2032年までに9GWのガス火力発電容量を追加=経済相

【スバンジャヤ】 マレーシア政府は2032年までに約9ギガワット(GW)のガス火力発電容量を追加する方針だ。アクマル・ナスルラー経済相が8日、2044年までの石炭火力発電の段階的廃止に向けた取り組みの一環として明らかにした。

同氏は、人口増加や気温上昇に加え、データセンターなどのエネルギー多消費型産業の電力消費拡大を背景に、電力需要は今後も増加すると予測。2044年までの石炭火力発電の完全廃止を改めて強調した上で、電力の安定供給を確保するには、ガス火力発電の追加容量が必要と説明した。

またアクマル氏は「今後5年から10年の間、エネルギー需要の管理は供給の管理と同様に重要になる」とし、発電容量を増やすだけでなく、二酸化炭素排出量の削減や、省エネルギー・エネルギー効率化を進める必要性を指摘した。

さらに、送電網やより広範なインフラへの継続的な投資も必要と付け加え、エネルギー移行・水利転換省やエネルギー委員会との連携を強化する方針を示した。
(ビジネス・トゥデー、ザ・スター、ベルナマ通信、9月8日)

35年までのブミ経済転換プラン見直しへ、年内にも着手=通産相

【クアラルンプール】 アクマル・ナスルラー経済相は、アンワル・イブラヒム首相が2024年に打ち出した2035年までの10年計画「ブミプトラ(マレー人と先住民の総称)経済転換プラン(PuTERA35)」の詳細な見直しを2026年末から27年初めにかけて実施する方針を明らかにした。

7日にクアラルンプールで開かれた「ブミプトラの富創出と企業支配」をテーマとする対話集会に出席したアクマル氏は、「現在までの全体的な進捗状況を見直す必要がある」と述べ、年末から来年初めまでに現状を示す報告書を取りまとめたいとの考えを示した。

PuTERA35の現在までの進捗状況をまとめた報告書に基づいて行う。設定された目標のうち所定の期間内に達成可能なものを見極めるとともに、政策の実施を改善するために必要な軌道修正を特定する。ブミプトラ系の零細・中小企業(MSME)が国内総生産(GDP)に占める割合目標を現在の15%から2035年までに約2倍に引き上げることも含めて検討する。

一方、PuTERA35の評価についてアクマル氏は、単純に統計や数値だけを見るべきではないと強調。政策がどの程度効果的に実施されているか、また、実際にどのような成果が得られているかを併せて評価する必要があるとの認識を示した。

PuTERA35では、2035年を目標年度に高技能職に占めるブミプトラの割合を2022年の61%から70%へ引き上げ、個人・団体による企業株式保有率を同18.4%から30%への引き上げを目指すこと、GDPに占めるブミプトラ系企業の貢献度を8.1%から15%へ引き上げることなどが盛り込まれている。

また2020年に18.7%だった政府系企業(GLC)や政府系投資会社(GLIC)におけるブミプトラ持株比率を2035年までに20%に引き上げること、2021年に73%だったブミプトラの持ち家比率を2035年までに75%に引き上げることも盛り込まれている。
(ベルナマ通信、ザ・スター電子版、エッジ、9月7日)

補助金なし「RON95」を3.77リンギに引き下げ、3日から

【クアラルンプール】 財務省は2日、3―9日の1週間の燃料小売価格について、燃料補助金制度「ブディ・マダニ」の対象外となる燃料価格をそれぞれ5セン引き下げると発表。レギュラーガソリン「RON95」は、前週の1リットル当たり3.82リンギから3.77リンギとなる。

補助金なしのハイオクガソリン「RON97」の価格は4.25リンギ、「ユーロ5 B10」および「B20」ディーゼルの小売価格は4.67リンギ、「ユーロ5 B7」ディーゼル燃料は4.87リンギにそれぞれ引き下げられた。

補助金付きの「RON95」の価格は1.99リンギ、「B10」および「B15」ディーゼル価格は2.10リンギで引き続き据え置く。なお1日から、ガソリンの購入上限が月200リットルから300リットルに、ディーゼル油の上限は月300リットルから400リットルに増やされた。

財務省は、原油価格が落ち着いている一方、ホルムズ海峡の輸送混乱や製油能力低下、燃料輸出規制などから、石油製品価格は当面変動しやすい状況が続くとみている。また中国が7月からガソリンなど石油製品の輸出規制を緩和したものの、域内への供給は紛争前の水準まで回復していないという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ポールタン、9月2日)

