マレーシア航空、予約システム情報流出で顧客情報に影響の可能性

【クアラルンプール】 マレーシア航空は1日、航空予約システムを提供するスペインの「アマデウス」で発生したサイバーセキュリティー侵害により、一部の顧客情報が影響を受けた可能性があると発表した。対象となる可能性があるのは、2023年8月から26年9月までに同社のシステムを通じて処理された顧客情報。

同社は、自社の情報技術(IT)システムへの侵害は確認されておらず、現時点で金融情報がアクセスされた証拠もないと説明。アマデウスや関係機関と連携して調査を進め、影響範囲を確認しているとした。

顧客に対しては、個人情報や金融情報の提供を求める不審な連絡や、事前の依頼がない電子メールなどに注意するよう呼びかけた。影響を受けた顧客の人数や、流出した可能性のある情報の具体的な種類については明らかにしていない。

今回の問題を巡っては、香港のキャセイパシフィック航空が10月30日、アマデウスが管理する予約データへの不正アクセスにより、約5万3,000件の予約が影響を受けたと発表。日本航空と日本トランスオーシャン航空では約9万2,000人、全日本空輸では約3万7,800人の顧客情報が影響を受けたと報告されている。韓国の大韓航空とアシアナ航空も、同様の不正アクセスを公表した。

アマデウスは、旅行予約情報を表示するシステム環境の脆弱性を把握したとしており、パスワードのリセットや監視・検知機能の強化など、封じ込め措置を講じたとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、CNA、11月1日)

ジョホール州投資機関、「ネクサスセデナック」で5分野重点誘致

【クアラルンプール】 ジョホール州の投資誘致機関、インベスト・ジョホールは、ジョホール・シンガポール経済特区(JSーSEZ)北部の新たな産業拠点「ネクサス・セデナック」で、投資誘致を目指す重点5分野を明らかにした。

同拠点の総開発価値(GDV)150億リンギ。財務省傘下のサザン・カタリスト(SOCAT)が、かつてアブラヤシ農園だった2,940エーカーを段階的に開発する。

インベスト・ジョホールの投資誘致は、2027年度予算案に則ったもの。アンワル・イブラヒム首相は10月9日の予算案発表の際、120億リンギの投資と、4万5,000人の雇用創出が期待されるとしていた。中核企業を軸に関連企業を呼び込む「クイーン・ビー方式」を採用し、連邦政府と州政府の関係機関を横断して調整する特別タスクフォースを設置したと説明していた。

重点分野は、▽先端製造業▽統合物流▽農業・食品技術▽グリーンテクノロジー▽製薬産業――の5つ。インベスト・ジョホールは、開発段階やインフラの整備状況、個別の投資プロジェクトの進捗に応じて、投資誘致を段階的に進める。ナタザ・ハリス最高経営責任者(CEO)は「今後も開発業者や関係機関、業界関係者と連携し、投資の実現を加速させる」と述べた。
(ベルナマ通信、10月30日)

マレーシアの死因トップは虚血性心疾患

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は10月29日、2025年の死因統計を発表。死因第1位は虚血性心疾患で、1万8,001人で全体の13%を占めた。総死亡者数は19万9,807人で、前年比0.4%の微増となった。

そのほかの主な死因は、肺炎が12.7%、糖尿病が5.0%、腎不全が3.6%、交通事故が3.4%となった。

性別でみると、男性は虚血性心疾患が15.5%で最多となった一方、女性は肺炎が13.6%で最多だった。

民族別では、マレー系とインド系は虚血性心疾患が死因のトップだったが、中華系、その他のブミプトラ(マレー人と先住民の総称)は肺炎となった。

年齢別の死因トップは、0―14歳と60歳以上では肺炎で、15―40歳は交通事故、41―59歳は虚血性心疾患となった。

州・連邦直轄地別に見ると、ケダ、ペラ、サバ、サラワクの4州では肺炎が最多だったが、そのほかの12の州・連邦直轄地では虚血性心疾患が最多だった。

電子インボイス、外国のECプラットフォームに義務付け

【クアラルンプール】 財務省は外国を拠点とする電子商取引(EC)プラットフォームとプラットフォーム上で販売する売り手に対し、電子インボイスの使用を近く義務付ける。監視強化が目的だ。アミルザン・アリ国内取引物価相が28日の予算審議で明らかにした。

