米国が対マレーシア製品関税10%を決定、パーム油などは除外

【クアラルンプール/ワシントン】 米通商代表部(USTR)は23日、通商法301条調査の最終判断を公表し、マレーシアからの輸入品に10%の追加関税を課すと発表した。関税は米東部時間7月24日午前0時1分から適用され、既に船舶に積載され輸送中の貨物には適用されない。

今回の決定は、今年3月に開始した60カ国・地域を対象とする強制労働輸入規制に関する301条調査を受けたもの。USTRは6月2日、各国・地域の制度や運用が米国の通商を不当に制限しているとして、1974年通商法301条に基づく措置の対象になると判断していた。

マレーシアは、バングラデシュ、カンボジア、カナダ、インド、インドネシア、スリランカ、英国など16カ国・地域とともに追加関税率10%の対象となった。一方、日本、欧州連合(EU)、台湾、韓国、スイスは対象品目に応じて10%または12.5%の税率が、その他の対象国・地域には12.5%の関税が適用されることになった。

一方、米国内で代替調達が困難な原材料や、供給不足による経済への影響が大きい製品などについては適用除外とした。マレーシア向けの除外品目には、一部のパーム油製品、熱帯木材・合板、ラタン製品、絹製品、貴石などが含まれる。

またUSTRはマレーシアの繊維・衣料品について、米国産綿花や繊維原料の輸入実績を基準とした3年間の関税割当制度(TRQ)を導入する方針を示した。制度開始までは、対象製品にも10%の追加関税が適用される。
(エッジ、マレーシアン・リザーブ、7月24日)

ペナン歴史遺産3施設、長年の修復終え再始動

【ジョージタウン】 ペナンの世界遺産を構成するコーンウォリス要塞とペナン州立博物館、1926ヘリテージホテル・ペナンの3施設が、「ジョージタウン世界遺産都市の日」(7月7日)のある今月、長年の修復・改修を経て相次いで正式に再始動する。

コーンウォリス要塞は18世紀末に英国東インド会社が築いた海防拠点で、その後、19世紀初頭にかけ城壁や砲台を備えた要塞へと強化された。1804年には、ナポレオン率いるフランスの脅威に備え堀が整備されたが、1921年にマラリア対策などを理由に堀は埋め立てられていた。このため堀の復元に向け、2022年ごろから改修工事が進められてきた。25日にアンワル・イブラヒム首相らが出席し、再開式典が行われる。

ペナン州立博物館は英国植民地時代のコロニアル建築物で、1897年からペナン・フリー・スクールの校舎として使用されていた。その後、1965年から州立博物館として利用されてきたが、修復工事のため2017年に閉館した。約1,800万リンギを投じた改修工事を終え、24日から正式再開となる。

1926ヘリテージホテル・ペナンは、英国植民地時代の行政官用住宅として建てられた24棟連棟式の歴史的建造物。2020年に営業が停止された後、シンガポールのホテル運営企業アスコット・インターナショナルとの提携で改修工事が進められ、今回、78室のホテルへと生まれ変わった。23日にチョウ・コンヨウ州首相らが出席し、開業式典が行われた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月23日、マレー・メイル、7月16日)

エアボルネオが初の国際線、22日にシンガポール線就航

【クチン/シンガポール】 サラワク州営航空会社のエアボルネオは22日、初の国際路線となるクチン―シンガポール線を就航した。当初は27日の就航が予定されていたが、サラワク・デーに合わせ前倒しされた。

同社のメガット・アルディアン・ウィラ最高経営責任者(CEO)は23日に行われた記者会見で、「初便のスムーズな運航に大変満足している。13日の販売開始以降、需要は非常に好調」と述べた。片道運賃でエコノミークラス399リンギ、ビジネスクラス871リンギからという手頃な価格設定にしたことが需要を後押ししているとの見方を示した。

同社はシンガポール線と、20日に就航したクアラルンプール線にボーイング「737―800」型機2機を投入している。今後、ジェット機を2027年に3機追加し、2028年以降は四半期ごとに1機ずつ増やし、2030年末までに17機体制を目指す計画だ。

