カジノのゲンティン、NYのライセンス取得で既存施設を拡張へ

【クアラルンプール】 カジノ運営会社のゲンティン・マレーシアは2日、米国の子会社ゲンティン・ニューヨークが年内にニューヨーク州(NY)の商業カジノ・ライセンスを取得すると発表。55億米ドル(231億9,000万リンギ)を投資し、既存のリゾート・ワールド・ニューヨーク・シティー(RWNYC)を、全米でも有数のラスベガス風のフルカジノに拡張する計画だ。

RWNYCには現在、スロットマシンと電子テーブルゲーム計約6,500台が設置されているが、ライセンスの取得で、対面式のライブテーブルゲームを導入できるようになる。ニューヨーク州ゲーミング施設立地委員会が年内に正式にライセンスを交付する見通しで、早ければ2026年6―7月ごろにも、ライブテーブルゲームの運用を開始する。

さらに計画では、現在のRWNYCの敷地73エーカーを、560万平方フィートに拡張。50万平方フィートのゲームフロア、6,000台のスロットマシン、800卓のテーブルゲーム、2,000室のホテル客室、7,000席のエンターテイメント施設、30以上の飲食店、大規模な会議スペース、10エーカー超の緑地などを備えた統合型リゾートにする。最大2万4,000人の雇用を創出する見通しだ。

RWNYCは、ジョン・F・ケネディ国際空港近くのアケダクト競馬場跡地(クイーンズ区)を利用し、2011年に開業された。 2021年にはホテルも開業。年間平均800万人が訪れ、州最大のカジノ施設になっているという。
(マレーシアン・リザーブ、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、12月2日)

JBセントラル―クライ間の通勤鉄道、2月開通の見込み

【クアラルンプール】 ジョホール州のジョホールバル(JB)セントラル―クライ間の25キロメートルを結ぶ通勤鉄道(セラタン線)が、2026年2月に開通する見込みだ。州公共事業・運輸・インフラ・通信委員会のモハマド・ファズリ議長(国政の閣僚に相当)が明らかにした。

1月1日を予定しているJBセントラルまでの高速電車運行サービス(ETS)延伸の1カ月後の開通を目指す。1日32往復運行され、各列車の乗客定員は400人となる。片道運賃は3リンギ以下になる見込み。これにより移動時間は乗用車での1時間から半分の30分に短縮されると期待されている。

モハマド・ファズリ氏はまた、ケンパス―パシルグダン間の貨物線に旅客列車を走らせる計画が浮上していることを明らかにした。これによりパシルグダン、マサイ、タンポイ、その周辺地域の渋滞緩和が見込まれるという。迅速な運行開始に向け、向こう6カ月内にタマン・ダヤ、バンダル・スリ・アラム、カンポン・パシル・プティ――の3カ所に仮設旅客駅を設置する計画。1日4往復の運行を予定しており、運賃は3リンギを下回る見込みだという。
(ザ・スター電子版、ポールタン、12月1日)

エアボルネオが1月に運航開始へ、MASウィングス路線継承で

【クチン】 サラワク州営航空会社エアボルネオは、マレーシア航空グループ (MAG)傘下のMASウィングスの買収に伴い、MASウイングスの既存路線を引き継ぎ、来年1月からエアボルネオとしての運航を開始する。同州のリー・キムシン運輸相が2日の州議会で明らかにした。

MASウイングスの買収は2025年2月12日に締結された株式売買契約に基づき、2025年12月31日までに完了する予定。買収が完了し次第、サラワク州、サバ州、ラブアンの既存の地方航空サービス(RAS)と連携して運航を開始する。1月からの運航はエアボルネオのロゴと塗装を施したATR72-500型機1機とツインオッター1機で開始し、残りの機材の塗装は向こう6カ月をかけて段階的に行う。

買収後の優先事項としては、現在国内およびサバ州・サラワク州の地方路線のみを許可されているMASウィングスの航空運航免許(AOL)の変更を取得することで、これに伴いクアラルンプール、シンガポール、ジャカルタ、バンコクなどの地方ハブ空港へのジェット機による運航を2026年第3四半期に開始する予定。デンパサール、香港、深圳、日本、韓国などへの乗り入れも計画している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、12月2日)

マレーシア航空、クアラルンプール―豪ブリスベン直行便を再開

【クアラルンプール】 マレーシア航空(MAS)は11月29日、クアラルンプール(KL)―豪州ブリスベン間の直行便運航を再開した。増加する旅行需要に対応する。再開初便の搭乗率はブリスベン行き往路が86%、復路のKL行きは99%に達した。

KL―ブリスベン線は火、木、金、土、日曜の週5便の運航。スケジュールは往路のMH135便はクアラルンプール発が20時30分でブリスベン着が翌日の6時25分で、復路のMH134便は、ブリスベン発が8時30分、クアラルンプール着が14時40分となっている。

