MTUC解散仮処分、新たな組合連合結成の動きが活発化

【ペタリンジャヤ】 団体登録局(ROS)が労働組合の総連合会、マレーシア労働組合会議(MTUC)に登録抹消の仮処分を行ったことを受け、労働法改革連合(LLRC)に所属する複数の労働組合はMTUCに代わる新たな労働組合連合の結成に向けて活動を活発化させている。

全国運輸機器・関連産業労働者組合のN・ゴパル・キシュナム氏は、MTUCの解散は労働運動にとって深刻な影響を及ぼし、労働者は国内外における重要な代表権を失うことになると言明。新たな連合会はマレーシア労働組合連盟(MFTU)と命名され、すでに暫定委員会が設置されていると述べた。ゴパル氏は暫定委員会の下、MFTUの事務局長を務めている。

暫定委員会には、サラワク銀行従業員組合(SBEU)、マレーシア半島船員全国組合(NUSPM)、マレーシア看護師組合(MNU)、サバ医療サービス組合(SMSU)、電子産業従業員組合北部地域(EIEUNR)が参加している。暫定委員会の委員長はSBEUのCEOであるアンドリュー・ロー氏が務め、NUSPMのイクマル・アザム・タナラジ氏が副委員長を務めている。

ゴパル氏は、「MFTUの目標は、マレーシア半島部、サバ州、サラワク州の労働者を代表する、幅広い分野を網羅する連盟を設立し、労働組合法に基づいて登録することだ」と強調。「7月末までに登録に必要な法的要件を満たし、年内に設立総会を開催する予定だ」と述べた。

MTUCは、監査済みの財務諸表および会計帳簿の提出命令に繰り返し従わなかったため、5月7日にROSから暫定的に解散命令を受けた。MTUCは、命令発令日から30日以内に内務相に不服申し立てを行う権利を有する。
(フリー・マレーシア・トゥデー、5月10日)

配車のグラブ、仲間同士での「シェアライド」機能を導入

【プトラジャヤ】 配車サービスのグラブ・マレーシアは8日、グループで1台の配車車両を共有する「シェアライド」機能を発表した。AI(人工知能)を活用し最適ルートを提示し、運賃の割り勘までアプリ上で完結できる仕組みで、個別利用と比べ最大40%の節約が可能としている。

新機能は、同僚同士の通勤や、友人と同じイベントに参加する場合など、少なくとも乗車地点もしくは降車地点のどちらかが同じの複数人によるグループ利用を想定。オンデマンドバスのように、不特定多数の利用者を自動的にマッチングするものではない。

まず幹事となる人が乗車地点と降車地点を設定。共有リンクを通じてグループメンバーを招待し、全員が参加した時点で予約が確定となる。その後、AIが乗降の順番を決め、渋滞状況などに応じて運行中でも柔軟に調整される。

もともとフードデリバリーのグループ注文機能にヒントを得たもので、支払い面の利便性向上が特徴となっている。利用者全員で運賃を均等に分けるか、走行距離に応じて按分するかが選択でき、利用者間での個別精算は不要で、アプリ内で決済が完了する。

新機能に関しては、交通渋滞を緩和し、通勤コストを削減するための幅広い取り組みの一環として、運輸省も導入を支援。8日にはアンソニー・ローク大臣らによる体験イベントも行われた。ローク氏は「こうしたさまざまなサービスと、既存の公共交通システムとの連携を強化することで、自家用車への依存を減らしていきたい」と述べた。

シンガポールなどでは先行導入されており、グラブは今後、インドネシア、ベトナムなどにも拡大していく方針。
(マレー・メイル、スクープ、5月8日、techENT、5月9日)

エアアジアX、エアバスA220ー300型機150機を発注

【クアラルンプール】 格安航空会社エアアジアXは、機材戦略の大幅な見直しに基づきエアバス・カナダとナローボディの「A220ー300」型機(最大160席)を150機発注した。契約額は約190億米ドル(743億リンギ)。エアアジアXは同機のローンチカスタマー(初の顧客)となる。

エアアジアXの共同創業者である、キャピタルAのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)がカナダ・ケベック州ミラベルにある「A220」型機の製造拠点であるエアバス・カナダの工場で売買契約に署名した。納入は2028年から開始される予定で、2039年までに順次行われる。将来的に座席数180席以上の「A220ー500」型機150機を追加購入するオプションも含まれている。

エアアジアXは燃費効率、運航の柔軟性、収益性の向上を目指しており、稼働率の高いナローボディ機への移行に伴い、現行の「A330」型機を段階的に廃止していく計画。「A220」は「A320ceo」などの旧世代機と比較して燃料消費量が約20%少なく、排出量は約20%、運航コストは10%以上削減される。小型であるため、大型ナローボディ機では商業的に採算が合わないような地方都市や新興市場にも収益性のある路線を開設することが可能になる。

