ペナンヒルのロープウェイ設置計画、4月にも着工へ

【ジョージタウン】 ペナン・ヒルと麓を結ぶロープウェイの設置が、今年4月にも開始される見通しだ。プロジェクト母体のペナンヒル・コーポレーション(PHC)のチョク・レイレン・ゼネラルマネージャー(GM)が明らかにした。

5日に行われたケーブルカー「ペナン・ヒル」駅の開業式に出席したチョクGMは、「環境影響評価(EIA)や計画許可など必要な承認は取得した」と言明。 プロジェクトには約18カ月かかると見込んでいるが、工事が難しい丘陵地帯でのプロジェクトであるため、気象条件にも左右されると述べた。

ロープウェイ・プロジェクトは、設計、資金調達、建設、運営、譲渡に関する官民パートナーシップ (PPP) を通じて、地元鉄道業界のパイオニアであるハルタスマが2022年に落札した。 ハルタスマは30年間のケーブルカー運営権を獲得しており、これに基づき同プロジェクトに2億4,500万リンギを投資する計画だ。

ハルタスマは、ロープウェイ製造大手のオーストリア企業ドッペルマイヤー・グループの技術を採用。ペナン植物園(ボタニック・ガーデン)に隣接する駅から山頂までの全長2.9キロメートル、標高差700メートルの距離を運行する。運行速度は毎秒6メートルで、毎時1,000人を運ぶ。所要時間は10分。

「ペナン・ヒル」(旧称ペナン・ヒル・アッパー)駅の改装事業は1,090万リンギと3年の年月をかけて行われ、床面積を800平方メートルから1,422平方メートルまで拡張し、待合所の収容人数もこれまでの250人から700人まで拡大した。新駅開業式にはチョウ・コンヨウ州首相も出席した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、2月3日)

米テスラがペナンとジョホールに拠点拡大か、人材募集を開始

【クアラルンプール】 電気自動車(EV)メーカーの米テスラは、ペナンやジョホールにも拠点を開設する模様だ。

オンラインメディア「ソヤチンチャウ」によると、新拠点の設置について正式には発表されていないものの、米テスラの採用情報にジョホールにおけるセールス担当者やペナンにおける車両技術者、セールス担当者などの募集情報が掲載されているという。

米テスラのマレーシア拠点は現在、セランゴール州サイバージャヤにある現地本社「テスラセンター」のみで、テスラセンターでは、テスラ車の展示を行うほか、配送、アフターセールスなどのサービスを提供している。販売店舗としては、昨年10月にクアラルンプールのショッピングモール「パビリオン・ダマンサラ・ハイツ・モール」内にショールームを開設している。
(ソヤチンチャウ、2月3日)

在馬日系ソフトウェア開発5社、日系企業支援団体を設立

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシアに拠点を構える日系ソフトウェア開発企業5社は6日、日系企業に対してサポートを提供することを目的としたコミュニティ「ITコミュニティ・マレーシア(ITCM)」を設立したと発表した。

参加企業は、▽ライフル・テック・マレーシア▽eeevoマレーシア▽ブリッジインターナショナル・アジア▽アレンジリティ▽アクトビ・サウスイースト・アジアーーの5社。

日本のソフトウェア開発会社とマレーシアの双方に利益をもたらすための架け橋となることを目指し、日系IT企業のマレーシア進出支援、在マレーシア企業のソフトウェア開発支援、日本とマレーシアの企業・エンジニアの交流支援などを行っていく。具体的なサービス内容としては、個別相談会(オンライン) 、リアル交流会・懇親会(毎月開催)、コンサルティングパッケージ(別途見積もり、セカンドピニオンサービス) 、有料コンテンツ配信(給与情報、マネジメントのポイント、マレーシア特有の文化、失敗談など)を想定している。

スイスのコーヒーメーカー、ペタリンジャヤに販売店を開設

【クアラルンプール】 全自動コーヒーメーカーのスイス企業ジュラは、セランゴール州ペタリンジャヤのトロピカナ・アベニューにコーヒーメーカー販売店「ジュラストア・クアラルンプール」を開設した。地元販売パートナーのダンコムが運営を担当する。

