補助金なし「RON95」4.32リンギに引き下げ、22日から

【クアラルンプール】 財務省は21日、22日―28日の1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格を、前週の1リットル当たり4.62リンギから30セン引き下げ4.32リンギにする。補助金適用外の「RON97」の価格も30セン引き下げ、5.10リンギから4.80リンギとする。

補助金なし「ユーロ5 B10」および「B20」ディーゼルの小売価格も5.17リンギから10セン引き下げ、5.07リンギとする。「ユーロ5 B7」ディーゼル燃料も5.37リンギから10セン引き下げ、5.27リンギとする。

一方、新ガソリン補助金制度「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」適用のガソリン価格は1.99リンギで据え置く。新ディーゼル補助金制度「ブディ・マダニ・ディーゼル」適用による「B10」および「B15」ディーゼル価格も2.10リンギで維持する。

財務省は声明の中で、値下げについて中国からの供給増加が見込まれること、および他のアジア諸国での生産が継続していることが要因だと指摘。「原油価格の高止まりは、地政学的な紛争が続く中での供給途絶リスクを反映している」とした上で、「中期的には世界の石油価格は引き続き変動しやすい状態が続くと予想される」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ポールタン、フリー・マレーシア・トゥデー、10月21日)

イスラエル発のカーナビアプリ「WAZE」、公務員の使用を禁止

【クアラルンプール】 政府は公務員によるカーナビアプリ「WAZE」の使用を直ちに禁止する措置を講じた。アンワル・イブラヒム首相を議長に20日に開催された国家サイバーセキュリティー委員会(JKSN)の決定としてシャムスル・アズリ官房長官が通達した。

シャムスル氏は通達で、すべての省の官房長、局長に使用禁止の即刻実施を配下の職員に徹底するよう指示した。通達は州政府に対しても行われた。「WAZE」はユーザーからのリアルタイムの交通情報の共有が特徴のアプリで、イスラエルで開発された。イスラエル政府の法律の支配下にあるという。

アンワル首相は、位置情報や移動データの取り扱いに関し安全保障上のリスクがあることを禁止の理由として挙げ、「公共サービスのデジタル化が国の安全保障、主権を危険にさらすことなく国民の利益になることが重要だ」とした。代替品としてマレーシア高速道路庁が開発した国産カーナビ「TuJu」の使用を奨励すると表明した。
(ザ・スター電子版、エッジ、ビジネス・トゥデー、10月21日)

高速バスのチケット販売、11月から認可ターミナル限定へ

【クアラルンプール】 公共陸運局(APAD)は11月1日から、高速バスのチケット販売を、APADの認可を受けたバスターミナルに限定する方針だ。これに対し、バス事業者などから懸念の声が上がっており、アンソニー・ローク運輸相は20日、「事業者と近く対話の場を設ける」と述べた。

APADは16日、バス事業者向けに新方針を通達した。認可ターミナルにチケット販売の独占権を与え、販売に関する手数料体系も変更する。主に海外に拠点を置くオンライン旅行代理店(OTA)を規制し、チケット販売や払い戻し、運行トラブルへの対応を管理しやすくする狙いがある。

マレーシア・バス事業者協会などによると、チケット販売は従来、▽バスターミナルの窓口▽バス事業者のウェブサイト▽OTA――の3つの方法がある。乗客にとっては、バス事業者と提携するOTAを利用することで、運賃などを比較しチケットを選択できるメリットがあった。またバス事業者のウェブサイトも今後、利用できなくなる可能性がある。このため、同協会のモハマド・アシュファル・アリ会長は、事前協議がなかったことに不満を表明。「利用者の利便性が損なわれる恐れがある」と指摘した。

これに対し、ローク氏は「バス事業者に不利益が生じないよう政府として対策を講じる」と強調。ターミナル運営会社が現行の手数料を超える額を請求できないようにするなどとし、将来的には手数料を引き下げ、バス会社の収益性を改善できる可能性があるとした。

APAD認可ターミナルには、クアラルンプールのターミナル・ベルセパドゥ・セラタン(TBS)や「ららぽーと・トランスポートハブ」、セランゴール州のゴンバックの総合交通ターミナルなどがある。これらは政府の認可・監督の下、民間企業が運営している。
(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、10月20日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、フリー・マレーシア・トゥデー、10月19日)

F1の他国との連携開催も検討、政府が11月末までに評価報告

【クアラルンプール】 政府は、F1(フォーミュラ1)選手権を他国と連携して数年おきに開催する可能性を検討している。モハメド・タウフィク・ジョハリ青年スポーツ相が15日、下院で明らかにした。

政府はこれまでに、省庁横断型の「F1評価委員会」を設置。開催にかかる費用や投資収益率(ROI)、経済的効果、インフラの整備状況などの評価を進めており、11月末までに報告書をまとめる予定という。報告書はその後、閣議に提出され、F1のマレーシア復帰について最終判断が行われる見込みだ。