エアアジアXはこのほか、「A220」型機の唯一のエンジンサプライヤーであるRTXコーポレーションのプラット・アンド・ホイットニー部門とエンジン購入および長期メンテナンスサポート契約を締結した。
(エッジ、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ブルームバーグ、5月7日)

最大規模のバイオマス発電所、ワスコが運転開始

【クアラルンプール】 再生可能エネルギー(RE)のワスコ・グリーナジーは、セランゴール州カジャンの他社製紙工場に設置した国内最大規模のバイオマス蒸気システムの運転を開始した。1つの燃料から電気と蒸気を同時に発生させる熱電併給システムだ

燃料はアブラヤシを絞った残渣物など空果房で、80%以上の稼働率を目指している。従来型燃料および送電線への依存、二酸化炭素排出を減らすことにつながるシステムで、カーボンクレジット生成の機会も生じるという。年間最大50メガワットの電力を生産できる。

リー・イーチョン最高経営責任者(CEO)は声明で「農業廃棄物をエネルギー源に転換することで、わが社は国家エネルギー転換工程表に基づくマレーシアの願望を支える」と述べた。

ワスコは自社でシステムを建設・所有・運営する方式を採用しており、蒸気、電力を顧客企業に販売している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、5月7日)

KLIAのエアロトレイン、今月中に24時間運行再開へ

【セパン】 クアラルンプール新国際空港(KLIA)ターミナル1のメインターミナルとサテライトターミナルを結ぶ無人運転列車「エアロトレイン」が今月末までに24時間運行を再開する見通しだ。アンソニー・ローク運輸相が5日、明らかにした。

エアロトレインは1998年に導入され、老朽化に伴う大規模改修工事のため2023年3月から約2年間運休していた。昨年7月に運行を再開したが、トラブルが相次いだことを受け、昨年11月から夜間(午後11時―午前5時)に運行を停止し、点検・修理作業を継続していた。また日中はエアロトレインとシャトルバスを並行して運行してきた

ローク氏によると、空港運営会社であるマレーシア・エアポート・ホールディングス(MAHB)は必要なシステム試験作業を完了し、陸上公共交通庁(APAD)に運行再開の承認手続き中という。

エアロトレインは昨年の再開後これまでに約9万5,000回の運行を行い、655万人以上の乗客を輸送したという。
(ビジネス・トゥデー、ザ・スター、5月5日)

「118モール」8月開業、アンカー店は「sogo118」

【クアラルンプール】 クアラルンプール(KL)の超高層ビル「ムルデカ118」の商業施設「118モール」は8月に開業を予定している。300以上の小売店が出店予定で、初年度には約2,200万人の来場者が見込まれる。

モールは建物の低層部7フロア総面積80万平方フィートで構成される。また最大2万台収容可能な駐車場も完備される。アンカーテナントとなるのが百貨店の「sogo118」。現在、マレーシア国内で独自に展開されている「sogo」ブランドの5店舗目となる見込みだが、従来の百貨店を現代的に再構築し、日本製品や東アジアの厳選されたビューティーブランドに重点を置くという。

そのほか、「Live Your Story(あなたの物語を生きよう)」をコンセプトに、世界的な高級ブランドやマレーシア発のプレミアムブランドなどが集結。さらに小売りだけでなく、食や伝統工芸品などマレーシアの文化の発信拠点としての特徴を持つ。工芸品などを中心にした8万平方フィートの「マレーシアン・アーティザン・ディストリクト」、食文化を取り揃える4万平方フィートの「マカニズム・フードホール」、ガラスドームを備えた2万平方フィートのイベントスペース「ジ・アトモスフィア」などが整備される。

モールは、国営投資会社ペルモダラン・ナショナル(PNB)の100%子会社PNBムルデカ・ベンチャーズが運営する。既に70%以上の小売スペースが契約済みで、各テナントは内装工事などの最終段階に入っているという。PNBムルデカ・ベンチャーズのイズワン・ハスリ・イブラヒム最高経営責任者(CEO)は「小売り、文化、ホスピタリティなどをシームレスに結びつけ、マレーシアならではの魅力あふれる目的地となる」としている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレー・メイル、5月4日、ザ・スター、ニュースウェブ、5月5日)

半導体展示会「SEMICON」KLで開幕、7日まで2万人来場

【クアラルンプール】 半導体・電子機器の展示会「SEMICON Southeast Asia 2026」が5日、クアラルンプール(KL)のマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)で開幕した。7日までの3日間で2万人の来場が見込まれる。

5日に行われた開会式にはジョハリ・アブドル・ガニ投資貿易産業相が出席。ジョハリ氏は「世界の半導体需要の拡大に伴い、マレーシアは特に高付加価値分野においてエコシステムと能力を強化し、成長機会を捉える必要がある」と述べた。

