【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラ・マレーシア(BNM)は13日、2020年第2四半期(4ー6月)の国内総生産(GDP)成長率が17.1%の大幅なマイナス成長になったと明らかにした。新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大の影響を受けて、四半期ベースでは1998年第4四半期のマイナス11.2%を上回る最大のマイナス成長となった。

 セクター別では、唯一、農業だけが前期のマイナス8.7%から1.0%のプラス成長となった。最も落ち込んだのは建設で、前期のマイナス7.9%からマイナス44.5%に悪化した。鉱業はマイナス20.0%で、前期のマイナス2.0%から大幅に悪化。プラス1.5%だった製造業は18.3%の大幅なマイナス成長に転落した。これまで景気を下支えしてきたサービス業も前期のプラス3.1%から一転し、16.2%のマイナス成長となった。
国内需要は前期のプラス3.7%からマイナス18.7%転落。民間消費も前期のプラス6.7%からマイナス18.5%となった。前期はマイナス2.3%だった民間投資はマイナス26.4%に悪化した。
公共支出は前期のプラス5.0%からプラス2.3%に減速。その一方でマイナス11.3%だった公共投資はマイナス38.7%に悪化した。モノとサービスの輸出は、前期(ー7.1%)を下回るマイナス21.7%で、輸入は前期のマイナス2.5%から、マイナス19.7%に悪化した。
中銀は声明の中で、新型コロナ感染拡大の影響で上半期の経済成長はマイナス8.3%となったと指摘。5月の初旬から段階的に経済活動が再開されたことで、3—5月に比べ6月は様々な統計が経済回復の兆しを示しているとした世界経済の成長回復の後押しや政府による様々な景気対策を受けて、下半期にはさらに回復が見込めると予想。その上で下半期のインフレ率は燃料価格の下落に伴い当初予想よりも低い水準に止まるとの予測を示した。