セランゴール州とKL、首都圏洪水対策で5項目の緊急措置を推進

【プトラジャヤ】 セランゴール州政府と連邦政府の連邦直轄地部は、首都圏クランバレーで頻発する洪水被害を抑制するため、5項目の対策を実施することで合意した。ハンナ・ヨー首相府相(連邦直轄領担当)とセランゴール州のアミルディン・シャリ州首相が23日に協議し、共同声明を発表した。

両者はまず、2週間以内に技術会合を開催する。合意した主な対策は、▽バトゥ・ダムとクラン・ゲート・ダムの貯水能力見直し▽新たな洪水調整池の候補地の特定▽既存の洪水調整池3カ所の拡張▽河川の浚渫と土砂除去の推進▽技術面・費用・財源・実施方法の調整――の5項目。

技術会合では、事業の実施場所や範囲、概算費用、財源、実施方式などを具体化する。政府は次回国会会期および2027年度予算案の提出前に予備的な内容を取りまとめる方針だ。進捗状況を確認し、未解決の問題を処理するため、定期的な協議も実施する。

バトゥ・ダムとクラン・ゲート・ダムについては、現在の貯水能力が今後20―30年間の水管理需要に十分対応できるかを調査する。同時に洪水リスクを低減できる上流地域について、新たな洪水調整池の建設候補地も探す。候補地の選定では、技術的な適性だけでなく、土地の所有・利用状況、環境や地域住民への影響、洪水軽減効果などを考慮する。

セランゴール州灌漑排水局(JPS)は、貯水能力の増強に適した既存の調整池として、カンポン・ラクサマナ池、スンガイ・ケルタス池、ブキット・ラゴン池の3カ所を特定する。うちブキット・ラゴン池は森林保護区内に位置しているため、調整池として利用するには保護区指定の解除が必要となる。

また、河川の浚渫・土砂除去については、セランゴール州JPSとクアラルンプールJPSが、両地域で対策が必要な河川を共同で特定する。浚渫によって発生する土砂の処分場所として、クアラルンプールJPSがセランゴール州内で30エーカー(約12.1ヘクタール)の適地を探す。
(ベルナマ通信、フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、8月23日)

ペナン州で短期賃貸施設の運営が免許制、国内初

【ジョージタウン】 ペナン州において8月1日付で、短期賃貸施設の運営を免許制にする条例が発効した。エアビーアンドビー(Airbnb)、ホームステイの運営者は管轄の市役所から免許を取得しなければならない。

発効したのは2026年ペナン短期民間宿泊施設条例で、ペナン島市議会(MBPP)と本島側に位置するセベラン・ペライ地区議会(MBSP)にこうした施設の監督権限が付与された。運営者への猶予期間は2カ月で、条例施行は11月1日。

短期宿泊施設に関する条例導入は国内の州で初めて。迷惑行為、安全上の苦情を受けての措置で、ペナン島市役所には2000年から今年3月までに、不法な短期宿泊施設に関する苦情が364件寄せられた。

規制の対象になるのは、連続で6カ月を超えない期間、賃貸契約なしで有料の宿泊サービスを提供する施設で、サービスアパート、SOHO(ソーホー)、ショップハウスがこうした施設として利用可能。医療施設や託児所、労働者住宅、低所得者用住宅は利用できない。土地付き住宅の場合、利用目的変更の許可が必要。

年間免許料は1,000リンギ(3室まで)。追加分は1室200リンギで、追加上限は2室。短期宿泊施設税が別に1室あたり1,800リンギかかる。
(マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、8月21日)

セランゴール州、9月1日を特別祝日に

【シャアラム】 セランゴール州は、同州で開催された2026年マレーシア競技大会(SUKMA、日本の国民スポーツ大会に相当)で、州代表団が総合優勝を果たしたことを記念し、9月1日を特別祝日とする。同州のアミルディン・シャリ首相が24日、発表した。

SUKMAは隔年開催の大会で、第22回となる今年は8月15―24日に37競技で争われた。セランゴール州は地元開催ということもあり、目標としていた金メダル80個を上回る101個を獲得するなど好成績を収め、通算10回目の総合優勝を果たした。

これに伴い同州では8月31日の独立記念日と9月1日の特別休日、土日を合わせ、8月29日―9月1日の4連休となる。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、8月24日)

マクドナルドとTNB、二酸化炭素排出削減で協力

【クアラルンプール】 マクドナルド・マレーシアと、政府系電力会社のテナガ・ナショナル(TNB)は二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた取り組みで協力していくと発表した。

今回の協力は3つの取り組みで構成。まず新たにマクドナルド51店舗に屋上太陽光発電システムを導入する。合計発電容量は1.685メガワットピーク(MWp)と見込まれ、TNBの子会社GSPARXがシステムの開発・運用・保守を担当する。2027年の導入完了を予定する。

