ローク運輸相が辞意、ナジブ自宅拘禁への反対意思表明で

【クアラルンプール】 与党連合の一角を占める民主行動党(DAP)のアンソニー・ローク書記長は19日、ナジブ・ラザク元首相に自宅拘禁を認める条件付き恩赦決定への反対意思を表明する意図から、運輸相を辞任する意向を明らかにした。

DAPの中央執行委員会(CEC)はローク氏だけが閣僚職を辞し、他のDAP所属閣僚・副大臣は政権にとどまる方針を決めた。辞表は近く首相に提出する。アンワル・イブラヒム首相は近くローク氏と会う意向を示しており、その上で辞任を受理するか決定するとみられる。

ローク氏はCEC会合後の記者会見で、国王の恩赦権限を尊重すると強調する一方、今回の決定に対する党の立場を自身の辞任申し出によって示す考えを表明。DAPが一斉に閣僚を辞任すれば政治的不安定を招き、アンワル政権の下院議会における支持基盤の喪失を狙う敵対勢力に機会を与えることになると説明した。その上で、自身だけが辞任することで、ナジブ氏への条件付き恩赦に対するDAPの立場を示しながら、政権の安定を維持する考えを示した。

ローク氏によると、他のDAP所属閣僚や副大臣も辞任する用意があったが、CECは政権全体への影響を考慮して一斉辞任を見送った。ローク氏は辞任が受理された場合も、運輸省の業務や進行中の事業に支障は生じないとしている。

ナジブ氏を巡っては、18日にスルタン・イブラヒム国王が条件付き恩赦を認め、SRCインターナショナル事件の残りの刑期について、5,000万リンギの罰金を支払うことを条件に自宅拘禁を認めた。自宅拘禁は2028年8月23日までとなっている。
(エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、ビジネス・トゥデー、9月19日)

イポーで日本向け詐欺拠点摘発、日本人6人逮捕

【イポー】 ペラ州警察は18日、日本人を狙った特殊詐欺に関与したとみられる日本人男性6人を逮捕したと発表した。

逮捕されたのは、22―58歳の日本人男性6人と地元男性1人。16日にイポー市内の住宅を摘発し、携帯電話16台、ノートパソコン1台などを押収した。調べによると、8月中旬から同住宅を拠点に、友人になりすますオンライン詐欺のコールセンターを運営していたとみられる。

同警察は、住宅所有者に対し入居者の身元を十分に確認するよう求めるとともに、近隣の住宅がコールセンターとして使われている疑いがある場合は、最寄りの警察署に通報するよう呼びかけている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、9月18日)

熊本県、マレーシア食品市場の輸出セミナーを10月開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 熊本県は10月5日、「マレーシア市場への第一歩 農水産物輸出促進セミナー」を熊本市中央区で開催。参加企業を募集している。

セミナーは日本貿易振興機構(ジェトロ)熊本と、熊本商工会議所との共催。マレーシア市場の最新動向や経済環境、現地消費者ニーズ、販売チャネルの特徴など、輸出に向けた実践的なポイントを紹介し、県内事業者の海外市場への参入および販路拡大を支援する。

観光産業、25年の付加価値は8.6%増の3230億リンギ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局(DOSM)によると、2025年のマレーシア観光産業の付加価値は前年比8.6%増の3,230億リンギとなり、国内総生産(GDP)の15.9%を占めた。成長率は24年の7.8%から加速し、国内旅行と外国人旅行客による支出拡大が寄与した。

観光産業の付加価値を分野別にみると、小売業が50.6%と最大の割合を占めた。次いで飲食業が16.4%、観光特有のサービスである医療関連サービスやMICE(会議・報奨旅行・国際会議・展示会)などが13.1%、宿泊業が9.3%、文化・スポーツ・レクリエーション関連が4.3%となった。

外国人旅行客と国内旅行を合わせた「国内観光支出」は25年に15.2%増の2,369億リンギとなり、前年の2,056億リンギから拡大した。

外国人旅行客による支出は16.5%増の1,248億リンギで、全体の52.7%を占めた。外国人旅行客のうち宿泊を伴う旅行客が95.6%を占め、日帰り旅行客は4.4%だった。