ブリスベン線の就航によりMASのKL―豪州直行線の乗り入れ先は、既存のシドニー、メルボルン、パース、アデレード――と合わせて5都市に増加する。MASは豪州の一部路線に最新鋭のエアバスA330neo機材を導入する方針で、2026年初頭の運用開始を予定している。
(マレーシアン・リザーブ、エッジ、ベルナマ通信、11月30日、MAS発表資料)

KLIA、新システム導入で10分超の送迎車両に課金

【クアラルンプール】 クアラルンプール新国際空港(KLIA)ターミナル1で1日から、送迎車用の車両アクセス管理システム(VAMS)が全面導入され、10分を超える駐車には料金がかかるようになった。

VAMSは、2026年のマレーシア観光年(ビジット・マレーシア・イヤー)を前に、路肩渋滞の解消に向け導入が進められてきた。ターミナル1のレベル5(出発降車場)とレベル3(到着乗車場)の出入口にナンバープレート認識システムを設置し、各車両の入退場時間から滞在時間を自動的に計算。10分を超過すると、超過時間に応じて10―100リンギの罰金が科せられる。支払いはタッチ・アンド・ゴー(TNG)カード、クレジットカードなどを利用できる。

空港運営会社マレーシア・エアポート・ホールディングス(MAHB)によると、9月から約3カ月間実施した試験運用期間中は罰金を科さなかったにもかかわらず、10分を超えた車両数は50%から21%へと大幅に減少したという。ターミナル2でも11月30日まで試験運用を実施しており、順次導入されるとみられる。

MAHBはより長時間駐車する必要がある人には、短時間駐車場(15分無料)、長時間駐車場(30分無料)、KLIA指定の無料公共待合エリアなどの利用を呼びかけている。
(ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、ベルナマ通信、12月1日)

タカラトミー、KLにトミカブランドストア3店舗目を開店

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 タカラトミー(本社・東京都葛飾区)は、東南アジア地域初となる同社ダイキャスト製ミニカーのブランドストアを12月18日にクアラルンプール(KL)のショッピングモール「スリアKLCC」にオープンすると発表した。

KLの「トミカブランドストア」は上海(2024年9月オープン)、北京(2025年9月オープン)に続く3店舗目となる。トミカの世界観を体験できるオフィシャルストアで、ストア外観はトミカの箱を大きくしたようなデザイン。店内にはホイールを重ねたモニュメントを中心に、「トミカ」2,000台以上を展示した「トミカ・ウォール」のほか、大人向け商品を集約した「トミカキダルトエリア」や新商品を展示する「おすすめコーナー」、トミカの歴史展示エリア「トミカヒストリー」を配置する。営業時間は午前10時から午後10時。

トミカブランドストアは、ダイキャスト製ミニカー「トミカ」のオフィシャルショップ。トイザらスと提携し「スリアKLCC」2階にある「トイザらス」店内に設置する。マレーシアではブランドストアのみで展開する商品2種のほか、日本の「トミカショップ」オリジナル商品を販売する。

「トミカ」は1970年に日本初の手のひらサイズの国産車ダイキャスト製ミニカーシリーズとして発売された。現在までに、国内外累計1万種以上の車種を発売。累計販売台数は10億台(2024年12月時点)を超えている。

ペラ州、来年から使い捨てプラスチック袋を全面禁止へ

【イポー】 ペラ州政府は2026年1月から使い捨てプラスチック袋を州内で全面的に禁止する方針で、最終決定に向けて準備を進めている。同州科学・環境・グリーンテクノロジー委員会のテー・コックリム議長(国政の閣僚に相当)が11月28日の州議会審議で明らかにした。

テー氏は、これまでプラスチック袋1枚当たり20センが課されていた「汚染税」がプラスチック袋の抑制効果を上げていないことを受けてのものだと説明。地方自治体への提出に向けて、州経済計画局で現在審査中であると述べた。

テー氏によると、ペラ州におけるプラスチック汚染税収額は、2023年には20万4,238.80リンギ、2024年には59万7,348.80リンギに増加している。税収額の増加は、プラスチックが環境や健康に及ぼす有害な影響に対する国民の認識が不十分であることを反映しているという。

今年年初9カ月の税収額はすでに36万1,510.60リンギに達しており、598の事業所から納付されたプラスチック袋使用料は合計116万3,098.20リンギに上った。
(ザ・サン、ベルナマ通信、11月28日)

1日から携帯電話番号と「MyデジタルID」の紐づけ義務化

【サイバージャヤ】 政府は1日から、すべての通信事業者に対し、公的デジタル身分証明書の「MyデジタルID」による本人確認を義務付ける。セキュリティを強化し、MyデジタルIDと紐づけができていない携帯電話番号を使えなくすることで、詐欺や不正利用の防止を図る。