監視を確実なものにするため政府は、ECプラットフォームおよびプラットフォーム上の売り手にマレーシア国内での事務所開設も義務付ける。中国最大級の共同購入型ECプラットフォームの拼多多(ピンドゥオドゥオ)や、中国国外向け姉妹サービスのTemuの監視が狙い。

外国のECプラットフォームには低額品に対し10%の売上税が適用されており、拼多多が商品価格の安さゆえにマレーシア人の人気を集めているため、国内の小売業者が異なる監督基準、税率に懸念を表明していた。電子インボイスは、従来の紙または電子文書による取引記録をデジタル化し、リアルタイムでの税務報告を可能にする制度。
(エッジ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、10月28日)

GST再導入見送り、売上サービス税を維持へ=第2財務相

【クアラルンプール】 マレーシア政府は、物品・サービス税(GST)の再導入を見送り、現行の売上・サービス税(SST)のみの制度を維持する方針だ。アミル・ハムザ・アジザン第2財務相は29日、生活費の負担が続く中、国民への影響を考慮する必要があるとして、SSTの改善を続ける考えを示した。

アミル・ハムザ氏は下院における2027年度予算案に関する財務省の審議答弁で、GSTは低所得層ほど所得に占める財・サービスへの支出割合が高いため、逆進的な性格を持つと説明。税率が同じでも、所得に対する負担は低所得層のB40や中間所得層のM40で相対的に重くなると指摘した。

一方、SSTは課税対象とする商品・サービスを政府が選択でき、生活必需品を非課税とするなど、より対象を絞った課税が可能だと強調。今後もSSTを見直し、税の重複による負担や企業の納税手続きを簡素化する方針だと述べた。
財政見通し2027によると、SST収入は2025年の559億リンギから、26年には670億リンギに増加する見通し。27年には733億リンギに達し、2年間で174億リンギ増えると予測されている。

アミル・ハムザ氏は、SST収入は国内総生産(GDP)の3%に相当し、GSTが導入されていた2017年と同水準に達していると説明。GSTに切り替えても税収が必ずしも増えるわけではなく、輸出企業を含む事業者から国民へ税負担が移る可能性があると述べた。

またアミル・ハムザ氏は、GSTは徴税効率や透明性、仕入税額控除の仕組みに利点があると認める一方、納税手続きに伴う企業の負担にも言及した。GST登録企業は2018年に約70万社だったのに対し、SST登録企業は26年に約13万社にとどまるという。
(ベルナマ通信、ザ・スター電子版、ザ・サン、エッジ、10月29日)

石川・富山県の合同物産展、11月2日より伊勢丹KLCCで開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 石川・富山の両県は11月2日より、クアラルンプール(KL)市内の伊勢丹KLCCで物産展を合同開催する。日程は2日―9日がパート1で、10日―25日にパート2を開催する。

事業名は「マレーシアにおける石川県・富山県産品プロモーション」で、6月29日―7月3日に行ったバイヤー招聘・商談会の結果を踏まえて実施する。2県で合計17社が86品目を出展する予定。両県の地元食品メーカーが、水産品、水産加工品、調味料、菓子・デザートなどを展示・即売する。

石川県の出展企業(商品)は▽ウフフ(モチドーナツ)▽四十萬谷本舗(糀・甘酒など)▽ゴーゴーカレーグループ(ベジタリアンカレー)▽加賀守岡屋(焼きいなり)▽佃食品(にしん甘露煮など)▽北陸製菓(スナック・ビスケット)▽千田果樹園(ゼリー)▽産直ネットワーク(バームクーヘン)▽宮商逸味潮屋(ブリたたきなど)――の9社。

富山県からは、▽中村海産(みりん干し)▽海津屋(氷見うどん)▽杉野味噌醤油(味噌・醤油)▽片口屋(バーニャカウダ)▽魚津漁業協同組合(ホタルイカ加工品)▽マツオ(シロエビ加工品)▽葵食品(刺身カクテル)▽丸米製菓(あられ)――の8社が出展することになっている。

