サラワク州、日本・韓国に24万トンの水素輸出を計画

【クチン】 水素エネルギー開発に力を入れているサラワク州のアバン・ジョハリ首相は、2028年までに日本と韓国に24万トンの水素を輸出する計画を明らかにした。輸出向けの24万トンのほか、水素7,000トンは国内向けにまわす。

アバン首相は、水素エネルギー源があれば同州は間接的に主要発電拠点となり、水素の売上税を通じて州内総生産(GDP)が押し上げられると指摘。「水素を輸出すれば売上税を課すことができ、州の歳入も増加する。さらに我々は再生可能エネルギーの主要生産者になるだろう」と述べた。

サラワク州では2件の水素製造プロジェクトがビントゥル・ペットケム工業団地で2027年に稼働する予定。1件はグリーン水素・アンモニアプラント建設、もう1件は水力発電の電力を使用して二酸化炭素(CO2)の排出を抑えて水素を製造し、輸送効率が高いMCH(メチルシクロヘキサン)に変換した後、マレーシア国外の需要地に海上輸送するというもので、住友商事やENEOSが参加している。
(バイブス、5月5日)

在マレーシア日本大使館、公式インスタグラムの運用を開始

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 在マレーシア日本国大使館は6日、公式インスタグラムアカウントを開設したと発表した。

URLはhttps://www.instagram.com/japaninmalaysia/。同館が運営する公式フェイスブックページや髙橋克彦大使の公式Xアカウントに続くもの。日本・マレーシアに関わる最新情報や、同館主催・共催イベントなどの情報を積極的に発信していくという。日本の国費外国人留学生制度で龍谷大学の博士課程に留学中のマレーシア人学生の紹介や、髙橋大使がクアラルンプールのモスク「マスジット・ジャメ」を訪問した際の様子など、画像や動画がすでに上がっている。

政府、イオンなどと共同で住宅用ソーラーパネルの設置促進へ

【シャアラム】 ファディラ・ユソフ副首相兼エネルギー移行・水利転換相は6日、エネルギー移行・水利転換省がイオン・マレーシアなどの民間企業と共同で、住宅用ソーラーパネルの設置推進に向け、「ソーラー・ボレ!(ソーラーシステムならできる!)」プログラムを実施すると発表した。

ファディラ大臣は同プログラムをイオン・マレーシア、シンパナン・ナシオナル銀行、太陽光発電のSOLSエナジーと共同で実施するとし、全国のイオン店舗で簡単に太陽光発電設備の設置を申し込めるようになったと述べた。従来は住宅用太陽光発電設備の費用が比較的高額だったため、資金に余裕のある家庭のみが導入可能だったが、手頃な価格にすることで、今後はより多くの人々が導入できるようになるという。「ソーラー・ボレ!」プログラムは、4月に導入された、住宅屋上での太陽光発電システムの設置を促す優遇措置「ソラリス(SolaRIS)」を補完するものだとしている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、5月6日)

イオンバンクがビザと提携、「デジタル決済を転換」

【クアラルンプール】 国内初のイスラム式デジタル銀行のイオンバンクは、米系決済カードブランドのビザとの戦略的提携を発表した。デジタル決済・キャッシュレス取引に転換をもたらすという。

提携第一弾として両社は「イオンバンク×ビザデビットカードi」の提供を開始する。この後、多様なデジタル決済のソリューションを提供するという。
イオンバンクは声明で「銀行サービスが行き届いていない地域の住民、銀行口座を持たない人にも容易に利用可能な、イスラム法にかなった金融サービスを提供する。顧客はビザの広範な商店ネットワークを通じ多様な便益を手にすることができる」とした。

ビザのカントリーマネジャー、ン・コンブーン氏は決済ビジネス、消費者需要、決済技術はかつてない速さで進化しているとし、イオンとの提携でビザも変化に対応した進化が可能になり、決済に転換をもたらすと述べた。
(ザ・サン、5月7日、テクノード・グローバル、デジタル・ニュース・アジア、5月6日)

住商、マレーシア最大のクリニック事業者の筆頭株主に

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 住友商事(本社・東京都千代田区)は7日、マレーシアで民間医療クリニックを経営するケアクリニックス・ヘルスケア・サービシズ(CCHS)への出資を拡大し、筆頭株主となったと発表した。今後は東南アジアの民間医療・クリニック事業に本格参入する。

CCHSは、マレーシアで104カ所のクリニックを運営する最大の民間医療グループで、年間延べ約200万人の患者数を有し、地域に根差したプライマリケアサービスを提供している。住友商事は2020年にCCHSに出資参画した。

住友商事は声明の中で、CCHSに対し成長資金の提供に加え、戦略策定、事業開発・内部統制等の体制強化などの支援を実施しており、今後は2026年までに300カ所への拡大を目指し、マレーシアにおける強固な事業基盤を確立していくとしている。また他国へのクリニック展開や、グループ会社SCヘルスケア・ホールディングスが展開するマネージドケア事業との連携を通じ、東南アジアにより良い医療サービスを提供しながら、ヘルスケア事業の拡大を目指すとしている。

ドミノピザがサラワク州初進出、クチンに3店舗同時開設

【クチン】 米宅配ピザチェーンのドミノ・ピザは、サラワク州クチンに3店舗を同時オープンし、サラワク州に初進出した。

4月29日にメトロ・シティ店、TT3タブアン・トランキリティ店、ジャラン・グリーン店を開設した。店舗スタッフとして100人以上のサラワク州民を採用し、ピザ作りから店舗管理、注文の取り方、配達に至るまでの店舗運営全般を学べる3カ月間の集中トレーニングを行った。