ダンコムのディック・ユング部長は、コーヒー豆のアラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種はマレーシアで生産されており、コピティアム(伝統的なコーヒーショップ)も広く親しまれているなど、国内コーヒー文化には長い歴史があると説明。近年、コーヒーの評価が高まっており、マレーシア国民は生産者としても消費者としてもコーヒーを大切にしているため、ジュラとともに高品質のコーヒーを提供できることをうれしく思うと述べた。

マレーシアとスイスは昨年、外交関係樹立60周年を迎えており、マレーシアに進出しているスイス企業は168社。3万5,000人以上の雇用機会を創出している。
(ザ・スター電子版、2月2日)

昨年の自動車販売台数、国民車メーカーのシェアが66.9%に

【クアラルンプール】 マレーシア自動車協会(MAA)によると、2023年通年のメーカー別自動車販売台数のトップはダイハツ系のプルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)で、前年比17.1%増の33万325台となった。シェアも前年の39.1%から41.3%まで増加した。

2位はプロトンで、11%増の15万975台。国民車メーカー2社を合わせた市場シェアは66.9%で、2002年以来で最大となった。

3位はトヨタで6.2%増の10万6,206台。4位は0.3%減のホンダの8万27台、5位は三菱で9.6%減の2万1,719台だった。その他の日本車メーカーでは、▽マツダが30.6%増の1万9,124台(6位)▽いすゞが7.3 %増の1万6,908台(7位)▽日産が27.5%減の1万台(9位)▽日野が2.3%減の5,768台(12位)▽スバルが28.4%減の1,801台(19位)▽三菱ふそうが1.4%増の1,458台(22位)▽ダイハツが23.9%減の905台(23位)▽マレーシア市場再参入のスズキが324台(28位)ーーと続いた。

全体の販売台数は11%増の79万9,731台だった。ただしプジョー、韓国・起亜自動車、テスラの販売台数はMAAのデータには含まれていない。
(ポールタン、2月2日)

フードパンダ売却は不成立との報道、デリバリーヒーローは否定

【クアラルンプール】 フードデリバリーの独系デリバリー・ヒーローによるフードパンダ・アジア部門のグラブ・ホールディングス(本社・シンガポール)への売却交渉が不成立に終わったと、ニュー・ストレーツ・タイムズとシンガポールのビジネス・タイムズが2日、報じたが、デリバリー・ヒーローは報道を否定。「売却交渉は続いている」との声明を発表した。

フードパンダはマレーシアのほかシンガポール、カンボジア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、タイでデリバリーサービスを提供している。マレーシア業務の売却は2023年中に成立する段取りだったという。

売却交渉はマレーシアに懸念を起こさせた。配車サービスでグラブが独占的地位を築く恐れがあるためだ。

アジアはデリバリー・ヒーローにとり最大の市場だが、パンデミックを理由とする行動規制が緩和されて以降、業績は低迷しており、昨年9月、アジア業務を売却する交渉を行っていると発表していた。
(エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、2月2日)

電力テナガ、混焼プロジェクトでIHIと共同研究を開始へ

【クアラルンプール】 電力会社の政府系テナガ・ナショナル(TNB)は4日、ペラ州ルムおよびネグリ・センビラン州ポート・ディクソンの火力発電所2カ所で実施中の小規模混焼プロジェクトにおいて、IHI(本社・東京都江東区)と共同研究を開始すると発表した。

TNBの声明によると、完全子会社であるTNBパワー・ジェネレーションとTNBフューエル・サービシーズを通じ、IHIと協力する。IHIは日本、マレーシア、インドネシアにおいて、従来型燃料をバイオマスやアンモニアなどのカーボンニュートラル燃料に転換する豊富な経験を有しているため、共同研究を決定した。

混焼プロジェクトは現在、技術的実行可能性の立証に向けたフロントエンドエンジニアリング設計(FEED)段階にあり、同段階は4月に完了する見込み。その後、プラント改造工事を実施し、初期段階の混焼を2026年第3四半期までに開始する計画だ。

TNBのバハリン・ディン社長兼最高経営責任者(CEO)は、本プロジェクトではバイオマス1%混焼に成功しており、次段階としてアンモニア1%とバイオマス2%の混焼に進むと説明。成功した場合、年間で乗用車7万1,000台分の二酸化炭素(CO2)排出量を相殺できると述べた。TNBの掲げる「2050年ネットゼロ(CO2排出実質ゼロ)」目標の達成にも大きく貢献できるとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、2月4日、テナガ・ナショナル発表資料)

