ペトロナス傘下ジェンタリ、ビルタと協業で域内EV充電網拡大へ

【クアラルンプール】 国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)のクリーンエネルギー子会社であるジェンタリは、子会社のジェンタリ・グリーン・モビリティを通じ、電気自動車(EV)充電のフィンランド企業ビルタと提携した。東南アジア全域でのEV充電網拡大を目指す。

ビルタのデジタル・プラットフォームおよび専門知識、ジェンタリのEV充電インフラの配備・運用能力をともに活用する。また、域内EV充電の相互運用性を可能にするため、第三者機関とも協力する。

ジェンタリは2024年2月から国内で「ジェンタリ・ゴー」プラットフォームによる、高出力のEV直流(DC)充電サービスを開始し、タイとシンガポールにも展開している。現時点では3カ国で2,400カ所以上の充電施設が稼働しており、年内にさらに2,000カ所を追加する計画だ。

ビルタは、欧州で10年にわたりEV充電サービスを展開。同社プラットフォーム上で36カ国、1,000以上の充電網が充電事業の管理を行えるようにしてきた。2022年以降、東南アジアにも進出している。

東南アジアやオセアニアでは、地元メーカーや中国メーカーが手頃な価格のEVモデルを提供することでEVの普及が急速に進んでおり、欧米諸国に比べてEV市場の成長が速いと予想されているという。
(ビジネス・トゥデー、リニューワブル・エナジー・マガジン、ポールタン、6月25日)

「不買運動は地元産業にプラス」国内取引相が容認発言

【クアラルンプール】 イスラエルのパレスチナ・ガザ地区への侵攻を受けたイスラエル関連ブランドに対する不買運動の呼び掛けが続く中、アルミザン・アリ国内取引物価相は、ボイコットが地元企業に商機を与える効果があったと容認する発言を行った。

同発言は25日の下院議会質疑の中で、ボイコットの影響について明らかにするよう求められたのに対して、アルミザン氏が文書で回答したもので、「ボイコット運動は国産品の需要増加に役立ち、イノベーションを促進し地元経済を強化した」と指摘。消費者がイスラエル関連のブランドを避け、地元ブランドに代替品を見つける傾向があるとした。

アルミザン氏は、「地元の起業家は、これらの機会を利用して消費者に自社のブランドを紹介することができる」、 「地元産品の需要が高まっている。地元企業が研究開発に投資してより競争力のある製品をつくるための優遇措置もある」と述べた。

その上でアルミザン氏は、「これらの地元企業は、消費者からの支持を長期的に維持するために、期待される品質基準を保ち、競争力のある価格での提供を続けなければならない」とも指摘した。

イスラエル関連製品ボイコットは、米国ブランドを扱っているというだけで直接資本関係がないにもかかわらずスターバックスやマクドナルドなどのフランチャイズ企業がターゲットにされて売上減に苦しんでおり、事業縮小に伴って地元の雇用が奪われているとの指摘もある。
(ザ・スター、6月26日)

アジアトゥジャパン、日本就職支援でUSM電気電子工学部と提携

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 外国人学生の採用支援事業に携わるアジア・トゥ・ジャパン(本社・東京都台東区)は25日、マレーシア科学大学(USM)電気電子工学部との間で覚書(MoU)を締結すると発表した。就活支援の一つとして8月から電気電子工学部向けの日本語学習プログラムを開始する。

アジア・トゥ・ジャパンは、創業当時からUSMのインターナショナルオフィスと提携を結び、同社主催の面接イベントを通じて数多くの卒業生の日本就職を支援してきた。そのような取り組みへの共感や、「学生の就職の選択肢を増やしたい」という電気電子工学部の学部長の思いがきっかけとなり、今回USMの学部と初めてMoUを単独締結することにつながった。

アジア・トゥ・ジャパンでは、アジアを中心に9カ国1地域にあるトップクラスの大学36校において、理系学生向けに無料で日本語学習プログラムを開講することで、「日本就職のきっかけ作り」に努めている。同プログラムは外国人理系学生の日本語話者育成を目的としており、約1年半かけて日本語で採用面接の受け答えが可能なレベルまで育成し、修了した学生は面接イベントへの参加資格を得られるようになる。