オープンを記念した、サラワク州のみの期間限定キャンペーンを実施し、レギュラーサイズのピザ2枚を30リンギで、1人用ピザセット「ボックスク」を9.9リンギで提供する。

ドミノ・ピザ・マレーシアのリンダ・ハッサン最高マーケティング責任者(CMO)は、サラワク州への進出により、「東南アジア最大のドミノ・ピザ市場」としてのマレーシアの地位が確固たるものになったとし、マレーシア進出後27年で国内店舗数が272店舗にまで増加したと述べた。また、サラワクで雇用機会を創出できることを嬉しく思うとし、今後も多くの従業員を迎え入れ、地域経済に貢献していくとした。
(ボルネオポスト、5月3日)

中国南方航空、6月20日より広州ーペナン線を週14便に倍増

【ジョージタウン】  中国南方航空は6月20日より、中国・広州ーペナン線を現状の週7便から週14便に倍増させる予定だ。

州観光創造経済委員会のウォン・ホンワイ委員長は、増便はペナンの観光産業や中国との貿易を強化するものだとし、航空会社5社(中国・厦門航空、同吉祥航空、香港・キャセイパシフィック航空、バティックエア、エアアジア)が中国ーペナン線を就航していると述べた。吉祥航空は5月31日から上海ーペナン線の週4便の運航を開始する。

ウォン氏はまた、今後、中国からの観光客の大幅な増加を見込んでいるため、州政府は各種観光商品の提供など、必要な準備を整えていると述べた。2023年12月に始まった中国の観光客対象ビザ免除が観光客の増加の主要な要因だとし、今年1-3月にペナンを訪問した中国人観光客数は2万2,420人となり、前年同期の4,768人から4.7倍に急増したとしている。
(マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、5月3日)

ペナン州、独自のIC設計パークの設立計画を発表

【ジョージタウン】 ペナン州政府は4日、同州バヤンレパス工業団地における総面積42.5万ヘクタールの集積回路(IC)設計・デジタルパークの設立計画を正式発表した。2023年にすでに開発に着手しており、マレーシアの「シリコンバレー」としてのペナンの地位を強化する。

第1期では「GBSバイ・ザ・シー」及び「GBSテック・スペース」のオフィスビル2棟が建設される。総面積は35万平方フィートで、投資額は3億4,700万リンギ。今年第4四半期の完成が見込まれている。また第2期では「GBSテクノプレックス」が3億800万リンギで建設される。面積は50万平方フィート。2027年までの完成を予定している。

チョウ・コンヨウ州首相は「50年にわたる卓越した産業を頼りに、ペナンは東洋のシリコンバレーとしての地位を固めるべく着実に進歩している」と言明。IC設計を推進するために、ICパークのオフィススペースのレンタル料金に補助金を出すほか、さらなるインセンティブ・パッケージを準備していると明らかにした。

IC設計ハブについては先ごろ、セランゴール州プチョンにおける4万5,000平方フィート規模の開発計画が発表された。2024年7月の操業開始を目指しており、▽ソフトバンク傘下の英アーム▽台湾系ファイソン・マレーシア▽スカイチップ▽中国・深セン半導体産業協会ーーの入居が決まっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、ベルナマ通信、5月4日)

クラン港で大混雑、コンテナ船は9時間を超える長時間待機

【クアラルンプール】 セランゴール州クラン港のコンテナターミナルで混雑が発生しており、コンテナ船の待機時間は最長9時間に及んでいる。イスラム組織ハマスとの連帯を掲げるイエメンの反政府勢力、フーシ派による船舶への攻撃で多数の船舶がスエズ運河を避け、アフリカの喜望峰を回るルートへの迂回を余儀なくされているためだ。

クラン港湾局(PKA)のスブラマニアム長官によれば、平均待機時間はウエストポートが9.3時間、ノースポートが1.9時間。ルート変更で航海日数が増え、海運会社は航海日程に遅れないよう一部の港への立ち寄りを省かざるを得ず、このため一部の海運会社はクラン港で降ろす貨物を増やしている。これらの貨物は域内港湾に輸送される。

このためヤードでの混雑が特にウエストポートで増している。ガントリークレーンを増やすなどPKAは港湾運営業者と協力しコンテナ処理の円滑化を図っているという。ウエストポートは水深17.5メートルの大水深ターミナルを有する。

クラン港の1-4月の寄港船舶数は4,575隻で、前年同期より5%少なかった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月5日)

高橋農水政務官とアーサー副農業相が協議、二カ国協力などで

【プトラジャヤ/クアラルンプール】 農業食糧安全省は3日声明を発表し、マレーシアを訪問した高橋光男 農水大臣政務官とアーサー・ジョゼフ・クルップ副農業食糧安全相が二国間貿易協力、農業分野、ハラル(イスラムの戒律に則った)ハブとしてのマレーシアの役割について協議したと明らかにした。

アーサー副相は研究分野での日本の技術協力を歓迎し、既存の二国間協力を通じて技術交流が合理化されることへの期待を表明。また日本産農林水産物・食品の輸出に取り組む輸出事業者を包括的・専門的・継続的に支援する「農林水産物・食品輸出支援プラットフォーム」について、より多くの日本企業がハラル市場に参入し、ハラル認証を取得する機会を得られることが期待できる」と評価し、同省がこの取り組みを支援する用意があると述べた。同副相は、高橋政務官に対し、マレーシア農産品の品質を向上させるための日本の支援を求めたという。

高橋政務官は、2日に開催された「農林水産物・食品輸出支援プラットフォーム」の立ち上げ式に出席。記者団に対し、日本産品では牛肉や水産物の輸出が伸びており、健康志向の高まりを背景に日本茶や健康食品の人気も高いと述べた。
(ベルナマ通信、5月3日)