ラフィジ前経済相が汚職疑惑の捜査対象に、英アームとの契約巡り

【クアラルンプール】 ラフィジ・ラムリ前経済相がマレーシア汚職防止委員会(MACC)の捜査対象に含まれている。アザム・バキMACC委員長は4日、記者会見を開き、ラフィジ・ラムリ氏の補佐だったジェームズ・チャイ容疑者を、政府とソフトバンク・グループ傘下の英アーム・ホールディングスとの11億リンギの契約に絡む権力、詐欺、統治容疑で指名手配したと発表した。

MACCは既に経済省、マレーシア投資開発庁、投資貿易産業省の職員12人に証言を求めており、経済大臣だった者にも証言を求めると語った。アザム・バキ氏は「関係省庁から重要な書類を押収した。閣議でのプレゼンテーションも調査する」と述べた。

マレーシアは半導体チップの後工程では強みを持つが、前工程が弱く、設計能力の強化を狙いに昨年3月、アームと契約を交わし、アームからの支援の見返りに10年間で2億5,000万米ドルを支払うことで合意した。

シンガポールのテレビ局CNAの取材に対しラフィジ氏は「政治的動機に基づく捜査。自分がアザムの停職を公の場で求めたことへの報復だ」と語った。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、CNA、ロイター通信、3月4日)

補助金なし「RON95」を2.67リンギに引き上げ、3月5日から

【クアラルンプール】 財務省は4日、3月5日から3月11日までの1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格を、前週の1リットル当たり2.59リンギから8セン引き上げ2.67リンギにすると発表した。

新燃料補助金制度「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」適用外のハイオクガソリン「RON97」の価格も3.15リンギから10セン引き上げ3.25リンギとする。「BUDI95」適用の「RON95」価格は1.99リンギで据え置く。

一方、ディーゼルの小売価格については、「ユーロ5 B10」および「B20」は1リットルあたり3.04リンギから8セン引き上げ3.12リンギとする。また「ユーロ5 B7」ディーゼルも3.24リンギから3.32リンギに引き上げる。サバ州、サラワク州、ラブアンにおけるディーゼル燃料の小売価格は2.15リンギで据え置く。
(ザ・スター、ポールタン、フリー・マレーシア・トゥデー、3月4日)

政府、RON95補助金価格1.99リンギで維持の方針

【クアラルンプール】 政府は、米国・イスラエルによるイランへの軍事攻撃で原油価格の上昇が見込まれる中、マレーシア国民向けレギュラーガソリン「RON95」の補助金価格は1リットル当たり1.99リンギで維持する方針だ。

アクマル・ナスルラー経済相は3日、クアラルンプールで開催された、マレーシアの石油・ガス(O&G)産業のトップらが一堂に会するフォーラムに出席。RON95補助金価格に触れ、財務大臣を兼任するアンワル・イブラヒム首相が1日に示した、維持の方針を改めて強調した。アクマル氏は「ブレント原油価格と関連指標を注視していくが、対象を絞った補助金制度のため、維持は可能」との見方を示した。

補助金なし価格については2月26日から、前週から5セン引き上げの2.59リンギになっている。3月5日からの価格は、4日午後8時ごろの発表で注目される。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、フリー・マレーシア・トゥデー、3月3日)

米・イラン戦争の直接的影響は管理可能=エコノミスト

【クアラルンプール】 米国とイランとの戦争がマレーシアに及ぼす影響について、マラ工科大学のラビアトゥル・ムニラ経営・管理学上級講師は、米国あるいはイランとマレーシアとの2国間貿易への影響より、石油価格、資金の流れ、投資家マインドなど2次的影響の方が大きいとの見解を示した。

ラビアトゥル氏は「国際原油価格が上昇すればペトロナスの収入が増加し、ペトロナスから政府への配当も増えるが、マレーシアは一部の石油製品の純輸入国であり、原油価格の上昇は国内経済に影響する」と述べた。