また、同社はTNBのグリーン電力料金(GET)プログラムに参加。国内の最大285店舗を対象に、月平均15.5ギガワット時(GWh)の電力消費量に相当する再生可能エネルギーを調達する。

さらに、駐車スペースに電気自動車(EV)向け充電ポイントの設置を進める。最初の導入施設として、ペナン州バトゥ・カワンの店舗に、200キロワットの直流(DC)急速充電器を設置。21日に開設式が行われた。2つの充電ポイントを備え、4ポイントまで増設可能。今後、全国の店舗に拡大する計画だ。

TNBのEV向け充電ブランド「TNBエレクトロン」は現在、全国68カ所の充電施設で計214カ所の充電ポイントを展開しており、マクドナルドの店舗は同ブランドにとって飲食業界で初の導入先となる。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、8月21日)

外国企業の投資審査、首相が国内経済への貢献重視の方針

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は20日、国内で事業を展開する外国企業について、雇用創出や国内経済への貢献を重視して審査する方針を表明した。

アンワル首相はこの日、電子商取引(EC)関連のイベントに出席。越境ECを通じて安価な海外製品が流入し、国内の中小企業を圧迫しているとの懸念を示した。また、ポートクランなどで倉庫を借りている大手外国企業の中には、商品をマレーシアで保管・流通させる一方、国内雇用や国内企業からの製品・サービス調達につながっていないケースがあると指摘。マレーシア企業として登録されていても、輸入品を販売するだけで、国内経済や地域社会への利益が乏しい事業者についても問題視した

政府はこうした企業の活動を一部停止しており、今後の新規投資申請についても、国内経済への実質的な波及効果をより厳格に審査するとした。
(ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、8月20日)

「中国による台湾武力行使を容認」アンワル首相の発言が物議

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相が台湾問題を巡り、中国による武力行使を容認したとも受け取れる発言を行い、中国側から歓迎の声が上がる一方で、台湾側から抗議の声が上がっており、改めて中台問題を巡る外交バランス感覚が問われている。

アンワル首相は16日に放映された中東メディア「アルジャジーラ」のインタビューで、「私は台湾を中国の一部と見なしている」と言明。中国による台湾への武力行使に対する認識について問われた際には、マレーシアの領土的一体性を例に挙げ、「ある州が離脱を決めた場合、武力を使うのか。国家の神聖性と統一を守るためなら、私は使うと思う」と答え、平和的統一に失敗した場合の武力による統一を容認する考えを示した。

中国外務部の林剣報道官は19日、アンワル氏の発言について「一つの中国原則を守ることは正しいことだ」と評価。一方、台湾外交部は、「中国への一方的な支持はマレーシアへの投資に対する台湾企業の信頼を損なう可能性がある」とアンワル氏の発言を非難した上で、武力による威嚇を通じて台湾海峡の現状変更を一方的に推し進めることを支持する発言は、「台湾とマレーシア間の政治的信頼を著しく損なう」と警告した。

マレーシア国内では、イスラム原理主義野党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)のハイム・ヒルマン・アブドラ氏が「深刻な外交上の誤りであり、不必要な発言だ」と指弾。与党連合構成党の人民正義党(PKR)のティアン・チュア元議員は、「一つの中国政策を認めることと、武力による統一を支持することは同じではない」と批判した。

マレーシア華人社会でも見方は分かれている。中国寄りの立場からは、アンワル氏の発言は従来の「一つの中国」政策に沿ったものとの受け止めがある一方、台湾に近い立場からは、台湾海峡情勢について戦略的曖昧さを維持すべきだとの意見も出ている。経済界からは、台湾問題への過度な関与を避けるべきだとの現実的な見方もある。

批判を受けたアンワル氏は20日になって発言の軌道を修正。マレーシアが1974年のラザク・フセイン第2代首相政権以来、「一つの中国」政策を維持していると説明した上で、「もちろん中国の立場を尊重するが、平和的な道が最善だ」と述べ、武力行使への支持ととられる発言を撤回する意向を示した。

マレーシア政府は1974年に中国と国交を樹立した際、中国を代表する唯一の合法政府として中国政府を承認。その後、台湾に関する表現は次第に中国側の立場に基づき「台湾を中国の不可分の一部」とする認識を示すようになっている。

アンワル首相発言が二転三転した背景には、中国との経済関係強化を図りつつ、台湾をはじめとするアジア主要経済国との広範な貿易・投資関係を維持しようとするマレーシアの、外交上のバランスの難しさがある。中国から多くの投資を受け付ける一方、フォックスコン・グループやASEテクノロジー・ホールディングスなどの台湾企業は、マレーシアの電子機器・半導体産業に多大な投資を行っている。
(星ストレーツ・タイムズ、エッジ、8月21日)