この機材拡充に伴い、シンガポール線を現在の1日1便からまず2便に増便し、さらに来年第1四半期には1日3便に増便することも検討している
(マレー・メイル、ベルナマ通信、7月23日)

中国系ラッキンコーヒー、JBに3店舗開設で南部地域に進出

【クアラルンプール】 中国の大手コーヒーチェーン、瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)はこのほど、ジョホール州ジョホールバル(JB)で新たに3店舗を開業した。昨年のマレーシア初進出以来、首都圏クランバレーを中心に店舗網を拡大しており、今回が半島南部地域初進出となる。

新店舗は、JB西部のステラ・モール店、東部のオースティン・ハイツ店、北西部のタマン・ウンク・トゥン・アミナ店となる。

2017年創業のラッキンコーヒーは、モバイルアプリを通じた注文・決済システムを特徴とし、低価格と積極的な出店戦略で世界的に急速に店舗網を拡大している。マレーシアでは昨年1月の進出以来、120店舗以上を展開。今年5月以降、ネグリ・センビラン州で2店舗を展開するなど、クランバレー以外への進出を加速している。一部店舗では、ハラル(イスラムの戒律に則った)認証も取得している。

ラッキンコーヒー・マレーシアのジェフ・リム最高経営責任者(CEO)は「JB進出は、単に店舗数を増やすだけでなく、クランバレー以外でも高品質で便利かつ手頃な価格のコーヒーを提供するという長期的なコミットメントを反映したもの」としている。
(マレーシアン・リザーブ、7月21日)

給料日前の支払いを代行、Amバンクがラムソルと協働

【クアラルンプール】 AmバンクとITコンサルティングのラムソル・グループは、給料日前に給与所得者に給料の一部を支払う「ペイ・デイ・ナウ」サービスの提供で提携する。給与の最大25%を雇用主に代わり週ベースで支払うもので、給与所得者が高利の金融に依存するのを減らすことになるという。

公的機関、中小企業、大企業を含むあらゆる規模の組織を対象にしたサービス。「ペイ・デイ」プラットフォームはラムソル子会社のRAMSフィンテックが運営し、Amバンクが資金管理を担当する。Amバンクに当座預金口座を開設している組織にまずサービス利用を働き掛ける。

ラムソルによれば、この種の給与ソリューションはマレーシア初。Amバンクのクリストファー・ヤップ代表(法人向け金融担当)は「給与所得者に資金面の柔軟性を提供するソリューションだ」とした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、ビジネス・トゥデー、7月20日)

ペナン州政府、公共部門のキャッシュレス決済率99.4%達成

【ジョージタウン】 ペナン州政府は、公共部門におけるキャッシュレス決済率99.4%を達成し、国内で最も高い水準となっている。

マレーシアでは、財務省と決済システム運営会社のペイメント・ネットワーク・マレーシア(ペイネット)が、公共部門のキャッシュレス化推進に向け「キャッシュレス・ボレー5.0」キャンペーンを実施。今回、ペナン州政府が同キャンペーンの「優秀デジタル決済利用実績賞」を受賞し、17日に表彰式が行われた。

ペナン州政府は前回の「キャッシュレス・ボレー4.0」キャンペーンでも、95%を達成し、2年連続のトップとなった。今回の5.0キャンペーンでは、ほかにケダ州、セランゴール州、マラッカ州も決済率が高かった。

同州地方自治・都市計画委員会のフン・ムイライ議長(国政の閣僚に相当)は100%を目指しさらに取り組みを強化していくとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月21日、ザ・サン、7月17日)

ペナンのアイコニックマージョリーホテルにサンリオコラボルーム

【ペナン】 ペナン州バヤンレパスにあるマリオット系列の5つ星ホテル「アイコニック・マージョリー・ホテル」で18日、ハローキティなどサンリオの人気キャラクターをあしらった客室がお披露目された。ペナンのプラナカン文化を採り入れた内装とのユニークなコラボルームで、アフタヌーンティーも提供する。

コラボルームは、ハローキティ、シナモロール、クロミの3種類のキャラクター別に展開。バスタオルやアメニティ、アフタヌーンティーの食器などにもキャラクターをあしらい、一部グッズは購入も可能という。

