【シャアラム】 コンビニエンスストアのファミリーマートは、マレーシア国内の店を現在の465店舗から、2027年3月末までに600店舗へと拡大させる計画だ。マレーシアでファミリーマートを展開するQLリソーシズが28日、明らかにした。

QLリソーシズは2016年、日本のファミリーマートとの間で、マレーシアにおける独占的なフランチャイズ契約を締結。もともと畜産、水産物製造、パーム油、クリーンエネルギーなどを手掛けてきたが、コンビニ事業にも参入した。2025年3月末現在、445店舗を展開しており、そのうち215店舗はハラル(イスラム戒律に則った)認証を受けたファミカフェという。またこの1年で自動販売機型の「FM Mini」48店舗を導入したほか、今年4―6月にかけて新たに20店舗をオープンした。

一方で近年、国内コンビニ業界は韓国系の「CU」や「emart24」が急増、マレーシア発の「BilaBilaマート」などの新規参入も相次ぎ、競争が激化している。さらに、売上・サービス税(SST)の拡大や最低賃金の引き上げ、関税措置の影響、店舗賃料の高騰などの外部要因もあり、経営環境は圧迫されている。

QLリソーシズのチア・リクカイ社長は同日開かれた年次株主総会後、店舗平均売上高の減少により、売上高は前年同期比6%増にとどまったと説明。「製造部門などに比べ利益率も低く、1桁台半ば」としつつ、長期的には成長を牽引する戦略事業とした。その上で、店舗拡大などを通じ「贅沢品の購入を減らし必需品に重点を置きつつある顧客のニーズに合った商品提供に注力していく」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、8月28日)