モハメド・タウフィク氏は青年スポーツ省が同委員会を主導すると説明したうえで、他国との連携開催案について「まだ初期段階」とした。さらに「F1の開催には多額の費用がかかるため、他のスポーツ分野への予算配分に悪影響を及ぼすことなく、十分な収益を確保できるかどうかなど、多角的に検討する必要がある」と強調した。

政府は、2―4日にセランゴール州セパン・インターナショナル・サーキット(SIC)で開催された「ガルフエア・バーレーン・グランプリ」の経済効果を、約9億5,000万リンギと見込んでいる。
(ビジネス・トゥデー、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、ベルナマ通信、10月15日)

補助金なし「RON95」4.62リンギに引き下げ、15日から

【クアラルンプール】 財務省は14日、15―21日の1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格を、前週の1リットル当たり4.67リンギから5セン引き下げ、4.62リンギとした。補助金適用外の「RON97」の価格も5セン引き下げ、5.15リンギから5.10リンギとなった。

一方、補助金なし「ユーロ5 B10」および「B15」ディーゼルの小売価格は10セン引き下げ、5.27リンギから5.17リンギに、「ユーロ5 B7」ディーゼル燃料も同様に、5.47リンギから5.37リンギとなった。

補助金付きの「RON95」の価格は1.99リンギ、「B10」および「B15」ディーゼル価格は2.10リンギで引き続き据え置く。

財務省は、北海ブレント原油価格は1バレル当たり100米ドルを超えているものの、中国が石油製品の輸出を再び認めたことなどを受け、供給に回復の兆しが見られると説明。一方、西アジアでの紛争やサウジアラビアでの攻撃が、供給途絶や石油価格上昇のリスクを高めていると指摘した。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、ポールタン、10月14日)

データセンターの実際の電力必要量を見極め、一般への負担を回避

【クアラルンプール】 アブドル・ラーマン副エネルギー移行・水利転換相は13日の下院議会で、データセンターの実際の電力使用量を精査すると表明した。データセンターが電力購入契約で示す電力需要と実際の使用量とに開きがあるためで、過剰な発電能力が一般消費者の負担にならないよう図る。再生可能エネルギー(RE)とデータセンターへの電力供給に関する質問に回答した。

電力会社と電力購入契約を交わしたデータセンターは62カ所で、電力需要は最大で8.77ギガワット。うち稼働しているデータセンターは45カ所で、需要は同6ギガワットだが、8月末時点の実際の使用量は1.37ギガワット。

アブドル・ラーマン氏は「データセンターに太陽光など自社発電を求めることも考慮する」と述べた。

9月1日時点のRE発電能力は1万4,000メガワットで、国内総発電能力の32%。2030年までには新たに1万―1万1,000メガワットのRE電力が創出される予定だ。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、10月13日)

対中貿易赤字の拡大、是正に向け抜本的対策も=投資貿易産業相

【クアラルンプール】 ジョハリ・アブドル・ガニ投資貿易産業相は12日の下院議会の質疑で、対中貿易赤字の拡大につながっている製品を調査し、国内製造業の再建に向けて抜本的な対策を講じる考えを示した。かつて国産していた製品が輸入品に置き換わった経緯を調べ、国産の再開が可能か検討するという。

2025年には対米貿易黒字が約1,000億リンギに達した一方、対中貿易赤字は約1,460億リンギに上った。投資貿易産業省は、対中貿易赤字の原因となっている製品を特定し、国内企業が生産をやめた理由や工場閉鎖の経緯を分析する。具体的な対策や実施時期は明らかにしていない。

ジョハリ氏は、安価な輸入品への依存が国内工場の閉鎖を招き、製造能力を損なう可能性があるとした上で、国内生産が失われれば、将来的に海外供給業者への依存が強まり、輸入品の価格が上昇する恐れもあると指摘。一部の国内企業は政府の方針に異論を唱えているものの、長期的な経済利益を守るため、より踏み込んだ措置が必要だと述べた。
(ザ・サン、フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、10月12日)

公務員の最低年金1350リンギに引き上げ 産休も拡充

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は9日、2027年度予算案で、公務員の最低月額年金を1,000リンギから1,350リンギに引き上げると発表した。

最低年金の引き上げは、退職公務員、軍人退役者、遺族年金などの派生年金受給者を合わせ、約5万9,000人が対象となる見通しだ。また在職期間を通じた産休取得日数の上限を現行の360日から490日に拡大すると発表した。1回の出産につき最大98日まで取得できる。

政府施設内の保育所の改善には2,000万リンギを充てる。公務員の昇進についても、ポスト不足などの理由で昇進が停滞している管理職・専門職の職員1万2,000人を対象に、1回限りの特別昇進措置を実施する。