産業セクター別では、輸送業、航空業、エネルギー消費の多い製造業、農業が特に石油値上がりの影響を受ける。一方で石油上流部門は業績向上が期待できるという。

ラビアトゥル氏は「地政学上の緊張が長期にわたる石油の供給ひっ迫をもたらせば、世界的な経済減速など実体経済へのリスクが高まる」と述べた。マレーシアにとっては外需不振につながるという。
(ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、3月3日)

国家詐欺対策センターが本格始動、年中無休24時間対応に

【サイバージャヤ】 マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)タワー2内に開設された新たな国家詐欺対策センター(NSRC)が3日、本格運用を開始した。緊急ホットラインの番号は「997」で、オンライン金融詐欺に関する苦情に年中無休24時間体制で対応する。

NSRCはオンライン金融詐欺への関係各所の迅速な対応を調整するための、全国的なワンストップ対応センター。警察、中央銀行バンク・ネガラ(BNM)、MCMC、国家金融犯罪対策センター(NAC)が連携してサイバー犯罪対策にあたる。被害者から通報があると銀行口座の停止、取引の調査、回収した資金の被害者への返還が行われる。

サイフディン・ナスティオン内務相は、詐欺師がミュール口座を使って3分から10分で口座の80―90%を盗んだ例を挙げ、通報の遅れは大きな損失につながる可能性があると強調。「最初の1―2時間は非常に重要だ。対策に乗り出すまでの時間が長くなれば長くなるほど、資金の移動を阻止することが難しくなる」と述べた。

NSRCは2025年を通じて14万6,147件の苦情電話を受理し、その結果138件の資金凍結措置が実施され、詐欺シンジケートの手に渡っていた3,453万リンギが回収された。また、被害者への返還に成功した金額も急増し、2024年の50万8,407リンギから昨年は670万リンギに増加した。今年は1月だけでも、3万5,322件の通報があったという。NSRCは2022年の設立以来、中央銀行ビル内で活動を行っていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、ベルナマ通信、3月3日)

中国系雑貨MINISO LAND、サンウェイピラミッドに開業

【クアラルンプール】 中国系雑貨店「名創優品」は2月28日、セランゴール州に旗艦店「MINISO LAND」を開業した。MINISO LANDとしてはマレーシア初で、東南アジアでも最大規模の店舗となる。

旗艦店は、ショッピングモール「サンウェイ・ピラミッド」ファースト・フロアの1,700平方メートルを占有。ホーム&ライフスタイル、美容・スキンケアなど15のテーマゾーンにわたり計8,000点以上を取り揃える。

MINISO LANDは通常のMINISOの店舗より大型で、キャラクターとの写真撮影スポットなどの体験を重視。昨年11月にタイ・バンコクに海外1号店を開業し、その後、スペイン、オーストラリアなど出店を加速させている。

同社は近年、キャラクターの知的財産(IP)を活用した商品を中心に展開。ディズニーやサンリオとコラボした商品のほか、独自のYOYOというキャラクターも好評だ。今回の新店舗でも7割以上がIP商品という。また、箱を開けるまで何のキャラクターが入っているかわからない、くじ引きタイプの「ブラインド・ボックス」も人気で、開業初日からコレクターズアイテムを求める多くの客でにぎわった
(ビジネス・トゥデー、3月2日)

消費者信用法が発効、販売信用業者などは免許が必要に

【クアラルンプール】 昨年12月31日に官報に掲載された消費者金融にかかわる消費者信用法(2025)が3月1日付で発効した。消費者信用に携わる企業は6月末までの免許取得、あるいは登録が必要だ。

財務省の発表によると、法施行に合わせ政府は消費者信用委員会(CCC)を設立した。法制定は透明で責任ある信用制度の構築が狙いで、消費者保護をより確かなものとし、不当、非倫理的商慣行に消費者がさらされないよう図る。