国内旅行支出は13.8%増の1,121億リンギとなり、全体の47.3%を占めた。宿泊を伴う旅行客が58.3%、日帰り旅行客が41.7%を占めた。

観光関連産業は雇用面でも大きな役割を果たしている。25年の観光関連産業の就業者数は370万人で、マレーシアの総雇用者数の22.1%に相当した。前年比では3.5%増加したものの、24年の4.6%増から伸び率は鈍化した。

ナジブ元首相、罰金5000万リンギで自宅拘禁へ

【クアラルンプール】 恩赦委員会は18日、汚職事件で服役中のナジブ・ラザク元首相(73)について、残りの刑期を自宅拘禁とする条件付き恩赦を認めた。5,000万リンギの罰金を支払うことなどが条件で、刑期の終了日は2028年8月23日のままとする。

首相府法務部門によると、今回の決定は18日に開かれた連邦直轄区恩赦委員会の会合で決定されたもので、スルタン・イブラヒム国王が条件付き恩赦に同意した。自宅拘禁の具体的な条件は明らかにされていないが、条件に違反した場合は恩赦が取り消され、直ちに刑務所へ戻って残りの刑期を服役することになる。

ナジブ氏は政府系ファンド、1MDBの元子会社SRCインターナショナルを巡り、4,200万リンギの不正流用に関する職権乱用、背任、資金洗浄の7件で有罪となった。連邦裁判所が2022年8月に有罪判決を確定し、12年の禁錮と2億1,000万リンギの罰金を言い渡した。ナジブ氏は同日、カジャン刑務所に収監され、マレーシアで犯罪判決により服役した初の元首相となった。

2024年2月には恩赦委員会が刑期を6年、罰金を5,000万リンギにそれぞれ減額。罰金を支払わない場合は刑期が1年延長され、2029年8月23日までとなる予定だった。

今回の自宅拘禁を巡っては、前国王が2024年1月の恩赦委員会で自宅拘禁を認める「追加命令」を出したとナジブ氏側が主張し、政府側との間で法的論争が続いていた。高裁は2025年12月、追加命令は恩赦委員会で審議・決定されておらず、憲法42条にも適合しないとして司法審査を退けた。ナジブ氏はその後、新たな恩赦請願を提出していた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、9月18日)

電気料金支援、対象世帯を月800kWh以下に拡大

【プトラジャヤ】 政府は電気料金支援の対象を、電力使用量が月600キロワット時(kWh)以下の世帯から、同800kWh以下の世帯に拡大する。施行期間は9月1日から12月31日まで。アンワル・イブラヒム首相がフェイスブックへの投稿で明らかにした。

支援対象の世帯は、自動燃料調整(AFA)、小売り関連費用(料金請求・口座管理などの費用)、売上・サービス税の適用を免除される。AFAとは、発電に使う天然ガスなどの燃料価格や為替レートの変動を、毎月の電気料金に自動的に反映させる仕組みで、燃料価格が上昇した場合は追加料金が上乗せされる。

アンワル氏によると、最近のヘイズや高めの気温のため、一部の世帯の電力消費が増え、毎月の使用量が600kWhを超える結果になった。上限引き上げは生活支援が狙いだ。
(マレーシアン・リザーブ、エッジ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、9月17日)

ムヒディン元首相裁判、7件のうち4件で高裁が無罪判断

【クアラルンプール】 ムヒディン・ヤシン元首相が首相在任中、ジャナ・ウィバワ計画に絡み職権乱用など7件の容疑で訴えられた裁判で、クアラルンプール高等裁判所は15日、4件について無罪を言い渡した。立場を利用し2億リンギを不正に受け取り、元首相率いる政党ベルサトゥの口座に振り込ませた資金洗浄の容疑だった。

