マレーシアのスコアやランキングが下がっていないことは注目に値するとした上で、「政府が掲げている2033年までに上位25カ国入りの目標達成には68―70点を獲得する必要があり、毎年少なくとも2ポイントずつスコアを上げなければならない」と指摘した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、2月11日、TI発表資料)