アジア・トゥ・ジャパンは、今回MoUを締結したUSMの電気電子工学部においても、より日本語レベルの高い理系学生の育成、輩出に努めていく方針だ。

ジェトロ、EC市場に関するオンラインセミナーを7月17日開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所は、「マレーシアEC市場概要と越境ECの活用」と題するオンライン・セミナーを7月17日に開催すると発表した。

第1部は「マレーシア経済・消費市場概況」、「マレーシアの EC 市場概要」と題して、拡大が続くマレーシアのEC市場についてその現状やトレンドを2人の講師が説明。第2部は「Shopee(ショッピー)の効果的な運用方法」と題してマレーシアで代表的なECプラットフォームの一つであるショッピーを例に挙げて効果的な越境ECの運用方法について、実際に同プラットフォームの運用経験を有する講師が解説する。

本セミナーはZOOMによるウェブセミナー形式で行われる。申込先のURLは
https://www.jetro.go.jp/events/mak/f30af47c95029864.html

ジェトロKLは、マレーシアのEC市場は新型コロナ禍後も成長を続けており、2025年は2023年比で約20 %の成長が見込まれるとした上で、「本セミナーはマレーシアのEC市場に関心のある方、既にマレーシアへの輸出事業を展開されている方、ショッピーの運用についてご関心のある方などにお勧めの内容となっている」としている。

エアアジアX、KL―ナイロビ線を11月15日に開設

【クアラルンプール】 中・長距離格安航空会社エアアジアXは、11月15日にクアラルンプール(KL)―ナイロビ(ケニア)線を就航すると発表した。エアアジアXのアフリカ本土への乗り入れはこれが初めて。飛行距離は7,223キロメートル、時間は9―10時間で、ジェッダ線を抜いて最長距離路線となる。

機材はエアバス「A330-300」型機を使用し、週4便運航する計画。当面の直行便は週2便で、曜日は未定ながらスケジュールは往路の「D7101」はKL発19時で、ナイロビ着が23時。復路の「D7102」はナイロビ発が深夜0時30分、KL着が15時10分となっている。

エアアジアXは2024年4月、マレーシア航空委員会(MAVCOM)からナイロビ線の航空交通権(ATR)を授与され、2024年10月からの最大週7便の運航が認められていた。

エアアジアXはこのほか、南アフリカ・ケープタウンとエジプト・カイロにも就航する予定。航続距離8,000キロメートル以上のエアバス機の導入を進めており、将来的にはアジアから欧米、アフリカにまたがる大ネットワークを構築する計画だ。
(ソヤチンチャウ、シンプルフライング、エアロルーツ、6月24日)

サンウェイ、大和ハウスとの合弁会社を完全子会社化へ

【クアラルンプール】 サンウェイ60%出資企業のサンウェイ・イスカンダル(SISB)は、大和ハウス工業(本社・大阪府大阪市)の現地法人ダイワハウス・マレーシア(DHM)から、ダイワ・サンウェイ・デベロップメント(DSD)の70%株式を2,550万リンギで取得し、完全子会社化する。

DSDは、サンウェイがSISBを通じて大和ハウスとの間で2015年に設立した合弁会社。大和ハウスの技術を活用し、ジョホール州イスカンダル・プテリで工業化住宅「サクラレジデンス」の建設を行っている。DSDの出資比率は大和ハウスが70、SISBが30で、今回の買収によりDSDはSISBの完全子会社となる。

サンウェイが24日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、今回の買収計画はSISBの全体的な開発戦略に沿ったもので、サクラレジデンスの残り部分には従来工法を採用する予定であり、また同社が自力で「サンウェイ・シティ・イスカンダル・プテリ」を次のフラッグシップ・タウンシップに発展させられるという自信に裏づけられたものだとしている。買収は6月末までに完了する見通しで、買収費用は内部資金で賄うという。
(エッジ、ザ・スター電子版、6月24日)

軽油補助金廃止1週間で販売量が30%減少=第2財務相

【クアラルンプール】 対象を絞ったディーゼル油(軽油)補助金制度実施に伴う小売価格見直しが発表された6月10日から17日までの最初の週で、給油所におけるディーゼル油の総販売量が前週に比べて1日平均800万リットル、率にして30%減少した。

