データセンターの実際の電力必要量を見極め、一般への負担を回避

【クアラルンプール】 アブドル・ラーマン副エネルギー移行・水利転換相は13日の下院議会で、データセンターの実際の電力使用量を精査すると表明した。データセンターが電力購入契約で示す電力需要と実際の使用量とに開きがあるためで、過剰な発電能力が一般消費者の負担にならないよう図る。再生可能エネルギー(RE)とデータセンターへの電力供給に関する質問に回答した。

電力会社と電力購入契約を交わしたデータセンターは62カ所で、電力需要は最大で8.77ギガワット。うち稼働しているデータセンターは45カ所で、需要は同6ギガワットだが、8月末時点の実際の使用量は1.37ギガワット。

アブドル・ラーマン氏は「データセンターに太陽光など自社発電を求めることも考慮する」と述べた。

9月1日時点のRE発電能力は1万4,000メガワットで、国内総発電能力の32%。2030年までには新たに1万―1万1,000メガワットのRE電力が創出される予定だ。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、10月13日)

バンダイナムコ、イオンモールに体験型施設を11月5日開業

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 イオンファンタジーのマレーシア子会社イオンファンタジーマレーシアは11月5日、クアラルンプールの新商業施設「イオンモールKLミッドタウン」に、バンダイナムコエクスペリエンスの体験型エンターテインメント施設「VS CHALLENGE」を開業する。

マレーシア初出店となる同施設は、同社がインドネシアに続いて海外でプロデュースする2店舗目。バンダイナムコエクスペリエンスが施設の企画・プロデュースを担当し、運営はイオンファンタジーマレーシアが担う。施設には、デジタル技術を活用したアクティビティや身体を動かして楽しむゲームなど、計20種類を導入する。

アクティビティには、迫り来る猛獣の群れを左右に動いて避ける「ヨケキル」のほか、「VS PARKOUR」、「VS KUNG FU」などのデジタル型コンテンツや、「UP&DOWN」、「Jump×Jump」などのアナログ型コンテンツをそろえる。

バンダイナムコエクスペリエンスが日本国内の「VS PARK」や「トンデミ」などの施設運営を通じて蓄積したノウハウを生かし、マレーシア市場の需要や来場者の特性に合わせてコンテンツを選定した。

出店先のイオンモールKLミッドタウンは、クアラルンプール中心部のジャラン・ドゥタマスに位置する。イオンファンタジーマレーシアは同モールで、ファミリー向けアミューズメント施設「モーリーファンタジー」と、クレーンゲームを中心とする「PALO」も同時に展開する。

同一施設内でターゲット層の異なる3業態を組み合わせ、家族連れから若年層まで幅広い顧客を取り込むとともに、施設間の相互送客による集客効果を狙う。バンダイナムコエクスペリエンスは、施設の立地や対象顧客に応じたコンテンツの企画・販売を通じ、海外での体験型エンターテインメント施設のプロデュース事業を拡大する方針だ。

 

対中貿易赤字の拡大、是正に向け抜本的対策も=投資貿易産業相

【クアラルンプール】 ジョハリ・アブドル・ガニ投資貿易産業相は12日の下院議会の質疑で、対中貿易赤字の拡大につながっている製品を調査し、国内製造業の再建に向けて抜本的な対策を講じる考えを示した。かつて国産していた製品が輸入品に置き換わった経緯を調べ、国産の再開が可能か検討するという。

2025年には対米貿易黒字が約1,000億リンギに達した一方、対中貿易赤字は約1,460億リンギに上った。投資貿易産業省は、対中貿易赤字の原因となっている製品を特定し、国内企業が生産をやめた理由や工場閉鎖の経緯を分析する。具体的な対策や実施時期は明らかにしていない。

ジョハリ氏は、安価な輸入品への依存が国内工場の閉鎖を招き、製造能力を損なう可能性があるとした上で、国内生産が失われれば、将来的に海外供給業者への依存が強まり、輸入品の価格が上昇する恐れもあると指摘。一部の国内企業は政府の方針に異論を唱えているものの、長期的な経済利益を守るため、より踏み込んだ措置が必要だと述べた。
(ザ・サン、フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、10月12日)

奇瑞「オモダ5」で後輪車軸脱落、認可停止で再リコール

【クアラルンプール】 道路交通局(JPJ)は、走行中に後輪車軸が脱落する事故が発生したことを受け、中国自動車大手、奇瑞汽車(チェリー)のスポーツ車(SUV)「オモダ5」の車両型式認可(VTA)を停止し、新規登録を中止した。