業務上の事故や災害による死亡時に遺族へ支給する一時金の弔慰給付も拡充する。対象となる遺族への一時金は、勤続年数に応じて現行の2万リンギから最大5万リンギに引き上げる。遺族への月額給付は別途継続する。

人民義勇隊(RELA)、補助消防隊、警察ボランティア、民間防衛ボランティアの手当も引き上げる。一般隊員は時給8リンギから9リンギに、監督者は9.80リンギから10.80リンギに改定する。約5万人が恩恵を受ける見込み。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、10月9日)

AIを身に付けた大卒者3万人を輩出、高等教育省計画

【クアラルンプール】 高等教育省は人工知能(AI)技術を身に付けた大卒者を2025―30年の5年間で3万人、輩出する計画だ。下院議会における議員の質問にザンブリー高等教育相が回答した。

現在、11の公立大学の学士・修士・博士号課程で30の特別プログラムを提供しているが、AIをすべての学生が学べるよう、公立大の学士課程の80%にAIの要素を組み入れる。

ザンブリー氏は「AIは多様な学びの領域を横断しており、専門分野とみなすべきではない」と説明した。

人材育成を強化するためマレーシア工科大学にはAI学部を設け、ほかの2大学にはAI関連学部を設ける。また学業のあらゆる段階で学生がAI能力を高められるよう、就業実習型学習プログラムなどを大学に導入する。

AIが学生の創造性などに与える影響を考慮し、AIツールへの過剰な依存を防ぐべきとの質問に対し、ザンブリー氏は「AIへの過剰依存は創造性、批判的思考、さらには道徳的価値観に影響する可能性がある。技術の利用と人としての能力開発のバランスが必要だ」と述べた。
(マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、10月9日)

2027年度予算案発表、最低賃金2000リンギに引き上げ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 アンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は9日、下院議会に2027年度(27年1月1日ー12月31日)予算案を提出した。最低賃金引き上げや低・中所得層への現金給付、個人所得税控除の拡大などを盛り込み、経済成長と生産性向上、社会的包摂を重視する内容となった。

最低賃金は現行の月額1,700リンギから2,000リンギに引き上げ、2027年6月から適用する。年間売上高が5,000万リンギ未満の中小零細企業は最低賃金引き上げの対象外となる。

2010年以来見直しが行われてこなかった個人所得税の控除上限も、9,000リンギから1万2,000リンギに引き上げる。個人所得税控除の対象が拡大され、医療費、両親や祖父母の介護費、スポーツ用品費、教育費、技能訓練費、ライフスタイル経費などが対象となる。

■個人所得税、中小企業の法人所得税を減税■
個人所得税比率を1ポイント引き下げる。課税所得額7万―10万リンギの税率は18%に、10万―15万リンギは24%となる。一方、100万リンギ以上の高所得者に対する税率は一律30%とする。控除上限引き上げと個人所得税率の引き下げにより、約500万人の納税者に最大1,600リンギの追加可処分所得がもたらされると見込む。

中小零細企業(MSME)の法人所得税率は、課税所得の最初の15万リンギに対して14%、15万―60万リンギに対して16%にそれぞれ1ポイント引き下げる。

学歴や資格、スキルに見合った適正な給与が支払われていない現状を改めるため、準熟練労働者および新卒者の最低月給を2,500リンギとする制度を導入する。また政府系投資会社(GLIC)と政府系企業(GLC)について、生活賃金の基準を月額3,100リンギから3,400リンギに引き上げる。

環境税制優遇措置を2030年12月31日まで延長し、グリーンテクノロジープロジェクト、電気自動車充電ステーション、または自社利用のためのグリーン資産に投資する企業は、引き続き投資額の最大100%の税額控除を受けられる。

外国人の「カテゴリーI」就労パス保持者の配偶者を対象に、扶養家族パスを所持している場合、2027年1月1日から一定の条件の下でマレーシアで就労することを認める。またデジタルノマド向けビザ「DE Rantau Nomad Pass」の所有者を対象に、最長2年間の滞在制限(初回12カ月+更新12カ月)に達した際、特定の条件を満たすことで、さらに2年間の滞在・リモートワークの延長を認める。

生活支援策では、最大1,300万人を対象に、支援金「スンバンガン・アサス・ラフマ―(SARA=基礎的慈悲の寄付)」の給付金として100リンギを年2回支給する。また 「思いやり現金給付(STR)」の全受給者に対し、最大月150リンギの給付を実施する。

■予算規模は過去最高の4598億リンギ■
予算規模は前年度から3.6%増の4,598億リンギで過去最高となった。経常支出は3,768億リンギ、開発支出が830億リンギで、総予算の30.2%を教育省、保健省、国防省に配分する。

歳入は前年度比4.7%増加の3,808億リンギとなる見通し。持続的な歳入改善と支出効率化に支えられた財政健全化により、財政赤字は約790億リンギに減少する見込みで、対GDP比は前年度の3.6%から3.3%へ縮小する見込みだ。