発表会には、チョウ・コンヨウ州首相らが出席。サンリオ・サウスイースト・アジア最高執行責任者の今井耕平氏は「サンリオキャラクターの時代を超えた魅力とペナンの豊かなプラナカン文化を融合させることで、あらゆる年代のお客様に、キャラクターたちとのユニークで思い出に残る体験をお届けしていきたい」と述べた。
(ペナン・プロパティ・トーク、7月19日、ザ・スター、7月20日)

通信省、2030年までの戦略計画を発表

【プトラジャヤ】 ファーミ・ファジル通信相は20日、通信省戦略計画(PSKK)2026―2030を発表。通信インフラの強化やコンテンツ産業の振興などを柱とする今後5年間の通信分野の重点方針となる。

PSKKは「つながり、情報に通じ、創造的なマレーシア」というビジョンのもと、通信省および傘下機関が優先的に取り組むべき方向性や施策が盛り込まれた。具体的には、高速で安定したインターネット環境の整備、クリエーティブ産業の育成、正確な情報発信の3項目を柱に、4つの重点分野、94のプログラムで構成される。

第13次マレーシア計画(13MP)にも沿ったもので、デジタル接続性の向上や国内コンテンツ産業の成長を支え、デジタル経済の発展につなげることを目指す。
(ザ・サン、ベルナマ通信、7月20日)

中東紛争による原油価格高騰、政府は対策を準備中=副経済相

【クアラルンプール】 モハマド・シャハル・アブドラ副経済大臣は、西アジアにおける地政学的紛争の再燃を受けて原油価格が上昇していることについて、国民の福祉を守り経済成長を維持するために適切な措置を講じる用意があるとした。

20日に開催された上院質疑の中でモハマド・シャハル氏は、7月8日に再燃した米イラン紛争により、世界の原油価格が上昇し、生産コストの上昇リスクが高まっていると指摘。紛争が長期化すれば、生産コストと物価に圧力がかかる可能性があるため、政府は状況を注視していると説明した。

その上でモハマド・シャハル氏は「供給確保、供給継続、価格上昇抑制、機会活用という4つの主要なアプローチに基づき、様々な戦略的かつ統合的な介入措置を講じている」と強調し、「これらのアプローチは、国民の保護、供給と価格の安定化、企業や産業への支援、そして的を絞った介入を通じて中長期的に経済の回復力を強化することを目的としている」と述べた。

モハマド・シャハル氏は続いて、「政府は供給と価格の安定化のため、国の戦略的ニーズに基づき二国間協力を強化している」と強調。「豪州との協力はエネルギーと農業資材の供給継続に重点を置いており、ロシアとの協力はエネルギー、技術、貿易分野に重点を置いている」と補足した。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、7月20日)

コタダマンサラのデータセンター建設計画、住民が反対運動

【クアラルンプール】 セランゴール州ペタリンジャヤ(PJ)の住宅街であるコタ・ダマンサラで計画されているデータセンター建設計画が、住民の反対運動に遭っている。周辺の交通渋滞、道路の安全性、環境への影響、住宅地との近接性などの懸念の声が上がっている。

同データセンター建設計画は、PJ市議会(MBPJ)が1965年国家土地法第197条および第76条に基づき、土地の譲渡および再譲渡の申請及び商業データセンターの建設許可申請を受理したとする公示で明らかになった。同公示では近隣の土地所有者および一般市民に対し、7月9日から7月15日までの期間に反対意見を提出するよう呼びかけていた。

24時間稼働による騒音公害、データセンター機器から発生する熱と電力消費量増加、水使用量が多いとされるデータセンターを住宅街に建設することへの不満の声が多く寄せられており、また通常の異議申し立て期間は14―30日であるところから、7日間では短すぎるとの声も上がっている。

地元スンガイ・ブロー選挙区のR・ラマナン下院議員(人的資源相)は、MBPJの市長に反対意見書を提出したと述べた。反対意見書は7月15日に提出されたが、MBPJからは正式な回答は得られていないという。

コタ・ダマンサラ選挙区のイズアン・カシム州議会議員も、住民と共に正式な異議申し立てを行うと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレーシアン・リザーブ、7月16日)