ペナン州が固定資産税を大幅引き上げ、村落地の町への格上げで

【ジョージタウン】 ペナン州政府は不動産所有に対する固定資産税を来年から引き上げると発表した。村落地に分類されていたエリアを人口増に伴い町に格上げした結果で、1966年以来の抜本改革だ。

土地所有にかかる固定資産税は26年1月1日、コンドミニアムなど区分所有権の不動産にかかる税は27年1月1日から改定する。都市としての社会基盤を享受している住民に相応の税負担を求めるもので、税収を増やす狙いもある。

都市部の住宅用地の税は1平方メートル当たり0.54リンギから0.7リンギへ約30%、農村地域では同0.22リンギから0.5リンギへ127%引き上げる。

州政府は商工業用地の所有に対する税も26年1月1日から引き上げる。工業用地は1平方メートル当たり1.29リンギから3.25リンギへ152%引き上げ。商業用地は、都市部が3.25リンギへ152%、農村地域が2.8リンギへ201%、それぞれ引き上げる。

税負担軽減のため州政府は26年は32.5%、27年と28年はそれぞれ20%の税還付を行う。これまでの税滞納に対する罰金も来年は免除する。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、9月19日、ザ・スター電子版、9月18日)

焼き芋のnoniiがFHMに出展へ、フランチャイズ展開目指す

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 焼き芋販売のnonii(本社・静岡市)は、2025年9月23日―26日の日程でクアラルンプール(KL)で開催されるマレーシア最大規模の食品関連見本市「フード・アンド・ホテル・マレーシア(FHM)」に出展すると発表した。

日本発の「焼き芋文化」を東南アジア市場へ広げるのが目的。高品質の冷凍焼き芋の輸出提案、現地市場に合わせた芋を使ったスイーツのローカライズを提案するほか、マレーシアおよび東南アジア地域におけるマスターフランチャイズパートナーを募集する。東南アジア市場でのプレゼンスを強化し、現地パートナーとともに「高品質な日本の焼き芋とスイーツ」を広めることを目指す。

募集対象は▽食品・小売業界での豊富な経験を持つ企業▽現地市場への深い理解と強固なネットワークを有する企業▽品質へのこだわりと長期的なビジョンを共有できるパートナー――で、noniiは▽製品製造技術の移転▽店舗運営ノウハウの提供▽継続的な商品開発支援▽ブランド管理・マーケティング支援――といった提供サポートを行う。

noniiは、日本全国から厳選した素材、農家との連携による最適な土壌・産地・栽培方法を選び抜いた高品質なさつまいもを使用した「oimo&coco.」ブランドを国内11店舗で展開している。パティシエと連携した商品開発にも力をいれており、30種類以上のスイーツ・フードメニューを展開している。

新レギュラーガソリン補助制度、マレーシア国民に限定し導入

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は22日、レギュラーガソリン「RON95」の新たな補助金制度を9月30日から導入すると発表。価格は現在の2.05リンギに対し、マレーシア国民は1リットルあたり1.99リンギに引き下げられる一方、外国人などは補助金なしの2.60リンギでの販売になる。

新制度は「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」と呼ばれ、対象は有効な運転免許証を持つマレーシア国民で1,600万人超になる。購入上限は原則、毎月300リットルまで。所得下位40%の層(B40)は28日から前倒しで補助金価格で購入できる。

配車サービスのドライバーなど上限枠の拡大を希望する人は別途申請が必要だが、それ以外の国民は、身分証カード「MyKad」の提示のみで、特に手続きは不要。「タッチ・アンド・ゴー(TNG)イーウォレット」など決済機能のあるアプリを活用し、MyKadを毎回提示することなく購入することもできる。

周辺国で比較すると、▽サウジアラビア2.61リンギ▽インドネシアの3.22リンギ▽フィリピン4.22リンギ▽タイ5.68リンギ▽シンガポール9.02リンギ――で、アンワル首相は「マレーシアより安く販売されているのはブルネイぐらい。不透明な世界経済状況にもかかわらず、マレーシアは国民のために燃料価格を引き下げる勇気を持つ世界で唯一の国」と強調。さらに今回所得階層による区分を設けなかったことについて「マレーシア国民に対する感謝の気持ちを表す取り組み」と付け加えた。

ガソリン補助金については、財政健全化のため、ディーゼル油(軽油)と合わせ対象を限定した形での合理化が検討されてきた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、9月22日)