ドゥイットナウでの決済、中国含むアジア5カ国・地域で可能に

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 銀行間決済システムを運営するペイメンツ・ネットワーク・マレーシア(ペイネット)は、中国のアント・グループが提供する決済プラットフォーム、アリペイプラスとの提携を強化。マレーシア人旅行者は加入する銀行のアプリを用い、中国、香港、韓国、フィリピン、ラオスのアリペイプラス加盟商店で決済ができるようになったと発表した。

マラヤン・バンキング(メイバンク)、CIMB、ホンリョン・バンクの3行が最初の導入行で、バンク・イスラムも近く参加する。同5カ国・地域の加盟商店で、マレーシア人は銀行アプリでマレーシアの標準QRコード、ドゥイットナウの機能を開き、店頭に掲出されている、アリペイプラスのロゴのあるQRコードを読み取るだけで決済ができる。

ペイネットとアント・グループは23年から提携しており、アリペイプラスがサポートするウォレットを所有する旅行者は、マレーシアのドゥイットナウに参加する商店での決済が可能だ。

越境決済は増加しており、昨年のペイネットを通じた越境取引件数は3,000万件近くと、前年比150%増加した。

補助金なし「RON95」4.42リンギに引き上げ、29日から

【クアラルンプール】 財務省は28日、10月29日―11月4日の1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格を、前週の1リットル当たり4.32リンギから10セン引き上げ、4.42リンギとした。補助金適用外の「RON97」の価格も10セン引き上げ、4.80リンギから4.90リンギとなった。

補助金なし「ユーロ5 B10」および「B15」ディーゼルの小売価格は20セン引き上げ、5.07リンギから5.27リンギとする。「ユーロ5 B7」ディーゼル燃料も5.27リンギから20セン引き上げ、5.47リンギとする。

補助金付きの「RON95」の価格は1.99リンギ、「B10」および「B15」ディーゼル価格は2.10リンギで引き続き据え置く。

財務省は、西アジア情勢を巡る供給途絶への懸念から、前週はブレント原油価格が上昇したと指摘。シンガポールでは一部の石油製品の在庫が減少したものの、北東アジアからの供給は安定する見通しだとした。一方、世界的な石油価格は、中期的には変動しやすい状態が続くとした。
(ポールタン、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、10月28日)

日揮のメタン排出管理施設、マレーシア経済省などが視察

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 マレーシア経済省と、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の関係者がこのほど、茨城県大洗町のメタン排出管理技術の評価施設を視察した。施設を運営する日揮ホールディングス(本社・横浜市西区)が27日、発表した。

訪問したのは「JGCメタン排出管理技術評価センター」で、メタンの漏えいを検知・測定する技術の性能評価や技術開発を行っている。こうした技術は、メタンなどの温室効果ガスの排出量を正確に把握し、削減策を検討する上で重要となる。

視察では、日揮のメタン排出管理サービスや技術評価の取り組みについて説明を受けたほか、温室効果ガスの排出削減などについて意見交換が行われた。

日揮ホールディングスは9月、海外事業会社を通じ、ペトロナスとJOGMECなどと、東南アジア初となるメタン排出管理実証設備「SEA METEC」設立に向けた協力覚書(MoC)を締結している。

政府、石炭火力発電所の稼働延長を検討=副首相

【クアラルンプール】 ファディラ・ユソフ副首相は26日、既存の石炭火力発電所の稼働期間を延長する可能性があると発言。政府は2044年までに石炭火力発電を全廃する方針を掲げているが、電力の安定供給を最優先する考えを示した。

エネルギー移行・水利転換相を兼任するファディラ氏はこの日、「シンガポール国際エネルギー週間」のイベントに出席。新規の石炭火力発電所を承認しないという方針を維持しつつも、十分な発電容量を確保するためにさまざまなシナリオを検討していると説明した。データセンターの増加などで電力需要が急拡大する中、「最終的には、確実に電力が確保されなければならない」と述べた。また稼働期間を延長する場合、他の燃料との混焼も検討すると付け加えた。
(ビジネス・トゥデー、ザ・ストレーツ・タイムズ、10月27日)