アミル・ハムザ第2財務相が24日の下院議会で明らかにした。給与所での総販売量が減少する一方で、企業が補助金なしで購入するディーゼル油の「商業用」販売が400万リットル増加した。石油小売会社によると、国境地域での販売量も40%減少したという。

これについてアミル氏は、これまでディーゼル油を市場価格で購入すべきだったにもかかわらず、補助金付きで購入していた業者がいたこと、国境で補助金付きディーゼル油が密輸出されていたことを示すもので、補助金が漏洩していたことの証左だと述べた。

マレーシア半島部における一括のディーゼル補助金は6月10日に廃止され、価格は1リットル当たり2.15リンギから3.35リンギに値上がりした。その代わり特定の業者やディーゼル車所有者には月々200リンギの補助金が支払われることになった。

アミル氏はディーゼル補助金制度の変更にもかかわらず、政府は今年のインフレ目標(2―3.5%)と国内総生産(GDP)目標(4―5%)を達成できると確信していると言明した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月25日、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、6月24日)

ハラル関連イベント、百五銀行が7月5日に開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 百五銀行(本社・三重県津市)は、ハラル(イスラムの戒律に則った)ビジネスへの取組みを支援するため、マレーシア投資開発庁(MIDA)と共同で、7月5日に「マレーシア・ハラル・ラウンドテーブルミーティング」を開催すると発表した。

イベントでは、ハラルビジネスマーケットの最新情報についての講演を行い、ハラル食材、オーガニック食材を使用した料理を参加者に体験してもらう。対象はハラルに取り組んでいる事業者、ハラルビジネスに関心ある事業者、ムスリムのインバウンド推進に関心ある事業者などで、定員30名程度 (事前予約制・先着順)。

プログラム第1部は「マレーシア現地のハラルビジネスマーケットの見通し」、「日系企業がハラルを取り組む意義」、「あえて魚のハラル認証を取得する理由」と題する講演と質疑応答で、第2部では、お米と一緒にハラル食材を味わってもらうことになっている。

食品輸出に関するEPAセミナー、ジェトロが7月25日に開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は、マレーシアに日本産食品の輸出を検討している事業者やさらなる販路拡大を目指す中堅・中小の事業者を対象に、7月25日にオンライン・セミナーを開催すると発表した。
マレーシア食品輸出支援プラットフォーム事業の一環として行うもので、在マレーシア日本国大使館が共催する。マレーシア向け輸出で活用できるEPAの枠組みや実際の活用方法、事例について、輸出初心者向けの解説を行う。
予定されているプログラムは、「マレーシア概況/マレーシア食品輸出支援プラットフォーム」、「マレーシアの食品関連状況」、「EPAの概要」、「EPA活用事例と手続き」、「ジェトロ食品輸出支援サービス紹介」で、ZOOMによるウェブセミナー形式で行う。定員は500人。申込URLはhttps://www.jetro.go.jp/events/mak/afb9f5f707dd0bff.html

韓国イディヤコーヒー、年内にマレーシアに3店舗オープンへ

【ソウル】 韓国のコーヒーチェーンであるイディヤコーヒーは、マレーシア企業とマスターフランチャイズ契約を結び、年内にマレーシア国内で3店舗をオープンする計画だ。韓国・聯合ニュースが報じた。

イディヤコーヒーは自社焙煎工場で生産したコーヒー豆を使用し低価格でコーヒーを提供しており、韓国国内では売上高第3位。海外では、米国や香港などの23の国・地域にスティックコーヒーやコーヒー飲料を輸出している。昨年12月にはグアムで初の海外店舗を開設した。

イディヤコーヒーによると、マレーシアにおけるパートナー企業は、レストラン・フランチャイズ企業と流通企業の合弁会社で、年内に3店舗、今後5年以内に200店舗をオープンする計画だ。パートナー企業名については非公表。

ムン・チャンギ会長は声明で、マレーシア市場への参入が、東南アジアのコーヒー市場を開拓する基礎となることを期待していると述べた。
(マレーシアン・リザーブ、コリア・エコノミック・デイリー、6月21日)