サラワク州議会が解散、非常事態宣言の解除うけ

【クチン=マレーシアBIZナビ】 サラワク州のアバン・ジョハリ首相は、同州に敷かれていた非常事態宣言がアブドラ国王の同意を受けて3日付けで解除されたことを受け、同州議会が解散したと発表した。連邦憲法の規定で60日以内に州議会選挙が開催されることになるが、早ければ12月上旬にも実施されるとみられている。
サラワク州議会は6月6日に任期満了を迎えたが、今年1月に発令された非常事態宣言の適用を受けて州議会の任期が延長された。全国規模の非常事態宣言が9月1日で解除されたが、州議会選挙が行なわれると新型コロナウイルス「Covid-19」の新たな感染拡大を引き起こすことが懸念されたことから、サラワク州のみ来年2月2日まで延長されていた。ただその後は全国的に感染が終息に向かっており、マラッカ州でも州議会選挙実施が決まったことから、サラワク州だけ選挙を延期する大義名分がなくなっていた。
州議会選挙日程は後日、州議会議長から解散通知を受けた選挙委員会(EC)が決定することになるが、連邦憲法の規定で遅くとも来年1月上旬までに実施されることになる。ただ年明けには憲法改正に基づく選挙権年齢の18歳への引き下げ(Undi18)が施行されるため、新たな有権者の票読みが難しくなることを嫌う同州与党・サラワク政党連合(GPS)は年内実施を望んでいるとされる。前政権では82議席中67議席をGPSが掌握していた。

医療観光産業青写真を発表、マレーシアを主要な医療観光地に

【クアラルンプール】 カイリー・ジャマルディン保健相は1日、医療観光を促進するための5カ年計画「マレーシア医療観光産業青写真」(2021ー2025年)を発表した。マレーシアを主要な医療観光地とすることを目指す。
青写真は、医療観光エコシステム、ヘルスケアブランド、市場戦略で構成される3つの柱の下で5つの取り組みを行う。質の高い医療の提供や安全性の確保、デジタル化、手頃な価格の医療サービス提供などを実施。患者満足度を向上させ、ヘルスケア業界の持続可能な未来を構築することを目標としている
カイリー大臣によると、青写真を実行するためには業界全体の努力が必要であると言明。国境を超えた海外との協力も促進させるとし、持続可能な医療提供のためには国々が協力していく必要性があるとの見解を示した。
2019年の外国人医療観光客数は122万人以上で、医療観光収入はおよそ17億リンギだったが、新型コロナウイルス「Covid-19」の流行に伴い2020年は8億リンギに減少した。
(ザ・スター、11月2日、ベルナマ通信、エッジ、11月1日)

KL市、雑貨店やコンビニでのハードリカー販売を禁止

【クアラルンプール】 クアラルンプール市政府(DBKL)は、11月1日付けで酒類販売に関する新たなガイドラインを発表。食料雑貨店、コンビニエンスストア、中医薬局におけるハードリカー販売を禁止すると発表した。
ビールの販売については、午前7時から午後9時までの時間限定で認められるが、他の非アルコール飲料とは別の場所に置く必要があり、販売時間外は施錠する必要がある。購入できるのは21歳以上の成人。また伝統薬酒については、保健省の認可の下で中医薬局で販売することができる。
DBKLは2020年9月、食料雑貨店、コンビニエンスストア、中医薬局における酒類販売ライセンス(リカーライセンス)の更新を行わないと発表。ハードリカー販売禁止を盛り込んだ新たなガイドラインを今年今年10月1日付けで施行する予定だったが、利害関係者との話し合いなどのために1カ月延期していた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、フリー・マレーシア・トゥデー、11月1日)

国外所得課税への変更は税収増に、デロイト見解

【クアラルンプール】 来年度税制で政府はマレーシア居住者が外国で得た所得に課税することを提案しており、外国で活動する企業の税負担は増える見通しだ。会計事務所デロイト・マレーシアのシム・クアンゲク氏は、経済の上向き予想、「富裕税」の導入と相まって、来年度の法人関連税収は8.1%増の655億リンギが見込めるとみている。
マレーシアは国外源泉所得非課税の方式を採用してきたため、国外所得への課税は大きな変化だという。外国で発生した配当をマレーシアで受け取ると課税されることになる。同一の所得が外国で課税されている場合、税額控除が認められるかは財務関連法案で明示される見通しだ。
課税所得が1億リンギ超の企業に課す「富裕税」(税率33%)についてシム氏は、パンデミックで利益が急増した企業を標的にする超過利潤税より施行が容易と評価した。
上場株式の売買では契約書類に課す印紙税を0.1%から0.15%に引き上げ、税額の上限(200リンギ)を撤廃する。キャピタルゲイン税より行政にとり管理が容易とシム氏は指摘した
(エッジ、10月30日)