展示会は、半導体業界の国際団体「SEMI」が主催。アジット・マノチャ社長兼最高経営責任者(CEO)は「人工知能などが需要を牽引し続ける中、地域を超えた連携がますます重要になる。SEMICONは、単に技術展示の場でなく、業界の長期的成長を支える連携強化の場でもある」と強調。またマレーシア投資開発庁(MIDA)との間で、エコシステム統合、企業支援、人材育成の3分野に重点を置き、パートナーシップを引き続き強化していくことを再確認した。

今年の展示会には、ダイヤモンドスポンサーの東京エレクトロンのほか、多くの日本企業が出展している。
(マレーシアン・リザーブ、5月5日、発表資料)

世界的供給危機が国内価格に影響を及ぼし始める=経済相

【クアラルンプール】 アクマル・ナスルラー・モハマド・ナシル経済相は、世界的な供給危機の影響が輸送、物流、商品価格、そして日々の生活費に波及し始めており、マレーシアはコスト調整の段階に突入しつつあると述べた。

アクマル氏は21日に地元テレビで生放送された世界的な供給危機に関する特別ブリーフィングの中で、4月13日から19日までの期間における一部の食品価格のモニタリング結果から、価格変動はまちまちであることが分かったと説明。供給圧力が一律に発生しているのではなく、品目によって異なり、天候、農業投入コスト、輸送コスト、短期的な供給変動といった要因に影響されていることを示していると述べた。

アクマル氏によると、標準鶏肉の平均価格は1キログラムあたり9.09リンギから9.33リンギへと2.8%上昇した一方、牛肉の価格は1キログラムあたり35.65リンギへと5.0%下落し、Cグレードの卵は10個あたり平均3.66リンギで横ばいだった。

魚介類と野菜のカテゴリーでは、サバの価格は1キログラムあたり17.08リンギから16.43リンギへと下落し、カラシナの平均価格は1キログラムあたり5.89リンギから6.21リンギへと上昇、ほうれん草の価格は1キログラムあたり5.26リンギで横ばいだった。
(マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、4月21日)

カジノリゾート運営のゲンティン、人型ロボットのAGIBOTと提携

【クアラルンプール】 統合型カジノリゾートなどを運営するゲンティン・マレーシアは、人工知能(AI)に身体性を持たせたエンボディドAIロボットをゲンティンの接客、娯楽に活用するため、世界有数の汎用エンボディドAIロボットの上海智元新創技術(AGIBOT)と覚書を交わした。締結式は上海で開かれたAGIBOTパートナー会議で行われた。

AGIBOTのアベル・デン社長によれば、ゲンティン・マレーシアのテーマパーク、ホテル、パフォーマンスの場に人型ロボットを配し、接客、サービスの「再定義」を目指す。覚書に基づき両社は、接客やコンシェルジェ機能を果たす人型ロボットの開発、ショーや没入型アトラクションと人型ロボットの融合などのソリューション開発を進める。

来年初頭にはリゾーツ・ワールド・ゲンティンでマレーシア初のロボットパフォーマンスを催し、実演とAIロボットを融合させ、没入型体験を観客に提供する。マレーシア初の試みだ。
(ビジネス・トゥデー、4月17日、エッジ、4月20日)

ランカウイ島フェリー減便、観光業界などが抗議集会

【ランカウイ】 燃料価格高騰に伴うランカウイ島と本土を結ぶフェリー減便を受け観光業界や住民らから政府に早急な解決を求める声が上がっている。19日夜にはクア旅客ターミナルに数百人が集まり、平和的な抗議活動を行った。複数の非政府組織の代表者らはフェリーのダイヤを直ちに元に戻すよう求めた。

3月25日以降、ランカウイ島へのフェリー便は1日5便から3便に削減されている。運航会社フェリー・ライン・ベンチャーズは便数削減の理由として、産業用ディーゼル燃料価格の高騰が事業の財政的持続可能性を脅かしていることを挙げている。現在の燃料価格水準ではフル稼働を続けると運航停止に追い込まれる恐れがあるため、運航規模を縮小せざるを得なかったという。

抗議集会に出席したケダ州市民青年組織(マダニ・アナク・ムダ)のズライディ・ラヒム会長は、燃料費高騰のため3月25日からフェリーの減便で島への観光客が減少していると指摘。「観光業に依存するランカウイ島の住民、特に小規模事業者に深刻な影響を与えている。この状況がさらに1、2カ月続けば、島の経済はさらに悪化する可能性がある」と述べた。

ランカウイ観光協会のザイヌディン・カディル会長は、フェリーの便数が約1カ月間縮小された結果、特に国内からの観光客の到着数が著しく減少したと指摘。「観光客の約70%はランカウイ島への移動手段としてフェリーを利用している。便数が減ると観光客の流入が鈍化する。多くの旅行代理店のカウンターが閉鎖されている」と述べた。

ランカウイ地区バス運転手協会のシュクリ・サアド会長は、フェリーの運航スケジュールが限られているため、4月は多くの予約がキャンセルされたと指摘。「便数が減ると、早めに島に到着して滞在時間を最大限に活用することが難しくなる」と述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、4月20日)