ジャナ・ウィバワはコロナウイルス禍で打撃を受けたブミプトラ(先住民・マレー人の総称)系の建設業者を支援するため、インフラ事業を優先的に発注した経済刺激策。

アハマド・アクラム副検事は4件について、起訴を継続しないとして裁判所に申請。その上で、判決を伴わない釈放を請求していた。

これに対し、ノール・ルウェナ裁判官は、起訴手続き停止の理由を検察が示さず、また4件について証拠、証言が一切なかったことを指摘。被告の利益となる判断が妥当として、無罪放免を言い渡した。

残る3件では、ムヒディン被告は立場を利用しジャナ・ウィバ計画に絡み、2,530万リンギをネプトゥリス、マンフォー、KCJエンジニアリングの3社から不正に収受した容疑に問われている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、9月15日)

補助金なし「RON95」4.37リンギに引き上げ、17日から

【クアラルンプール】 財務省は16日、17―23日の1週間の燃料小売価格について、燃料補助金制度「ブディ・マダニ」の対象外となる燃料価格をそれぞれ35セン引き上げると発表。レギュラーガソリン「RON95」は、前週の1リットル当たり4.02リンギから4.37リンギとなる。

補助金なしのハイオクガソリン「RON97」の価格は4.85リンギ、「ユーロ5 B10」および「B20」ディーゼルの小売価格は5.27リンギ、「ユーロ5 B7」ディーゼル燃料は5.47リンギにそれぞれ引き上げられた。

補助金付きの「RON95」の価格は1.99リンギ、「B10」および「B15」ディーゼル価格は2.10リンギで引き続き据え置く。

財務省は、西アジア地域の緊張が再び高まり、国際原油価格が1バレルあたり100米ドルを上回ったと指摘。さらに価格の変動は長期化する恐れがあり、引き続き慎重な対応をとる方針を示した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、ポールタン、9月16日)

ジェトロKL、高級部位以外の和牛活用セミナーを30日に開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所は、「マレーシア農林水産物・食品輸出支援プラットフォーム」の取り組みの一環として、9月30日にクアラルンプールの日本食レストラン「Wagyu by La Moon」にて和牛セカンダリー部位の活用セミナーを開催すると発表した。

セカンダリー部位は、サーロインやリブロースといった高級部位以外の、ウデやモモ、バラなどの部位のこと。セミナーでは、フラッグシップ輸出産地として認定された黒樺(くろはな)牛輸出促進コンソーシアムが取り扱う黒樺牛を使用して開催する。

黒樺牛の紹介に加え、セカンダリー部位の特徴や適切な取り扱い方法等について理解を深める機会を提供。またシェフによるカッティングデモンストレーションや、各部位を活用した調理方法も紹介する。セミナー開催を通して、マレーシア市場でのセカンダリー部位の普及を促進し、和牛のさらなる輸出拡大を目指す。

日本からマレーシアへ輸出される農林水産物・食品の中で、牛肉は品目別の輸出額が最も大きい品目となっており、毎年輸出量が増加傾向にある。一方、今後のさらなる輸出拡大や収益の最大化を目指すには、セカンダリー部位に関する認知度向上および販路拡大が重要な課題となっている。

DSRタイコ、パハン産ムサンキング認証制度で州開発公社と連携

【クアラルンプール】 パハン州のドリアン専門企業DSRタイコは14日、州開発公社(PKNP)と、最高級品種「猫山王(ムサンキング)」の産地認証制度の構築に向けた連携協定(MOU)を締結したと発表。栽培から流通まで追跡できるトレーサビリティを導入することでブランド価値を高め、輸出時のプレミアム価格の確保を図る。

同社は以前から、政府系の規格策定・認証機関SIRIMと共同開発した「ムサンキング統合追跡システム」(MKITS)を運用。QRコードなどを使って、農園の場所や収穫日、配送などを追跡できるシステムで、今回の提携を通じ、州内のほかの農園にも拡大することを目指す。

同社によると、マレーシアのドリアン輸出額は2025年に15億リンギを超え、農業食糧安全省の予測では2030年までに18億リンギに達する見込みという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、9月14日)