上場企業に1人以上の女性役員任命、来年9月から義務付け

【クアラルンプール】 ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)上場企業は、来年9月から女性役員を1人以上置くことを義務付ける。来年度予算案発表の中でテンク・ザフルル財務相が明らかにした。
意思決定プロセスにおける女性の役割を認識し、リーダーシップと役員会を機能を強化すると共に女性の貢献度を高めるのが狙い。達成期限は大企業の場合は2022年9月、その他の企業は2023年6月とする。テンク・ザフルル財務相によると、ノルウェー、スペイン、イタリアなどではこうした規定が既に導入されており、アジアではインドが導入しているという。
「ザ・スター」によると、上場企業926社のうち、役員の30%以上を女性が占めている企業は160社のみで、率にして17.2%。261社は女性役員がゼロだった。トップ100社でみた場合、女性役員の登用率は高めで、役員の30%以上を女性が占めている企業は38社、女性役員がゼロだったのは4社にとどまっている。
企業における女性の地位向上を目指す30%クラブ・マレーシアによると、上位100社の女性役員比率は25.5%に達しており、目標の30%まであと4.5ポイントとなっている。
(ザ・スター、11月1日、フリー・マレーシア・トゥデー、10月29日)

選挙年齢の18歳への引き下げ、来年1月より実施へ

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、選挙権年齢の21歳から18歳への引き下げ(Undi18)について、先のサラワク州クチン高等裁判所の判決に基づき2022年1月から実施すると発表した。1月1日から選挙人名簿への自動登録が開始される。
選挙年齢の引き下げは憲法改正により2019年7月に可決成立していたが、その後も実施は引き延ばされ、選挙委員会(EC)は今年3月には準備に時間が必要であるため2022年9月にならないと実施できないと主張し、閣僚の間からも不満の声が上がっていた。
こうしたことを受けサラワク州の若者5人が、憲法で定められたにも関わらず同州の18歳から20歳までの13万5,000人の若者に選挙権を与えないのは不当だとする行政訴訟を起こし、クチン高裁は9月3日、2021年12月31日までに実施するよう命じる判決を下していた。
イスマイル首相によると、先の閣議でサラワク高裁判決に対して上告しないことを決定した。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、10月30日)

2022年度予算案発表、過去最大規模の3321億リンギに

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 テンク・ザフルル財務相は10月29日、下院議会に2022年度(2022年1月1日—12月31日)予算案を提出した。

予算規模は3,321憶リンギで、今年度の3,206憶リンギから増加し、過去最高を更新した。一般歳出は70.3%に当たる2,335憶リンギ、開発支出に756億リンギ、新型コロナウイルス「Covid-19」基金に230億リンギをそれぞれ充てる。分野別では予算全体の40.1%に当たる1,332憶リンギを社会関連に、20.3%を経済関連に、10.3%を安全関連に、4.8%を一般行政にそれぞれ充てる。

今年の財政赤字の見通しは、新型コロナ対策で歳出が3,206憶リンギに拡大した一方で歳入が1.8%減の2,210憶リンギにとどまる見通しであることから、対国内総生産(GDP)比で6.5%に上昇する見込み。2022年は景気回復により歳入が5.9%増の2,340憶リンギに増加すると予想されることから、財政赤字は975億リンギ、GDP比で6.0%に下がる見通し。

■自動車向けSST減免措置を6カ月延長■

2021年12月31日まで延長されている現地組立車(CKD)で100%、輸入完成車(CBU)で50%のSST減免措置を、2022年6月30日まで半年延長する。また電気自動車(EV)の普及に向け、関税、物品税、売上税を免除する。

大きな利益を上げている会社に対して「富裕税」を課す。課税収入1憶リンギまでの法人所得税率は通常の24%でそれ以上は33%とする。

携帯電話やパソコン、タブレットの購入に際しての2,500リンギを上限とした税控除を、2022年末まで延長する。

砂糖の入った飲料の物品税をチョコレートやコーヒー、モルトベースのプレミックス飲料に対象を拡大する。

従業員の従業員積立基金(EPF)最低拠出率を9%に引き下げる措置を2022年6月まで延長する。

海外からオンライン購入する低付加価値商品に対して売上税を課税する。また食品・飲料を除くオンライン購入におけるデリバリーに対するサービス税を導入する。

■来年のGDP成長、5.5ー6.5%と予想■

財務省は同日、「2021/22年経済リポート」を発表。 2021年の国内総生産(GDP)成長率予想についてプラス3-4%、2022年についてはプラス5.5ー6.5%とした。