問題の事故は10月6日、ジョホール州ジョホールバルのイオン・モール・テブラウ・シティ近くのジャラン・パンダンで発生。SNSに投稿された写真や動画には、車体から後輪の車軸ごとサスペンション部品と車輪が脱落し、半壊状態で路上で立ち往生した「オモダ5」が映っている。

JPJは奇瑞汽車の現地法人、チェリー・オート・マレーシアに対し、部品番号、生産ロット、車両識別番号(VIN)などを用いて対象車両を特定し、リコールを実施するよう指示した。認可停止の解除は、是正・予防措置が完了し、すべての安全上のリスクが解消されたとJPJが確認した後となる。

チェリー・オートは12日、影響を受ける車両を対象にリコール(回収・無償修理)を開始すると発表した。リコール対象は旧型オモダ5の「C」と「H」の各仕様。対象車両は点検を受け、必要に応じて部品を交換する。

「オモダ5」は2024年4月にも、走行中に後輪車軸が脱落する事故が発生し、600台をリコールした。当時、チェリー・オートは溶接装置の先端部の調整不良が原因と説明し、2023年8月15日に生産された車両のうち60台で影響を受ける部品を確認したと説明していた。

今回の不具合との因果関係や原因については、現時点で確定していない。「オモダ5」はすでに販売終了しており、2025年9月に「チェリーO5」に置き換えられた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、ポールタン、10月12日)

日本産牛内臓がマレーシアに輸出可能に、農水省が取扱要綱改正

【クアラルンプールアジアインフォネット】 農林水産省はこのほど、マレーシア向け輸出牛肉の取扱要綱を改正し、牛内臓を輸出可能品目として追加した。

日本から農林水産物・食品を輸出する場合、法律に基づき、輸出証明書の発行などに関する手続規程が定められており、輸出先国ごとの取扱要綱で具体的な輸出要件や手続きを規定している。マレーシア向けの牛肉輸出については、マレーシア・イスラム開発局(JAKIM)などによるハラル(イスラムの戒律に則った)認証に関する要件や、関連書類の提出などが定められている。

今回、9月10日付で同要綱を改正。都道府県などにあてた通達で、「マレーシア側との協議の結果、牛内臓が輸出可能品目として追加された」と説明した。牛内臓には、ほほ肉、舌、牛脂などが含まれる。併せて、輸出製品の追加・変更に関する手続きなどを改めたほか、「食肉衛生証明書」の様式を変更した。

煙害で「不健康」20カ所、ジョホール州など学校休校を継続

【クアラルンプール】 煙害(ヘイズ)による影響で、13日も前日に続きジョホール州、マラッカ州、ネグリ・センビラン州、プトラジャヤでは学校が休校となる一方、クアラルンプール、セランゴール州(一部地域を除く)では学校が再開した。さらに、プトラジャヤを除く、ジョホール州など3州は14日も休校が発表された。

13日午前10時40分時点で、環境局の全国68カ所の観測地点のうち、大気汚染指数(API)が101―200の「不健康」を記録したのは20カ所だった。前日午後の23カ所から減少したものの、ジョホール州内が引き続き最も多く、8カ所となった。特にパシル・グダンでは全国で最も高い181を記録し、前日午後の174から上昇した。

13日午後3時時点では、全国22カ所で「不健康」となった。

教育省はこれまでに各州の教育局長に対し、APIに基づいて翌日の学校の授業体制を決定し、発表するよう通達した。平日は午後5時45分までに発表。週末については、金・土曜が休みのケダ州、クランタン州、トレンガヌ州では土曜の午後2時45分までに、それ以外の州では日曜午後2時45分までに発表するよう指示している。

ファドリナ・シデク教育相は12日、保護者らに対し州教育局や各学校からの最新の発表に注意するよう促すとともに、API指数が高い地域では屋外活動時のマスク着用などの対策を呼びかけた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、10月12日、マレー・メイル、10月12、13日)

日馬交流促進イベント、福岡で16、17日開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本とマレーシアの交流促進を目的とするイベント「マレーシア・ゲートウェイ・フェスティバル」が16、17日の2日間、福岡市中央区の複合施設「ワン・フクオカ・ビルディング」で開催される。

イベントは、福岡県、福岡市、マレーシア投資開発庁(MIDA)などが後援。「CONNECT DAY」と題した16日は、ビジネス交流を中心に展開される。マレーシアの投資環境についてのMIDAのセミナーに加え、マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)会頭が現地日系企業の事業環境と課題について話すほか、外務省や国際協力機構(JICA)による官民連携の取り組みの紹介などもある。

17日は「PUBLIC DAY」として、子供向けの無料の缶バッジ制作ワークショップなどが行われる。入場無料で、一般参加は原則自由だが、懇親会など一部企画は事前の申し込みが必要。詳しくはホームページ(https://malaysiagatewayfestival.com/)。

