【バタワース】 ペナン州政府は、マグロの水揚げ量を増やすため、国際基準を満たす新たなマグロ・深海漁業港の建設を計画している。国営「ベルナマ通信」が10日、州農業技術・食糧安全保障・協同開発委員会のファミ・ザイノル議長(国政の閣僚に相当)の発言として報じた。

新港は、欧州連合(EU)の基準を満たし、マグロ漁業に特化した設備を備える。建設予定地としてバタワース近郊のバガン・アジャムが選定されており、ファミ氏は「新港開発のための土地はすでに確保されている。開発予算は1億5,000万―3億リンギで、資金調達について投資家らと協議中」と述べた。民間からの資金提供と並行して、土地管理局やその他の関係機関からの技術承認が必要で、港の完成は1年半から2年以内の可能性があると付け加えた。

マレーシア水産局のデータによると、昨年ペナンで水揚げされたマグロの総量は43万1,000キログラム(kg)で、775万8,000リンギ相当だった。今年の水揚げは外国船籍も含めすでに145万kg、2,600万リンギ相当に達しているという。またマレーシア船籍がアフリカのモーリシャスで55万kgのマグロを水揚げしている。

こうした状況を踏まえつつ、新港は国際基準を満たし外国船が寄港しやすく、かつ民間商業港より安価で利用できるよう図る。ファミ氏は「新港は稼働開始から5年以内にマグロの水揚げ量を30―50%増加させる」との期待を示した。将来的には、ペナンをマグロ加工拠点として位置付け、外国漁船が水揚げしたマグロを加工し、台湾や日本などの市場に輸出できるようにしていく方針。
(マレーシアン・リザーブ、ペナン・トゥデー、8月11日、ベルナマ通信、8月10日)