医療機器輸出を2030年に500億リンギ超へ=ザヒド副首相

【クアラルンプール】 政府は、医療機器輸出額を2030年までに500億リンギ超に引き上げる方針だ。アハマド・ザヒド副首相が8月28日に出席した医療機器展示会で明らかにした。

マレーシアの昨年の医療機器輸出額は345億4,000万リンギだった。また医療機器分野で46件、総額40億リンギの新規投資が承認され、約3,400人の雇用創出につながった。

ザヒド副首相によると、こうした状況を踏まえ、政府は2030年に向けた3つの目標を設定。輸出額500億リンギ超に加え、地域・世界市場で競争できるマレーシアの医療機器関連企業を少なくとも10社育成するとした。

さらに、新たな医療機器関連投資で創出される雇用のうち、管理・技術・監督職(MTS)比率を、昨年の33.1%から、少なくとも50%に引き上げる。ザヒド副首相は、海外からの投資を呼び込むだけでなく、技術や知的財産、人材を国内に蓄積することが重要だと強調した。

世界の医療機器産業は昨年5,720億米ドル(2兆3,000億リンギ)超の規模で、2034年までに1兆米ドルを超えると見込まれている。
(ベルナマ通信、8月28日)

国民生活を支援、アンワル首相が6つの緊急措置を発表

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は独立記念日を控えた8月30日、プトラジャヤ国際会議センターで演説し、国民にのしかかる生活費負担を軽減するため、来年度予算の上程を待たず、6つの措置を9月1日付で導入すると発表した。アンワル氏は「生活費の圧力は10月まで待てない。企業も成長の必要があり、10月まで待てない」と緊急導入の理由を述べた。

レギュラーガソリン「RON95」補助金支給の制度では、購入上限を月200リットルから、当初の300リットルに戻す。補助ディーゼル油の上限は月300リットルから400リットルに増やす。

学校保守のための来年の予算枠は15億リンギと、50%増やす。公立校、中国語・タミル語の国民学校、宗教学校、イスラム教の寄宿制学校が対象。

「国民のためのAI」プログラムでは、18-30歳の国民に支援対象を広げ、必要課程を修了した者に3カ月間、チャットGPTなどAIツールの無料利用権を与える。

公共医療機関には10億リンギの予算を充て、診療記録の電子化、インターネット接続改善を推進し、病院での患者の待ち時間の削減を図る。

デジタルインボイス導入が免除される事業者を、年商100万リンギ以下から、300万リンギ以下に変更する。

零細事業者に対する少額金融の基金を50億リンギから60億リンギへ増やす。露天商、ナイトマーケットの店舗経営者、自宅作業の女性などを支援するため2億リンギの予算を新たに組む
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・サン電子版、マレー・メイル、8月30日)

国交省、KLで老朽水道管の更新を実証展開

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 国土交通省は27日、道路を大きく掘り返さずに老朽化した水道管を更新する「非開削管更生技術」の実証事業をクアラルンプール(KL)などで実施すると発表した。

事業では、非開削管更生技術の一つであるCIPP(現場硬化管)を用いる。既設管の内側に樹脂を含ませたチューブ状の素材を挿入して硬化させ、新しい管を形成する方法となる。道路の大規模な開削工事が不要なため、都市部での施工に適しており、事業費の削減も期待できる。

今回、上下水道の大手建設コンサルタントの日水コン(本社・東京都新宿区)と、横島(本社・茨城県常総市)で構成する共同事業体を通じて実施。マレーシアの都市部における有用性などを検証するとともに、普及を促進する。

同事業は、「上下水道技術海外実証事業(WOW TOJAPAN プロジェクト)」の一環。2017年度から実施するプロジェクトで、従来は下水道技術を対象としていたが、今年度から上水道技術も対象に追加された。

補助金なし「RON95」を3.82リンギに引き上げ、8月27日から

【クアラルンプール】 財務省は26日、8月27日―9月2日の1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格を、前週の1リットル当たり3.77リンギから5セン引き上げ3.82リンギにする。補助金適用外の「RON97」の価格は4.25リンギから15セン引き上げ4.30リンギとする。

補助金なし「ユーロ5 B10」および「B20」ディーゼルの小売価格も4.67リンギから5セン引き上げ、4.72リンギとする。「ユーロ5 B7」ディーゼル燃料も4.87リンギから5セン引き上げ、4.92リンギとする。