日本産水産物の衛生管理講習会、農水省が首都圏で開催

【ペタリンジャヤ=マレーシアBIZナビ】 農林水産省は5日、ベテラン寿司職人を招いて「日本産水産物等の衛生管理等講習会 in マレーシア」と題する水産物セミナーをセランゴール州スバンにあるテイラーズ大学で開催した。同大学には社会科学・レジャーマネジメント学部の下に調理師養成コースがある。

同イベントは、農水省がホタテ貝などの日本産水産物の海外市場開拓による輸出先の転換を後押しすることを目的に行っている「日本食・食文化の魅力発信等を通じた水産物等の海外需要開拓委託事業」の一環。セミナーを通じて海外料理人・食関連事業者等に日本産水産物の魅力を発信するのが狙い。

日本食普及の親善大使(農林水産省任命)・国際すし知識認証協会理事の小川洋利氏が講師を務め、座学では「旨味」や素材の良さを生かす調理法、「切る」を調理法の一つとして重視するといった日本食の特徴、包丁や水産物の取扱い方、特に食中毒を防ぐための衛生管理について解説。続いて実技でホタテ貝の捌き方や「まぐろヅケ」などの調理デモンストレーションを行い、参加者にはホタテ貝柱、マグロ、ブリの刺身が振る舞われた。

同セミナーには、日本食に携わる、もしくは関心をもっている料理関係者(学生、飲食店経営者、レストランシェフ)、流通関係者(輸入業者、卸業者)など約40人が参加した。

今年の医療観光収入目標額は24億リンギ=医療観光協会

【クアラルンプール】 マレーシア医療観光協会(MHTC)は今年の医療観光収入について24億リンギという目標を掲げており、他産業に約96億リンギの経済波及効果をもたらすことが期待されている。

モハメド・アリ最高責任者(CEO)は、昨年1ー11月の11カ月間で年間目標以上の19億2,000万リンギを達成したと言明。昨年通年の収入額も、新型コロナ・パンデミック前の最高値である17億リンギを上回り、「ヘルスケア旅行業界・青写真2021-2025」の目標である20億リンギを2年早く達成できたと述べた。

モハメド・アリCEOはまた、昨年12月に中国とインドからの旅行者に対して最長30日間のビザなし滞在が認められたことで、ビザ申請費用が削減できるとともに、治療計画・手続きも容易になり、追跡調査や追加治療のための再入国もしやすくなるとし、医療観光客の増加が望めると述べた。

同氏によると、2023年の医療観光客数は100万人以上となり、前年の85万人から17.6%増加した。インドネシアからの医療観光客が最も多く、全体の70ー80%を占めた。他にも、日本、バングラデシュ、豪州、香港、フィリピン、シンガポール、韓国、米国、英国などから医療観光客がマレーシアに訪れているという。
(エッジ、2月1日)

電気料金体系、Myパワーが見直し作業に着手

【クアラルンプール】 電力分野の改革推進に当たる特別目的機関のMyパワー・コープは、電気料金体系の見直し作業を行っており、電力供給に実際にかかる経費を反映させたものにする。ファディラ・ユソフ副首相(エネルギー移行・公益事業相兼任)が明らかにした。

電気料金体系の変更はエネルギー移行・公益事業省がMyパワーを通じ施行するため、電力供給法の改正は不要だ。2025年内の新たな料金体系の施行を目指す。

ファディラ氏は国内発電業の進展状況について、1990年代から行われてきた自由化は競争と効率の向上をもたらし、電気料金を下げる要因になったが、料金は需給に左右されるため、消費者を不安定な料金にさらすことになったと説明した。

ファディラ氏は「電力市場自由化の最大の課題は、電力安全保障、料金の手頃さ、電力供給の持続性のバランスをとることだ」と語った。このため電力供給改革、電力市場自由化は、消費者、特に低所得層への影響を考慮しなければならないという。

またファディラ氏は、現在、発電会社は従来型および再生可能エネルギー方式を含め2,500社を数えており、政府系テナガ・ナショナルが独占しているという受け止め方は間違っていると述べた。
(ザ・スター、2月2日、エッジ、2月1日)