公務員の最低年金1350リンギに引き上げ 産休も拡充

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は9日、2027年度予算案で、公務員の最低月額年金を1,000リンギから1,350リンギに引き上げると発表した。

最低年金の引き上げは、退職公務員、軍人退役者、遺族年金などの派生年金受給者を合わせ、約5万9,000人が対象となる見通しだ。また在職期間を通じた産休取得日数の上限を現行の360日から490日に拡大すると発表した。1回の出産につき最大98日まで取得できる。

政府施設内の保育所の改善には2,000万リンギを充てる。公務員の昇進についても、ポスト不足などの理由で昇進が停滞している管理職・専門職の職員1万2,000人を対象に、1回限りの特別昇進措置を実施する。

業務上の事故や災害による死亡時に遺族へ支給する一時金の弔慰給付も拡充する。対象となる遺族への一時金は、勤続年数に応じて現行の2万リンギから最大5万リンギに引き上げる。遺族への月額給付は別途継続する。

人民義勇隊(RELA)、補助消防隊、警察ボランティア、民間防衛ボランティアの手当も引き上げる。一般隊員は時給8リンギから9リンギに、監督者は9.80リンギから10.80リンギに改定する。約5万人が恩恵を受ける見込み。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、10月9日)

財務省、27年経済成長を4.2―5.2%に減速予想

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 財務省は9日、2027年予算案の提出に合わせて「2027年経済見通し」を発表。2027年の実質GDP成長率は4.2―5.2%と、今年の予測値4.8―5.3%から減速する見通しとなった。

今年の成長率予想は、従来の4.0―4.5%から4.8―5.3%へ引き上げられた。同報告書によると、2026年上半期の成長率は5.7%で、下半期は4.7%と見込まれている。来年は今年の水準から減速する計算だが、世界的な需要の鈍化や主要産業における成長スピードの緩和が背景にあるものの、堅調な内需と戦略的投資が下支えとなり、全体としては安定した成長軌道を維持するとみている。

2027年の個人消費は4.8%増を見込む。民間投資は7.1%増、公共投資は6.8%増の見通し。内需全体は5.1%増、うち民間支出は5.3%増となる。公的消費は3.2%増の見通しだ。

産業別では、サービス業が5.2%増と最も高い伸びとなる見通し。デジタルサービスと個人消費が牽引し、全サブセクターがプラス成長になる見込みだ。建設業は5.7%増、製造業は4.1%増と予測している。

製造業では、電気・電子(E&E)分野がAI関連製品の需要に支えられて安定的に推移する見通し。一方で、世界の半導体サイクルは2027年に落ち着くと見ている。農業は0.5%増にとどまるが回復に転じ、鉱業・採石業は1.2%増の見込みとなっている。

2027年の総輸出は3.0%増、総輸入は3.5%増と見込まれる。輸出の内訳は、製造業品が2.6%増、鉱物資源が8.3%増、農産品が4.8%増で、鉱物資源の伸びは、液化天然ガス(LNG)、原油、金属鉱石などの輸出が支える。

2027年の総合インフレ率は1.8―2.8%の範囲に収まる見通し。エネルギーや食料などのコスト上昇が遅れて価格に波及するとみている。リスクは上振れ方向に傾いており、地政学的緊張の再燃、エネルギーや供給網の混乱、運賃・肥料コストの上昇、天候による食料供給ショックが物価を押し上げる可能性がある。

AIを身に付けた大卒者3万人を輩出、高等教育省計画

【クアラルンプール】 高等教育省は人工知能(AI)技術を身に付けた大卒者を2025―30年の5年間で3万人、輩出する計画だ。下院議会における議員の質問にザンブリー高等教育相が回答した。

現在、11の公立大学の学士・修士・博士号課程で30の特別プログラムを提供しているが、AIをすべての学生が学べるよう、公立大の学士課程の80%にAIの要素を組み入れる。

ザンブリー氏は「AIは多様な学びの領域を横断しており、専門分野とみなすべきではない」と説明した。

人材育成を強化するためマレーシア工科大学にはAI学部を設け、ほかの2大学にはAI関連学部を設ける。また学業のあらゆる段階で学生がAI能力を高められるよう、就業実習型学習プログラムなどを大学に導入する。

AIが学生の創造性などに与える影響を考慮し、AIツールへの過剰な依存を防ぐべきとの質問に対し、ザンブリー氏は「AIへの過剰依存は創造性、批判的思考、さらには道徳的価値観に影響する可能性がある。技術の利用と人としての能力開発のバランスが必要だ」と述べた。
(マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、10月9日)