国家サイバーセキュリティ局(NACSA)によると、今年7月に発表された「マレーシア・サイバーセキュリティ戦略2025-2030(MCSS)」に基づく取り組みになる。MyデジタルIDは、科学技術革新省(MOSTI)傘下の企業が運営しており、国家登録局(NRD)が管理する情報と直接照合して本人確認を行う仕組み。

MyデジタルIDのニック・イブラヒム最高経営責任者(CEO)によると、2024年の詐欺電話件数は298万件で、2023年の163万件の2倍に迫る勢いだった。イブラヒム氏は「電話番号とMyデジタルIDが紐づけられることで、デジタルの信頼性と安全性が強化され、デジタル経済が保護される」と説明。「ユーザーデータを保存したり、オンライン活動を追跡したり、新しい個人情報を収集したりすることはない」と付け加えた。

また道路運輸局によるMyJPJアプリも2026年1月から、18歳以上を対象に、MyデジタルIDによるログインに変更される。18歳未満や永住権保有者には、専用リンクからのログイン方法が採られる見込み。

なお雇用ビザなど外国人の場合、現時点ではMyデジタルIDは登録できないが、順次なんらかの対策が検討されると見込まれる。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、11月30日、ザ・スター、11月28日)

サバ州議選で同州与党連合が政権維持に成功、半島系政党は凋落

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 第17回サバ州議会選挙(定数73、小選挙区制)の投開票が29日に行われ、大連立政権に参加しているハジジ州首相率いる同州与党連合・サバ国民連合(GRS)が議席数を減らしながらも党派別で最多の29議席を獲得。諸派を取りまとめて過半数を確保し、政権維持に成功した。

大連立政権としては勝利したとはいえ、アンワル政権中枢の希望同盟(PH)は改選前の6議席からわずか1議席に減少。アンワル政権に協力する国民戦線(BN)も同じく11議席から6議席に減らすなど半島系政党の凋落が目立つ結果となり、益々自立性を強めるサバ州に対しアンワル首相はこれまで以上の譲歩を余儀なくされるとみられる。政権を維持したGRS自身も議席を減らしており、州民へのアピールから中央政府に対する姿勢を一層強めるとみられる。

第2次ハジジ連立政権は、先ごろPHから離脱したキナバル進歩統一組織(UPKO、3議席)、先ごろGRSを離脱したサバ国土連帯党(サバSTAR、2議席)、社会民主調和党(KDM、1議席)、無所属当選者5人などの支持を得て過半数を獲得した。PHとBNも連立政権に協力する。

野党ではシャフィー・アプダル前州首相率いるサバ遺産党(ワリサン)が都市部で強みを発揮。11議席の大幅増となり、GRSに迫る25議席と大躍進した。中央政府に対する州民の不満の高まり、GRSが関与した鉱山ライセンスに関わる贈収賄疑惑への反発などがワリサンの躍進を支えた。国政野党連合・国民同盟(PN)は1議席のみだった。

2020年9月の前回州議会選挙では当時、PPBMに所属していたハジジ州首相率いる同州与党連合・GRSが38議席を獲得し、ワリサンやPHなどが構成する同州与党連合(ワリサン+)を破って政権奪取に成功し政権を樹立した。

プロトン第4世代の新型「サガ」発表、価格は3.9万リンギから

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは27日、第4世代の新型Aセグメント・セダン「サガ」を正式発表した。スタンダード、エグゼクティブ、プレミアムの3つのバージョンを用意した。税込・保険なし価格はそれぞれ3万8,990リンギ、4万4,990リンギ、4万9,990リンギ。

5年間/15万km保証と最初の3回の整備インターバルにおける工賃無料が込みとなる。12月31日までに予約すると1,000リンギ割引となるほか、特別版タッチ・アンド・ゴー(TNG)カードと1年間の無償整備(部品代と工賃を含む)が付く。

マニュアル(MT)車を廃止して全バージョンをオートマチック(AT)車とした。プレミアムのみは無段変速機(CVT)を搭載する。車体カラーは▽マリンブルー▽スペースグレイ▽ルビーレッド▽アーマーシルバー▽スノーホワイト――の5色を用意した。

いずれも新型の排気量1.5リッターBHE15PFI4気筒エンジンを搭載。旧型の1.3リッターエンジンより出力が大幅に向上し、最大出力120PS/6,100rpm、最大トルク150Nm/4,000―5,000rpmを発揮する。燃費は100キロメートル(km)あたりCVT車が4.9リットル、AT車が5.1リットル。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、ポールタン、11月27日)