個人が商品購入・サービス利用時に後払いする販売信用の業者、リース会社、売掛債権を買い取るファクタリング会社は6月末までに、CCCから営業免許を取得しなければならない。

債権回収会社、不良債権買い取り会社、債務者の生活再建をアドバイスするクレジットカウンセリング機関はCCCへの登録が必要だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、エッジ、3月2日)

首相の任期10年制限、憲法改正案が2票足りず下院で否決

【クアラルンプール】 首相の任期を最長10年に制限する憲法改正法案が下院議会で2日、否決された。賛成票が146票にとどまり、可決に必要な3分の2に当たる148票に2票足らなかったためで、与党所属議員8人を含む32人が欠席、44人が棄権したことが影響した。

首相の任期制限案は与党連合・希望同盟(PH)構成党の民主行動党(DAP)が要求しアンワル首相もかねてから同意していたもので、民主化を標榜する同政権における目玉政策の一つとなっていた。現時点で法案が再提出されるかどうかは明らかにされていない。

改正案では、10年の上限に達した場合、首相及び内閣は辞職しなければならないが、新首相が任命されるまでは暫定的に首相職にとどまることも可能と規定されている。また同改正は遡及し既に10年以上在任している元首相の再任は禁止されるため、成立すればマハティール・モハマド元首相の再々登板はなくなる。

複数の議員から上限の計算方法や、任期が上限に達した際の首相交代の方法について懸念が示されたが10年という年数の上限よりも任期数を制限する方が有効ではないかとの声が上がった。

一部の野党議員(主に汎マレーシア・イスラム党=PAS所属)は、国家元首である国王の権限を侵害するのではないかと懸念を示し、首相の最終決定権は国王にあると主張した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、3月2日)

26年の経済は順調なスタート=中銀月例報告

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は27日、1月度の金融報告を発表。国内経済の出だしは強固な外需と強いリンギが特徴だったとした。

報告によると、リンギの値上がりが顕著で、対米ドルで2.9%の上昇と、域内(シンガポール、タイ、フィリピン、インドネシア、韓国)の平均(0.3%上昇)を上回った。経済の基礎的条件に対する信頼、外国からの証券投資が背景にある。

貿易は強靭さを示し、前年同月比の輸出増加率は19.6%(25年12月は10.2%)で、電気・電子機器輸出が貢献した。

消費者物価指数(CPI)上昇率は1.6%で前月と同じ。価格変動の激しい品目と価格統制品を除いたコアCPIの上昇率も2.3%と安定していた。個別の品目では、貴金属の値上がりを背景に、宝飾品、腕時計に価格上昇圧力がかかった。

金融以外の民間セクターに対する信用供与は5.5%増。うち社債発行残高の増加(7.6%)が際立った。家計への信用供与は横ばいの5.6%増。

代表的株価指数のFBM・KLCIの上昇率は3.6%(域内平均は7.1%)にとどまった。
(ビジネス・トゥデー、BNM発表資料、2月27日)

中東空域閉鎖の影響、KLIAでも欠航相次ぐ

【セパン】 中東情勢によるフライトの欠航が相次ぐ中、クアラルンプール新国際空港(KLIA)は比較的安定かつ秩序ある運航を維持している。

空港運営会社マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)によると、1日時点で出発便13便、到着便13便、合計26便が欠航となった。

またマレーシア航空は、ドーハなど発着の全便の運休を3月4日まで延長すると決めた。欠航の影響を受ける乗客には通知を行い、必要に応じて代替の旅行手配の支援なども行っている。

MAHBは定期的に危機対応会議を開催し、状況報告を受け、最新の運航状況の把握に努めているという。さらに、影響を受ける地域へ渡航または乗り継ぎをする乗客は、連絡先を最新にしたうえで、空港に向かう前に航空会社に直接フライト状況を確認するよう求めている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、3月1日)