ジョホール州でまた国旗・州旗を逆さに掲揚、工場は営業停止に

【イスカンダル・プテリ】 ジョホール州イスカンダル・プテリのタマン・ペリンダストリアンSILCにある工場が、国旗とジョホール州旗を上下逆さまに掲揚していたことが分かった。同州で国旗と州旗が逆さまに掲揚される事件が起きたのは、今月に入ってこれで2件目。

同工場は20日に行われた立ち入り検査によって無許可で操業していたことが判明し、イスカンダル・プテリ地区議会(MBIP)は営業停止を命じた。当時に工場にはマレーシア人2人と外国人12人の従業員がいたが就労許可証の状況についてさらに調査するため外国人労働者全員が拘束され、同地区警察本部へ連行された。

マレーシアでは国旗を逆さまに掲揚するなどの不敬な扱いに対しては、故意であれば「侮辱罪」に問われる可能性がある。「2019年営業・事業・産業免許細則」第45条1項では旗の掲揚に関する規定を定めており、違反した場合は営業停止などの処分が科される。

17日に同州クライ地区で起きた事件では、警察は敷地内にいたネパール人警備員とマレーシア人女性1人を拘束。2人とも現在も勾留されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデ、8月20日)

マレーシア航空の成田発便が離陸中止、エンジン不具合か

【千葉/クアラルンプール】 20日午前10時40分ごろ(日本時間)、成田空港でクアラルンプール行きのマレーシア航空MH89便が離陸滑走中、機体から黒煙が上がり、離陸を中止した。乗員乗客約160人にけがはなかった。これに伴い、A滑走路は約2時間半にわたり閉鎖された。

同便はエアバスA330ー300型機を使用。左エンジンに不具合があったとみられ、マレーシア航空は同便を欠航とし、機体の技術点検を行っている。影響を受けた乗客には、振り替え便の手配などを実施。「乗客と乗務員の安全と健康は、当社の最優先事項である」との声明を発表した。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、8月20日)

農業展示会「MAHA」に水産特設会場、40万人の来場目指す

【クアラルンプール】 マレーシア漁業局(DOF)は、マレーシア最大の農業展示会「MAHA2026」で水産・アグロフード特設会場を設置し、40万人の来場者と30万リンギの売上・取引額を目標としている。

特設会場には、国内の水産業者や関連企業など30の出展者が参加し、地元産のシーフードの多様性と商業的可能性をアピールする。直接販売に加え、500万リンギ相当の覚書・協定の締結、投資機会の創出を目指す。

一般来場者向けにはマグロの解体ショーと試食なども予定されている。

MAHA2026は28日―9月6日の日程で、セランゴール州セリ・ケンバンガンのマレーシア農業博覧会公園セルダン(MAEPS)で開催される。19日にはモハマド・サブ農業食糧安全相が会場を視察し、開幕に向け準備が順調に進んでいることを確認した。

今回、400万人の来場者と国内外から2,000社超の出展者を見込む。直接販売額5,800万リンギに加え、80億リンギの潜在的な投資・貿易額を目指している。また、約80万人の若者に農産食品セクターにおける機会を紹介することも目的としている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、マレーシアン・リザーブ、8月20日)

GSTとSSTの統合税制を検討へ、財務省に調査指示

【プトラジャヤ】 マレーシア政府は19日の閣議で、物品・サービス税(GST)と売上・サービス税(SST)を統合した「ハイブリッド型税制」の導入提案について、財務省に包括的な調査・検討を命じた。現行のSST制度の課題と過去のGST導入時の教訓を踏まえ、より進歩的で効率的な税制の構築を目指す。

政府報道官を務めるファーミ・ファジル通信相が同日の閣議後会見で明らかにした。アミル・ハムザ第2財務相が詳細な評価を行い、報告書を閣議へ提出する見通し。ファーミ氏は「初期段階であり、拙速な対応は避け慎重に調査を進める」と述べた。来年度予算案に反映させるかどうかも含め、調査の完了時期は定められていない。

今回の決定は、アンワル首相が両税制の要素を組み合わせる構想に前向きな姿勢を示したことを受けたもの。ただしアンワル首相は、現行のSSTを軸とする方針を維持し、非課税層に新たな負担を強いるような広範な課税の再導入には慎重な姿勢を崩していない。

マレーシアでは2015年4月に税率6%でGSTが導入されたが、政権交代に伴い2018年6月に実質撤廃され、同年9月から旧来のSST制度へ戻された経緯がある。

専門家や経済界からは、企業間取引における仕入税額控除(ITC)などGSTの長所をSSTに取り入れることで、二重課税(タックス・カスケード)を防ぎ税収基盤を強化できるとの声が上がる一方、手続き負担や還付遅延による資金繰り悪化への懸念も示されている
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、8月19日)