産業別の今年のGDP成長率は、建設業がマイナス0.8%予想だが、鉱業は1.5%、サービス業が2.6%、製造業が8.1%、農業が0.8%と他は全てプラス成長の見込み。

2022年については鉱業がマイナス0.3%だが、他は建設業が11.5%、サービス業が7.0%、製造業が4.7%、農業が3.8%とすべてプラス成長が見込まれている。

今年の失業率は4.6ー4.8%、来年は4%に下降する見込み。また経済を牽引する内需は今年プラス3.1%となり、来年はさらに6.6%に加速。来年の消費者物価指数(CPI=2010年を100として算出)はプラス2.1%となる予想だ。経常黒字は今年567億リンギで、2022年には556億リンギに減少すると見込まれている。

労働安全衛生法の罰則強化、下院議会で可決

【クアラルンプール】「1994年労働安全衛生法」の改正版である「2020年改正労働安全衛生法」が27日、下院議会で可決された。罰金が10万ー50万リンギ、懲役年数も1 ー3年となるなど、罰則が強化された。
新設された第26条では、職場に差し迫った危険があると思われる場合、従業員が雇用主に危険性を通知した後、職場から退去できる権利が与えられた。また、第52条の改正により、取締役は本法が規定する犯罪に対して共同責任を負うことになる。
M.サラヴァナン人的資源相によると、在宅勤務に関しては雇用法の改正により対応する。12月14ー16日の第2読会で扱われる「2021年改正雇用法案」に含まれるという。
同相はまた、労働安全衛生委員会が1ー8月に18万件の職場調査を行った結果、138件が裁判にかけられ、総額156万リンギの罰金が科せられたとし、新法における罰則の強化により、労働者の健康や安全がより守られることになると述べた。
(ザ・スター、10月28日)

来年度予算案に「驚く要素」盛り込む=イスマイル首相

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、29日に発表される2022年度予算案について、「Keluarga Malaysia(マレーシア家族)」精神に則ってすべての国民に恩恵をもたらす「驚く要素」が盛り込まれると言明した。
イスマイル首相は、予算案が「国民から、国民による、国民のため」の予算案になると言明。新型コロナウイルス「Covid-19」によってもたらされた国難から誰も取り残されないように配慮したものなるとした上で、B40、M40グループや零細業者への支援、中小企業が資金を利用できるようにするための支援策が盛り込まれると言明。失業対策として多くの雇用を創出し、新常態への転換と共に国と経済をパンデミック前のレベルに戻すものになると強調した。
イスマイル首相は、予算案策定にあたって包括的で透明性のあるものとするために政府のネットを通じて募った5万を超える一般国民からの提案を考慮したと言明。パンデミックによって悪影響を受けた企業を回復させ、労働者に恩恵をもたらす税制上の優遇措置を求める産業界の声にも配慮したと述べた。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、10月27日)

緊急令の廃止、下院議会で正式可決

【クアラルンプール】 下院議会は25日、非常事態宣言下で発令されていた7つの緊急令の廃止について全会一致で可決した。感染対策に関する緊急令の廃止に伴い、違反した際の罰則や罰金も引き下げられる。
 廃止の対象となるのは、▽2021年緊急令(基本権限)▽2021年改正緊急令(感染症の予防と制御)▽2021年改正緊急令(従業員の住宅、宿泊施設、アメニティの最低基準)▽2021年緊急令(基本権限)第2号▽2021年改正緊急令(基本権限)▽2021年改正緊急令(犯罪者の強制出頭)▽2021年改正緊急令(国家信託基金)ーー。
 審議では、多くの議員が非常事態は失敗だったとし、緊急令の失効についても、非常事態宣言終了後ではなくもっと早い段階で議論すべきだったとの見解を示した。
非常事態宣言は8月で終了したが、緊急令については先ごろワン・ジュナイディ首相府相(法律・国会担当)が「来年2月まで引き続き適用される」と述べていた。
緊急令については、7月に当時首相だったムヒディン・ヤシン氏が、アブドラ国王の承認なしに無効にすると発表したことで大きな非難を浴び、政権維持のための過半数議席が確保できなくなり、その結果首相を辞任するに至った。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、10月25日)