一方、新ガソリン補助金制度「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」適用のガソリン価格は1.99リンギで据え置く。新ディーゼル補助金制度「ブディ・マダニ・ディーゼル」適用による「B10」および「B15」ディーゼル価格も2.10リンギで維持する。

財務省は声明の中で、値上げについて米国、イスラエル、イラン間の紛争に関連したホルムズ海峡を通る石油輸送の継続的な混乱によるものだと説明。「西アジアにおける紛争が解決されず、ホルムズ海峡を通る石油の流れが正常に戻らない限り、石油製品価格は今後も大幅に変動すると予想される」と述べた。
(ポールタン、フリー・マレーシア・トゥデー、8月19日)

ECプラットフォームへの監督強化、商品への苦情受け

【プトラジャヤ】 電子商取引(EC)サイトで販売されている商品に対し多数の苦情が寄せられていることから、アンワル・イブラヒム首相は26日の閣議で、通信省と財務省にECプラットフォームの監督強化を指示した。ファーミ・ファジル通信相が閣議後の会見で発表した。

マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)には25年1月以降、1,964件の苦情がECサイトに関し寄せられており、191件は電気・電子製品に関する苦情だった。消費者以外に、EC運営者、実店舗を持つ事業者からも苦情が寄せられた。

一部のECプラットフォームは国外に住所があり、マレーシア登録の法人を持たない。こうしたプラットフォームに対し登録義務付けなどの措置を検討する。

電気・電子製品の品質面では、工業標準の研究機関である省傘下のSIRIM認証を得ていること、ハラル製品は国内基準を満たしていることを確保する。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、8月26日)

イスマイルサブリ前首相の公判開始、巨額の資産隠しで

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 イスマイル・サブリ前首相が巨額の資産を申告しなかった罪に問われた裁判が27日、クアラルンプール下級裁判所で始まった。マレーシアで首相経験者の刑事訴追は、ナジブ・ラザク氏、ムヒディン・ヤシン氏に続き3人目となる。なおイスマイル氏は罪状を否認している。

発端はイスマイル氏の元上級側近4人の汚職事件。マレーシア汚職摘発委員会(MACC)は2025年2月に4人を逮捕すると共に、複数の住宅や「セーフハウス」と呼ばれる隠し拠点の捜索を行い、外貨現金約1億7,000万リンギおよび純金塊16キログラム(約700万リンギ相当)を押収した。

この捜査の一環としてイスマイル氏はMACCの要請に基づき資産申告を行っていたが、MACCおよび検察側は、「資産申告の中に実際には保有している膨大な資産が含まれておらず、故意に開示を怠った」としてMACC法違反で立件した。

押収された現金は、マレーシア通貨1,477万リンギのほか、613万シンガポールドル、146万米ドル、300万スイスフラン、1,216万ユーロ、3億6,300万円、5万250英ポンド、4万4,600ニュージーランドドル、3,475万UAEディルハム、35万2,850豪ドル――の多種の外貨に及ぶ。

初公判は当初8月7日に予定されていたが、イスマイル氏の体調不良のため延期されていた。有罪となった場合、最長5年の禁錮刑および最大10万リンギの罰金が科される可能性がある。イスマイル氏の保釈金は30万リンギ。

ペナン州で短期賃貸施設の運営が免許制、国内初

【ジョージタウン】 ペナン州において8月1日付で、短期賃貸施設の運営を免許制にする条例が発効した。エアビーアンドビー(Airbnb)、ホームステイの運営者は管轄の市役所から免許を取得しなければならない。

発効したのは2026年ペナン短期民間宿泊施設条例で、ペナン島市議会(MBPP)と本島側に位置するセベラン・ペライ地区議会(MBSP)にこうした施設の監督権限が付与された。運営者への猶予期間は2カ月で、条例施行は11月1日。

短期宿泊施設に関する条例導入は国内の州で初めて。迷惑行為、安全上の苦情を受けての措置で、ペナン島市役所には2000年から今年3月までに、不法な短期宿泊施設に関する苦情が364件寄せられた。

規制の対象になるのは、連続で6カ月を超えない期間、賃貸契約なしで有料の宿泊サービスを提供する施設で、サービスアパート、SOHO(ソーホー)、ショップハウスがこうした施設として利用可能。医療施設や託児所、労働者住宅、低所得者用住宅は利用できない。土地付き住宅の場合、利用目的変更の許可が必要。

年間免許料は1,000リンギ(3室まで)。追加分は1室200リンギで、追加上限は2室。短期宿泊施設税が別に1室あたり1,800リンギかかる。
(マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、8月21日)